ミュウタントのブログ

日本国憲法第9条は地球人類の宝、それを改悪するための日本国憲法第96条の改正に反対!

ひどすぎる実態 関心を持ってほしいので転載しました

2008-02-12 14:56:00 | インポート
CS放送の朝日ニュースターの番組から、印象に残った御見解や情報を集めました。登場なさるのは次の方々です。

二木啓孝氏 (ジャーナリスト、元日刊ゲンダイ編集長)

荻原博子氏 (ジャーナリスト)

金子勝氏 (慶応義塾大学教授、番組キャスター)

中村うさぎ氏 (作家、番組司会者)

雨宮処凛氏 (作家)

山本譲司氏 (元衆議院議員、福祉活動家)

石田英敬氏 (東京大学情報学環教授)

アメリカの政策によって戦後アフリカに何が起こったか。ワーキング・プアー層をさらに追い詰める貧困ビジネスの存在。日本では如何に多くの障害者が刑務所に入っているか、諸外国の刑務所はどうなのか。

興味深い部分をお伝えいたします。各氏の御発言はなるべく正確にお伝えしますが、文中や文末のですます調などは省かせて頂く場合があります。

12月29日(土)、「愛川欽也 パックイン・ジャーナル」より、「ブット元首相暗殺」についての議論での御発言

二木啓孝氏:  このあいだ、アフリカから日本に来てるインテリで日本語しゃべれる人の話をしてたら、「日本人はどうしてアメリカをあんなに信用するのか」と言うわけですよ。まあ彼もその国で育って日本に留学して来た人なんですが。

「アフリカで戦後、リーダー、アメリカによって50人、殺されてる」ってわけですよ。「だから気に食わない政権の時は、必ず殺す国なんですよ」と。日本はそういう事はたまたまなかったからなんだけど、「アメリカの認識は、そう思ってください」と。

で、いまアフリカでその・・・クーデターとかなんとか、内紛が起きたり経済問題っていうのは、実はアメリカが撤退したその後始末をアフリカのリーダーがやってるんだと。気に食わない国のリーダーを殺す国だっていうことを知って下さいっていう訳ですよ。

荻原博子氏:  でも日本でも橋本さん・・・、橋本さん代えられたんじゃないですか?

二木啓孝氏:  んまあ、殺されてはいないけど。

9月22日(土)、「ニュースにだまされるな!」より、ワーキング・プアー問題と貧困ビジネスについて

金子勝氏:  政府は格差是正っていうんだけど、どういう格差をなくすのか見えてないでしょ。

僕ね、なんで雨宮さんと山本さんに来てもらったかっていうと、生活保護世帯とか国民健康保険料を払えない世帯、教育テレビなんかでインタビューしてそういう問題をえぐる企画を何度かやってみたんですけど、みんな出たがらないんですよ。

結局、「格差、格差」って言われてるのは、メディアには本当に苦しい人たちは・・・、出ない! だからホントが見えない。だからホントを覗いた人に来てもらって、実態はどうなのか話してほしいと思って。



中村うさぎ氏:  そうなんですよね。リアルな話がなかなか届いて来ないから。先ず雨宮さんはワーキング・プアーの実状を「生きさせろ」という本に・・・、世間に訴えられたわけですけど、実際のところどういう感じの人々がどういう生活をしてるんですか。

雨宮処凛氏:  格差っていうよりもホント貧困・・・、貧困者とか生活困窮者と言ったほうがいいと思うんですね。私が取材してびっくりしたケースでは、7年間ネットカフェに住んでいて、

金子氏:  7年間!

雨宮氏:  7年間です。だから2000年から既にいたんですね、ネットカフェ難民が。昼はフルキャストの日雇派遣のバイトに行って、日払いなのでその日の6千円とか貰って、でも毎日仕事にありつける訳じゃないので月収が8万円くらいで、ネットカフェにも毎日は泊まれないので週に3日は夜中じゅう歩き通しで、ずーっと歩いて京浜東北線の始発が動き出したらそれに乗って、大宮から何処かまでずーっと往復して、それで昼に仮眠をとるという生活を7年していたという人が・・・

うさぎさん:  はーあ、電車の中で寝てるんだ。

雨宮氏:  ええ。本人たちも泊まれなくて動き回ったりしてるし、気付かれないようにちゃんとシャワーも浴びて清潔にしてるし、もちろん働いてますよね。働く意欲もあるけれども、先ず住民票が・・・住所がないので定職に就けないし、1回その日雇仕事になってしまうと、月給仕事に移れないんですよね。

最初の給料までの生活費がないので、15万でも貰えれば・・・。1回日雇仕事になってしまうと、絶対に生活保護でも受けないと、出来ないんですよ。仕事が折角決まっても、行く交通費がないから行けなくなったり、そこで逆にいうとサラ金に頼ったりしちゃって、多重債務者化してしまう。

ひどいのは、日雇派遣の会社で大手のところなんだけど、登録するとIDカード発行されて、それがないと働けないんですけど、それがサラ金のカードになってるんですね。それでキャッシングできるので、もうピン撥ねされた上に、借金漬けにされるっていうのが・・・、人材派遣会社の大手が普通にやってることなんですよねぇ。



うさぎさん:  人材派遣会社がそんな・・・、サラ金と結託してるんですか!?



