ジェットコースターのような陽気ですね。
どこかに紅葉狩りでも行きたい気分です。
兼題:冬
味噌煮込みうどん「ふうふう」冬に入る カンナ
○(幹夫)美味しそうであたたまる。
〇(めたもん)寒くなっての味噌煮込みうどん、いいですね。FU音の作るリズムが心地よいです。
気はこころやさしく小豆冬至粥 藤三彩
〇(カンナ)俳句らしい文体が良いですね。
綿虫や消音で観る「冬の旅」 宙虫
○(アダー女)テレビの番組でしょうか?冬の旅番組。しんしんと降る雪の世界や静かな秘境を足音や遠く汽車の音が聞こえたりする冬景色。消音なのに聞こえてくる冬の音。そのそばにふらりやんわりと飛び交う雪虫。無音のなかの有音。なぜか惹かれる句です。
快晴だ由布岳だ冬大成果 吾郎
○(泉)元気の良い回文俳句だと思います。
◎(餡子)由布岳はすきな山なので、先ず頂きました。快晴の日、遠くから見る由布岳は素晴らしい。由布岳から見下ろす湯布院の町も、いい。
半袖の介護職員冬に入る 泉
○(吾郎)半袖のリアルな情景と冬には冬の大変さがうかがい知れる
〇(カンナ)介護施設の情景でしょうか? 想像が広がります。
○(幹夫)室内は空調管理も行き届く。スタスタ歩く介護職員だ。
〇(珠子)こういう方々に支えられています。明るく爽やかな句は嬉しい。
◎ (多実生) 若さ、やる気使命感が見えます。
〇(あき子)「半袖の」だけで、介護職の働く現場が目に浮かび、季語からは厳しい冬に向かっての覚悟まで伝わってくるようです。
名にし負ふ烏城の松の冬構 幹夫
○(あちゃこ)骨格の確かな形よき一句。
ブギウギと俄に浮かれ冬に入る 瞳人
〇(珠子)関西人のノリにはついてゆけない私もついつい引き込まれております
○(あちゃこ)朝ドラでなくとも、明るく行きたいものです。ブギウギにウキウキしながら、冬を過ごしたいもの。
冬の水地に貼りついた雲の影 あき子
弟と納骨のこと冬あたたか 楊子
○(吾郎)冬あたたかが沁みる今日この頃
○(泉)人が死ぬ、という事はいろいろと大変です。
◎(カンナ)上手い句だと思います。
○(藤三彩)近い親戚にもそういうことがありました。
〇(珠子)季語から姉弟(多分)の穏やかな関係が伝わってきます。何年後かの我が家の娘と息子の姿かもしれません。
○(アダー女)ご自分は姉か兄の立場。親の葬儀を終えしばらくすると納骨の準備。穏やかな日和の中、親の納骨の日取りなど相談している仲の良い兄弟?姉弟の姿がしんみりほのぼのと伝わってきます。
〇(あき子)「納骨のこと」に包まれた、姉と弟の思いを想像しました。家族の死を見守っているような季語に救われます。
○(宙虫)ひょっと自分の納骨のことかも。年齢順でありたいが。
◯ (アゼリア)冬あたたかーの季語が故人の充実した人生を表して、こちらもほのぼのとした気持ちになりました。
俳号はみんな旧姓冬うらら 道人
◎(アネモネ)ほんとほんと!得心です。
○(藤三彩)俳号だけでなく奥様方のメールアドレスは旧姓です
○(宙虫)有名女流俳人にはけっこういるなあ。
〇(ちせい)拘りと言うよりは大らかな気分で詠む、そんな感じがあったのかもしれません。
浪の音風の音みな冬めける 仙翁
