小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第451回小麦句会結果発表 再

2021年04月23日 16時50分03秒 | 15日句会

お待たせいたしました。
気持ちのよい一日です。

兼題:地
春場所や地位は単なる参考に  泉
〇(藤三彩)五月場所に横綱は出ない。大関よどうするどうする。

騎馬軍のいくさの地鳴り黄砂来る  幹夫
〇(瞳人)尖閣、そして台湾か、そうはさせぬぞ
○(メイ)遠い地平から地鳴りが聞こえてきてぞわぞわします。
○(餡子)読んで直ぐ兵馬俑のあの夥しい像を思いました。悠久の中国を感じる句です。
◎(めたもん)黄砂が巻きあがる様子が音と共に浮かびます。黄砂のもつ記憶が生々しくよみがえるようです。

春闌けり識らない人の土地に増え  瞳人

のどけしや地球儀回す赤子の手  楊子
○(泉)赤子と地球の対比が面白い、と思います。
○(アダー女)大きな大きな地球を小さな小さな赤ん坊の手が容易くクルクル回しているようなファンタスチックな面白さがいいですね。
◎(卯平)ようやく首が据わった赤子が地球儀に触れている景。詠み手とは単なる句材の対象なのだろう。一歩引いて赤子を眺めている。そこがこの句を良とするところ。この季語で赤子へのさり気ない愛情。
◯ (アゼリア) 私も地球儀の句作りましたが、こんなほのぼのとした暖かい句にはなりませんでした。
◎(幹夫)何の色にも混じらない赤子の手に「のどけし」の季語がよく適っています。

春霖の風にボゴタをさがす地図  宙虫
○(卯平)上五「春霖の」は理屈を感じる。が、句材全体の詩情に共感。

陸奥背にし地元一文字老舗積む  吾郎

渡良瀬の春の湿地に雛育つ  多実生
○(あちゃこ)足尾銅山跡の裸山(今は緑が戻ってきた)を抜けて渡良瀬へ何度か行った。雛育つが静かに自然の強さを伝えている。
○(敏)一句は、広大な渡良瀬遊水地の葦原に生息する葭切の雛を詠んだのだろう。雄の雛は育って相方を求める時に発する鳴き声から行々子とも呼ばれるようになる。
◯ (アゼリア) 私の故郷も渡良瀬川が流れています。無事に巣立ったでしょうか?
○(仙翁)渡良瀬に可愛いいのちの誕生ですね。

晴明や地球喰みゆくバクテリア  あちゃこ

麗かや地下鉄地下を抜け出しぬ  敏
◯(アネモネ)ない発想じゃないけれど。もたもた感がいいと思いました。
〇(珠子)車内の音も変わってぱっと広がる春の明るい景色。
◯(ルカ)地上に出た途端、麗かさを感じます。
○(餡子)「地下鉄車両は、どうやって入れるの?」という漫才がかって流行っていました。地下鉄が地下にはいる瞬間の方が、意識しますが、その反対に出るときの爽快感!  
〇(ちせい)長閑な春の陽気が感じられました
〇(めたもん)地下鉄が地上を走る(のを見る)と何かほっとします。上五の季語により感情の色が付き伸びやかさ伝わります。

地虫穴を出でてこの世に空一つ  めたもん
○(吾郎)“そら”と読むか“くう”と読むかで風景は変わる。個人的には新たな“くう”の誕生が好み。
○(泉)当たり前のことですが、言われてみれば納得、という感じです。
〇(珠子)確かに。虫が眺める空も私が眺める空も、戦争の絶えない国の空も同じ空。
〇(楊子)広い空を一つと表したことがいいです。命あるものにはみな空は一つありますね。
◯(ルカ) たった一つしかない空。
◎(あちゃこ)この世に空一つが重い。地球温暖化の危機を何としても乗り越えなければ。
○(アダー女)啓蟄で穴からいろいろな虫がゾロゾロ地上に出てくるが、大小どんな虫にとってもこの世には同じ地と空が平等にあるのでしょうね。見え方、感じ方は様々でしょうが。
○(メイ)冬眠からさめてみる空やいかに。
◎(道人)この「この世」は明るくて眩い。現実のこの世は逆なのでアイロニーあふれる句。
〇(まきえっと)不安な気持ちはないのだろうか?

