天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

松竹座「二月花形歌舞伎」夜の部

2009年02月08日 | 歌舞伎
昨日(2/7)大阪・松竹座の「二月花形歌舞伎」夜の部を行きました。
ひたすら感想を羅列します。
ネタバレもありますので、これから観に行かれる予定の方はご注意下さい。
っていつもこうですが…。

1【吹雪峠】
 吹雪の中の山小屋での三角関係。
 登場人物はわずか3人。兄貴分の妻と密通した男助蔵と、その兄貴分直吉、
 夫を捨て今は助蔵の妻おえん。

獅童くんの助蔵と七之助くんのおえん、よくはしゃいでました。
愛之助さんの直吉、ひたすらクールガイ。クールすぎ。

私はラブリンのかっこよさに目が奪われ、あまり二人のお芝居が目に入りませんでした。
直吉に命乞いをするおえんが直吉の手を胸元に入れて、それを見た助蔵が
自分には胸がないとおどける演出がありましたが、昔からあったんでしょうか。

2.【実盛物語(さねもりものがたり)】
 百姓の家にかくまわれている源氏の奥方。彼女は身ごもっているため、
 平家の侍が男か女かを確かめにくるが、百姓が拾った女の腕を生んだと行って帰らせる。
 その腕の女、実は…。

始まって10分もたたないうちに、私の目の前が急に広くなりました。
というのも、前のお客さん二人が舟を漕ぎだしたんです。周りをみたらそんな人多数。
別にその人たちを非難する気はありません。
義太夫狂言って、私も見だした当初はよく眠りました。
というか、この種類を避けて見に行ってました

しかしこれは、腕をつなげたら一瞬生き返るとか、首がちょん切れるとか、
最後には馬も出てくるので舟を漕ぐわけにはいきません。
歌舞伎の要素満載で、最後はホロリとなる一度は観ておきたかった演目です。

斉藤実盛の勘太郎くん、立派でした。よかったです。
特に最後の花道で、馬上での見得。太郎吉への思いがこもっているようで。
思わず「中村屋!」と口に出そうでした。

馬はやっぱり迫力ありますね。人二人の上に乗ってしかも動くんですから。
「オグリ」以来、久しぶりに見ました。もっともこの時は空を飛んでましたけれど

死体役小万の亀治郎くん、大変でしょうね。
ずっと横たわってるだけで、台詞は腕をつなげられて一瞬生き返ったときだけ。

瀬尾十郎の男女蔵さん、「いやぁ、左團次さんに似てはるなあ」と思ったら、
息子さんだったんですね。しかも当たり役のひとつだとか。納得
お父さんを追いこすような役者さんになっていただきたいです。
私の中でこれから注目の役者さんになりました。

3.【蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)】
 病床の源頼光の命を狙う女郎蜘蛛の精が様々なものに化けては
 寝所に入り命を狙おうとする。
 私の好きな早替りあり、常盤津と長唄の掛け合いの舞踊劇。

童、薬売り、番頭新造(遊女?)、座頭、傾城、蜘蛛の精と亀治郎くんが6役の早替わり。
あっちに消えたかと思うと、こっちから出てきたり。

童姿の亀治郎くんがすっぽんから登場したときは、まるでお人形さんみたいで
かわいかったです。「ひゃ~」という声が多数聞こえました。
当然わたしもその一人。

薬売りと傾城の衣装が、蜘蛛の模様なんです。
特に傾城のときの内掛け(?)が銀の糸で蜘蛛の巣が広がった柄で、なかなかおしゃれ。
私着てみたいです。

ラブリンの平井保昌はかっこよかったです
押戻のラブリンは私は初めて(多分)見ましたが迫力満点、上手いです。
最後に少ししか出てきませんが、ものすごく印象に残りました。

最後は花形7人勢ぞろいでの絵面、いつもの浮世絵の世界。ぞぞぞぞぞっ~。

亀治郎くんは段四郎さんの息子さんですが、猿之助さんにそっくりでした。
声とか姿とか。久しぶりに彼を見ましたが、猿之助さんを思い出してしまいました。

常盤津さんの中に、すごく女性のような声の方がいらっしゃいました。
どなたなんでしょうか。もう一度聴きたいです。

4.「おまけ」
 なんと、今回カーテンコールがありました

私は当然スタンディングオベーションです。
7人全員で手を振ってくださり、しかも獅童くんは投げキッスまで…。
横のおばさまは「シドーやりすぎ。」とボソッと。
後ろの若い(多分)女の子は「きゃぁーむっちゃうれしい。」
半分泣き出しそうな感動の声をあげてました。
まあ、感じ方はヒトそれぞれということで…。

今回約1年ぶり、歌舞伎のラブリンは2年ぶりでしたが、
やっぱり歌舞伎は最高です

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