小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第398回小麦句会結果発表

2019年01月24日 21時27分59秒 | 15日句会

こんばんは。

お待たせいたしました。

雨の降らない関東はカサカサです。

全豪テニスの決勝戦が楽しみですね。

今回は不手際がありご迷惑をおかけした方々にはお詫びいたします。

 

兼題:

ラグビーやむかし流行った根性論  泉

〇(藤三彩)科学的、合理的プレイも最後は気力と根性か。ワールドとの戦いに日本代表頑張れ

(多実生) 1964年の東京オリンピックの頃流行りましたね。今は理論の裏付けが必要です。

○(幹夫)昨今は様々な種目において科学的トレーニングに移行し、成績も飛躍的に向上しつつありますね。

 

平成の味が素直や根深汁  幹夫

 

根の国を浄土と思う寒桜    道人

○(ちせい)季語は「寒桜」。根の国や黄泉の国、伊邪那岐、伊邪那美。冬に咲く桜から連想が膨らむ。

 

いかがかと三冬がそつと根深汁   瞳人  

 

貸家だね寒餅門下根絶やしか  吾郎

○(餡子)オーオー、なんというか。明治時代の雰囲気ですなあ。 

 

根菜の寄り添う卓袱台冬温し  藤三彩

○(吾郎)根っ子が旨い。すべての栄養分を吸収する機能を持った場所は凄い。

○(敏)昭和三十年代の庶民生活を彷彿とします。おそらく子沢山の、貧しいけれども暖かい家庭が目に浮かんできます。

〇(まきえっと)この家族は健康だろうな。

 

冬ざれる暗記と根気わたし駄目  多実生

○(泉)ユーモアたっぷりの俳句だと思います。

〇(藤三彩)そう落ち込まないで

 

根の国の扉を探す冬の蝶  ルカ

◎(道人)冬の蝶は切ない。そして儚い。

(珠子)格調の高さ。黄泉の国の扉を自ら探す息絶えだえの冬蝶。こんなに寒くても、自家菜園の冬菜には蝶の幼虫がついていて必死に生きようとしています。脈々と繋がれる命。

◎(幹夫)根の国=黄泉(よみ)が佳き塩梅で詠まれており、共感です。

○(敏)動きの鈍った蝶が、大木の根方あたりをうろうろしている様が見てとれます。

(アゼリア)冬の蝶の哀れな様子が上手に表現されていると思います。

 

女正月葛根湯に使用期限   餡子

(ルカ)風邪はひき始めに直すのは、忙しい主婦の鉄則。季語がぴったり、いい処方。

〇(藤三彩)葛根湯の発見になるほど

 

時刻表隙間だらけで冬白根  アゼリア

○(吾郎)田舎のバスだね。1日2~3本くらい。

(多実生) 私の学校の校庭から冬場の晴れた日には、男体山の左奥に日光白根と言われる奥白根山の輝く銀嶺が良くみえました。

 

走り根の縦横に張る淑気かな  春生

◎(敏)枝々からはすっかり葉は落ち尽くしているが、縦横に張った太々とした走り根には年の始めに相応しい生命力が満ちている、といったところでしょうか。

(アゼリア)大木なのでしょうね。地球温暖化防止の一助になるとおもいます。

(選外)(道人)「張る淑気」が佳いですね。

 

十二個も根無しで水仙咲きにけり  ちせい

 

出羽の国根雪に沈むふくらはぎ  珠子

○(泉)雪国の厳しさが、良く表現されています。

(ルカ)山形の、どか雪が見えてくる。ふくらはぎが魅力的。

○(アネモネ)中七下五にいたるリズムがいいです

○(ちせい)季語は「雪」。相当な大雪ですね。座5の「ふくらはぎ」が印象的でした。

〇(まきえっと)雪の季節の辛さ?が中七・下五によく表現されています。

 

ぐんぐんと水吸う根っこ女正月  まきえっと

(ルカ)女は、か弱く見えても、たくましい根っこ。

◎(吾郎)この女正月は実感。いい勢い、明るいし。

 

