立川です。
先月25日から私はスペインのセビリアに行っておりました
目的はビエナル
といっても、小島章司先生が昨年のへレスのフェスティバルに続き、
今年のビエナルで、ハビエル・ラトーレ演出の作品「ラ・セレスティーナ」を上演されるという快挙を遂げ、
そして由緒ある<マエストランサ劇場>で上演されるとあっては冥土の土産とばかりに同行することにしたのです
ビエナル期間中はスペインでも一流のアーティスト達が、いろんな劇場で作品を披露していたが、
私はどれも一切見ないで、ずっと小島先生達の練習に立ち会っていました
練習は2日間と当日しかなかったけど、本番までの全てのプロセスを見届けていたかったから。
面白かったのは、日本での公演の時にはチラっとしか見かけることもなく、
会話をしたことがあまりない制作スタッフの方達と仲良くなれたことです
ヘアメイクの佐々木さんとはマドリッドのホテルが同室で、小島先生を始め舞踊団や
スペイン人ダンサーのヘアメイクの為、コテ、カーラー、かつらメイキャップ用品などいろんな道具があって
すごい荷物で小柄なのにお気の毒でした
(舞踊団の柳谷さんのかつらを作っているところ)
公演の前日に、小島先生の記者会見の為に髪をセットした直後、
日本使用に作られているコテやカーラーが電圧の違いもあり、変圧器も使っていたのに
突然高温になり髪の毛がチリチリになる勢いで、コテはそのまま絶命してしまいました
二人で青ざめ「ワアーどうしょう」とあれやこれや対応を考えたけど、
新しいのを買うのが一番早い何と言っても本番は翌日ですから。
とは言っても、こんなプロ使用のコテとかどこに売っているの?
ホテルのおじさんに「コテがどこに売っているか知ってる?」と聞くと
「近くに電気屋があるから聞いてごらん。」と言われ、電気屋に行きました。
しかし、とても見当違いなものが売られていて、「こりゃ無理だわ」と思ったけど、
一応、あちこちの電気関係やファルマシア(薬局)を聞いて回りました。
でも、やっぱりねどこも扱っていなくて、途方に暮れていたら、
スペインの有名デパート「エル・コルテ・イングレス」になんとありました「さすが」
それに代用できるものが売っていて、ギリギリ難を逃れたのです
「ヒャー危ない 危ない」
(新品のコテやカーラーを使って、小島先生をセレスティーナという老婆にしているところ。)
その後、私はというと、、、暇だったので、憧れのマエストランサ劇場を探索してみました
劇場の地下には、ステージと同じような大きさの練習場があり、設備もしっかりして、とても贅沢な空間でした。
そこで、みんなは練習をしていたのです。
(劇場の地下にある大きなスタジオ)
そして同じく地下には広いプレス(アイロン)ルームがあり、オペラやバレエ、フラメンコなどの
かさばる衣装が何十枚あっても十分な広さと、高性能なバキュームアイロンが数台あって、
ちゃんと専任のスタッフがいるのです
その横にはこれも広いランドリールーム。
そして、驚いたのが衣装のアトリエがその並びにありました
まるでナジャハウスを小さくしたようなアトリエで糸や生地、地縫いミシンにロックミシンも数台揃っていました。
中に入れてもらいちゃっかり写真も撮らせていただいました
私はてっきり自分でプレス(アイロン)をするつもりでいたのですが、
ちゃんと劇場に専任スタッフがいたので全てお任せできました
プレスにも立ち会って見ていたのですが、とても上手で、「ナジャハウスで働いてもらいたいなあ」と思ったほどです
みんな感じの良い人ばかりで簡単な衣装の手直しなども気軽にやってくれて、
なによりマエストランサ劇場で働いているというプライドを感じました
(ちょっとした衣装の手直しを頼んだら気持ちよく引き受けてくれました。
ありがとうございました。)
あと、劇場の客席も覗いてみて、「明日はここでたくさんの観客に見てもらえるのかな?」と感慨深い気分にもなりました。
(マエストランサ劇場の客席(ここは2階)
当日は、本番前に一度メディア用のプチステージを一場面だけ上演しました。
いろんな新聞社や雑誌社のカメラマンがバチバチ撮影していました。
その中に混じってなぜか私もiphoneでパチパチ撮らせてもらっちゃった
(メディア用のプチステージ。このシーンはたしかABC新聞に大きく載っていましたね。)
(プチステージ直前に客席に向かってじーっと何かを考え込んでいたハビエル氏。
眼の前で写真撮っても全く気付いてない。何考えてるのかな?)