術後の眼に地に出て蟻のおろおろと  アダー女
○(宙虫)蟻がおろおろしているのか、眼がおろおろしているのか、少し違って見える景色なのかもしれない。
(選外)(道人)白内障の手術でしょうか。同病経験者として「おろろろと」がよく分かります。

地震の痕桜前線北上す   道人

花は散る夕闇深く地に帰る  仙翁

エリカ咲く地上も地下も水の星  メイ
〇(珠子)水の星・地球。いつまで耐えらるのか。 
◎ (多実生) 水がある星地球は生物が生きられ、当たり前に感謝。
○(宙虫)水に生かされている。そういう実感もある。
〇(まきえっと)水と共存ですね。

境内に地割の符丁花は葉に  アネモネ
◯ (アゼリア) 当方はお祭りの大好きな土地柄で、何かというと屋台が出て、誘い合
わせていそいそと出かけておりましたが、コロナ禍でみな中止です。懐かい気持ちが一杯になりました。

一頭の荒地の蝶の行方かな  ルカ
〇(珠子)大丈夫。蝶には遠くの小さな花々が見えているのでしょう。
○(あちゃこ)光を目指して飛んでいけ!生きることが最優先。
○(仙翁)草花のある?荒れ地に、迷い込んだ蝶でしょうか。

石拾う少年地虫穴を出づ  珠子
◯(アネモネ)取合せの虚無的なクールさがいいと思いました。
○(メイ)少年は石を拾って遠くへ投げるのか、命の営みを感じます。
〇(めたもん)少年は投げるために石を拾ったのでしょうか。少年の屈折した気持ちと季語が複雑に響き合います。
〇(まきえっと)どんな気持ちで少年は石を拾ったんだろう。春の愁いを感じます。

蟻穴を出てまず地軸確かめる  餡子
◎(ちせい)グローバルな視点がいいと思いました。

新緑の生地の膨らむティ―タイム  藤三彩
◯(道人)心の勢いと穏やかさが佳い。「生地の膨らむ」が巧い。

地球儀にミャンマー探す春深し  アゼリア
◯(アネモネ)中七の語順は「探すミャンマー」なんでしょうね!
◯(ルカ)共感します。
○(メイ)地球儀でみると遠い国だけれど、「ビルマの竪琴」の国で市民が死んでいく。

地に潜むものは詩作し燕飛ぶ  ちせい

地下足袋の底の裏には春の土  卯平
〇(藤三彩)春耕には長靴を使うけど。地下足袋の三尺寝の夏が近い。
〇 (多実生) 作業者に適する履物の地下足袋の底は、その季節と共に有ります。
◯(道人)当たり前のことが不思議に思える。「春の土」が生きている。
○(幹夫)農耕作業のあとの景が上手く詠まれています。

月朧地層に眠る貝の層  まきえっと
◎(珠子)取り合わせ方に惹かれました。言葉のシンプルさにはさらに惹かれます。  
◎(敏)淡い月のひかりが気の遠くなるような時間を経て降り積もったかのような「貝の層」。時間の堆積を思わせる作品。
○(卯平)天と地の離れがこの句の眼目。綺麗な句だ。
◎(メイ)おぼろの月光に照らされた貝の層に、長い長い時間が堆積している光景に、人間のはかなさを思います。

テーマ:歩
登校の合わせる歩幅花は葉に  まきえっと
○(泉)小学生は一年生から六年生までいますから、気を使います。
(選外)(道人)昔むかしありました。校門までそのまま辿り着けますように!

