カテゴリー;short
自作6月期小題【道】 『予感』
目の前に在る、この道。
いつか、どこかに繋がる道。
でも、それがいつ、何処に繋がるかは分からない。
そして、繋がった先に何が待っているのかは決して誰にも分からない――。
*
疲れた、と聞いたその刹那。全ての時が止まったかと思った。
恋のなかで『疲れた』は、その終わりを示す。
そんな思いを抱かせてしまった自分に向け、突き刺さった言葉の刃を抜くこともできず、止まってしまった時のなかに身を置き続けた。
凍てついた心は、更に全てを凍らせてゆく。
どうせ嫌われるなら、死ぬほど嫌われたらいい。
凍った心は何も感じない。
どんなに痛めつけられようが、感じる場所は無い。
世界が鈍色(にびいろ)に、どんよりと歪んで見える。その中に何かが見えている。
これは何?
進むこともできず、ただ佇むしかできない自分に、それが何かを確かめることはできない。
ただ堕ちてゆく気持ちを止める術はない。底なしの沼に沈んでゆくような感覚。そんな時に見えた、道。
これは何?
嫌だ。
ここを進めば、きっと知らない場所にゆく。
動きたくない。行きたくない。
目を覆い、耳を塞ぎ、そして心を固く閉ざす。
この恋だけは失いたくないと、ただそれだけを願っていた。もう戻らない時の流れは、早くも次の運命の場所を探してる。
そして無理矢理、自分を何処かへ連れてゆく。
疲れた…
木魂のように、頭の中に響く言の葉。
現れた、何処かへと続く道。
進むためには一歩を前に出さねばならない。
足は動かない。
誰か、助けて。
背中を押して。
何処へいくのかは分からないけれど。
予感は、吉兆どちらの道だというだろう。
突き刺さった言葉の刃が、再び抜けるとは思えない。失ったものの大きさを、確かめるのは怖いから。
振り返ることもできず、過去に縛られて生きていくのも嫌だ。
助けて。
この道を歩く、強さを分けて。
この凍ってしまった心を温めて。そして突き刺さる、刃を熔かして。
【了】
著 作:紫 草
出演料をいただきたいくらいですw
刺さった刃物を抜くこともできす、目の前の道を進む勇気も振り返る勇気もなく、ただ刃物が溶けてくれるように祈る(何もしない)毎日。本当はもう歩けるはずなのに、もう刃物も溶けているはずなのに、その残滓にさえ怯え、目をひらいて前を見る勇気ごと溶けてしまったかのように。でもそろそろ動かないと。苔生す心になってしまいます^^ まずは右足からw。
出演料ですか?
こんな弱々しい状態でニコタを去られたとは思ってもみませんでした。いえ、少しは何かあるとは思っていましたが、まさか、ここまで打ちのめされる心情だったとは…
出演料は払えないので、どうぞ今度は私… というか、私の作品のなかのお好きなキャラでもディーさんの作品に出演させてやって下さい^^;
そして、どうぞ右足から、次は左足。
赤子が右左と本能で歩いてゆくように、歩いていって下さい。
今回はさらっと、悩む前に書いちゃいました。
お時間のある時にでも読んでいただければ幸いです。
http://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=107214
ではまた^^
暫し、仕事に追われていますので、落ち着いたら読みに伺います^^