麦「句会報」への掲載（2021年６月分）

インターネット小麦句会（六月分）
月に二度のネット句会。気楽にお立ち寄りください。
http://blog.goo.ne.jp/nakadayo2018
ふるさとは立ち寄るところ夏薊　　　　珠子
野薊を起点の記憶遠山河　　　　　　　敏
スマホ捨て書を捨て夏野へと駆けよ　　餡子
水打って下ろす暖簾の月日かな　　　　道人
蚊遣火や丸椅子五脚の焼鳥屋　　　　　アゼリア
代休のひとりの昼やソーダ水　　　　　楊子
永遠の「水ヲクダサイ」灼くる雲　　　卯平
再起動までのひととき夕焼雲　　　　　メイ
朝焼けや水脈の彼方の島の影　　　　　あちゃこ
梅雨晴間ぶらり垂れたる象の鼻　　　　幹夫
ピーナッツバターたつぷり開港日　　　アネモネ
蚊帳開き烏賊焼き夜会綺羅びやか　　　吾郎
泉湧く村に男の子の生まれけり　　　　春生
空洞のビル街梅雨がたむろする　　　　宙虫
書を閉じて若葉の中へスニーカー　　　泉
雑草も結ぶ実の有り麦の秋　　　　　　多実生
紫陽花の仮面を打つや雨の音　　　　　仙翁
山脈の見える幸せ半夏生　　　　　　　藤三彩
しんがりが一番元気夏あざみ　　　　　めたもん
高きより国見をすれば風薫る　　　　　アダー女
ガスコンロ燃焼止まるはたた神　　　　ちせい
父の日や鰻蒲焼届くとは　　　　　　　瞳人
夏野ゆく焼けつく日差し背に受けて　　ルカ
人間の背中に翼梅雨晴間　　　　　　　まきえっと