なめくじら底歩の粘り攻めさせず  藤三彩
〇 (多実生) 底歩は犠牲の少ない防禦で、将棋の強い人は上手く使います。

パンプスの音高くゆく新社員  楊子
〇(瞳人)いや、爽快です、コロナがなけりゃあ、もっと爽快
○(メイ)こんな時代の新社員全員にエールを送りたい。
○(餡子)パンプスを履かなくって久しい。ぺったんこの3E位が楽になってしまった。葬儀などで久しぶりに履くと筋肉痛等になってしまう。颯爽とした女性が目に浮かぶ。頑張って下さい。外反母趾には気を付けて・・・。 
○(幹夫)リクルートスーツに身を包む新入女子社員。颯爽と歩いています。

歩が笑う将棋崩しや光る風  餡子
○(あちゃこ)明るさにほっとさせられる一句。上五がいい!

一万歩地球回して春の汗  めたもん 
◎(瞳人)ネズミが輪を回すみたいに、地球を回してやっているのですか、その視点、恐れ入りました
○(アダー女)ウオーキングマシンを蹴るように速歩する感覚。常に自転、公転している地球上を歩くことは、まるで地球を蹴って後ろに回しているようなものだという捉え方が面白いですね。気持ちよい春の汗をにじませながら。
○(卯平)季語の付が少々安易とは思うが楽しい句。地球を廻しているとは恐れ入った。
◎(仙翁)確かに、地球を回しているのかも知れませんね、面白い感覚です。
〇(ちせい)ユニークな視点だと思いました。我ら地球の子みたいな。

垣通し朋友遊歩潮時か  吾郎
〇(珠子)蔓が地面を這って垣根を越えてしまうから「垣通し」。目立たたない草花ですが時々見かけます。「潮時」は辞書的には「丁度よい時期」ですが、何かを辞める時に使うことが多い気がします。今まで十分楽しんだ「遊歩」なのでしょう。止めるのはいつでもできますから・もう少し歩きましょ。
○(宙虫)朋友の関係、ふとしたことで終わりが見える。お互いの人間関係?それとも友が歩くのが困難に?垣の存在に距離を覚える。
◯(道人)季語「垣通し」の句は初めて、しかも回文句。心揺れ動く青春期の朋友との逍遥は何ものにも代え難いものと読みました。

寄居虫の歩いて探すほかの殻  幹夫
◯(アネモネ)「ほかの殻」は「つぎの殻」とすると句が滑らかになりそう。

金鳳花のささやきをゆくウォーキングシューズ  宙虫

行く春や歩くロボット低姿勢  メイ
〇(楊子)よく観察していますね。膝も曲がっているし。

遅速なる妻のこゑ山笑ふ  卯平

桜蘂ふるキャンパスを黙々と  アダー女
◎(アネモネ)早く本格的な対面授業になるといいですね。

歩をあわす二人と杖や風光る  ルカ
○(敏)恋人のどちらかが不自由な足をかこっているのでしょう。それをいたわるかのような足取り。
○(餡子)一人は、杖を、突いているかた。もう一人は、どなたでしょう。連れ合い?娘さん?お孫さん?お友達?介護士さん?いろいろな景がうかびます。季語も良いですね。

残生は風に任せて花遍路   道人
◯(ルカ)悟りの一句。
○(仙翁)いいですね。

春宵や村の灯りに歩を進む  仙翁
◯ (アゼリア) 満点の星でしょうね。

歩道橋の隙間芽を出すネコジャラシ  敏
(選外)(アダー女)数年前に話題になった「ど根性大根」を思い出しました。ネコジャラシは雑草だからどこに芽を出しても当たり前だけど、やはり逞しい!

石畳歩み川草萌え出しぬ  ちせい

大いなるエミューの歩幅風光る  珠子
〇(楊子)気持のいい句です。この季節だからこそ詠みたい句です。
○(あちゃこ)エミューは時速50キロ?圧倒される走りが見える。

