オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

月百姿 孤家月

2017-08-23 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『孤家月』

明治二十三年印刷

 

 

 

 浅草寺が創建された頃(飛鳥時代)、この周辺一帯は浅茅が原と呼ばれ

奥州へ向かう街道ではあるものの、見渡すばかりの荒れ地であったという。

 

 

国立国会図書館デジタルコレクション 015

 

異聞一ツ家(ひとつや)伝説

浅茅ヶ原には野盗がおり、旅人を狙い殺人強盗を繰り返していました。

これを観音様が憐れんで、婆羯羅(ばから)竜王と娑羯羅(さがら)竜王を遣わし

老婆と乙女に変身させて野中の一軒家に住ませました。

そして娘を狙って集まってくる泥棒を娘と寝させるようなふりをして寝床に誘い

天井から石を落して頭を砕いて次々と殺し、千人にのぼる泥棒を殺害したので

浅茅ヶ原には泥棒がいなくなりました。

使命を果たした老婆は倶利伽羅竜王になり、乙女は弁財天女になったと云う

観音様の御利益を表した伝説も存在しているようです。

 

出典元:江戸の再発見

 

芳年の絵にある老婆はこのお話ではないのですが

怖い怖い鬼婆伝説ばかりではないようですね。