オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

古今名婦伝 「加賀の千代」

2018-06-18 | 豊国錦絵

加賀千代(かがのちよ)は江戸時代中期の俳人。千代女・千代尼とも呼ばれる

元禄16年(1703 - 安永4年(1775

安政6年(1859)出版  歌川豊国(国貞)絵

 

加賀の千代

千代は加賀の國松任にある福増屋六兵衛といえる旅店(はたごや)の娘で

幼き時より風雅の志ふかく 行脚の俳人を家に止宿させて俳諧をたしなむ

廿三才の時京にのぼり 勢刕(せいしゅう=伊勢國)にいたり

麥林舎乙由(ばくりんしゃおつゆう)の門人となり 廿七才のとき再び上京する

そののち薙髪(ちはつ)して千代尼、又素園と云う。

容貌美にして常に閑静を好む

画を北越の呉俊明に学びて草画をよくす

廣く俳士に因みてその名天下に芳ばし

干時(ときに)安永四年九月八日寂す 年七十四 金沢専光寺に葬す

松任の駅聖興寺に碑あり

                  (楳素亭玄魚記)

辞世の句に              

『月も見て我は此の世をかしくかな』