遅くとも確かな歩み花咲けり  泉

桜蘂降るケバブ屋にその列に  アネモネ
〇(藤三彩)トルコ料理の代表ケバブ。しかし閉まってしまった。
◎(アダー女)桜蘂降る風情はあくまでも日本情緒あふれるものなのに、なぜかトルコ料理のケバブの屋台が今の日本の街と溶け合い、その屋台とそれを求めて並ぶ人々も今の日本の自然な風景なのだろう。そこに桜蘂が降り、道路を紅染めているんでしょうね。取り合わせの妙に感心!
○(餡子)私は頂いたことありませんが、自動車のケバブ屋さんがスーパーの前で、「ドネルケバブ」を売っています。陽気に声をかけながら。桜との取り合わせが明るく、春らしい句です。 
〇(ちせい)トルコみたいな感じがしました。桜の花の面影を残すような。
〇(めたもん)上五の季語とケバブ屋との取り合わせが意外で新鮮です。付け足しのような下五がリアリティーを与えていて巧みです。
〇(まきえっと)流行りましたよね。春のお祭りの屋台を思い出しました。

白無垢の小さき歩幅や五月来る  アゼリア
○(吾郎)♫うちがお嫁に行くときは~~裾をもたげて乗る小舟~~(Keme)。五月がいいね。
◎(泉)新しい人生の旅立ちですね。
○(幹夫)五月の花嫁ですね。目出度い!
歩み寄る二つの影や花の雨  あちゃこ
〇 (多実生) 雨が二人を素晴らしいシーンです。
○(敏)ちょっと昔の映画の一シーンを想起します。たとえば「細雪」のような。
◯ (アゼリア) 老二人と考えても、若い二人と考えても素敵ですね。

青大将の名高からめ春にゆく  瞳人

老い止めの為の散歩や若葉風  多実生

雑詠
コンビナート光の夜のおぼろかな  メイ
○(幹夫)光の夜とおぼろの対比がいいですね。景が見えます。

うたた寝の左脳に優し穀雨かな  アダー女
◯(道人)春はうたた寝の時季。眠りがちな左脳を刺激する穀雨の優しさが佳い。

春の雨身の置き所なく叫ぶ  仙翁
○(吾郎)叫ぶ、がひじょ~~によい。措辞はさておき。
◎(宙虫)春の雨、厳しさや激しさとは違う雨。それなのに屋根のない場所にいるわけにもいかない。鬱屈したものを吐き出したい。下五の唐突感に魅かれる。

まず石段また石段や藤揺るる  アゼリア
◎(楊子)地味な詠みかもしませんが、ゆっくりと石段を上ることと藤が下がっていることが頭の中で映像化されます。
◯(ルカ)実感があります。
○(あちゃこ)早くも藤が咲き、加速する季節に追いついていけない。石段のリフレインと副詞の使い方が巧み。
○(卯平)動的な句で臨場感がある。揺れているのは詠み手。しかし、その生き生きした句柄は実景でなければ産まれない。
〇(ちせい)苦闘の連続に藤の花房が揺れて居る
◎(吾郎)いい景色。きついけど快感。近年は目的がないと五十を超す石段は登れないな(笑)

一瀑の揺さぶる悔悟冴返る  あちゃこ

寄せ植えの赤・白・しぼり肥後椿  多実生
〇(藤三彩)その花を見て椿実を取り、実生を育てる。世代代わりの花は如何に

宮の死産かな花簪の闇  吾郎

金欠はいつものことよ山笑う  泉
○(吾郎)♫そのうちなんとか、なぁ~~~るだろぉ~~~(笑)人生で大切なことは植木さんから教わった。
〇(瞳人)だから、パチンコ屋へ行ってハイライトを稼ぐのに、真剣勝負の昔しのばるる
〇 (多実生) 若い人の庶民の暮しが見えます。

残る花散るも散らぬも風任せ  道人
○(敏)人間の思惑を無視したような「さくら」の荘厳なたたずまいを感じます。

指嘗めて春の頁に移りけり  敏
〇(楊子)「春の頁」は歳時記かもしれませんが、もっと喩としてとらえてもいいとおもいます。
○(アダー女)頁をめくるのに指につばつけてめくる癖のある人って確かに昔(今もいるかな?)いました。あまり見ていて気持ちよいものではありませんが、何故か「春の頁」で汚い気分が薄れるのは不思議です。三島由紀夫の「豊穣の海」第一部「春の雪」まで浮かんでくるのは、作者のマジックにかかったのかなあ?

