ハピネスチャージプリキュア!
左:キュアラブリー
右:キュアプリンセス
ある物体が、一直線上を常に同じ速度で動く運動を等速直線運動といいます。下の図では、速度 7m/s で等速直線運動しています。動いている物体に対して外力がはたらいていない場合に、等速直線運動が実現します。
時間に対する速度の変化の割合のことを加速度といいます。単位は m/s2 などです。一直線上を常に同じ加速度で動く運動を等加速度直線運動といいます。下の図では、1秒毎に速度が 2m/s ずつ増えているため、加速度 2m/s2 で等加速度直線運動しています。物体に一定の力がはたらき続けている場合に、等加速度直線運動が実現します。
縦軸に物体の速度v,横軸に時間tをとった座標上に、それぞれの運動の様子をグラフに表すと次のようになります。このグラフのことを「v-tグラフ」といいます。等速直線運動はt軸に対して平行な直線となり、等加速度直線運動は斜めの直線となります。
1.v-tグラフと移動距離の関係
v-tグラフにおいて、グラフとt軸に囲まれた部分の面積(下の図では三角形の部分)は、その物体の移動距離を表します。積分(微小要素を累計して全体量を求めていく演算)と同様の手法を用いて、そのようになる理由を解説致します。
はじめに、上のグラフの三角形を崩して、次のようなグラフを考えるとします。これは、
● 0~5秒の間は速度5m/s
● 5~10秒の間は速度10m/s
で運動したことを意味します。
10秒間で移動した距離は、
(0~5秒の間に進んだ距離)+(5~10秒の間に進んだ距離)
=5〔m/s〕×5〔秒〕+10〔m/s〕×5〔秒〕
=75〔m〕
のようにして算出することができます。下の図のようにグラフとt軸に囲まれた部分に長方形を作り、その形状に着目すると、この計算式の
● 5〔m/s〕×5〔秒〕 の部分は赤色長方形の面積
● 10〔m/s〕×5〔秒〕 の部分は橙色長方形の面積
● 総和の 75〔m〕 の部分は各長方形全体の面積
にそれぞれ一致します。この例では、グラフとt軸に囲まれた部分の面積は、移動距離の値に等しくなります。
次に、グラフの刻み幅を小さくして、次のようなグラフを考えるとします。これは、
● 0~2秒の間は速度2m/s
● 2~4秒の間は速度4m/s
● 4~6秒の間は速度6m/s
● 6~8秒の間は速度8m/s
● 8~10秒の間は速度10m/s
で運動したことを意味します。
10秒間で移動した距離は、
(0~2秒の間に進んだ距離)+(2~4秒の間に進んだ距離)+(4~6秒の間に進んだ距離)+(6~8秒の間に進んだ距離)+(8~10秒の間に進んだ距離)
=2〔m/s〕×2〔秒〕+4〔m/s〕×2〔秒〕+6〔m/s〕×2〔秒〕+8〔m/s〕×2〔秒〕+10〔m/s〕×2〔秒〕
=60〔m〕
のようにして算出することができます。下の図のようにグラフとt軸に囲まれた部分に長方形を作り、その形状に着目すると、この計算式の
● 2〔m/s〕×2〔秒〕 の部分は赤色長方形の面積
● 4〔m/s〕×2〔秒〕 の部分は橙色長方形の面積
● 6〔m/s〕×2〔秒〕 の部分は黄色長方形の面積
● 8〔m/s〕×2〔秒〕 の部分は緑色長方形の面積
● 10〔m/s〕×2〔秒〕 の部分は青色長方形の面積
● 総和の 60〔m〕 の部分は各長方形全体の面積
にそれぞれ一致します。この例でも、グラフとt軸に囲まれた部分の面積は、移動距離の値に等しくなります。
グラフの刻み幅をさらに小さくした場合も上記と同様に、グラフとt軸に囲まれた短冊状の長方形全体の面積が移動距離となります。そして、短冊状の長方形全体の形状が、先ほどの三角形のグラフに限りなく近づいていきます。
このことから、グラフの形状が三角形(に限りなく近い図形)の場合は、三角形の面積として求めたものが移動距離と考えることができます。グラフの形状が台形の場合や、曲線を含む場合においても、同じことがいえます。
以上より、グラフとt軸に囲まれた部分の面積は、物体の移動距離を表していることが示されました。
2.等加速度直線運動に関する関係式
物体が初速度,加速度で等加速度直線運動しているとします。
:速度
:初速度
:加速度
:時間
:移動距離
時間がt経過したときの速度vは次の式で表されます。
前述のとおり、グラフとt軸に囲まれた部分の面積が移動距離を表しています。この図形を点線の箇所で2つに分けて面積すなわち移動距離を算出すると、時間がt経過したときの移動距離xは次の式で表されます。
上記2式よりtを消去すると、次の式が得られます。
3.あとがき
ここで紹介した内容は、物理の運動に関する重要事項です。これを応用して自由落下運動や水平投射,斜方投射などを考えていくことができます。
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