テーマ:

ぽろぽろと十日戎の米を食む  幹夫

○(アネモネ)ぽろぽろと食むにびっくり

(珠子)正直言うと「米を食む」の状況がつかめませんが。戎さんの福笹には米俵がついています。

 

駅伝に他部の選手が狩り出され  多実生

○(泉)この様な事も、あるかも知れません。驚きました。

 

数の子噛み国の負債のゼロ数ふ  アゼリア

(珠子)毎年膨れ上がる国の借金。0が十数個並ぶ額は想像もつきません。こんなんでいいわけがない!!!とごまめの歯ぎしりです。

○(餡子)子孫繁栄を願う数の子ですが、それも心配な将来です。 

 

猿廻し良き塩梅の綱ひとつ  珠子

(ルカ)中七が素晴らしい。

〇(瞳人)見なくなりましたね、歴史はかなり古いんだけど

○(幹夫)エテ公と呼んだりもしますね。正月の猿まわし・・・縁起良し。

○(ちせい)季語は「猿廻し」。良き塩梅の綱は猿に芸をし易くさせたことでしょう。

(アゼリア)阿吽の呼吸なのでしょうね。見始めたら動けなくなります。

 

寒月や古びし棋譜の千日手    道人

(ルカ)3月のライオン」ファンとしては、見逃せない一句。

〇(藤三彩)棒銀や穴熊・・温故知新か

(珠子)私には全く未知の世界ですが、奥の深さは想像できます。かっちりとして俳句らしい俳句。

○(餡子)「千日手」という言葉をよく考え付いたと、いつも思います。 

〇(まきえっと)寒月がぴったりの形です。

 

金婚の下戸ほお染めし女正月  瞳人

◯(道人)金婚の女正月とは目出度い。本当にゆったりして、飲めない酒も少々。心身共解れますね。

 

人数の合わない宝船の行く  まきえっと

○(泉)何となくユーモラスな俳句だと思います。

(ルカ)彷徨える日本の行く末。

○(吾郎)あははは、誰が抜けたか、知らん奴が乗っとるか。

 

子宝や直ぐになくなるおでん鍋  泉

○(アネモネ)笑いました

 

数的に有利と思ふ三日かな  ちせい

 

千切りの太さまちまち大根膾   餡子

○(アネモネ)わたしの作る料理みたいです

 

寒四郎農村層の空深化  吾郎

◎(泉)「空(うろ)」ですか。初めて知りました。勉強になります。

 

冬セールインチ表示の胴回り  藤三彩

(多実生) メートル法が実施されて久しいですが、まだ外国製品や伝統的な単位には色々見られます。時には戸惑います。

◎(ちせい)季語は「冬」。メートル法、尺貫法、ヤード・ポンド法などシステムの違いがあり、使い分けられる。冬セールとの組み合わせがいいと思いました。

 

風花や失なうものの数ほどに  ルカ

◯(道人)失うものとは、数え切れないのか、ゆっくりと限りなく数えるものなのか。

(多実生) 子供の頃は風花や天気雨に歓喜したものです。掲句は風花がよく効いています。

○(敏)失うものの数が多いか少ないかは、人によって違うでしょう。その人の見方で風花の数の多少が変わると思われます。はたして一句の主人公にとって、その数はどちらだったのでしょう。

(アゼリア)年齢と共に失うものの多さに驚いています。

 

綿虫を数へて人を待ちにけり  春生

○(吾郎)田舎のバス停的な風景ですな、これは好き。

(珠子)11月の大分では綿虫の乱舞に出会いましたが、数えられるほどの綿虫ならあちこちで見られそうです。どんな方を待っておられるのでしょう。こういうふんわりした句には惹かれます。

○(幹夫)待つ人、待たせる人・・・その気持ち分かるなあ。

 