種袋夜のやさしい鉄道音  宙虫
◎(藤三彩)種植える準備の季節。汽笛の聞こえる夜は早く寝て明日の晴れに期待しよう。
◎ (アゼリア) 種袋を振った時の音も、鉄道音も大好きな音です。サイモン&ガーファンクルの歌にもアリスの歌にも出て来ますよね。素敵な取り合わせと思いました。
〇(まきえっと)取り合わせがいいですね。

春泥や乾き切らねば白き部位  ちせい

青き踏む綻びのある地平線  まきえっと
◎(ルカ)青春を感じます。
〇 (多実生) わが国では地平線が見えれば絶景です。何が有っても一部が見えれば大満足。
○(宙虫)綻びどころではないのかもしれないなと思いながら生きていくための一歩。
○(敏)地平線の手前に街の建物などがあるのでしょう。それが地平線の「綻び」に見えたのでしょうね。
〇(仙翁)綻びのある地平線、確かにありそうですね。
◯(道人)十代半ばの心模様を再現した心象句かと。

新人の硬き挨拶風光る  餡子
○(泉)新人にとっては、挨拶も大変ですね。
◯(アネモネ)「風光る」で新人への期待度が感じられます。
〇(ちせい)逆に初々しい見たいな感じがしました。
〇(めたもん)緊張した新人の初々しい姿に爽やかな風が吹いています。

窓ガラス磨く音して夏隣  ルカ
○(幹夫)キュッキュッ!季語「夏隣」が適っています。

誰れ彼れの胸におしんの四月尽  瞳人

赴任地は地図の端つこねぢあやめ  アネモネ
○(吾郎)ねぢあやめとのマリアージュが素敵。行ってらっしゃ~~~い。 
〇(藤三彩)釣りバカ日誌のようなお気軽さはない。世界地図の見知らぬ国ということもあり。
〇(瞳人)そう言える人の羨ましいこと、一度も言えなかった
○(宙虫)地図の中央に返り咲く日があるのだろうか。ねじれることなく端っこの地での暮らしを愛せることを祈る。
○(卯平)詠み手(多分教育関係者では)は今回の異動は不本意のようだ。中七で詠み手のひねた気持ちを直截し、更に「ねじあやめ」で強調している。この後、詠み手が武田鉄矢の気持ちになる事を祈念しよう。
◎(餡子)4月からの異動でしょうか?今度の赴任地はどんなところなのかは、気になりますね。ネジアヤメが地方かな?と思わせらます。  
◎ (まきえっと)ねぢあやめと地図の端っこがいいですね。

奉納は天保四年囀れり  珠子

春嶺や最後を高く鎚の音  めたもん
〇(楊子)中七が佳いみつけです。景も大きくて春ならではの清々しい詠みです。
○(仙翁)鎚の音が、こだまになって響いているのでしょうか。

乱立のビルの裏口リラの冷え  楊子
○(卯平)上五中七の措辞は都会の景。一方季語は北国の景。「花の冷え」では驚きはない。裏口だから詠み手のふる里、北国のリラの冷えが甦ったのだろう。 
〇(めたもん)荷下ろしのトラックが停まっていそうな北の街の裏通り。人を寄せ付けないような硬質な空気が伝わってきます。

立ち喰ひのバナナ一本暮の春  卯平
○(泉)何となく魅力的な俳句だと思います。
○(アダー女)バナナは免疫力を高め、血圧を下げ、その他多くの効能を持つ健康食品。刃物もいらず、マラソン選手のエネルギー補強のためにも愛用されますね。作者は食事をする時間もないほど何かに夢中。でもお腹は空くし、バナナ一本立ったまま食べて何かに没頭している。とりとめのない「暮の春」がぴたりときますね。

蓙(ござ)一枚酔へば八分の花冷えて  幹夫

蝮蛇草外の様子に仏炎苞  藤三彩

次回をお楽しみに。



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2021-04-23 19:43:58
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島はやっと暖かくなって来ました。しかし、新型コロナの感染拡大で、市内へは出たくありません。広島カープの成績も今ひとつ。今後の活躍に期待です。MLBの大谷選手ばかりが話題になっていますね・・・?
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