オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

新形三十六怪撰より 「清玄の霊桜姫を慕ふの図」

2017-08-09 | 新形三十六怪撰

~ 清玄の悲劇は偶然に桜姫の姿を見てしまったことから始まった ~

「清玄桜姫」

 

大蘇芳年画

 

「櫻姫全傳曙草紙」

春爛漫の新清水長谷寺の境内

清玄の眼が艶やかな桜姫の姿を捉えたその瞬間

『一陣の冷風さっと吹きおろして梢の花をちら、し清玄の身体にぞつと冷がつき抜ける』 と

清玄は深い恋の淵に陥ちてしまった。 

一旦その美しさに魅せられてしまった心は、どう足掻いても取り戻しようがなく

かなわぬ想いは次第に募って執愛と化し 『我(われ)執着の一念にて

何処にありとも訪ね出しおもひをとげておくべきか』 と

寺を出るのですが、しまいには亡霊となってしまうのです。


芳年のこの絵、歌舞伎 「桜姫東文章」 からと思われますが

どこの場面を描いているのでしよう。襖に亡霊現る。

女郎に売られ「風鈴お姫」と呼ばていた頃の

桜姫なのかなぁ?

いずれにしてもこの物語も例によってドロドロですね。