雨宮氏:  はい、そうです。

金子氏:  なんかパチンコ屋の隣に必ずキャッシングマシンがあるっていうのと、似てるね。

雨宮氏:  ええ、そうですね。だからもう「貧困ビジネス」と呼んでるんですけど、そういうのは。だから彼らの貧困で不安定な生活自体がすごいマーケットになっていて、それで儲けてる人たちがたくさんいるっていう・・・。

金子氏:  江戸時代の農民みたいだね。吸血鬼に吸いつかれてるみたい。

うさぎさん:  そう。なんか山椒太夫みたいな話ですね。こう結局、ずっと搾取されて、死ぬまでみたいな・・・。

金子氏:  それはどういう事がきっかけで、そういう事になるんですか。

雨宮氏:  先ず、私もなんですけど、就職氷河期世代なので、90年代初頭以降に就業年齢を迎えた人達っていうのは、かなりのパーセンテージで非正規雇用。そこで先ず景気回復を待つかたちで正社員になるまでフリーターなり派遣をやろうと思って、二十代すべてをフリーターで過ごしてしまった人が多いんです。

けっきょく企業は1回フリーターになった人は採ってくれないんですよ。経団連も、1.6%の企業しか積極的に採用しないって・・・。そこで非正規雇用が長期化して、三十代になっても四十代になっても、時給制なので全然・・・

金子氏:  年取れば取るほど不利ですよね。

雨宮氏:  ええ。もうバイトすら採ってくれない。

金子氏:  ホームレスだよねぇ。

雨宮氏:  はい。広義のホームレスです。とにかく一旦その非正規に入ってしまうと、いつネットカフェ難民になってもおかしくないし、非正規だとよく敷金・礼金なし物件に入っちゃうんですけど、ああいう物件って1日家賃滞納で追い出されるんですよね。

それも貧困ビジネスの一つなんですけど。だから非正規雇用っていう働き方をしている限り、どっかの貧困ビジネスに引っ掛かって、必ずホームレス化するように仕向けられてるというか、それに至るまでの過程でいっぱいむしり取られるようにマーケットがこう・・・手薬煉を引いてるような状態なので。


金子氏:  うっわー!


うさぎさん:  すーごいねぇ!


金子氏:  市場が弱者と強者を分けるんじゃなくて、落ちた人に! 貧困ビジネスっていうのがあるんだ!

雨宮氏:  やっぱり一番大きいのは派遣法の改正だと思いますね。ここまで解禁されて・・・、ネットカフェ難民が増えたっていうのは、製造派遣が解禁されたら、やっぱりネットカフェ難民になるのが当たり前の話で。

地方からいま人攫いみたいにして派遣会社が人を集めて来て、愛知の(!)工場とかにつっこむんですけど、寮生活で、でも1ヶ月毎の契約だったりするので、でも来るときには「半年以上働けるよー」とかって言われて、北海道とか東北から連れて来られて。でもいざ行ってみると1ヶ月働いたら「もう3日後には辞めていいよ」みたいな感じで、「寮も出てって」って言われたら、仕事と寮を同時に失うので、ネットカフェにとりあえず行って、都会で仕事を探すみたいな・・・



金子氏:  あっ、それよく解かるわ。



雨宮氏:  製造派遣経由の人が多くて、帰るお金ないんですよ。なんでかっていうと、半年以上働かないと、往復の旅費が自己負担だったりするんですよ。だから北海道から愛知まで来ちゃったら、10万円くらいの借金を背負っちゃうような状態で。しかも手取りで12万くらいしか稼げないので。それも、もろ貧困ビジネスで。