(プチステージ前の女性ダンサー タマラと
本当に彼女の踊りは洗練されて別格です。踊る女神様みたいです)
他のスッタフの方達はというと、、、
小島舞踊団で制作を担当している村田さんは、本番までチケットの手配やいろんな
支払いとか細々した雑用、小島先生のお世話でほとんど寝てない状態で一杯一杯
スペイン在住のコーディネーターの志風恭子さんもスペイン人出演者との調整や通訳。
細かいことまでみんなスペイン人に「キョウコ!キョウコ!」って頼まれるので
これまたピリピリしていました。「それくらい自分でやれよ!」って顔していました
音響さん達も本番当日まで場所が開かず、(クラシックコンサートの音響が先だったのかな?)
当日にしか仕込みができないとこぼしていたり
照明さん達は現地スタッフと意志の疎通が取れず、「いい照明が作れない!」とかなり
カンカンだったようです(温厚そうな人でしたけど。)
(音響のスタッフさん達とパエリアを食べに行きました。)
衣装の私も本番前に第一ソリストのクリスチャンが「ヒロコ~!!◇△□※☆」と大騒ぎしていて
「どうしたの?」と部屋に行くと、青い顔をして、「最後の見せ場の白いパンタロンがどこにもないけど知らないか?」と言うのです
全く思い当たらず、広い楽屋や劇場中を捜しまわってもどこにも見つけられず、そうこうしているうちに、
本番も始まろうとしていて、私の頭の中は、「白のパンタロンがなかったら、全て台無し!」という思いで一杯になり
心臓が破裂しそうでした
もう観客も入り始めているというのにドッキンドッキン
すると、どこからか「あった~!!」という声とクリスチャンの笑い声が聞こえ、もう腰が抜けそうでした
「もう勘弁してよ」という気分でした。
当日はそんなこんなでみんな緊張でピリピリ
そんな中、いよいよ本番です
私はとても見やすい席をいただき、ワクワクしながら始まりを待ちました。
いよいよチクエロ達楽団の音楽が流れ、幕が開き、これも見慣れた奇才、堀越千秋氏の美術とほとんどのダンサーの登場。
ついにマエストランサ劇場で「ラ・セレスティーナ」を見ることができる喜びをかみしめながら、
小島先生を始め皆さんの熱演に見入っていました。
本番はとどこおりなくあっという間に終わってしまい、本当にすばらしかった
感動
何度も何度もハビエルに怒鳴られながら練習を繰り返し、そして、何度も上演してきた
その集大成でもある、すごい完成度の高い総合芸術でした
終わってホッとして、ぐったりしていると、気付くと私の周りの人たちがみんな立ちあがってスタンディングオーベション
慌てて私も立ちあがり「ブラボー」
上演後はそれこそ誰でも知っているフラメンコ界の大御所達が楽屋に小島先生を
ねぎらいに来て、先生もとても幸せそうでした
打ち上げでも先生がとても素敵なスピーチをされて、そのあとみんなで成功を祝して
「カンパーイ」
皆さん本当に大変でした。お疲れ様でした
スペインに到着してから本番が終わるまでずっと雨ばかりでかなり寒かったです
小島先生は雨男らしいですよ
私は天下の晴れ女ですが、先生にはかないません
翌日からは、「The観光」
緊張感もほぐれ、「いざグラナダへ」ということで制作スタッフの村田さん達と4人で珍道中。
さすがに小島先生と離れると天下の晴れ女立川の威力発揮で、グラナダのアルハンブラ
宮殿に着いたらアッパレな天気に恵まれ、やっと「スペインへ来た」という気分になった瞬間でした
やっぱりアンダルシアは青い空が似合う
世界遺産を堪能し、後は美味しいもの食べたいと思って歩いていると生ハムの
おいしそうなレストランを見つけ、入ってみました
そして、4人とも目を輝かせ「これはウマイ」
4人であっという間に平らげ翌日も生ハム目当てにその店に行ったほど美味しかったです
(この生ハムは絶妙でした。口にいれるとほどよく脂身が溶け出してきます。)
(自家製生ハム。太もも一本家に持ち帰りたかった!)
最後にマドリッドに戻り、いろいろ歩き回っていたら途中腰痛が限界になって歩けなくなりそうでしたが、
何とか全行程回る事ができ久々のスペインを楽しむことができました
印象的だったのはグラナダのイスラム商店街(アルカイセリア)。
数え切れないほどのちいさな店先は雑然としていて、熱気もあり、見ているだけで楽しかったです
思わずここに「住みたい」とほんの一瞬思ってしまいました
以上立川のレポートでした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました
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愛子です。
スペインでの舞台裏や劇場内の雰囲気は愛子の知らない事ばかりで、ドキドキしちゃった
いいなー。写真じゃなくて、いつかは愛子もこの目で見てみたい
最後に、今回はメルマガを読んでくれた方に抽選で5名様に立川セレクトのお土産をプレゼントします
スペインでよく見るささやかなものですが、小さいアバニコといつでも役立つエコバック!
どちらが当るかはお楽しみに
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