船長の猫に定席雲の峰 餡子
○(ルカ)定席がいいですね、
〇(幹夫)三毛猫にはパイプ咥えて駅長、船長の役がよく似合う。海上に沸きだつ「雲の峰」の季語で猫の貫禄が詠まれていると思いました。
〇(珠子)確かに船長と呼ばれそうな凛々しい猫です。季語も座っています。
〇(まきえっと)「定席」がいいですね。日々の様子が伝わってきます。
〇 (多実生) 船長の猫は三毛の雄かも知れません。
○(ちせい)季語は「雲の峰」。「猫に定席」が印象的でした。
◎(宙虫)猫も海に出ると船酔いする猫もいるそうな。そんなこと考えて微笑ましい。
◎(楊子)たんたんとした日常が見える。特別なことをよむのではなく、描写が句を意味を美しくしている。船のエンジンの音も聞こえ、視野も高くひろい。
石段に来る南風村の名を知らず 宙虫
〇(まきえっと)上五の表現がよいですね。
水脈を曳き海に溶けゆく夏夕焼 仙翁
◎(幹夫)夏夕焼のなんとも美しい景がきらきらと詠まれており共感です。
○(敏)水脈を曳くのは船、海に溶ける夕焼が美しい。夕焼だけで夏と判るから、「夏夕日」くらいでどうでしょう。
寝そべって出迎える猫片かげり まきえっと
○(幹夫)なんと優雅な猫だこと!
潮錆の看板揚羽蝶過る 珠子
○(餡子)少し剥げて、読みにくい看板。直さなくても島の人は知っているから大丈夫。揚羽だって知っている。
〇(道人)どこから飛んできた揚羽蝶でしょうか?あるいは乗船の時に一緒に乗って来た島へ帰る揚羽蝶でしょうか? 途中で海に放り出されても自力で島へ渡れるのでしょうか?色々心配。
○(アネモネ)潮錆の明るい茶色と揚羽蝶の黒の色彩がシックです。
◯ (アゼリア) 観察鋭いです。揚羽蝶との取り合わせも上手と思います。
○(仙翁)情景が良く浮かびます。潮錆が効いています。
〇 (多実生) 港町は錆がきついですね。
〇(宙虫)潮錆がいい塩梅に景色を作っています。
〇(楊子)錆と揚羽蝶でなにか不穏さも感じられる。
飼主の帰港待つ猫梅雨晴れ間 アゼリア
○(餡子)何からの帰港でしょうか。色々なドラマが見えます。
○(アネモネ)これは可愛い。写真の景、まさにまさにです。
◎(藤三彩)ハチ公のような猫なのね
潮の香の猫が寝そべる片かげり アネモネ
〇(幹夫)ちゃっかり猫、写真の景が佳く詠まれており共感です。
虹は背に定期連絡船出航す 敏
じんせいもいきがいもある島の猫 楊子
◎(餡子)ある島では,住人より猫の数の方が多いとか。大事にされているみたいです。猫にとっては人生ではなく「じんせい」生き甲斐ではなく「いきがい」。上手い表現だと思いました。
〇(道人)擬人化した平仮名表記の上五中七が何となく気に入りました。島の猫になりたい。
○(敏)島の猫に特化した猫生の作品。猫への思い入れの強い作品。
(選外)(藤三彩)ニャンせいはあれども季節感の季語がないのは可愛そう
潮騒は子守唄なり大昼寝 多実生
○(餡子)ひっそりとした昼下がり。島の皆さん、お昼寝中。
◎(アネモネ)懐かしい!私の生まれた島もまさにこんなところでした。
〇(珠子)おおらかな句にはあたたかな気持ちにさせてもらえます。
○(泉)ぐっすりと眠れたことでしょう。
〇(藤三彩)気持ちいい昼寝だろうな
◯ (アゼリア) 本当に気持ち良さそうです。
○(仙翁)いいですね。このように昼寝をしてみたい。
◎(ちせい)季語は「昼寝」。潮騒が子守唄とは抒情的です。
〇(宙虫)ここちよい揺らぎのなかにいる幸せですね。
〇(楊子)海に住むことのおおらかさがいい。
よーそろー浪立て鴎の夏衣 藤三彩
碧天へ猫の見上げるヨットの帆 道人
○(泉)青空に白い帆。いかにも夏らしい俳句だと思います。
○(ちせい)季語は「ヨット」。猫の動作に真実を見たのかもしれません。
白猫や夏の漁獲を期待する ちせい
○(幹夫)お零れ頂戴!ニャーとおねだり白い猫。
〇(まきえっと)どうだったのでしょうか?