雑詠

繰り返す指紋認証山は雪  まきえっと

○(アネモネ)リズムと切れに感心しました

(選外)(道人)手が悴んで指紋認証がうまく出来ない。外は大雪。

選外(吾郎)季語はこれがベストかどうか分からんが、実感があるね。

 

店番の目が良く動くマスクかな  アゼリア

◎(アネモネ)あるある。そんな感じです

○(餡子)確かに、マスクをしていると目の動きがやたらに目につきます。 

○(幹夫)捉えどころが佳く、季語「マスク」がよく詠まれている。

○(ちせい)季語は「マスク」。マスクをしているのでどうしても目に注目が行く。店番の目がユーモラスに感じられました。

 

また磨く亡父の靴と春を待つ  ルカ

 

暖冬よ苛つく辛い養豚だ  吾郎

◯(道人)養豚業はよく知りませんが、例年の寒さならどんなに辛いことでしょう。

(珠子)暖かい冬だとしても、大変な仕事。白息を太く吐きながらの作業となります。が、春は確実にやってきます。

○(敏)養豚には寒さが必要なのでしょうか? たぶんそうだろうと有無を言わせぬ力がこの回文句にはありそうです

(アゼリア)ご苦労様です。

◎まきえっと)作業は大変だろう。ありがたいです。

 

雪の町いつかはきつと駒子の湯  瞳人

○(泉)「雪国」ですか。文学的な?俳句だと思います。

(多実生) 川端康成の名作“雪国”湯沢の駅の駒子の人形を思いだしました。

 

切り株の年輪に見る冬様々  多実生

 

聖堂の冷たき椅子やイエスの目   餡子

〇(藤三彩)荒野のヨハネからのイエスの受洗、「公現日」が季語になれば見方が変わるのでは

◯(道人)真冬の礼拝堂はさぞ冷たいことでしょう。信仰心の深さが「イエスの目」に凝縮しています。

○(吾郎)この視点はいいなぁ、好きです。

〇(瞳人)スペインあたりにいるような、(スペインはマリアですが)

(アゼリア)本当に寒そうです。信仰の力って凄いですよね。

〇(まきえっと)「イエスの目」への展開がいいですね。

 

乗初は象の背中とメール来る  春生

〇(瞳人)そういうお正月もいいなあ

○(幹夫)以前タイに行った時経験があり、共感です。

(選外)(道人)タイ大好きのお友達ですね。知人にもいます。

 

バーボンはダブルで如何軒氷柱  幹夫

◎(瞳人)いいなあ、そう言ってくれる人いたら

 

拾いたる手袋片手コントなら  藤三彩

 

次の世は散らで咲き継ぐ冬桜    道人

 

紫の花は何処へ四日かな  ちせい

 

虎落笛胸に火傷の痕がある   珠子

◎(藤三彩)コロッケを胸にやけどしたんじゃなくて、空襲・戦火の辛い思いであろう

◯(道人)胸の傷跡は心の傷跡でもあるのでしょう。虎落笛が心身ともに堪える。

〇(瞳人)うーん、もう癒えましたか、癒えないでしょうね当分、と想像します

○(敏)虎落笛と胸の火傷には因果関係は無さそうですが、それを見出した場面に色々な物語が秘められていそうで、意味深ですね。

○(ちせい)ふと思い出す古傷、火傷は虎落笛によって想起させられた。

 

ポケットに懐炉押し込む夜警かな  泉

(多実生) 私も町内の夜警経験があり、懐炉に冬の夜警が垣間見えます。

◎(餡子)テレビドラマの一場面のようです。この役は安田顕あたりがいいかな。

〇(まきえっと)懐炉を使う習慣はないのですが、夜ともなれば。「押し込む」がよいですね。



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2019-01-25 10:19:34
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は最近、やっと冬らしくなって来ました。しかし、もう一月も終わります。巨人の長野さんが広島に来ました。丸選手は巨人に行きました。別に問題はないのですが、日本人はまだ不慣れですから。しかし、丸選手の方が、プレッシャーは大きいでしょう。これから、真価が問われます。
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