明けましておめでとうございます。
今年はナジャハウス 37年目となります。
数々の危機もあり、今だってドキドキハラハラな状況ではありますが、
1日1日がとても貴重に感じる今日この頃です。
なのでどのようなお仕事にも愛を込め、そして皆様に喜んで
いただけるよう私たちもより一層努力していきたいと思っています。
そんなことで本年もよろしくお願いいたします。
さて本日は2022年、最初のビフォーアフターとなります。
今回はなんと!大島紬のリメイクとなりますよ。
大島紬といえば最高級の織物で
それで仕立てた着物は100万200万円は当たり前です。
実は、私は知らなかったのですが
大島紬は世界三代織物の一つなんですって。
詳しくはこちらから
お客様の持ち込まれた大島紬の着物も100万円だったそうです。
昭和の高度成長期には飛ぶように売れていたけれど、
昨今では需要も激減して、とても希少価値商品です。
その着物がこちら。
この着物を全部ほどいて布だけにします。
反物ではないので細い部分や短い部分も多いですね。
普通ならストンとしたチュニック風なものにリメイクしますよね。
それでデザインしてみたのです.........
ところが、お客様のリクエストはドレッシーな
ロングドレスです。
着物の反物の巾はだいたい36cです。
ですからこのデザイン画のように仕上げるのは
さすがに不可能に思えました。
生地が全然足りない💦
しかもお客様は恰幅の良いマダムなので、
生地もそれなりにかかります。
本当にできないものだろうか?
でも.......100万円の大島紬の着物ですよ。失敗したらどうしよう?
眉間に皺寄せ、何日も考案し続けたけど、
答えが出てきません。
最悪、袖は半袖。
スカート丈も七分丈になるのは
仕方ないかも。
ダメもとで風合いの似たダミーの布で仮縫い用に
作ってみることにしました。
首のフリルはできるだけ大きくとのリクエスト。
このダミー衣装をまた分解して、
ほどいた状態の大島紬の布に嵌め込んでみました。
工夫に工夫を重ね、どんなハギレも捨てずにフリル部分に使ったり
もう、ほとんどマニアックなジグソーパズルみたいで面白かったです。
そして、出来上がった作品がこちら。ご希望のたっぷりなフリル。
なんとスカート部分にもフリル付けることが出来ました。
袖も長袖が実現できました!
大島紬は絹糸から反物にするまで気の遠くなるような工程の繰り返し。
さらに蚕から絹糸を作るところからずっと想像してみると、
どれだけの職人が関わってきたのかなって感慨深くなりました。
もう着ることもなくなった着物をこのようにリメイクして
また着ることが出来るようになるなんて素敵なことです。
お客様には存在感たっぷりの最高級大島紬のドレスで舞台に立てて、
喜んでいただけました。
私もいつか使われなくなった着物たちを集めてキルト作品作ってみたい
という夢が湧いてきましたよ!
それではまた次回!立川でした。