片陰に潮風受けて白き猫 泉
○(アネモネ)白き猫の白に気品を感じます。
◎(仙翁)猫がのんびり歩いているのか寝ているのか。
六月の波打際の白き猫 ルカ
(選外)(道人)きれいな写生句ですが、「六月の猫」の背景に興味が広がって行きます。
絶壁に昼寝の猫や海青し 仙翁
瀬戸内の島点々と夏の海 幹夫
〇(まきえっと)夏の海が合っています。
白猫にムサシと名付く夏渚 敏
◎(珠子)凛々しいいい名前です。飼い主のセンス、いや作者のセンスが素晴らしい。写真からこういう発想はなかなか生まれません。もう少し座りのいい季語はある気がしますが。
○(ちせい)季語は「夏渚」。ムサシ、武蔵。名付けに宿る心根に夏渚。
〇(楊子)決闘をしそうにもない白猫の名がたのしい。
夏の海父に貰ひし金平糖 幹夫
○(ルカ)金平糖、海の思い出にふさわしいです。
○(泉)金平糖がうまくマッチしています。
○(ちせい)季語は「夏の海」。父から貰った金平糖が海の香りを放っていると思いました。
◯ (アゼリア) 甘党で優しいお父さまですね。
〇(宙虫)思い出の中にある金平糖。そのカラフルさが映像として印象的。
風に乗るヨット彼女のいる島へ ルカ
〇(道人)ちょっとした青春ドラマ仕立て。
◎(まきえっと)待ち遠しいですね。
白南風や金帰月来島くらし 道人
○(泉)離島での単身赴任。いろいろと不便でしょう。
◯ (アゼリア) どんなお仕事なのかしら?ー色々想像しました。
〇 (多実生) こんな暮しも有りそうです。
〇(宙虫)下五がやや疑問な感じだが、夏の島との関りが面白い。
〇(楊子)白南風に暮す実感がみえる。
この浦に記憶のかけら積乱雲 珠子
〇(道人)雲の峰ではなく「積乱雲」と気象用語にした点が、「記憶のかけら」に重みをもたせています。海難事故だったかも知れませんね。決して消えない記憶。数十年ぶりに「この浦」に戻って来た感慨。
○(幹夫)小さかった頃の思い出。
○(泉)「記憶のかけら」が気になりました。
○(仙翁)何か大切な思い出があるのでしょうか。
○(敏)積乱雲のもと、この浦に刻んだ思い出の断片が蘇ったのでしょう。
〇(楊子)ああ思い出。そんなこともあったなあ。
夏銀河への渡船を猫と待つ日暮れ 宙虫
○(餡子)宮沢賢治の世界。
◎(道人)島の夜は満天「夏銀河」の世界なのでしょう。「猫と待つ」に俗世間から逃れてゆく寂寥感。
◎(泉)雄大でロマンチックな俳句だと思います。
◎ (アゼリア) ひょっとして方舟?ーやっぱり私は取り残されるのか?そういえば性格良さそうな猫ですね。
○(仙翁)日暮れと共にどこか遠くへ行きたい感じ。
◎(敏)壮大な思いで夏銀河の現れるのを見上げているのでしょう、愛する猫と。
潮の香を胸一杯に帰省せり 泉
○(餡子)可愛がっていた猫ちゃんもお出迎えですね。
○(ルカ)胸いっぱいに、思いがこもっています。
○(アネモネ)いいですねえ。潮の香の帰省に実感ありです。
〇(珠子)ふるさとの懐の深さに包まれて。帰省は二泊三日ぐらいでしょうか?
○(敏)帰省への思いの高鳴りが迫ってきます。
片陰や坂を登れば山の神 ちせい
○(ルカ)海辺近くの神社の感じが出ています。
○(アネモネ)発想の飛躍力、なかなかです。
〇(珠子)どの道も海から山へ。山の神と海の神をつなぐ道もすっかり真夏。
〇(藤三彩)箱根駅伝の「山の神」ならぬ自分へのご褒美か
○(仙翁)海の神があれば、山の神もあるでしょう。
防人の妻恋ふ歌碑や青葉潮 アゼリア
〇(珠子)忘れられたようにひっそりと夏草の中に。
〇(藤三彩)半島情勢により家族との別れを強制された兵卒は古今変わりがない悲哀
(選外)(道人)福岡の能古島を想い出しました。猫の出迎えはなかったですが。
島人より猫数多なり若葉光 餡子
○(ルカ)まさにそう。
〇(藤三彩)島や村の人口減少は切ない
〇(まきえっと)そんな感じします。
〇 (多実生) 島の人は海に出ますから猫の多さが目立つ様です。
猫の知る涼しい木陰おらの村 藤三彩
〇(道人)昔から変わらない村の風景ではあるけれど、人間は殆ど「町」へ出て行って「涼しい木陰」を知るのは猫と村に残った「おら」達のみ。
梅雨明くとクルージングの波しぶき アネモネ
〇 (多実生) 海は招く、梅雨明けが待ち遠しい。
○(敏)梅雨明けを待つ気持ちが波しぶきに見てとれます。
○(ちせい)季語は「梅雨明く」。黒南風ではなくて既に白南風の吹く頃。マリンスポーツを満喫する。
船長は無言を通す夏鴎 楊子
◎(ルカ)季語もいいですし、無言の船長が、浮かびます。
〇(藤三彩)男は黙って、日焼けした顔の逞しさはいぶし銀のよう。
◯ (アゼリア) なんか無口な方って信用できそうですよね。
波音をまじかに避暑の浜の猫 多実生
ひと気ない路地上りきり夏に会う まきえっと
◎ (多実生) 港町は坂が多いものです。上り切って夏、良く判ります。
〇(宙虫)夏に会う、大きい下五が魅力的だ。
★それでは、次回の句会をお待ちください。
次回当番はまきえっとさんです。
★麦の会のブログ移転しています。
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広島は最近、蒸し暑くて梅雨さなか、という感じになりました。しかし、あまり雨は降りません。ともかく、広島カープの連敗が止まらないので、イライラしています。もちろん、勝ち続けることは不可能ですが、ここまで負けが込むとは、不思議でなりません。丸選手が抜けた、というのは理由にはならないでしょう。