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月子のティーハウス
(moon child's tea house)
第1話 さくら
陽光が輝きを増す5月の朝
ティーハウスの前には、山吹の花が咲いている
エントランスを掃除するため、月子はドアを開けた
1匹のきじねこがいた
「入っていい?」きじねこが尋ねた
「ええ、どうぞ…」月子は答えた
きじねこはするすると入り、朝日のあたる窓辺に行った
ホウロウの深皿にミルクを入れ
バターココナッツと共に、月子は差し出した
「ありがとう」
きじねこはミルクを飲み、バターココナッツを食べた
(シャクシャク、シャクシャク)
きじねこは話し出した
「僕には名前がないんだ、僕は名前がほしい」
ガラスボウルに水を注ぎ、もう一度月子は運んであげた
「名前がないの?」月子は尋ねた
「僕は野原に捨てられた」
「それから網に入れられて眠ってしまった」
「目が覚めたら近くにいたの?」月子は話した
「…そう」
月子は、きじねこの耳を見ていた…
「さくらくんでどう?」月子は問いかけた
「うん、さくらがいい」
きじねこ(さくら)は、うれしそうだった
「ありがとう、それからごちそうさま」
ティーハウスを出ると、さくらは雑草の中に消えて行った
拙いブログ記事ですがよろしくお願いいたします
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くれぐれも体調お気を付けください