金子氏:  バスでさ、大量に若い人を製造業のところに連れてくシーンはテレビに映るけど、そこまでは報道してないですよね。

雨宮氏:  そうですね。

金子氏:  で、何故1ヶ月かっていうと、何ヶ月か働いちゃうと社会保険を与えなきゃいけなくなっちゃう。

うさぎさん:  あー、だから1ヶ月で切っちゃうんだ! すごいですね。弱者はとことん吸い取られて。

9月22日(土)、「ニュースにだまされるな!」より、累犯障害者について

うさぎさん:  一方、知的障害者に関しては山本さんに語って頂きたいんですが。(山本氏の著書を取り出しながら)この「累犯障害者」っていう聞き慣れない言葉ですけど、知的障害者が社会福祉を受けることもなく、けっきょく犯罪に巻き込まれたり利用されたりして、彼らが刑務所に入ってるという・・・。

山本譲司氏:  そうですね。刑務所に入ってる人達だから加害行為を行ってるんですが、その人の人生を振り返ってみたら、だいたい9割は被害者として生きてるような人達なんですよ。

わたし実は6年前、府中刑務所というところに収監されてました。あそこで暮らしましたけどね、あそこはねぇ、前すら通りたくなかったんですが、日本最大の刑務所だから、この間ちょっとお邪魔したんです。中をずーっと回ったんですけど。

あそこはもともと極道系の人たちが多く収容されてる、「懲りない面々」という舞台になった刑務所ですよ。私が6年前に居た時もやっぱりそういう・・・肩に芸術的な龍がいたり般若がいたりという人達が多かったですよ。

今年行きましたらね、今2700名の日本人受刑者のうち、まあプラス600名の外国人受刑者がいるんですが、刑務所っていうのは称呼番号、受刑者にそれぞれ・・・私1715番という番号だったんですけど、番号の前に必ずアルファベット一文字付くんですね。

私はA。初犯者でしたからAの1715番。累犯者の場合はB。だから府中刑務所の場合は必ず(?)最初にBが付くんですけど。そのあとにMとかPが付くんです。Mはメンタル。だから精神・知的障害者。Pはフィジカル。

うさぎさん:  身体障害者。


山本氏:  日本人受刑者2700人のうちBMといわれる累犯の知的・精神障害者が15%なんですね。BPといわれる人。累犯身体障害者。これが28%、約3割。これだけじゃないですよ。BMPといわれる人。

うさぎさん:  あー、全部だ。

山本氏:  累犯の知的・精神・身体障害者。これが15%。まあ従って日本人受刑者の6割が何らかの障害をもってる。それプラス高齢者ですよ。

まあ日本の刑務所っていうのはね、外国の刑事司法の学者なんかから笑われてるんですけど、もう突出して高齢化率が高いんです。

金子氏:  うーうぇーー・・・

山本氏:  高齢化率はいま14%か15%。アメリカやヨーロッパの国では、せいぜい2%、3%ですよ。

金子氏:  若年層の犯罪が多いですよね、あの・・・欧米は。


山本氏:  そうですね。日本は非常に少ないですよ。少年法、改正されてますけど、日本は少年犯罪も減って来てます。ずーっと減って来てますけど。

金子氏:  障害者と高齢者っていったら、生活保護と重なるじゃない!


山本氏:  全くそうです。高齢者はほとんど累犯者ですよ。だから日本社会の場合は、一度刑務所に入っちゃうと、そのあと非常に社会復帰しづらい社会。まあその証左じゃないかと思うんですけど、日本の刑務所の高齢化は。

金子氏:  確かに。そっちは解かるけど、障害者がそんなに多いっていうのは、想像できなかったなぁ。

山本氏:  非常に多いですね。まぁこれはね、刑事司法の問題もあるんですけど、いま非常にその・・・殺伐とした・・・、刑事裁判なんか私よく傍聴に行きますけど、裁判官がね、こういう人たちを異端扱いするわけですよ。危険人物視、ある種の社会防衛ですよ。


うさぎさん:  はーあ。

山本氏:  どうもこの・・・自分とは違う人たちに対して・・・おっかなさを感じてるような感じがするんですね。


金子氏:  おーぉ、わかるわかる。

山本氏:  だから・・・非常に理解しづらい人達ですよ。だけど理解しづらい人達を、理解しようともせずに勢い理解しづらい事をやっちゃうんじゃないかと。刑法も変ってますから、厳罰化のほうにね。

よってその彼らに対する刑務所の入口は、どんどん広まっていく。一方で仮釈放の許可が非常に厳しくなっている。出口が狭くなっている。だからどんどん溜まる。まあ、そういう事かなぁと思ったんですけどぉ、


うさぎさん:  けどぉ!


山本氏:  けどぉ、私自身の経験・・・障害のある受刑者たちと1年2ヶ月間くらしてました。彼らと接した中で、まあいま感じるのは、厳罰化によって彼らが刑務所に入ってるというよりも、要は彼らは保護されてるんですよ、刑務所の中で。社会のなかに行き場がない。

うさぎさん:  うん!