○(アネモネ)今週からまさにそんな気がします。
四画の画数の文字冬に入る まきえっと
○(楊子)かくかくとした漢字のとらえかたが新しい。
初冬晴れ筑波・男体・浅間見え 多実生
○(藤三彩)関八州丸見え。スカイツリーも富士山も見えるだろう。
冬館森の奥にて幾星霜 アダー女
冬夕焼の奥に幼年の日の母 餡子
○(アネモネ)このセピア感、泣かせます。
◯ (アゼリア) 若かった母を私も最近思い出すことが増えました。
冬銀河不意に零るる詩語の音 あちゃこ
○(楊子)確かに夏とちがって冬銀河は詩性ゆたかに眺めることができます。
○(餡子)こんなだったら良いなあ。どんな詩語だったのでしょう。
◎(アダー女)キリリと身が引き締まる冬空の銀河を観ていると、ふとロマンチックな詩的世界に入り込むような気分になり、それを表現するする言葉が滴る様に湧いてくる。分かるような気がします。
〇 (多実生) 冬銀河、俳人はこうなのか? その様です。
◎ (アゼリア) 零るる詩語の音ー素敵な措辞と思いました。
〇(まきえっと)「零るる詩語の音」がいいですね。少し乾いているかな。
飲み干せば残る苦さや冬の虹 めたもん
○(宙虫)冬虹のあと味はこうなのかもしれないと感じた。
〇(ちせい)コーヒーか紅茶であろうと推察しました。冬の虹が大きく見えたのかもしれません。
豹柄の決まるマヌカン冬来る 珠子
○(吾郎)代官山あたり毎夜の徘徊
◎(道人)マヌカン=マネキンとは知らなかった。(きまる)(きたる)の音韻もよく、正に立冬の雰囲気。
冬に入り餃子の説明書きを読む ちせい
○(吾郎)無人販売所の冷凍餃子は俳味がある
○(泉)やはり餃子は冬の方が美味しいですね。
未成線奥の隧道冬ざるる アゼリア
〇(珠子)未成線なるものを初めて知りました。もうすぐ雪に埋もれるかもしれません。
◯(道人)日本の近代化の隠れた遺産の「未成線」が佳い。
〇(めたもん)未成線という言葉を初めて知りました。季語に相応しい景だと思います。
初冬を六歩で歩くをとこかな 卯平
○(餡子)何とも不思議な句。いろいろな事が想像できる。解らないようで何となく雰囲気が伝わります。
◎(宙虫)六歩に勢いがあって元気づけられた。
立冬や能面の紐新しく 春生
◎(楊子)きりりとした佇まいがあります。だからどうだという理由以上の句の存在感があります。
○(アダー女)キリリとした冬を迎える日、気分新たに能面の紐も新しくする。作者の気分一新の気迫が感じられます。
◎(仙翁)能面の紐新しく、きりりとした厳しさを感じます。
テーマ:高い
青春は高度成長期木の葉髪 アゼリア
〇(瞳人)いやあ、まるで、いまの、御国の姿と同じです
うす雲を抜けだす一機帰り花 あき子
○(楊子)空と地の取り合わせがおもしろいです。
〇(珠子)外国へゆくのでしょうか。飛行機を見上げては、あれはどこ行きと調べて楽しんでいる知人がおります。
〇(ちせい)一機と帰り花の繋がりが詩的雰囲気を醸し出していると思いました。
七五三高い高いと肩車 まきえっと
(選外)(道人)ありふれた景だが、シンプルで微笑ましい。
パックの秋刀魚二尾で九百円えーっ! カンナ
○(アネモネ)いっときそんなことがありました!
