おはようございます。
ようやく梅雨らしくなりましたが、局地的な豪雨もあります。
気をつけてお過ごしください。
第361回小麦句会の告知もされております。"
兼題:雨
咲きだして雨にぽかんと百合の花 アネモネ
○(あちゃこ)初めての体験?ぽかんがいいですね。百合好きの私としては、この句は、見逃せません。
(選外)(藤三彩)”ぽかん”が似合うユリは?と想像してみますが、色々種類がありまして、車ユリ、鹿の子百合、鳴子百合、黒百合・・
夏つばめやさしい雨が似合う町 宙虫
〇(アネモネ)どこの町でしょう?行ってみたいなあ。
〇(瞳人)どこかにありそうな
○(泉)流れるような、雰囲気の良い俳句だと思います。
〇(春生)何か、郷愁を感じる。こんな町を歩いてみたいですね。
〇(ルカ)つばめには優しさが似合います。
◯ (アゼリア)私の住む町を詠んでくださったのかと思いました。
○(まきえっと)雨も嬉しくなりますね。
妊娠か仕事か迷い梅雨に入る 泉
(選外)(ちせい)季語は「梅雨に入る」。事実の報告のような印象を受けました。でもその「迷い」から来る真実性には少しはっとしました。
候補者のマイクの遠吠え通り雨 藤三彩
ぬかるみを跳んでぬかるみ五月雨るる 幹夫
〇(珠子)近所にあります。庭と畑と林と道の境があいまいな農家の道?チャボが自由に闊歩し常に老鶯が鳴いていて。つい最近、畑に手が回らなくなって半分手放すという情報が入ったばかり。いつもぬかるんでいるあの道もあっという間に住宅地になるのでしょうか。
〇(春生)「ぬかるみを跳んでぬかるみ」リズムが良いです。
◯(宙虫)自分の思いほど跳べない。もう若くない!
○(まきえっと)ちょっとしたイライラした感じもします。
ほろ酔ひのまさか付馬梅雨の月 瞳人
〇(アネモネ)これはびっくり!ほんと「まさか付馬」ですよね。
梅雨入絵か呑み聞く君の帰りいつ 吾郎
○(敏)梅雨入りの日に、一杯やりながら愛しい人の帰りがいつになるか、父である酒店主が撮った娘の写真でも眺めながら訊いているところでしょうか。いつものことですが、回文句って、なにがしか物語を想起させてくれますね。
雨宿り一会の人とかき氷 アゼリア
○(泉)本当に有りそうな光景です。お互いの心配事を相談したりして。
〇 (多実生) 何はともあれ雨宿り出来て良かった。
○(敏)一期一会のかき氷ですか、微笑ましいシーンですね。
○(あちゃこ)混み合う店で、相席に。よくある景色ですが、かき氷とは面白い。
禅寺の灯りぼんやり雨蛙 春生
〇(珠子)ずっと長い間、鳥の声と思っていたのが雨蛙だったと知ったのが、数年前の寺の境内でした。
◎(仙翁)禅寺、灯り、アマガエル、いい取り合わせでしょうか。
◯(宙虫)雨蛙がいい感じです。なんでもない句だけど。
◯(道人)「禅寺」と「雨蛙」の取取合せの妙に加え「ぼんやり」が巧い。
○(ちせい)季語は「雨蛙」。ぼんやりな灯りに雨蛙。俳諧味があると思ったのでしょう。
◯ (アゼリア)雨に烟る禅寺が目に浮かびます。
○(まきえっと)きれいな景です。鳴き声も聞こえてきそうです。
五月雨や山は田水に煌めいて 仙翁
○(幹夫)田水に映る山の景がよく五月雨に佳く煌めいています。
◎ (多実生) 田水を張ると景色が一変する山際の風景を巧く捕らえました。
○(餡子)田水にはいろいろな景色が映されます。この句は山が静かに水に映っている。日本の美しい景ですね。
雨乞の輪読太鼓乾く音 まきえっと
