毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

今も使われているポルトガルの井戸

2025-02-04 08:47:23 | 風景画

ポルトガルではどんな街にも古い井戸が残っていて今でも利用可能なのが嬉しい。自然の水なのだから維持費は少しもかからないのだからこうして残されているのが自然な在りかただろうとおもわれる。日本はそういうものを破壊してすべてのものを有料化するのがお得意だ。車谷長吉さんの文章を引用させてもらえば、

人の一生は、金いう蠍に噛みつかれとうようなものや。めんめらみたいな貧乏人は、ことにそうや。この世は一日たりとも、銭なしには暮らせん。むかしは井戸の水やった。井戸の水は、何ぼ使うてもただや、けど、今日びのようにお上のお達しで、水道の水使うて暮らさなんようになったら、月々何が違うても基本料金だけは、いるがな。水は、命の水や。首根っこ圧えられとうようなもんやがな。基本料金とそれに使うた分を払うために、その分どうしても余分に稼がな、ならんが。基本料金は水道だけやないで、電気、ガス、電話、新聞、TV,教育費、ガソリン代、税金、お医者はんにとられる銭、そのほか数え上げたらきりがないで。今日びは子供を補習塾へ行かせるのんも、スイミング・クラブに通わせるのも、生活の基本料金の内やがな。これが近代生活や。便利になって、楽して、横着して、その分ずつ生活が苦しいになっていくが。銭に責め立てられるが。銭がないことに責め立てられるが。電話引けて便利になって、追いまくられていくが。それでも世ン中の仕組みは、銭を使わせるように、使わせるようになっていくが。そないなっていくさかい、その分だけようけ銭を稼ぎださならんように、なっていくが。みな欲どうしいが。その分だけ世ン中の気風は悪うなっていく。みなえげつないが。欲どい人にならざるをえんように、追われていくが。ひいひい言うて、これが新聞に書いてあるナウい生活や。

「抜髪」より

ということになる。僕は全く彼に同感である。だからみんなが貧乏になってゆく。脳みそが空になっていく。

 

 

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Sintraシントラの思い出

2025-02-04 07:47:33 | 風景画

シントラはリスボンから電車で一時間くらいのところにあり世界文化遺産に登録されている美しい街だ。イギリスの詩人バイロンをして天国に一番近い街だと言わしめた古い街だ。僕はここに大きな画廊を構えているJose という画家としたしくなり、一壁を小生専用の展示場として頂戴し作品展示販売ができたのが嬉しかった。よくその画廊に泊めてもらってシントラ観光を楽しむこともできた。まさに絵本の中に登場するようなお城や宮殿がいっぱい存在するのだった。彼の画廊も非常に古い建物で夜中には幽霊が出てきそうな気配だった。ポルトガルにはそんな幽霊が出てきそうな200年、300年の古い屋敷が今でも残っているのだ。

 

 

 

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古いものを残すという思想

2025-02-04 06:36:03 | 風景画

明治神宮の再開発とかで相当数の樹木を伐採すると聞いて情けない思いがした。どうせ利権がらみの工事なのだろうが、日本人は未だにこんなことしか思いつかないのが同じ日本人として恥ずかしくてならない。どうして古いものをそのままに保全しようとしないのか。今は性暴力が暴露されて芸能界とマスコミとの泥沼のような醜悪な絡み合いが暴露されて、世界的な恥さらしに迄発展しているようだ。日本は今でも縦型社会であって民主主義とは建前だけであって実質は古い封建制度で動いている。それはたぶん美術の世界でも同じだろうと考えている。たしか宮尾登美子原作の映画でその実態を見た気がする。日本画の師匠が美貌の女弟子に対し、コンテスト出展をえさにセクハラを働くという内容だった。日本人のこのような体質は日本語に顕著に現れている。外国語を一つでもマスターしてみればいい、日本語ほど尊敬語や謙譲語がうるさい言語は他にない。身分制度やあらゆる差別意識がこれほど巧みに組み込まれている言語は他にない。だから日本人の本質は排他的であって英語を話しているときのような本当に対等という関係作りが難しい。小生は今日本ブログ村に参加しているのだけど国内にこれだけたくさんのブログの供給元がありながらお互いに自由に閲覧コメント記入いいねができないのがはなはだ不便でならない。コメントやいいねをしたいならそのブログ供給先のID を取得せよなんて馬鹿ではないか。

日本の常識は世界の非常識、これは世界に出てみないと本当には分からない。今サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』を読み始めたのだけど、世界の学者の多くは現在日本文化を特有の独立した文明と認めているらしい。しかしながら私見によればこれは日本国内だけに存在する文明で他との交流がないから世界の常識で見れば相当に頓珍漢なことをやっている場合がたくさんある。明治神宮の再開発などは他の先進国なら絶対にしないことだろう。ポルトガルの首都リスボンの中心部では外観を変更する建築物は許可されない。高層住宅などもってのほかでそういうものは郊外にしか建てられない。そしてそういう街は何の感慨も旅人に呼び起さない。

 

 

 

 

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