下がりつつまた下がりつつ神の旅 卯平
〇(仙翁)下がりつつ、いろいろ推測できますね。
寒暖差探索サンタ算段か 吾郎
〇(カンナ)面白いですね。
〇(仙翁)サンタには早いですが、サンタも大変ですね。
◯(道人)今年は秋がなかったような。急に寒暖差が大きくなり世間はもう聖樹モード。これもサンタの罠かも。
○(あちゃこ)意味を問うのはナンセンスかもしれませんが、こう見事にはまると脱帽です。
〇(まきえっと)サーフインをしているサンタも居ますが大変ですよね寒暖差。
雁渡る棒高跳は新記録 泉
故郷の山高きかな白ばんば 春生
冬晴や天に一番近い山 餡子
皇帝ダリア老いて初冬の志 めたもん
撮るよ撮る鴉も一ト声七五三 瞳人
青空へ旗揚げ秋のバスツアー 楊子
○(泉)楽しく明るいバスツアーです。
○(幹夫)天気晴朗、紅葉狩りの一行だ。
寒暁のアリア震える星の影 あちゃこ
〇(あき子)寒暁に滔々と流れるアリアの高音が、星を震わせているのかもしれない。
◯ (アゼリア)取り合せが素敵です。
石仏に秋のなごりの空がある 宙虫
○(楊子)背景のあおあおとした空が忘れられません。
◎(珠子)シンプルかつ詩情があって魅力的。秋を飛び越えて、晩夏から冬へ急降下の今年、秋のなごりのような日は貴重です。石仏にならんで晩秋を楽しみましょう。
◯ (アゼリア) 石仏には秋の空が似合いそうです。
◎(あちゃこ)そこだけ寂しげで温かな風が吹いている感覚。宙でもいいかなと思いました。
◎(めたもん)「石仏」と「秋のなごりの空」がつくり出す、静かで豊かな詩情がいいと思います。
◎(まきえっと)今年は秋を感じる日が少なかったですが、心地よい秋を思い出しました。
暖冬といえど電気を消し歩く 藤三彩
跳し子の丈より高き冬囲 幹夫
○(吾郎)そしていつしか超える冬囲い
鳥高し落葉の赤と黄に見惚れ ちせい
〇 (多実生) 冬ばれの初冬。満足、満足。
庭みかん天辺の実は誰のもの アダー女
〇(瞳人)目白に決まっているじゃあないですか
○(幹夫)人には届かない高いお空の実は、たぶん鳥のものだろう。
天を衝く皇帝ダリア孤高なり 道人
◯ (アゼリア) 孤高を貫く強さー憧れます。
冬落暉廃車の山へなお廃車 珠子
○(アネモネ)映像が鮮やかに浮かんできます。
○(餡子)よく、見かけます。まるで、オブジェを見ているように芸術的に積まれています。冬の暮れ方、夕焼けかも知れない。やがて黒い影となってゆく。
〇 (多実生) 時に見かける光景です。
〇(あき子)現実を直視した光景。冬落暉が更に壮絶さを増幅させている。
〇(仙翁)廃車置き場でしょうか、墓場のようですね。
〇(まきえっと)こうやって詠んでもらえて「廃車」も幸せ
◎(ちせい)豪快に起重機やトラックを使い運搬し処分していたのかもしれません。冬落暉と言う季語の斡旋が上手いと思いました。
落葉してメタセコイアの高さかな 多実生
○(あちゃこ)何もかも脱ぎ捨てた先に見えるものがあります。
〇(めたもん)なぜか晩秋になると目につく高いメタセコイヤ。きっぱりとした下五が魅力です
凩や鳶高く鳴く磨崖仏 仙翁
雑詠
お手玉の昭和ちゃぐちゃぐ日短 珠子
きな臭きニュースに目覚む返り花 多実生
くり返し裂ける傷口神の留守 あき子
○(アネモネ)とても気になる句でした。
〇(めたもん)己の過去への悔いや戦争ばかりの世界情勢等、様々な傷口が思い浮かびます。
〇(まきえっと)「傷口」は人の傷口ではないのでしょう。地球の傷口と思いました。
スマす陸亀の子の眼がクリスマス 吾郎
○(宙虫)亀の子が可愛く見える。クリスマスにぴったり。
ばらの虫そつと殺しぬ神の留守 春生
(選外)(藤三彩)冬に入る時期は虫より黒星病の消毒・殺菌が必要と思う。
ひだまりに蹴りこむ冬のまるい石 宙虫
◎(吾郎)ささやかな遊びの熱気と空間。まるい石を包む太陽光がいいな
