第533回小麦句会投句一覧（9月22日選句締切）

9月17日は中秋の名月です。でも満月ではないってご存じでしたか？
9月18日が満月なんです。
中秋の名月の近くに土星が見えます。満月に近い月は、とても明るいため、土星はやや見づらいかもしれませんが気に留めてみてください。
どうか天気に恵まれますように。

兼題:分
鳥渡る分水嶺に雲一朶　
気分らし刈田辺りか知らん武器　
淋し玉泣かせト金へ野分立つ　　　　
秋立つや分水嶺の際やかに　　
大分ゆきフェリー林檎に傷がある　　
六度二分、問診クリア歯科残暑　
自分史の妻の添削聞く夜長    
店頭のつめ痕梨の見分け方　　
分刻みの暮しは遥か秋海棠　
赤とんぼ分相応が楽でよし　
白日や自分のための葡萄買う　
分身が朝焼けの秋空駆ける　　　　　
肘付いて「分かる分かる」と葡萄食う　　
分業のコピー束ねてつくつくし　　　
妻の分私の分の夜長の灯　　
秋刀魚一尾仏と分けていただきぬ　　　　
一分のドラマ線香花火墜つ　　
颱風を図る分度器や操舵室　　　　
五分五分の勝負の行方ちちろ鳴く　　
野分来る石の小鳥の石の羽　　
秋暑し終末時計1分半　　　　
シーフードヌードル分ける秋の雨　　　　

テーマ:食
お月見の団子ファミマの灯が碧い　　
ピーマンの空洞にある孤独かな　
持ち帰る秋刀魚の眼暮色来て　　
鰯喰ふ苦海浄土は今もなほ　　
秋暑しとろっと玉子親子鍋　　
花野行くチューインガムを膨らませ　　　
過疎地にも子供食堂まゆみの実　　　
古井戸の木霊聞こえる大西瓜　　
三食はノルマと食し残暑肥え　　　　
似もあらぬ苦瓜苦虫噛みてをり　　　　
秋の蚊のターゲット我戦えり　
食べた物書いて馬肥ゆるを回避　
虫の闇食に貴賎は無しと言ふ　　　　　　
湯あり抱く習い平らな下り鮎　
秋刀魚定食お代わりはお断り　　　　　
筒状のスナック菓子や水の秋　　　
勉強も子供食堂の夜長かな　
焼秋刀魚孤食の並ぶカウンター　　
弁当の真っ赤な小梅水の秋　　
木の皮を食べるビーバー食の秋　　　
野葡萄を噛んで了りぬ恋一つ    
鶺鴒のつつく誹謗を生む誹謗　　　

雑詠
「シエーン…か」小ごゑにてつい秋の暮　　　
二百二十日鏡に傾ぐ猫の耳　　
パンダの返還仕方ないので栗を剥く　　
よくもまあ疵ひとつなき大南瓜　　
外さるる二百十日のエンブレム　　
擬人化のキウイの箱に産地かな　　　　　
狂う残暑炎あげそな庭の草　　　　
コンビニで弁当買って運動会　
月光を容れてフジコのリスト聴く　　
懸巣また鳴いて素つ頓狂な声　　　　
糸瓜忌よ能登飛騨人の善き町へ　
蛇口から冷水ほっとする残暑　　
秋風や消える性別記入欄　　
したたかな残暑と澱を連れ歩く　　　
澄む水の深みに魚の群れの影　
まだ来ない雨を地蔵と待つ秋野　　
前を向く皆前を向く鰯雲　　
草原のゲルの天井秋日濃し　
鳥渡る顔暮れるまで畑の中　　
風前の塵静かなる秋の宵　　　　　
棒立ちの新聞少年つばめ去る    
矢印だけ残って文化祭終る　　

★選句要領
選句数６句（うち特選１句）
締切　9月22日（日）24時
選句コメントをつけて送ってください。
選外のものでもコメントしたい句がありましたら、コメントを受け付けています。