再び溢れてきた涙をチリ紙でぬぐいながら、ペッピーは思った。
(卑怯なのは、ワシのほうだ。ここでこうして待っていても、また飛べるようになるきっかけが向こうからやってくるはずはないのに。世界に出てゆくきっかけは、自分が切り込んで作るよりほかないことくらい、知っていたのに、ワシは何もできなかった。ビビアンに、フォックス。自分が守っていると思っていた者たちに助けられなければ、動くこともできなかった。感謝するよ。本当に)
「フォックス」
ペッピーは顔を上げ、涙に濡れた瞳でフォックスを見た。
「あ……ありがとう」
上ずった声でそれだけ言うのが精一杯だった。
「いいんだ。礼なんか」
照れくさそうに視線を泳がせる。
「ペッピー、改めて聞くけど……俺たちを助けてくれるかい? スターフォックスの一員として」
「ああ。喜んで、そうさせてもらうよ」
「そうだ。そうとなれば、ドックで眠っているグレートフォックスと、ナウスのやつも起こしてやらなくては」
「グレートフォックスか。言われてみれば、忘れていたよ」
「ああ。ベノム行きは極秘の作戦だったからな。あの母艦で乗り込むというわけにはいかなかったんだ。80年ローンも片付けなきゃならんし、忙しくなるぞ」
「ちょっと待て。……今、なんて言った?」
なんだかホント、読むほどにペッピーが愛しくなる不思議。
フォックスがペッピーの事を「君」と言うのが好きですねー。
他に言い方が思いつかないというのもありますが、この二人だからしっくりきます。
ジェームズはやはり「お前」と言ってたのかなぁ。
「諦めるな、自分の感覚を信じろ」
この台詞はスタフォの中で一番好きで、読んでてじわっと来ました。
この言葉にペッピーは何度も励まされ、ジェームズ本人も自分に言い聞かせて来たのでしょうね。
おぉ、いよいよ来ましたねっ。
最強(凶?)の遺産「80年ローン」!
その後に続く、フォックスの反応が気になります!
シリーズが出る毎に、グレートフォックスは大損害ですよね…もう80年どころじゃないのでは、と個人的に思ってます。
でもコーネリアとライラット系を危機から救う英雄になるのですから、チャラってことには…。
あのタヌキの社長はしないですかねぇ。
いつもコメントありがとうございます。
そう、フォックスは普段ペッピーを名前で呼んでいるんですが・・ちょっと違った感じを出してみたくて「君」にしてみました。
ここでのフォックスは14歳くらい、ペッピーは36歳くらいなんですけどね・・現実ではなかなかないかもしれませんが、スタフォ世界だからきっとこんな関係もアリなんだ・・と思ってくださるとありがたいです。
そして嗚呼、ついに出た80年ローン。・・『64』でアンドルフ軍をほぼ壊滅させた報酬でローンが片付いていたらいいんですけど・・。