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いよいよ始まりましたね! フラ界のオリンピック、メリーモナーク・フェスティバルが! 今年はハワイ島ヒロではなく自宅での観戦ですが、一昨夜のソロ部門(ミス・アロハ・フラ)、昨夜のカヒコ・フラ(古代フラ)部門と、家族で手に汗を握りながら楽しんでいます~。あ、上の写真は昨年のメリーモナークのものですが。
ちなみにハワイアン夫は、フラ界の異端児?のクムフラ(フラの教師)、マーク・ホオマルがお気に入りなのです。カリフォルニア在住の彼は、ギャングさながらのサングラスがトレードマーク。サングラス姿でステージに立ち、ほかのクムフラとは違う変調のリズムでチャントし、フラの打楽器イプヘケ(ひょうたん型のやつですね)も違ったビートで叩く。そのため古典的なチャントが、彼の手にかかると全く違って響きます。しかもイプヘケは側面でなく頭のてっぺんの部分を叩くしで、とにかく伝統的なフラとは違う、革新的なフラのスタイルを貫くことで知られています。なので彼のフラは、すごく賛否両論なんですよね。下の写真はテレビの画面を写したものなので、見ずらくてスミマセン。ダンサーの後ろに写っているのがマークなのですが。
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さて、昨夜のメリーモナークでも相変わらずかっこいい古代フラをみせてくれたマークのダンサー達。女性ダンサーが、カヌーのパドルを手に登場したとたん、観衆は大騒ぎ。彼の振り付けには華があるし、ショーマンシップに長けているので、夫も大喜びで見ていました。
ですが私が興味津々だったのは、ある一点。「はたしてダンサー達はカヌーパドルを床に打ちつけるのだろうか」ということでした。というのも。7、8年前、こんな出来事があったからです。私は会場でメリーモナークを観ていたのですが…。
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その年はマークのハーラウから、男性グループがカヌー・パドルを持って登場して。ダンサー達は激しい踊りに合わせてパドルを何度も床に打ちつけ、ダン! ダン! というサウンド効果も相まって、観衆は大興奮! 会場全体が、興奮の坩堝に巻き込まれた感じでした。…ですが。審査員席のお歴々は、思い~~~っきり顔をしかめて、舞台を見つめていたんです。
後から聞いたことによると、審査員はこう思ったそうです。カヌーのパドルはハワイアンにとって神聖なもの。それを床に打ちつけるなんて何ごと! パドルは槍(これもダンサーがよく持って踊ります)とは違う。槍は打ちつけてもいいが、パドルを打ちつけるなんてとんでもない!
そしてこれも人づてに聞いた話ですが、その批判を耳にしたマークは思ったのですって。人が何て言おうと関係ない! 俺は俺の好きなことをやるよ! …伝統芸能の話ですから、その言葉はどうなのか…。私はそんな風に考えたのを、覚えています。
そして昨夜、マークのダンサーがまたパドルを持って踊ったので、今度はいったいどうするのだろう。私としては興味津々だったわけです。
昨夜見た踊りはやはりアップテンポでキリがよく、ダンサーはパドルを激しく振り回していました。でも。結局最後まで、パドルで床を叩くことはしませんでした! 一度も。よかった~。内心、ホッとした私。
俺は俺のやりたいようにやるサ! あの時はそんな風に毒づいたマークでしたが、本当は違ったのかも。内心では、反省したのかもしれませんね。…異端児ではありますが、マークって本当は素直で熱心な、フラの継承者なのかも。昨夜のパフォーマンスを見ていて、そんな風に感じました。