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なんだかパッとしない写真しか撮れなかったのですが。モクレイアには、レイ作りにも使われるイリマの花が群生していました。この花は海岸沿いの、乾燥した地域に咲く花だそうです。ほかの場所でも見たことがありますが、こんなにたくさん咲いているのは初めて見ました。
美しいイリマのレイは、この小さい花を1000枚くらいもつなげて作るもので、一見、オレンジのロープのように見えます。それは手間ひまがかかりますから、1本$30くらいもするでしょうか。イリマは何せ紙のように薄い花なので、1本のレイを作るのに膨大な花が必要なんですね。
王族用のレイだった、と言われることがありますが、正確にいうと。王族以外、身に着けるのが禁じられていたわけではなく、そんな手間のかかるレイなので王族に贈られるくらいしか、作られなかったという方が正しいでしょう。
チャイナタウンにはレイショップが多数ありますが、ある時、某レイショップに5本くらいイリマレイを届ける老人を見たことがあります。売り物のレイは普通、店の中でおばちゃま達が作っているのですが、その時思ったのが、「イリマのレイだけは別物なのかな?」ということ。あの花を仕入れて時間をかけてレイにする代わりに、レイごと買い取っているんだな、と思いました。
そもそも、一度に都合よくイリマを数千枚も仕入れることすら難しいでしょうし。繊細な花なので、長持ちしないでしょうし。…その老人は庭のイリマでレイを作り、レイショップに買い取ってもらっていたのかもしれませんね。
そんなこんなで、モクレイアでイリマの群生を見た時には、ここでレイが作れるかも? と思ったのですが。そんな根気は私にはないうえ、野生の花を無駄にしちゃいけませんしね! ただ目で愛でるだけにしました。
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ちなみにイリマは、オアフ島を代表するレイとして知られます(ハワイの各島ごとに、島を象徴する花、レイがあります)。なので、もしフラダンサーがイリマのレイをかけていたら、オアフ島の唄を踊る時が多いものです。
またイリマのレイには、いたずら好きの霊を惹きつけるというユニークな言い伝えもありますよ。理由はわかりませんが…。なので、霊場や墓地では、身に着けない方がいいそうです。日本的に言うと、狐や狸も、イリマのレイが好きなのかもしれません?
肝心のイリマのレイの写真が見つからなかったのですが、下の写真で、敬愛するロバート・カジメロ様がつけているのがイリマのレイでございます(え? 小さすぎて見えない? ゴメンナサイ!)。4年前のナ・ホク・ハノハノ賞授賞式でのヒトコマなのですが…。あ~、懐かしい!
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