小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第460回小麦句会結果発表(1)

2021年09月08日 13時00分55秒 | 1日句会

結果発表!

関東方面は異様に涼しいみたいですね。

こちら熊本は、毎日30度を超えてうんざりしています。

それでも進みゆく秋にそわそわする気分・・・・。

小躍りすらできないのですが。

 

今回も二回に分けて結果発表。

 

顎マスクして猪垣を繕へる   アネモネ

〇(めたもん)一生懸命な作業。畑を荒らす猪は腹立たしいですが、「顎マスク」のせいかどこかユーモラス。   

 

銀杏を拾ふ朝日のウォーキング  春生

○(泉)今朝も楽しいウォーキングですね。

 

(選外)(卯平)報告的

 

父を見る少年の目や秋高し    餡子

○(敏)尊敬の対象が父であるのは幸せですね。

◎(ルカ)懐かしい景。

〇(春生)季語「天高し」が効いています。少年が父を尊敬の眼で見ているのですね。  

〇(まきえっと)父親を見る目と「秋高し」の取り合せがいいですね。 

○(卯平)少年にとりこのような父の存在は今では遙か昔のこと。

◯ (アゼリア) 子供の頃は父は色々な意味で大きな存在でした。

 

左足から走り出す朝青ぎんなん   宙虫

〇(藤三彩)お点前の茶席は左足から動く。そんな感じの習慣なんでしょう。

〇(楊子)若さが表れていていいです。

○(餡子)右利きの人は、大体が左からだそうです。ズボンも左足からはきます。

〇(ちせい)右足か左足かを自覚する辺りに俳味が有ると思いました。

 

秋の日を追う少年のブーメラン   道人

○(泉)映画のワン・シーンを見ているようです。

〇(珠子)放っては戻すブーメラン。放っても戻るブーメラン。ひたすら何かを追う少年。 

〇(楊子)少年の陰りがみえて詩情があります。

〇(めたもん)中七の「少年」が効果的。ブーメランの軌跡が屈折しがちな思春期を連想させ句に深みが。

〇(春生)心も体も開放された清々しさがでました。

〇(仙翁)秋の日を追う、元気な少年の様子ですね。

〇(まきえっと) ブーメランではなく「秋の日」を追っているところがいいです。

 

(選外)(卯平)秋の日が曖昧

(選外)(ちせい)いいと思ったのですが、「少年」って金子兜太を意識したのだろうかと思いました。

 

答など無いよたぶんね鰯雲   めたもん

〇(藤三彩)今年の新聞週間(10/15-21)の代表標語は「答えなき 時代のヒントを探る記事」を日本新聞協会は選んだ。ワクチン接種しても次から次へとデルタ株やミュー株が出てくる。まさに生態系の答えなどなき未知の世界。

〇(珠子)つまり答えは無限にあるのだよ。思ったように進みなさい。   

◎(アネモネ)ものごとの本質はそうなんでしょうね。会話体と「鰯雲」が上手い、

○(敏)問いの具体は分からないが、大方の疑問には正しい答えは無いということでしょうか。

〇(仙翁)答えは、ない、多分、きっと、全く、どれでしょうね。

○(アダー女)どんな悩みにもこれぞ正解なんてなかなか無いのが人生ですね。「たぶんね」がなんか良いですね。

○(卯平)鰯雲にはこのような措辞は似合う

〇(宙虫)つぶやいてみたくなる、秋の高い空に。

 

高原に君もひとりか赤蜻蛉     仙翁

〇(めたもん)群れて飛ぶことが多い赤蜻蛉。独りでいることも結構あり、話しかけたくなりますね。所詮ひとり。共感します。

○(アダー女)そういうあなたも独りぼっちなんですね。人間みんな独りぼっちですね。

○(卯平)孤高を自認する詠み手

 

木の実降る光る道筋ジョギングす  敏

〇(藤三彩)晴れた日の気持ち良い道を走ってみたいものだ。

 

ランナーに道をゆづるや緋連雀    メイ

 

人混みを避け銀杏のたわわなり  まきえっと

○(瞳人)コロナ禍の世ですものね、人はそうはいきません

 

秋空の隙間を覗くベンチかな    ルカ

○(泉)良く観察している、と思います。

○(幹夫)木のベンチから、秋空の隙間には何が見える?

