ナジャハウス スタッフブログ

フラメンコ衣装制作・レンタルの「ナジャハウス」のスタッフブログです。

あでやかなマントンを衣装にしました

2023年04月08日 | 新作発表会「naja naja]

立川です

2023年もあっという間に4月に突入です。

今年は花見もできず波乱に満ちた人生を

送っております。

さて、気分を整えて本日はマントン衣装のエピソードです。

マントンというのは一般的に100c~140cの正方形の布に

綺麗な手刺繍を施し、その周りにやはり手作業で糸を編み込んだフリンジが

付けられた大きなストールですね。

フラメンコをやっている方の多くがマントンを持っていますが

スペインの誇る工芸品といってもよいでしょう。

 

今回お客様が持ち込まれたマントンもとても美しく豪華なものでした。

実はこのマントンはお客様のお母さまのもので

ご自身はもう踊らなくなったので、娘さんに譲られたそうです。

ですのでかなりの年代物ですね。

糸で編み込んだフリンジ部分の劣化は激しく使えない状態でしたが

本体の刺繍部分は痛みも少なく綺麗で十分に使えるものでした。

 

マントンを衣装に作り変えるのはとても頭を使います。

まず、衣装のどの部分に花柄を持ってくるかを考えます。

なにも考えずに裁断するとあちこちに花柄の欠片が飛び散り

せっかくの刺繍が台無しになってしまいます。

しかも用尺が1辺が120cほどの正方形なので絶対に裁断の失敗は

許されません。

衣装の前、後ろ、脇の花柄刺繍の配置と柄を合わせをしっかり考えてから

いよいよ裁断です。

私は1点しかないマントンにハサミを入れる前には必ず

アーメンと唱え慎重に慎重に裁断します。

そして、パーツごとに柄合わせをしながら縫っていきます。

少しずつバランスを見ながら組み立てていきます。

花が大きいので大きな花の塊を一か所に集め、他は小花を置いて

メリハリをつけました。

 

そして完成したのがこちら

⇓ スカートの裾には内側にアクセントカラーで赤フリルをつけてみました。

⇓ 後ろも花の柄合わせをしてファスナーをつけています。

↓ 斜め切り替えの部分と袖口にはリリアン糸でできたフリンジを

取り付けてヒラヒラと動きが出るようにしています。

マントンの用尺はぎりぎりで残布はほとんど残っていません。

このようにドキドキな作業の連続ですが出来上がると

インパクトの強い格別な衣装になります。

今回のようにフリンジがボロボロで使えなくなったマントンも

このように衣装として美しく蘇り、お客様のお母さまも

きっと喜ばれていることでしょう!めでたし、めでたし

それではまた次回!

立川でした。

 

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「naja naja」新作ストーリーラスト

2021年12月21日 | 新作発表会「naja naja]

立川です。

「naja naja」は昨年の夏にデビューしました。

コロナで今までの仕事がバブルのように弾け、消えてしまい

なにをやったらよいのか分からず八方ふさがり状態でした。

心は不安で不安で一杯だったけど、私が落ち込んでいたら

アトリエの空気も重くなります。

とにかく、じっとしていても苦しいだけなので

なにか楽しくなることをしようとなんの計画性もないままに

立ち上げたのが「naja naja」でした。

そんな「naja naja」も今回で5回目となります。

思い付きで始めた割には続いていますが、

これからも、いろんなテーマの作品をスタッフと一緒に

作っていきたいですね。

 

そして、ダンサーのクララさん本当に素敵でしたね。

さて、これまでルアナとコンちゃんの作品を見ていただきましたが

ラストは山ちゃんの作品となります。

山ちゃんのフラメンコ愛はとても深く、大地の土臭さを

感じる踊りを見ると目がハートになっちゃいます。

衣装への創作意欲は誰よりも強く、どん欲に学んでいますよ。

山ちゃんのコメント

テーマがpassionと聞いて、直ぐにあの爆発する様な

ジプシーの踊りを想像しました。

私がナジャハウスで働いているのもそれが、たまらないから。

今はコロナで実際にジプシーの踊り見たくても出来ないご時世。

映画やYouTubeを見たり、本を読んでは、昔昔自由に移動生活しながら

色々な文化を取り入れてフラメンコになっていく過程を想像したり、

今でも黒海地方の方でこれはどう見てもジプシーの名残りではないかと思うような

民族的な洋服を着ている人達を見たり、イスラム文化との繋がりを

感じたりしながら今回の衣装をデザインしました。

山ちゃんのジプシーへの憧れがこの衣装にギューッと

詰まっています。ワン工程ごとに悩みながら作り上げた

衣装には魂が宿っています。

コインがチャラチャラ、チャーミングな衣装ですね。

クララさんも自然と自分の中の野性味が現れて

踊りもカッコよかった!

