みなさん、いかがお過ごしですか?
やっと秋がきたと思ったら、急に冬みたいに寒くなって、なんかついていけない愛子です。
あっ、でも美味しいものも食べたし、ナジャハウスの庭でプチ紅葉狩りもしたし、
けっこう楽しんでます。
スタッフのみんなは、相変わらずレンタルやお直しの仕事で大忙し。
そんななか、デザイナーの立川にとってもユニークなオーダーが舞い込んだの!
今回はその一部始終を、いまだ興奮冷めやらぬ立川がリポートしますね。
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みなさんこんにちは、立川です!
今回のオーダーエピソードは、ちょっとコスプレ風な衣装のお話し。
ご依頼いただいたのは、さる11月2日に開催された名古屋の依田由利子さん主催の
お教室の発表会の衣裳。今回の演舞はドンキホーテを題材にした創作フラメンコで、
生徒さん達がソロや群舞を披露されたのですが、これほど大掛かりで手の込んだ
ハイクオリティな発表会は見たことがありませんでした。
本当にとても感動的な舞台だったので、これらに関してはまたブログでも詳細をご紹介しますね。
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さて、衣裳のお話し。今回特に印象的だったのは、ドンキホーテの愛馬ロシナンテの衣裳制作。
”馬”ということでいろいろ大変でしたが、終わってみればとても楽しく、よい経験になりました。
まず依田さんからのご依頼は、白馬に見えるようなケープ風のデザインにしたいとのこと。
さらに一瞬にしてケープを脱ぎ捨て、馬のロシナンテが軽快にフラメンコを踊るため、
ケープの中に着る衣裳も仕立てて欲しいとのことでした。
今まで数々の衣裳を作ってきたけれど、馬の衣裳はもちろん初めて!
仕様としては馬の胴体の後方にもう一人入り、獅子舞のように4本脚に見たてるとのことでした。
馬の特徴といって思い浮かぶのはあの長い馬面、ピンと立った耳、長いたて髪としっぽ、そして長い脚。
こちらは先日訪れた日光東照宮で見かけた白馬。参考までに
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忠実に再現し過ぎると本物そっくりになってしまい、それでは衣装として成り立たなくなるので、
どの特徴を取り入れて、どこを強調するかで頭を悩ませました。
メインの踊り手さんは土屋さんという小柄で可愛いタイプの方。
そしてその馬というのは、荒唐無稽なドンキホーテの愛馬で、
あの間抜けなサンチョがいつもお伴をしているという設定。
どう考えてもサラブレッドのようなスマートな馬のイメージではないなぁ…。
かと言って依田さんは安っぽい舞台には絶対にしたくない!という信念のある方。
クオリティは落とせないけれど、ご予算は限度が…。
そして極めつけのご要望は、馬の衣装として再使用ができないので、
舞台が終わったら手直しをしてフラメンコ衣装としてリメイクできるようにとのことでした。
いくつものきびしい条件をクリアしなくてはならないけれど、一度に考えると煮詰まってしまうので、
ケープ、かぶり物、衣裳の3つに分けてデザインしてみました。
こちらは馬に見たてたケープのデザイン画
イメージができたら次は素材です。自ら生地屋を巡って捜しました。
白馬といっても決してまっ白ではなくちょっとうす汚れたグレーっぽい白で短毛。
ちょっと別珍のような毛並みですね。
これがまた、イメージに合う生地がなかなか見つけられずひと苦労。
でもある生地屋で、隅っこのほうに埋もれている中からこれ!と思うものを発見した時はうれしくて、
思わず馬のようにギャロップしていました! 笑
次に頭を悩ませたのがたて髪です。
当初は毛糸やリリアンで考えていたけれど、サラリと伸びた美しいたて髪というよりは、
愛嬌のあるポニーのような馬がイメージだったので、イマイチしっくりこなかったのです。
それで次の候補となったのが羽のマラボウ。
頭にのせてみたらとても可愛らしくて、踊り手の土屋さんのイメージにピッタリでした。
こちらはかぶり物のデザイン画。ふわふわの部分にマラボウを使用
白の羽を少し汚れた色に見せるため紅茶で染めてみました。
すると羽と羽がへばりついてしまい、フワフワの羽がそれはそれは憐れなほど悲しい姿になりました。
でも乾くとまたフワフワに戻り、色もそれなりに仕上がってホッとしました。
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ケープの下に着る衣裳は、馬なのでやはり脚を見せないと雰囲気が出せないと考えてひざ丈にし、
中に民族衣装的なアンダーパンツをはいて、スカートの中が見えても可愛いデザインにしました。
もちろん、これは後で手直しをしてフラメンコ衣装として使えるように仕立てました。
こちらはケープを脱いだ時のソロの衣裳です
後半の作業はスタッフと共にあれこれと試行錯誤しながら、
耳を作って、たて髪のかぶり物にくっ付けたり、しっぽを作ったりと、普段とは違う作業を楽しみながらやっていました。
そうそう、たて髪ができた時はアトリエにスタッフの「カワイイー!!」の声が響き渡りました 。
こちらが完成した衣裳たち。可愛いでしょ?
何度も失敗し、やり直しを重ね、何とかできあがったけれど、
本番でちゃんと思った通りの馬に見えるか心配でした。
そうして迎えた発表会当日。ご招待いただいていたので、会場のある名古屋の芸術劇場まで伺いました。
リハーサルから見て、踊り手さん達の衣裳チェックをして何点かその場で手直しをしていざ本番へ。
ロシナンテに扮した踊り手の土屋さん。キュートでしょ
土屋さんが演じる馬のロシナンテはとても愛嬌があって可愛らしく、
しかも前足と後ろ脚の足並みが見事にそろっていて、どれほど練習をしたか容易に想像がつきました。
めずらしい劇仕立てのフラメンコ発表会は、大ホールがほぼ満席で観客はみな大喜び。
感動して泣いている人もいました。心からブラボーと叫びたかったです。
他の衣装もかなり力を入れて制作させていただきましたが、
初めての馬の衣裳は、本当にいろんな意味で忘れがたい作品となりました。
最後は何故かサンチョも登場してハイ、ポーズ
それでは、また次回のメルマガで!!
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