○(餡子)効を奏したのでしょうか。昨日今日と日本中雨ですね。稲もほっとするでしょう。
○(あちゃこ)時代を超え、雨は生死を決定しますね。この取り合わせは、発想を超えていました。
(選外)(道人)太鼓というより木魚の音か?ひたすら祈るしかない。
雨宿りは逢いのきっかけ額の花 敏
◎(幹夫)いい出逢いですね。額の花には雨宿りがよく似合います。
雨上がる木苺の熟れ横に見て 多実生
紫陽花の風が雨雲遠ざける 道人
夏の雨未完小説読みはじむ ルカ
○(吾郎)終わりのない物語を読む暑い夏。雨の音が心地よい。
◯(宙虫)きっかけは雨なんですね。明るさもあります。
◎(ちせい)季語は「夏の雨」。夏目漱石の「明暗」などが思い浮かびました。晴耕雨読みたいな。
(選外)(道人)梅雨の読書には未完の長編小説が似合いそう。内田康夫の未完の新作「孤道」の完成版の公募もありますね。
庭先に靴並べ干す梅雨休み あちゃこ
待ち人の来ない梅雨の有楽町 餡子
〇(瞳人)あのころ、有楽町目指し、青春まっただ中
○(泉)何だか意味深な俳句です。「梅雨」のせいかな?
五月雨や「微笑み」と言ふ曲がある ちせい
◎(珠子)「微笑み」聴いてみました。五月雨と何のつながりもないようで、何となく合っていて、それが新鮮で惹かれました。
千年の銀杏の青葉日照雨去る 珠子
◎(アゼリア)千年、青葉の時期、日照雨と時間の長短を対比させ、景のよく見える美しい句と思いました。
テーマ:快適
屋並み消え平らな風にのる蜻蛉 宙虫
〇(アネモネ) いいですねえ。郊外行きのバスの景でしょうか。
〇(仙翁)平らな風、面白い表現ですね。
◯(道人)すいすい、と飛ぶ蜻蛉と青空がよく見える。心地よい写生句。
〇(ルカ)平らな風が吹く。いいですね。
〇(まきえっと)平らな風がよいですね。
夏の蝶快適な庭に来ると言ふ ちせい
風呂上がりビール飲みつつプロ野球 泉
○(幹夫)まさに至福の一コマですね。と、それにしても、今季の巨人は弱い!
○(餡子)これで、カープが勝てば更に快適ですよ。応援よろしくお願いします。
茄子の花敷き詰め付きし那覇の砂 吾郎
(選外)(道人)青海原の砂浜に寝そべって気持ち良さそう。茄子の花が効いている。
空調のセッティング良し更衣 敏
○(ちせい)季語は「更衣」。更衣をしたくなった気分、原因が明瞭でいいと思いました。
初夏の道ペダル踏む風耳に来る 多実生
〇(仙翁)爽やかな風に乗っているようですね。
〝ハイネツケン〟一声のあと澄まし顔 瞳人
○(敏)オランダビールは久しく味わっていないので、味は忘れてしまいましたが、掲句のような気障っぽい注文の場面に出くわしたこと、ありました。「快適」なのはきっとお酒の味の方だったでしょう。
振舞いのビール太鼓の音響く 珠子
青嵐水琴窟の音を乱す 幹夫
〇(春生)本当は風に影響されないのでしょうが、「青嵐」の音で乱されたように感じたのでしょうね。
通勤はグリーン車の二階外は梅雨 餡子
読みかけの雑誌めくれて夏座敷 ルカ
〇(瞳人)涼しそう
◎(吾郎)うっかり寝てしまった午後。風が柔かく吹いてくる快感。最高ですね
〇(春生)涼しそうです。さわやかです。
日の入りて泥土落とし手に麦酒 仙翁
◎(泉)一日の仕事が終り、ビールを飲む。最高のひと時ですね。
(選外)(ちせい)季語は「麦酒」。季語のビールが少し印象的でした。
(選外)(道人)田植え後でしょうか。そんな麦酒を飲んで みたい。
