バス運転士の仕事で、誰でも感じ退職理由にもなり得るものとして、「こんな仕事続けてて、何になるのか?」と云うものがあります。
「毎日同じ作業を淡々と続けているだけで、全く成長を感じられない。」
「マニアル通りのルーティンワークに、ほとほと嫌気がさした!」
「もっと、刺激的な毎日を過ごしたい!」
「そうだ!ベンチャーに就職しよう!」
こう言って転職した若者が、数年後バス業界に舞い戻る何て云うことは、よくあることです。
そもそも、売り上げをあげる仕組みが完成し、ルーティンワークで仕事ができる環境は、世の中的に超貴重なのです。
創業したてのベンチャー企業は、そこを目指して、日々奮闘しているのです。
ベンチャー企業の垂涎の的が、ルーティンワークで仕事が成り立つ環境です。
その環境を捨てて、ベンチャー企業に就職することは、若いうちは良い経験で済むかもしれませんが、中高年の場合は、愚かな選択と揶揄される場合が多いです。
ベンチャー企業の仕事は、トライアンドエラーを100回繰り返して、初めて1回成功することを、ひたすら繰り返し、1つ1つ成功を積み上げていくことです。
100回のエラーから1つの成功、90回のエラーから1つ、80回のエラーから1つ、…
甘く見積もっても、10個の成功を得るためには、550回のエラーに耐えなければいけません。
対してルーティンワークは、1回のトライで、1回の成功を得ることができる環境です。
私は、ベンチャー企業家を批判や軽視しているのではないのです。
ただ、今の不安定なご時世で、安易な気持ちで飛び込むべき世界では無いと云いたいのです。
飛び込むなら、社長と心中するぐらいの覚悟がなければ、今のベンチャーは勤まらないと云いたいのです。
甘い環境か否かは、本人次第です。ルーティンワークの環境下でも、向上心を持てば、その仕組みや成り立ちを真剣に考えることが出来ます。
その中で、向上するべき課題を見付けて取り組むことも出来ます。
それだけでも、他の人間とは大きく差をつけたことになります。
一見ルーティンワークの環境下でも、10年やれば妖精が見えて、20年やれば賢者になれるのです。