小麦句会へ投句された皆さんの作品一句を毎月「麦」誌の「句会報」のページに掲載しています。
3月の掲載句は以下のとおり選ばせていただきました。(宙虫)
囲い込む縁が彼岸会婿行こか 吾郎
鳥帰る荼毘の煙の消ゆる果て 道人
母と子の喃語の世界春日差す アゼリア
春の雲掬えば水の重さにて 珠子
石橋や耳に囀り地に息吹 呆夢
春風に帰らぬ春を見ておりぬ 仙翁
こんな日もあった3・11前の午後 餡子
村境なして菜の花明りかな 敏
梯子して春満月と帰りけり ひなこ
繋ぐ手の温もり仄か初桜 多実生
奔放に伸びし記念樹風光る あちゃこ
ままならぬ帰農の三月時針止む 藤三彩
どれも皆帰る眼をして流し雛 ルカ
若鮎の光り散らしてのぼり來し アネモネ
春来る新監督は最年少 瞳人
被写体のどこを切っても春めけり まきえっと
青空の向こうは戦争落椿 泉
悠久に春の空ある祖国かな 幹夫
草千里焼く火広げる風の渦 詠正
受験子の残念会は回る寿司 瓦すずめ
早春の池や人声よく届き ちせい
風光る空に子どもの笑ひ声 春生
帰らない色がある村雪柳 宙虫
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