疲れ目に青田の連なる特急車 藤三彩
◯(アゼリア)青田には本当に目が癒されます。
風の道遮るものなき夏座敷 春生
〇 (多実生) もう既に青田からの風でしょうか?ささやかながら天国の様です。
◯(宙虫)風の道がいい感じです。でも、洋間の増えて夏座敷は貴重品かも。
(選外)(道人)この開放感が良いですね。
ぽっちりとトマトの小花朝が来た あちゃこ
○(吾郎)ぽっちりがいい。下五の明るさも好き。
〇(仙翁)トマトの花、ぽっちりとは面白い。
◯(道人)待望のトマトの花、ベランダの鉢植えでしょうか。「ぽっちりと」が可愛いらしい。「朝が来た」の断定も新鮮で佳いですね。
○(藤三彩)黄色の小花にふと気づく朝、よい実になりますように
○(まきえっと)梅雨晴間といった感じです。
噴き上げの水が日に飛ぶ風に飛ぶ アネモネ
○(敏)時として生きものの動きのようにも見える噴水の様が、眼前とします。
〇(ルカ)リズムがいいですね。
六月の風入れ尾瀬を想ふ朝 アゼリア
〇 (多実生) 尾瀬は水芭蕉が終りワタスゲの時期でしょうか?
○(餡子)爽やかな尾瀬の空気が入り込んできそうです。今一番いい季節ですね。
◎(藤三彩)まだ尾瀬、至仏山には行っていない、いつかは・・と思う
○(ちせい)季語は「六月」。観光旅行の思い出なのかも知れません。
餞別の栞を挟みハンモック 道人
○(幹夫)佳く省略されて詠まれていると思います。
○(吾郎)物語がいろいろと読める。ハンモックはもちろん快適なのだが、措辞がいいなぁ。
夕立過ぎ炭酸水の一気飲み まきえっと
雑詠
漱石をななめ読みせしきららかな ルカ
◎(敏)紙魚を擬人化した句って、初めて目にしました。よっぽどの紙魚喰いの痕だったのでしょうね。持っているだけで、滅多に開くことのなかった全集の補巻だったりして。
◎(あちゃこ)草枕でも、読んだの?虫さん?ななめ読みが効いてます。
ラジコンの船に素足のすね捲くる アネモネ
麦秋の雨撫で肩に夢二の絵 幹夫
〇(アネモネ)ごてごてしているけれど、撫で肩の夢二の絵に魅かれます。
田植機もいつか無人になるだろう 泉
○(幹夫)果てしなく進歩の文明ですね!
○(餡子)そうかもしれませんね。でも、やはり米の字のように、手間暇かけてこそ、おいしくなると思うのですが・・・。
◎(ルカ)田植機も、の「も」が、色んな事を語ってます。
○(藤三彩)AI・電子頭脳とか自動運転とかに任せて大丈夫なのかな、暴走しないのかな
○(ちせい)季語は「田植機」。近未来俳句みたいな感じです。無人田植機も日本のロボット技術なら近い将来可能なのかも知れません。
◯(アゼリア)少し寂しいですが、自給率上がるかなと期待もできます。
天使魚四角四面に生きており あちゃこ
◎(春生)水槽と言わず、「 四角四面に」 と捉えた感性に魅かれました。
〇(仙翁)天使魚は、エンゼルフィシュですね。四角四面とは面白い。
○(敏)水槽の中の熱帯魚の、ごく真面目な境涯を描いているのでしょうか。四角四面と天使の何ともミスマッチなところ、面白いです。
◎(道人)狭い金魚鉢の隅々をしかめっ面して泳いでいる天使魚の生真面目さに共感。擬人法も冴えている。
○(藤三彩)熱帯魚は水槽から出られない運命。さびしいような
ハンガーで造られし巣や鴉の子 餡子
〇 (多実生) こんな事、有ります有ります。電柱の上の巣、電力会社に電話した事も有りました。
水を得て蛙鳴くなり窓開けむ 仙翁
