可愛がっていたペットの豚が死んでし まったので、その毛を使って、赤ちゃん筆のような記念の刷毛を作ってほしいと言う依頼でした。刷毛製作で豚の毛も扱っているのでできない事も無いだろうと、引き受けたのですが、依頼者から届いた毛は刈り取ってビニール袋に入っていましたが、毛の方向が一定ではなく左右ぐちゃぐちゃで、毛
の
た毛が非常に多いのにビックリでした。先ずは毛の方向を揃える事が先決。ルーペを使い一本一本方向を揃え、それをキッチンペーパーに包み、鍋で煮沸する事20分。その後藁灰を降り、160℃でアイロンプレスする事18分。その後藁灰にて毛もみをして脂分を抜き再度160℃で18分のアイロンプレス。何とか癖を伸ばし、毛の長さ
を整え、出来上がった毛材の総重量は僅か19gでした。それを使って、12Φの丸筆タイプと同じく17Φの丸筆タイプ、そして36mm幅の化粧刷毛タイプの3種類を作りました。手間隙かけて毛癖を押さえた つもりでしたが、若干の癖が残ってしまったので、落ち着かせる為、習字の筆の様にフ糊で毛先を固めて仕上げました。思った以上に大変な仕事でした。今後また機会があるとしたら、とりあえず依頼者には刈り取った毛は、必ず毛の方向を一定にして保存して送ってほしいと思いました。もし希望の方が見えましたかご相談に応じます。