山本氏:  ですからセーフティーネット、ボロボロなんですよ、この国は!


金子氏:  うん!


山本氏:  まあ幸いね、誤解を恐れずに言うとね、彼らね、無銭飲食やっちゃったんですよ、立派なことに! 従って生き延びてるんですよ。司法ネットに救われちゃったんですね。で、刑務所のなかに溜まって・・・


うさぎさん:  なるほどね。

金子氏:  あーぁぁぁ、要するに生活保護もどんどん切り下げてるし、どんどん追い出されていて、犯罪積み重ねて刑務所いけば、3食・寝る所・・・、ネットカフェ難民は自分で寝る所お金払うけど、只で入れてくれるっていうことか。


山本氏:  ところが、ところが、受刑者一人当たり年間いくら使われてるかっていうと、法務省予算でね、3百万ですよ。

3百万あったらどうですかって福祉の人達に・・・、「3百万もらえるんだったら、絶対にこの人達に再び罪を犯させないようにしますよ。そういう支援できますよ」と。まあところがね、結局は終の棲家になってしまっている。

だいたいね、高齢者の場合、或いは障害のある人達も、その刑務所から出るときに必ず刑務官は「生活保護の申請に行きなさい」と、まあ言う。確かにそれで、生活保護を受けて、一昔前は暮らしてる人達はいました。まあしかし今は、先ず住所がなくなってる人が多いですからね。全く取り付く島なしということで。

去年、下関駅が全焼した事件ありましたね。あれも10回目の服役から出て来たばかりの七十何歳かの高齢者が、生活保護を・・・申請に行ったんだけど、「おまえ、こんな所に来るんじゃない」と、うちでは面倒見きれないからっていって、隣の自治体までの切符をくれる訳ですよ。日本の役所って、そうですよ。隣の自治体までの切符はくれるんですよ、厄介な奴は。


金子氏:  あぁ、厄介な奴は。


山本氏:  まあそこは、小倉ですよ。北九州市の小倉。そこが、隣の県であり隣の自治体である下関駅までの切符を渡す。なので彼は、生活保護も受けられずに・・・まあ47円しか彼は持ってなかったんですけど、で、下関駅に着いたと。


金子氏:  北九州市は特に有名だからね。要するに生活保護の人に、「これからは受けません」って念書を書かせたり、餓死しちゃった事例もでましたよねぇ。



山本氏:  水際作戦といってね、それをまた厚労省は、北九州方式といって、これは誉めてるわけですよ。


金子氏:  だけど他の自治体に行って、そこで放火してしまうっていうのは、罪だよねぇ。


山本氏:  でも彼は、また刑務所のなかで税金を3百万ずつ使われるわけですよ。いやーぁ、おかしいですよ、税金の使われ方として。


金子氏:  例えば障害者のケースで、ふつうメディアに載らないような事例で、どういうようなケースに遭遇しました?


山本氏:  いや、そりゃあ有名な犯罪を犯して入って来てる人も居ましたけど、まあ新聞の社会面に載るような人っていうのはね、刑務所の中、なかなか見つけることはできませんよ。ほとんどが・・・

金子氏:  例えば? 具体的にいうと・・・



山本氏:  ああ、例えばね、これもう6年前ですか、浅草でレッサーパンダの帽子をかぶった当時29歳の男性が女子短大生を刺殺したという事件がありました。

彼の場合は高等養護学校出の知的障害者なんですが、彼は逃げてたことになってるんですけど、現場のすぐ近くで野宿生活をおくってたんですけど、結局10日後に捕まった。その10日間マスコミはさんざん書きたてたわけですよ、センセーショナルに。ところが彼が高等養護学校出だとわかった途端、もう報道は一切しなくなった。テレビも新聞も。

まあ、そりゃあセンシティブな問題かもしれませんよ。障害があるから、その障害が原因で罪を犯してしまったんじゃないか。こういうこと全然ないですよ。但し、そう誤解を与えてしまうんじゃないかというのと、マスコミ自身はね、それよりも本音というのは、障害者団体とかそういう所からのクレームが怖いんですよ。

うさぎさん:  そうですね。


山本氏:  クレームが怖い。従ってそれは、触らぬ神にたたりなしになっちゃう。だから彼らみたいな人達は、いないことになってるんですよ。


金子氏:  日本の社会って、そういうのやると、さっきの裁判官と同じようになる雰囲気を作りかねないから、障害者団体が非常に抵抗するのはよく解かるんだけど、本当のことが報道されないっていう、なんか逆目もあるんだよねぇ。