◎(あき子)諦観の静けさの中に、石の転がっていく音が聞こえるようです。ひらがなと漢字のバランスが美しい。
○(あちゃこ)ひだまりを恋しがる石?蹴りこむ心中は如何に。
〇(まきえっと)ひだまりに転がってくるまるい石に温かみを感じます。
〇(ちせい)冬の石はどこか寂しげであったのかもしれません。
真っ直ぐに育つ杉の木時雨来る まきえっと
〇(瞳人)いずれは御国のために、大きく育て
〇 (多実生) 杉がより真っすぐに伸びる条件は窪地で有る事と水気です。
◯(道人)北山時雨の風情あり。
異変多々ありし野球(ノボール)冬に入る 瞳人
下駄音のきれいに揃う七五三 道人
○(幹夫)カラコロ目出度い。
寛解の五臓六腑に温め酒 藤三彩
○(楊子)経験したことのあるかたならではの句かもしれませんが、じんわりとしみます。
○(泉)「寛解」という表現が微妙です。
◎(瞳人)さぞ、旨かったでしょう、旨さしみじみ、通りけり
○(アダー女)良かったですね。寛解は完治ではないけど良くなってきたことではあるのですから。温め酒が体に優しくて良いですね。さぞかし五臓六腑に染み渡ったことでしょう。
〇 (多実生) 秋の夜長、最高ですね。
〇(あき子)退院の後でしょうか、寛解の安堵感が染みわたりますね。
◯(道人)「寛解」の句には弱い。五臓六腑に沁みる句。おめでとうございます。
師走のポケットの指先のほつれ めたもん
○(餡子)大きな景からポケット、指先とどんどん小さな物へと、動いてゆくのが小気味良い。最後にほつれとは!意外な締めくくりがよい。
時雨虹龍神天に昇り立つ 幹夫
小春日やフォークギターの弾き語り 卯平
◎(幹夫)季語が適っている。
○(藤三彩)男はつらいよの寅さんが荒川の河川敷で若者と過ごす風景が懐かしい。
人の物は私(わたくし)の物泡立草 カンナ
大根干す戦地の嗚咽遠くして アゼリア
〇(カンナ)取り合わせのギャップが良いと思います。
〇(仙翁)本当に、世の中、惨く醜い争いが絶えませんね。
単線の鉄路は秋の真ん中へ 楊子
◎(泉)「単線の鉄路」は地方です。地方の美しい秋です。
○(餡子)単線が何かに踏み込んでゆくという句は、よくあります。何に入っていくかが気になります。この句は芒だの花野だのは言わず秋の真ん中としたところが良いと思いました。
〇(めたもん)景が明確に浮かびます。それは又、自分の心の中の大切な景でもあります。
(選外)(あき子)単線が「秋の真ん中」に向かって頑張っている景色に、応援したくなりました。
男にも賞味期限あり温め酒 餡子
〇(カンナ)季語が上手いと思います。
〇(瞳人)八十路を過ぎてから言うセリフです
○(藤三彩)言われずとも自覚しています。でもね・・・
○(アダー女)男にも女にも賞味期限なんてないと思いましょうよ。年輪を重ねた渋い男は魅力あると思いますよ。燻し銀の魅力というやつが・・・さて女こそ難しいな!でも何か女にだって年取ってこそ出る魅力あると信じたいな!お婆ちゃんの知恵袋・・・ちょっと淋しいな。
◯(道人)現代風俳味あり。「には」も違った趣きで面白いかも。
潮騒や木枯に乗り父が来る あちゃこ
〇(ちせい)「乗り」と言うのが印象的で、木枯らしが乗り物であるかのような。
冬桜アンソロジーを歩き読み ちせい
◎(藤三彩)アンソロジーとは名詩選。吟遊詩人になったつもりで散歩しようか
膝掛けしてよいしょと座る吾が定席 アダー女
〇(瞳人)清水のお貸し元よ、歳をおとりに、なりなすったねえ
○(宙虫)ひざ掛けに掛け声、定席に座るのもすんなりといかなくなった。
負の歴史償えぬまま冬の乱 仙翁
文化の日意味は知らない方がよい 泉
☆☆次回をお楽しみ!
広島は、なかなか寒くなりません。不思議な季節感が続いていて、体調管理に苦労しています。さて、大谷選手は何処へ移籍するのか?そして優秀な選手たちは、アメリカを目指す。アメリカのパワーは、未だ衰えず。