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スターフォックスの一ファンのブログ

系譜につらなるもの

2016年02月21日 13時08分42秒 | 考察
 『トリックスターの系譜』が、Amazonから届いた。

 難しく、謎めいていてなかなか解き明かせないが、それでもときどき、脳裏に鮮やかにイメージが浮かぶことがある。
 トリックスターが何者か考えるうえで重要と思われる部分をいくつか抜き出す。

・トリックスターはあてどもなくあちこちを歩き回る。トリックスターたちは皆「旅をしている」。彼らは仲介を司る者であり、境を越える者である。
・トリックスターは中心に属しているのでなく、周辺に属している。
・トリックスターは汚れに対してこだわりなく自由な動きができる。そして水や火(新しいエネルギーや新しい策略、新しいテクノロジー、新しい心的洞察、新しい歩き方、それらを象徴する)を獲得できる。そして世界に根本的な変化をもたらす文化的英雄である。
・トリックスターは境界を越え、その区別を混乱させる。トリックスターは正でも邪でもある。曖昧と両面価値、二重性と裏表、矛盾と逆説の、謎に満ちた体現者である。



 ……『スターフォックス』ファンの私には、彼の姿がちらついて仕方がない。


 彼は超次元空間やバイオテクノロジー、多岐にわたる分野を探求し、新たなテクノロジーをもたらす。境界を越える。
 科学研究所主任を務め、世界の中心に属していたはずが、辺境へと追放される。
 硝酸の海がひろがり、酸素濃度も低く生物の生息には適さない、犯罪者の追放先としか思われていなかった汚れた場所を、命のあふれる楽園に変えようとする。汚れにこだわらず、世界に根本的変化をもたらす。
 偉大なる頭脳で世を治める救世主、神のような存在を目指しながら、悪魔へと変貌する。犯罪者であると同時に皇帝である。両面性を持つ。


 彼もきっと、トリックスターの系譜につらなる者だ。
 意図されたものなのかどうかわからないけど。
 「硝酸の海を浄化しようとする」という設定は『コマンド』ではじめて登場したものだから、少なくとも最初から意図されていたわけじゃない。きっと設定を積み重ねる上で偶然に、トリックスター的な性格を帯びてしまったんだろう。


 『コマンド』に登場するアッシュは「アンドルフの孫」という設定で登場してはいるが、実際は、若いころのアンドルフそのものだ。
 理想を胸に抱き、世界を変えることを夢見ていた彼。
 元々『スターフォックス』世界の中心だったアンドルフがいなくなったあとの世界に、新たな中心、彼の生まれ変わりとして創り出されたのがアッシュなんだ。
 アッシュもまた、「スターフォックスに憧れるコーネリア軍パイロット」から「ベノム帝国の皇帝」へと変貌する両面性を持っている。


 ……。

 スマブラの世界なら、『MOTHER』と『スターフォックス』のキャラが出会っても問題ないんだから、
 私がポーキーの姿を借りて彼に謁見し、トリックスター的な生き方について意見を交換することもできるんじゃないかな。

 ベノム帝国の皇帝に会って、親交を深めようなどとは畏れ多いようだが、ポーキーだって過去と未来を自在に旅し、すべてを操り、大勢のブタマスクたちを従える王だ。
 見劣りはするまい。

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