うさぎさん:  そうなの。本当のことを書こうとしても雑誌側がね、「ちょっとこれ拙いんで規制を」って。



金子氏:  日本の社会が差別社会だからさぁ、ある意味で自主規制をするのも解かるんだけど、裏側でほんとうの貧困とか苦しさも見えなくなっちゃうっていうのもあるよね。



うさぎさん:  あと、山本さんがこのあいだ書かれてたので思ったんですけど、女性の知的障害者がヤクザと同棲してて、外国人と偽装結婚させられて捕まるわけ。彼女は自分の戸籍が何に使われたかとか、全くわかってないんですよね。



山本氏:  はい、そうです。



うさぎさん:  解かってないから、法廷に立っても、「何をされたか解かりません」って。もうこれ明らかに彼女に責任能力ないわけですよ。なのに懲役を食らうんですよね。



山本氏:  これ、よくあることなんですよ。知的障害者をヤクザがかこってるんですよ。知的障害者・・・まあ、うさぎさんお詳しいでしょうけど、風俗の中にはかなりの人達います。



うさぎさん:  うん。



山本氏:  昔から売春婦の更生施設としてある婦人保護施設というのが日本全国にありますけど、そこに入ってる女性はほとんど知的障害者といわれてるし、まあそれだけじゃないです。

あの、刑務所だったらまだいいほうで、男性の軽度の知的障害者の場合、よーくリクルートしてくれてるのはヤクザ組織ですよ。彼らまあ、胸張って言ってるところありますよ。「福祉が引き受けないから、私たちがやってやってるんだ」と。まあしかし、末路は哀れで、簡単に鉄砲玉にもなってくれる訳ですよ。だからそれ用に、抱え込んでる。まあ、そういう社会ですよ。



うさぎさん:  さっき雨宮さんがね、ワーキング・プアーたちを食い物にする業者たちがいて・・・貧困ビジネスがあり、一方障害者は、「障害者をリクルートしてやってんだよ。食わしてやってんだよ。彼らを社会に活用してやってんだよ」っていう理屈でヤクザがこう、くっ付いて・・・。



山本氏:  あの・・・一つはね、障害者の場合は手帳があるんですよ、療育手帳。障害者手帳。で、多くの場合は障害者基礎年金っていうのが入る。本人はそのお金は管理できない。だからヤクザとか売春組織がそのお金まで管理しちゃってるわけですね。



うさぎさん:  抜いちゃうわけ?



山本氏:  抜いちゃうわけです。で、もう通帳をはじめっから管理してるわけですよ。それに対して役所も見て見ぬ振りをしてる場合が非常に多い。だからって他の福祉施設が引き受けてくれるかっていうと、そうでもない。

っていうのは去年から障害者自立支援法っていうのができて、障害者に対して、福祉サービスに対して1割負担を求める。まぁこうなったらね、福祉のサービスなんか受けようとは誰も思わないわけですね。

まぁそんな福祉よりも門戸が広いのが、ヤクザ組織だったり売春組織だったりしてる訳ですね。



金子氏:  うぇー、だけど・・・タブーだけど、怖いけど、どうです石田さん、そういう話きいて。メディアには絶対載らない話ですよ、これ。聞いちゃって・・・、ホントになんて応えていいか分からないよね。



石田英敬氏:  人間の条件の外っていうかな、例外状態っていうか、そういう・・・。まあ一つは・・・雨宮さんおっしゃったのは・・・、これはよく言われてることだけど、世界のなかに第四世界が広がってるという、そういう言い方されますよね。それが・・・経済的にある意味で組み込まれてるけど人間として排除されてるっていうね、そういう二つがセットになってるっていう・・・、ほんとに怖い、でもこれは世界的に広まってる現象だと思いますねぇ。



金子氏:  ピエール・ブルデューが「世界の悲惨」っていう本を出したじゃないですか。



石田氏:  はい。



金子氏:  フランスの社会学者にいるんですよ。こんなに酷いっていうことを、途上国のひとりひとりをこう・・・描くんですよ、インタビューして。ああいうメディアの手法って、なんで日本で成り立たないのかしら。



石田氏:  そうですよねぇ。特にさっきもその・・・色んな意味でタブーになってきてて、ずーっとタブーがね、広がってるって思うんですよ。

例えば、テレビなんか典型的にそうですけど、もうすごくフィルターかけますよ。昔のドキュメンタリーなんかみんな顔さらして自分の生活を話すっていうドキュメント、非常に一般的だったんだけど、この頃はほんとにリスクがあるっていうことで、色んな意味でのリスクを背負いたくないっていうことで、非常に自主規制されたね、顔とか見えなくて、音声だけとか、音声を変えられて放送されると、向こう側で話してるということで全然リアリティが伝わらないですよね。