山ちゃんの衣装も16万円(税込)となり

希望サイズにカスタマイズして作り直すことができます。

 

そしてこの5回目の「naja naja」新作動画を作りました。

衣装の動きや自然をバックにしたクララさんの踊りも

お楽しみください。

 

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「naja naja」新作ストーリーその2

2021年12月20日 | 新作発表会「naja naja]

立川です。

昨日より始まった「naja naja」新作発表ですが

本日は2日目となります。

「naja naja」立ち上げの目的は遊びです。

流行を追った売り上げアップが目的ではなく

流行を追わず、それぞれのデザイナーの個性とスキルを

遊び感覚で伸ばしていきたいからです。

これまでデザイナーは私一人でやってきたので

もう少し多様性も欲しくなりました。

でもフラメンコを知らないスタッフに衣装デザインを

教えるのは簡単ではありません。

ならば、知らないことを強みとして、普通にはない

衣装を作ってみたくなったのです。

素人感覚の衣装って新鮮なものもありますからね。

勿論、着やすさやフラメンコを踊るためのシルエット

バランスなどは全て私が密着で教えているので

スタッフたちはクリエイトする楽しさと

お金もらって学べる環境だから幸せですよ。

お客様だってフラメンコらしい衣装より独創的な衣装を

好まれる方もいると思いますし。

経営的には厳しいけれど、このコロナ禍では

どんなに頑張って売り上げようとしても儲かりません。

それならみんなで楽しいことした方が人生の質が高まる

ように感じます。

 

それではダンサーのクララさんの登場です

そして、本日のデザイナーはベテランのコンちゃん

彼女は長くアパレル業界にいたので色んな強みを持っています。

物つくりが大好きで可愛い小物も作り、いつも楽しそう。

趣味でバレエも習っているし、シニア世代なのに誰よりも若々しい女性です。

コンちゃんのコメント

思い切り華やかに、優雅に!を目指しデザインしました。

ダンサーのクララさんがとても素敵に着こなしてくださり、

踊り始めると衣裳が生き生きと輝いて見えるようでした。

少し妖艶なドレスは、きっと燃えるような情熱を

引き出してくれることでしょう。

 

コンちゃんのデザイン画を見た時は私も当惑しました。

さすが!現実離れのデザイン画!

気持ちはわかるけど、これでは踊れない!バランスも変!

ということで、二人であれこれ試行錯誤を繰り返し、何度も何度も

やり直し、苦労の末の作品なんです。

フラメンコというより、クラシコの衣装にぴったりですね。

なので髪型も小物もクラシコ風にしてみました。

そして、なによりダンサーのクララさんが衣装にぴったりの

動きで踊ってくださったので

デザイナーたちもその美しさに見とれていました。

コンちゃんの衣装も16万円(税込)となり

希望サイズにカスタマイズして作り直すことができます。

 

明日は最後となる山ちゃんの作品です。

そして、衣装とクララさんの踊りのコラボもお楽しみに!

立川でした!

 

 

 

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「naja naja」新作ストーリーその1

2021年12月19日 | 新作発表会「naja naja]

立川です。

断捨離セールも終わり次々とスケジュールをこなし

残り、もう10日となってしまいました。

そんな年の瀬ではありますが、今年最後のイベントは

新ブランド「naja naja」の新作発表会となります。

第1回目の「日常に着るフラメンコ衣装」というテーマから始まり

5回目となる今回のテーマは「情熱」となります。

今回も3人のデザイナーたちにテーマに沿った作品を作るよう

ミッションを投げかけました。

みんなあれこれ考えてデザインしましたが、

もっと他にはない、とんがった作品にするように伝え

何度も何度もやり直してもらい、やっとやっと出来上がった

ものです。

フラメンコ衣装というイメージにとらわれず、自由で他にはない

彼女たちなりのパッションを感じていただけたら、幸いです。

 

そして今回、自分の世界観をお持ちの美しきダンサー

クララさんをお迎えして衣装とコラボしました。

Clara Wodarz (ヴォダルツ・クララ)

神奈川県横浜市出身。幼少の頃よりクラシックバレエやタップダンス、演劇を学び、舞踊や舞台に親しむ。2002年より青木愛子の下でフラメンコを始め、上智大学在学中にフラメンコサークル“Alegrias”に4年間所属。

2009年より青木愛子スペイン舞踊研究所に所属し、同スタジオの講師として幅広くクラスを担当する傍ら、都内各所のタブラオにて数多くのライブに出演。

2014年より短期渡西を繰り返し、数多くの一流ダンサーから舞踊を学ぶ。

2020年2月より独立。新たなステージに活躍の場を求め、ソロでの活動を開始。

 

それでは本日はデザイナー ルアナの作品を紹介いたします。

 今回のテーマ、コンセプトはパッション、情熱でした。

デザイン決めの段階で私の中にあるパッションのイメージとなかなか

噛み合わず最初は手こずりましたが、立川代表に

燃える炭のイメージでとアドバイスいただいてから、自分の中でも

デザインがまとまり、少しづつ形にしていくことが出来ました。

 

セクシーで強い女性をイメージし、じわじわと燃え上がる衣装

にしてみました。

ラメラメのあるレースを使う事でメラメラ光る炎をイメージし、

スカートの部分は違う素材、色の生地でグラデーションにして

少しづつ燃え広がってる感じに仕上げ、さらに

セクシーさも出したかったので、ウェスト脇に、まるで肌がチラッと

出てるかのようにデザインしました。

 

強い情熱的な女性の雰囲気を出すのにピッタリな衣装だと思います。

 

ルアナの作品でした。独創的で凝ってますね~

彼女はこれまで割と可愛い衣装を作ってきたので、かなり冒険しましたね。

劇場でシギリージャをこの衣装で踊ったら

ドラマティックで素敵でしょうね。

こちらの衣装は ¥160,000(税込)でどのようなサイズでも

カスタマイズいたします。

さて、明日はコンちゃんのデザインした衣装を紹介します。

情熱的ではありますが、とても優美ですよ!

最終日のブログでは全員の衣装動画も公開いたします。

クララさんの優雅で力強い動きにもご注目くださいね。

それではまた明日!立川でした

 

 

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