〇 (多実生) 蛙が春を謳歌する時期煩い程の混声です。
ででむしやイエローインク届きけり ちせい
甚平着て顔に堅固と書いてみる 瞳人
渋いかな夜な夜な夜な夜な蚊いぶし 吾郎
◎(アネモネ)これは渋い。いかにも「蚊いぶし」
〇(珠子)渋い方法が一番効き目がありそうです。
◎(宙虫)音読も黙読も視覚的にも楽しいし。蚊に対するめんどくささも良く出ている。
◯(道人)調べが良いですね。音読すると絶妙。蚊になったような不思議な気分。
◯(アゼリア)いぶい感じが伝わってきます。
◎(まきえっと)最近の蚊はいつまでも痒いです。蚊のしつこさが出ています。
散歩道蚕飼いの名残り桑苺 多実生
○(藤三彩)懐かしい桑苺、口の周りを紫色にみんな染めていた
夏の日が真上年金受け取りに 珠子
○(幹夫)暑い夏の日、それでも年金は生活の糧です!リズム佳く詠まれています。
〇(アネモネ)いやいやご同輩。「夏の日が真上」に共感多々です。
○(泉)妙に納得、という感じの俳句です。
○(吾郎)このあっさりさっくりとした感触は気持ちがいい。
○(ちせい)季語は「夏の日」。太陽、お天道様が上に。年金と夏の日。想いが何となく伝わって来ました。
雨の向こうに原発がある夏の鳶 宙虫
〇(珠子)あまりにも危険な原発。危険な仕事に従事している作業員がどれだけたくさんいることか。「向こう」には知らんふりして快適な暮らしをしている私たち。
〇(仙翁)人の仕業の不気味な、怪しい中に、のんきな鳶でしょうか。
◯(道人)雨の日も、風の日も晴れの日も、人が近づけない原発に、鳶が「ゲンパツ!ゲンパツ」と鳴きながら近づいて行くかのようです。幻聴かも ?季語はやや動くかも?
○(あちゃこ)季語にやや違和感。でも、雨の向こうには、いろいろな世界があると。惹かれます。
ロープウエイ揺れて池塘の水芭蕉 藤三彩
へぼ胡瓜並べ路地裏何でも屋 アゼリア
〇(瞳人)今もそんなとこ、有るんだな
○(泉)「へぼ胡瓜」は案外と美味しいかも知れません。
○(藤三彩)かたちが曲がっていようとキュウリは胡瓜、
○(あちゃこ)実家は何でも屋でしたが、へぼ胡瓜は、漬け物用なので袋入り。並べないで山積みでしたよ。
選外 (多実生) 今は無きこんな店、懐かしい限りです。
ハンカチを握りしめたる舞台かな 春生
◎(瞳人)瞼の母か、一本刀土俵入りか、ロメオとジュリエットか
ジーパンのほつれそのまま桜桃忌 敏
〇(瞳人)さて、太宰とどうくるや
○(吾郎)無頼な感じですね。話は変わりますが「ビッグコミック・オリジナル」掲載の「人間失格」はどーなんでしょ。あと4回くらいで打ち切りだな。
◎(餡子)あれは、おしゃれでしょうね。膝が抜けていたり、糸抜きしていたり。太宰とどこか通じるかも。
◯(宙虫)まあ、正装して過ごす日ではないですね。
〇(ルカ)季語と合っている気がします。
(選外)(ちせい)季語は「桜桃忌」。私がジーパンをあまり理解して居ないのかも知れませんが、太宰治がこの句から少しは感じられました。
桐の花眠りを誘う郷の音 まきえっと
〇(春生)「眠りを誘う郷の音」がいいですね。故郷というところの安堵感が出ています。
きっかけは鳥の羽搏き真夜の雷 道人
〇(珠子)深夜の鳥の羽搏きにぎょっとして目覚めたら雷。逆の発想がおもしろい。
〇(ルカ)目を閉じて音だけの世界。
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