
先日、アヴァについて書きました(こちらで~す)。
そこでは触れなかったのですが、アヴァといえばハワイでは神々の大好物。アヴァの根で作るアヴァ酒はハワイの御神酒のようなもので、特に四大神のカネとカナロアはアヴァが大好きとか。アヴァを探しながら旅する物語が、ハワイ各地に残っています。
アヴァを探す話にもお決まりのパターンがありまして。2人はまずアヴァを見つけ、カナロアが嘆くのです。
「素晴らしいアヴァがあったのに、水がないよ。水がないとアヴァが飲めないよ」
そこでカネが言うのですね。
「水はここにあるさ」
そして太く頑丈な棒で大地をガンガンと叩くと水が噴き出し、2人はアヴァを飲んで大満足、めでたし、めでたし…というのが、そのお話です。
四大神の中でもカネは淡水を司る神であり、こうしてカネが見つけた水源というか泉が、各地に残っているのだそうです(詳しくは幣著「やさしくひも解くハワイ神話」の「カネとカナロアの水探し」の項をご覧ください。P41ですよ~)
さて冒頭の写真で人々がで手にしているのが、カネがいつも水源探しに使っていたオオという棒。オオは昔のハワイで畑を耕すのに使われましたが、今ではもちろんシャベルが取って代わり…。この写真のように、工事前の儀式で見るぐらいになりました。
逆に言えば、着工式にオオは付きものというか、お約束。時には各人が手にするオオにリボンが巻かれていたり。今ではオオ・スティックと呼ばれたりします。
これが日本の着工式なら鍬入れになりますし、米本土ならシャベルですねー。
それにしても。こんな棒1本で畑を耕していた昔のハワイアン、すごいですね。どれだけの労力を費やして、日々の糧を得ていたのでしょう。オオを見ることで、そんなことも何となく感じられる気がします。
(冒頭の写真は、カカアコ地区のコンドの着工式の写真です。ホノルルの市会議員や開発会社の重役が、儀式を司った牧師さんとともにニッコリしています)