オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

月百姿 弓取の数に入るさの身となれは・・・

2017-08-22 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『弓取の数に入るさの身となれは おしまさりけり夏夜月』 明石儀太夫

明治二十三年四月印刷

 

弓取り:弓矢を用いることを務めとすること。またその人。すなわち武士。

さの身:そのような身分

 

『武士に数えられる身となったからには 夏の月を見るこの命さえも惜しまないのだ』 と

辞世の句を前に切腹を行おうとする明石義太夫。

明石儀太夫は明智光秀の家臣らしいのですが

太閤記以外にはほとんど資料が見当たりません。

 

国立国会図書館デジタルコレクション 064

 

屏風の虎は加藤清正を暗示しているのでしょうか?

明智光秀の命により明石儀太夫は四王天但馬とともに尼ヶ崎で

羽柴秀吉を待ち伏せするのですが、秀吉が逃げ込んだ広徳寺門前にて

加藤清正により討たれた四王天但馬の屍をみて、もはやこれまでと

此のこと光秀に伝えるべく 田の中を赤裸で逃げ去るなり。

と、絵本太閤記にはあるのがですが。。。

 

月岡芳年と一恵斎芳幾は歌川国芳に師事した兄弟弟子なんですね。