〇(楊子)「を」が効いています。視点が秋空とはおもしろい。

◎(仙翁)ベンチの前が開いてないと景色はよく見えません。

〇(宙虫)ベンチの孤独な感じが見え隠れする。

 

秋風や父から子への変化球     あちゃこ

〇(楊子)子育ては直球も変化球も必要です。さらりとした季語がいいです。

○(敏)世の中は直球だけではないことを諭しているのかも知れません。

〇(仙翁)仲のいい、親子の様子ですね。

○(餡子)父子のキャッチボールは子供の成長を見る良い機会ですね。捕れなかった球が捕れたり、強いボールが返されたり、と。  

◎(まきえっと)父と子のつなぎに「変化球」としたところがいいですね。   

〇(メイ)変化球を投げる父の願いや思いを、季語から想像しました。

◎(春生)いろんなことを子に伝えます。時には変化球も・・・。

◯(道人)子とのキャッチボールに硬軟の変化球を交え、人生の様々な様相を問わず語りに伝える父親像。

〇(ちせい)キャッチボールであろうかと思いました。

◎(宙虫)変化球が意外な効果をもたらしてくれる。成長していく子の姿も見える。

 

(選外)(卯平)だから「父と子」の関係が維持される

 

白秋のひかり僕から俺になる  珠子

〇(藤三彩)少年老い易く学成り難し、北原白秋も読んで育って

◎(敏)白秋のひかりを浴びながら、人間として最も豊かな実りの期待できる中年期になった己れ自身を自覚したものと思われます。

◯ (ルカ)男の子感覚。

◎(アダー女)男の子の成長ぶりが可愛い!「俺は男だぜ!」と自負する時期に個人差はあるのでしょうが、「白秋のひかり」の中で少年の爽やかな成長を感じさせる気持ちよい句です。

○(餡子)いつの間にか、成長していく男の子。俺さあ・・なんていうようになる。そしていつかあのベンチで愛を語るようになる・・・。 

〇(まきえっと)夏はすごい。成長させるんだなと思いました。 

◎(メイ)巡る季節のなかで、人も成長していくという自然の営みが表現されている。

◎(卯平)少年が青年へ。白秋を背景にした少年の心理を描写している

◎(道人)初秋の透明感のある空気に触れると眠っていた野生が目覚めそうです。

○(宙虫)ひかりがそうさせるんですね。

 

天高しラガーの喚声風となり    アダー女

○(瞳人)そういう爽やかさ、恋しいことです

◯(アゼリア) 喚声が風にのって聞こえてきます。

 

秋の山歩けば足の裏踊り   ちせい

○(アダー女)蒸し暑い夏が去り、爽やかな秋。身も心も躍り出したい気分。「足の裏踊り」の表現に気持ちより体が浮き立って居る様子が見えて同感。これでコロナの心配もなくなれば、全身踊り出しますね。

 

青春は銀杏黄葉の日吉並木   瞳人     

◎(藤三彩)「日吉???」東急沿線の日吉駅前に大学構内の銀杏並木があるんだが・・関係が何かあるのかな

○(幹夫)慶応大学日吉キャンパスですね。

 

銀杏の実たわわに風の終末論    楊子

〇(仙翁)終末論は、時を経て、たびたび出てきますね。

◯(道人)この終末論は佳いと思いました。「実」は省略していいかも。

○(あちゃこ)銀杏と終末論の対比に屈折感があり、惹かれます。

 

行雲流水誰もいぬ秋ちかし    藤三彩

〇(メイ)いつかは行雲流水の自然に還る生きものに、秋がくる。

 

野球〈のぼーる〉と名乗りし子規の忌日かな  瞳人

〇(珠子)視点が楽しい。 

○(幹夫)9月19日が忌日。その119年後、東京五輪2020の侍ジャパンは全試合において圧巻でした。

〇(メイ)作者の暖かな眼差しが伝わってきます。

 

秋天や燃ゆる地球に木のベンチ   幹夫

〇(メイ)写真に添えて鑑賞したい一句です。

 

新涼や孤独の座る境界線   卯平

○(餡子)あのベンチを見ていると、そんな気がしてきます。  

◯(ルカ)なんとなく魅力のある句。

○(あちゃこ)境界線は、作者の胸中に引いた線。公園の中にある孤独感?

〇(ちせい)境界線を意識すると孤独感や寂寥感が漂ってくるのかもしれません。

 

 



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