金子氏:  ぼくNHKの教育テレビで医療の取材したんですね。国民健康保険料を払えなくて医者にかかれない人たちを訪ねてるんですね。顔出せないんですよ。



うさぎさん:  うん。なんで出さないんですか。



金子氏:  背景も知っちゃうと・・・、障害も絡んでいたり、それからワーキング・プアーで払えないじゃないですか。どっかに払えないっていうことで負目があるんですね。

ドイツの歴史学者の阿部謹也の・・・一ツ橋の学長をやった人だけど、世間とか世間体っていうのをすごく聞くんですよ。

女性でワーキング・プアーで57歳で健康保険料払えなくて、乳癌なんですよ。我慢して、末期ガンで死ぬんですよ。本人は隠してて、離婚歴があるんですよ。次女の人が一緒に住んでて、そのひと知らされてないから。宣告されると、本人は気丈に、もう子供育てるために生きてるから・・・。

隣で次女の方が泣き崩れちゃうんですよ。で、他の遺族の方に出てもらおうと思ったら、親族が「みっともないから止めろ」って介入して出られないとか・・・。で、その・・・腹違いの子供でしょ、一人残されたんで、自分の父親とは違う人を・・・兄弟がいて、援助してくれって説得したりとかいう話なんで。とってもね、聞いてて絶句しちゃうんですよ。



山本氏:  たぶんね、障害者自立支援法もそうなってるんですよね。要は社旗保険主義ですよ。社会保障という考えがもうなくなった。要は負担があるから給付してあげますよと。給付のない負担は悪になってしまっていると。



金子氏:  そうそうそう。最低限を救う装置がないのね。ホントに貧困って、見えないんですよ。出たがらないんですよ、世間とか世間体。だから・・・見えないからますます声も上げられない。

だって480万世帯が国民健康保険料を払ってないんだもん。払えないんだよ。悪質な事例もあるかもしれないけど、480万世帯も日本中で悪質な奴がいるなんて、そんなことあり得ないんですよ。



雨宮氏:  やっぱりその若い人の問題でいっても、苦しい状態であっても「助けて」とも言えないし、「自分が悪い」ってみんな責めてるんですよね。なんか「貧乏な人は自己責任!」みたいのがすごく小泉政権以降すり込まれてて、努力・能力・スキルが足りないから自分が悪いんだみたいに、みんなも思ってるし自分も思ってる。そういう圧力がすごく感じられますね。



金子氏:  その自分を責めちゃう自己責任論ってすごい・・・のと同時にさぁ、ワーキング・プアーの国民健康保険料を払えない事例やってる時に番組に来た投書が、多数ではないんだけど「俺も年収200万円だけど国民健康保険料払って、がんばってやってるんだ!」とかいう、「こういうのは甘えだ!」とかいう攻撃があるんですよ。



雨宮氏:  あーぁ。自分がきつい人ほど、けっこう生活保護を受けてる人とかをバッシングするじゃないですか。それは一番・・・落とし穴なんですけど。それをやっちゃいけないなと思って。

もう今だったら、ネットカフェ難民の人を救うのって生活保護しかないので、どんどん取ればいいと思うんですけど、やっぱり若いと取れないし・・・ホントは取れるんですけどね全然、若くても住所がなくても、法的には断れる理由はないけど、福祉事務所が違法なことを言って追い返してるんです。

ホントは取れるから、それでしか救えないから、取ればいいし、それを取らせない福祉事務所には文句を言うべきだし・・・。

私はこのまえ北九州であの餓死事件があった時には、福祉事務所長を刑事告発して・・・400人ぐらいでみんなで刑事告発したんですけど。そういう風にいちいち文句を言っていかないと。生活保護を取れない=「死ね!」って言ってるようなものですからねぇ。



金子氏:  生活保護を取ったら取ったで社会的バッシングを受けるし、ホントになんか・・・ミゼラブルっていうかね、寂しい国というか恥ずかしい国というかね。



雨宮氏:  ホントにその構造改革の路線っていうのは、一言でいうと「貧乏人は飢えて死んで下さい」っていうようなことだと思うので、それが今むき出しになってるっていうことですねぇ。



金子氏:  飢えて死ぬだけじゃなくて、そこに巣くう人たちがいるわけでしょ。



雨宮氏:  そうですね。「飢えた果てに貧困ビジネスにターゲットにされて死ね」っていうことですね。



うさぎさん:  それこそ、もう死にかけた人の衣服をはぎ取るようなことが起きてるんですけど。なんか・・・「こうやったら変わる」みたいなビジョンは、雨宮さんは運動してて・・・あるんですか。



