ファンスキーのチューンナップ及び補修の
ご注文有難うございました。
▼到着時のスキーの状況
片方のトップエッジが飛び出してしまい、折れ曲がってます。
横から見るとこんな風に
↓ そしてトップ部のデッキごと大きく欠け落ちエッジも変形。
困ったことにむき出しになったエッジが極端に細くなっている事。
こう細くなると、内側に折れ曲がっているエッジ部分を叩き出す
作業中にも折れそうでちょっと心配でした・・。
このスキーボードはインジェクション製法ですから木芯が使われて
おりません。オール硬質発泡樹脂素材でデザインシートの下に
グラスファイバー繊維をサンドしたものですから、大きな衝撃では
欠け落ちてしまい易いという弱点があります。
飛び出したエッジのモールも一部なくなっている部分もありました。
本来こんな大きな負傷時には、スキー本体からエッジを付けたまま
芯材ごと切り取って新しい部材を嵌め込んだ方が手っ取り早くて
綺麗に仕上がります。でもこのスキーボードにはその補修法は
使えそうもありません。木芯が入っていない為、切り出しの際
その樹脂に亀裂が入り割れてしまい適切な切出しが出来ないのです。
治すつもりがますます補修範囲を広げてしまう可能性が高くなるので
インジェクション製法の板には、この補修法は使えません。
幸いエッジも残ってますし、滑走面も端が少し欠けただけです。
中が樹脂ですから水分が入って体積膨張を起こすような心配もないので、
滑走面素材をそのまま貼り戻して活かす方法で補修する事にしました。
◆作業開始
まずはエッジが飛び出した部分の周辺の滑走面を大きく剥がし、
内側から叩き出しやすいように切り開きます。
出来るだけ滑走面素材は、本体そのものを貼り戻す関係で
これ以上裂かないように慎重に剥がします。
エッジの折れた根元の少し下から少しづつ叩き伸ばしながら元の
アーチラインに整形していきます。
内部のエッジモールが捻れ曲がった部分もまっすぐ伸ばします。
伸ばしたエッジと滑走面素材にたっぷり接着剤を流しエッジを
しっかり固定。後は熱を加えプレスします。
そのまま一日自然乾燥。
翌日の朝(25日)、プレスを外しトップ部の掛け落ちたデッキと
割れて落ちそうな部分にも樹脂を流しエッジを形成し接着剤で
がっちりガード。
その後数分間熱風で表面を固め補修は完了。
午後から通常のチューンナップ作業開始し本日夕方仕上がりました。
★仕上がり
デッキ側からの画像を取り忘れ、ラッピングしてから撮りましたので
ちょっと見辛いですがご勘弁下さい。