雨宮氏:  やっぱり派遣法っていうのが一番大きなポイントになるので、派遣法を元に戻すっていうことと、あとは生活保障ですよね。生活保護でもいいですし、ただ一つのセーフティネットである生活保護が機能してないっていうことが問題なので、住宅保障も必要だし、日雇の人が月給仕事に移るまでの生活費の保障も必要だし。

問題だと思うのは、安倍の「再チャレンジ」とかって言ってましたけど、あれの予算って2007年で1700億円以上あるんですけど、当事者にはびた一文払わないんですよ。何かしてる所に払うだけで、当事者は路で飢えていても、そこに1円でもあげるお金は、予算はないんですよね。



金子氏:  要するに雇った企業にあげるとか、そういう仕組になっていて、実際に貧困者には届いていない。



山本氏:  制度的にはだから・・・就労支援のセクションのところにお金を付けるとか、そんな話ですよね。



金子氏:  けっきょく企業だけが儲かって、人は飢えてく。



うさぎさん:  福祉じゃない! ねえ、福祉じゃないよね、そんなの。



金子氏:  人が飢えてる時にね。500億円あれば、障害者自立支援法の1割負担、なくせるんだよね。だからそういうの考えると、不条理の重なりだよね。



山本氏:  まあ、こうなるのは目に見えてたわけですよ。再チャレンジにしても自立支援にしても、それが機会の平等を提供するだけで、結果は平等じゃなくても良かったんですよ。それが小泉・竹中路線だったわけですね。その中で・・・これはマスコミの責任もあるんですけど、いつの間にか生活保護は悪になってしまっている。本来なら、これだけのワーキング・プアーがこの人口の中でふくらんだら、社会運動になりますよ。



金子氏:  ほんとはね。



山本氏:  うん。どうもそれがね、社会運動じゃなくて、どっかで罪悪感があり、それがどうも変な方向にね・・・、なんかネットで逆に差別的なことをやったりね、ネット右翼みたいのが出てきたりね、社会運動の代わりに。



金子氏:  いや・・・だって、一番簡単なのは、戦争にすりゃあ金持ちも貧乏人もみんな平等だろみたいな・・・



山本氏:  うん。北朝鮮でも言ってるクライシス何とかみたいのがね、



金子氏:  けっこうそういうことを平気でいうような言説がネット上で光ってますよね。どうなっちゃったんだろうと思いますよねぇ。





9月22日(土)、「ニュースにだまされるな!」より、社説にダメ出し



うさぎさん:  一方で金子さん、社説とかではどのように報道されてるんでしょう。



金子氏:  この読売新聞と日経新聞なんですけど、読売から行きますか。一つはね・・・、基本的にジニ係数(*1)っていうね、1に近付くとより不平等が・・・高くなって、0に近付くとより平等化するという指標があるんですよ。

(*1) 所得・資産分配の不平等などを示す指標の一。係数は0から1の値をとり、値が1に近づくほど不平等度が高くなる。イタリアの統計学者ジニ(C. Gini)が提示。



うさぎさん:  0から1のあいだでね。



金子氏:  そうそう。それがね、やった結果、高まってると。「・・・近年は上昇している。0.5を超えたのは初めてだ。ただ、所得から税と社会保険料を差し引き、公的年金や医療・介護などを加えた「再分配所得」で計算したジニ係数は、0.3873に低下する。前回と比べ、ほぼ横這いになっている。所得の再分配効果のほとんどは、税ではなく社会保障によるものだ。高齢化の進展で所得格差が拡大しても個々の生活には大きな影響を与えないよう社会保障制度が格差をならしている」と、こう評価してる。



うさぎさん:  つまり、国に保障されることで、その格差を埋めてるじゃないかと。



金子氏:  うん。高齢者は・・・格差が広がってるように見えるんだけど、それは色んな社会保障制度が救ってる。



うさぎさん:  ちゃんと埋めてますよと。



金子氏:  これ、ウソ!



うさぎさん:  ウソ?



金子氏:  年金なんですけど、よく考えると解かるんですけど、自営業者と農業者が昔はたくさんいた訳ですよね。で、それがどんどん減ってるから、国民年金をもらってる人が相対的に減って、サラリーマンがもらう厚生年金や共済年金をもらってる人が増えると、一見格差が縮まってるように見えるだけなんですよ。

だから意図的に政府が格差を是正してるんじゃないんで。要するに職業別の年金制度の受給者の比重が動いてるだけで、ちっとも機能してないんです。

で、落ちる人は、さっきも言ったけど、ほとんど生活保護や年金が不十分なので、国民年金をもらってる人・国民健康保険を払ってる人に全部しわ寄せがいってて、そこがすごく苦しくなって生活できないから生活保護へいくという不思議なことが起きてるんです。

そういう現実を知らないすごい浅はかな分析で、負担が若者に増えてるから、「若者が格差が広がってるからどうにかしなきゃいけない」って・・・。「高齢化による格差拡大に備える一方で、若年層の格差をこれ以上広げない」って・・・、何が言いたいんだか解からない。

若者の負担で高齢者の負担が縮まってるっていう議論なんだけど、それは嘘で。両方とも広がってると。だから抜本的な改正が必要なんです。



うさぎさん:  なるほどね。



金子氏:  で、こっちは日本経済新聞です。政管健保という中小企業の人が入るのと、組合健保という大企業が入る健康保険を統合すると称して、組合健保の保険料から政管健保の保険料を補填するように変えたと。はっきりいうとお金がないっていうことが一つなんです。



うさぎさん:  国に?



金子氏:  そう。で、最後こういう風に言ってるんですよ。「もし安易な財政調整を進めれば、かつてあったように組合健保を解散して政管健保に移行する企業が続出しかねない。民が官に依存する流れをつくりかねないし、保険財政の危機も予想される」って。

こんなの完全に呪文でしょ。だって組合健保から政管健保にお金を移すのが、どうして民から菅なんだよ! 民同士でお金を動かしてるだけで。「むしろ財政が足りないから財政の補填は止めよう」っていう話。

なんかこういうねぇ・・・、日経ならではですけど、これもうほとんど呪文ですね。言ってることがメチャクチャになってる。本当は一番問題なのは国保。国民健康保険が、もう貧困者が滞留していて、どうにかしないともうここは診療受けられないで死んでってるんだよ、人が。そういう事は一切触れない。厚労省も日経新聞も、言ってみりゃグルですね。

この二つの社説はね、格差是正に対する・・・如何に新聞が痴呆化してしまってるか。



うさぎさん:  知らないんですか。



金子氏:  制度も知らないし、何が起きてるかも知らない。ましてや今日のお話にあったようなディープな世界については、もう見ようともしない。



うさぎさん:  福田首相になったとしたら、何かいいことが起きるんでしょうか。



金子氏:  起きませんよ。これが今日のメインですね。私の主張です。





9月22日(土)、「ニュースにだまされるな!」より、新政権になってもできない6つの約束



福田首相になってもできない6つの約束

① 国民年金も含む年金の一元化

② 社会保障費(医療費、介護費)削減政策の転換

③ 労働市場の規制緩和の見直し

④ 法人税減税・金持ち減税の廃止

⑤ 地方交付税削減から増額へ

⑥ 農林業保護の増額



うさぎさん:  これ今・・・急務の6つの事項ですよね。



金子氏:  格差を是正しようと思ったら、これらの政策に手をつけなきゃいけないんだけど、よく見ててほしいんです、視聴者は。構造改革をやりながら格差是正すると言いながら、こういう抜本的な政策は一つもやりませんから!



うさぎさん:  なるほど。じゃあ新政権がこの6つの問題をどのように解決するか(無視するか?)、ちょっと見守ってみたいと・・・



金子氏:  解決できません! これ、是非みてほしいんです。



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以上です。



金子氏が日経をフォローしています。

「くれぐれも断っておきますけど、日経新聞全体が悪いわけじゃないですよ。最近、『バブルの崩壊』でも良い記事けっこうあります。だけど社説は酷い」とのことです。

そういえば別の機会に金子氏がおっしゃいましたが、産経新聞も一般の記事より社説のほうが酷いそうです。一般の記事には良いのもあるそうで・・・。

岩国で負けた後に沖縄で

2008-02-12 12:51:00 | インポート
 岩国市長選の選択に怒っていたら、沖縄でまた少女暴行事件が起きた。米兵はすぐに逮捕されたけど。

 1995年小学生が海兵隊員に強姦される事件が起きて、沖縄県民大会で沖縄の怒りを爆発させた。その怒りを恐れて、日米政府は、SACO合意を結んだはずだった。
 しかし日本政府はアメリカが希望を出していない内から、次々に米軍再編協力に交付金をちらつかせ、非協力自治体には一銭も出さないという強硬手段をとるにいたった。

 このままでは米軍は沖縄おろか日本にいられないと思いをさせたのに、沖縄の真実を覆い隠す作業を日本政府がやっている。
 辺野古沖には、上陸強襲艇ぶんごを送るし、海上保安庁の巡視艇が常時張り付いて反対派のゴムボートに体当たりして、転覆させたりしている。命を守らない事実がここにある。
 そんな中で起きた今回の事件。綱紀粛正といっているときではない。
 日米安全保障条約を破棄し、沖縄の完全復帰を実現させよう!米軍よ、出てゆきなさい。