つづき
庭のもの鳩が啄む秋の昼 幹夫
◯(アネモネ)のどかな光景が見えて来ます。
(選外)(ちせい)庭にやって来たハトは結構絵になると思ったのですが、「秋の昼」と言う季語のチョイスが気になりました。
逢える日は来ず銀杏のべらぼうめ 珠子
○(泉)銀杏に八つ当たりしても・・・?
〇(めたもん)あの匂い。確かに銀杏には悪態をつかれる要素がありますね。コロナのせいで逢いたい人に逢えない。そのウサは銀杏への悪態で晴らす?
〇(仙翁)本当に、べらぼうめですね。
○(アダー女)「てやんでえ!べらぼうめ」と落語の世界ではよく聞く言葉だが、俳句で見たのは初めてです。恋しい?ひとに逢いたくても逢えないコロナめ!銀杏に八つ当たりして「べらぼうめ」という俗語を使ったことが悔しさを大いに引き立てていますね。
昼寝覚め父の写真は青緑 楊子
○(卯平)青緑に象徴される亡父は詠み手である作者にとりどのような存在か。屈折した父子関係。特選候補
球音の空突き抜くる秋日和 アゼリア
○(泉)高校野球も、何とか無事に終わりました。
高原の嘘つきカラス秋の雲 仙翁
○(幹夫)変わりやすい秋の空模様、流れゆく秋の雲は、「女心と秋の空」といったところでしょうか。
〇(めたもん)確かにカラスって嘘をつきそうな感じがします。高原にいるすまし顔のカラスはたぶん嘘つき。童話的で楽しい。
万緑の中ジョギングの白いシャツ 泉
約束はあの秋天に近き椅子 餡子
○(幹夫)待人は来ず。天高く、約束は果たせない。
◯(ルカ)誰との約束か、想像が膨らみます。
○(瞳人)望みは高く、さすれば実現しそうで
○(あちゃこ)なにやらロマンの香りがします。
初風の空より戻るフリスビー めたもん
〇(珠子)時々行く公園でフリスビーをやっているのは恋人同士が多い。これも恋人同士のフリスビーでしょうか。明るい。
◎(幹夫)初風は、特に秋の風に言う。爽やかで伸びやかな秋の一コマが詠まれる。
◯(アネモネ)「初風」がさわやかです。
〇(春生)感じが良く出ています。楽しいですね。
〇(まきえっと)「空より戻る」がいいですね。
◯(道人)清々しい写生句として頂きました。
◯ (アゼリア) 空高く舞い上がったのでしょうね。
木の実落つ塗り替へ計画表を知り ちせい
これ以上近寄れぬ距離風は秋 まきえっと
◎(楊子)甘さを「風は秋」でさらりと読ませます。
○(敏)心地よい季節になったというのにソーシャルディスタンスとは!
○(瞳人)コロナ、コロナ、とおもえばこそ、仕方なし
◯(道人)何事も距離感が大事。
○(あちゃこ)程よい距離感は難しいが大事。親子も夫婦も然り。
(選外)(卯平)微妙な人間関係。そこに吹く隙間風。
色鳥や兄追へど兄遠かりき メイ
◯(ルカ)少年の日の回想。
○(餡子)矢張りお兄ちゃんはいつまで経ってもおにいちゃんですね。逆転の場合もあるかも知れませんが、悲劇に繋がります。
◎ (アゼリア) いつも姉の真似ばかりしていた子供の頃を思い出しました。色鳥の季語が効いていると思います。
○(宙虫)兄弟の差は結局縮まらない。
たましひを探す男や秋出水 卯平
〇(珠子)魂には色々な意味がありますが、ここでは「気力」として読みました。応援できる力は私には無くて。
◯(アネモネ)こんな発想もあるのかと驚きました。
◎(ちせい)増水した川を見に行った男なのかもしれません。
ひこばえも色づき初めて大銀杏 アダー女
フリスビーを放れば父祖のいる秋野 宙虫
〇(楊子)新しいモノの名称を使っても、深い詠みができることを学びました。
◎(珠子)フリスビーを放った先が父祖の地という感性には感服しました。
○(敏)フリスビーが着地した秋野は祖先につながる地だったというよろこび。
◎(めたもん)「フリスビーがゆっくり描くカーブ」と「父祖のいる秋野」との距離感、そしてその響き合いが詩を作っています。「父祖」がなかなかです。
◯(道人)眼前の父子のフリスビーに郷愁を感じたのでしょう。
◎(あちゃこ)フリスビーの放たれた彼方は父祖のいる秋野。時空を超えた共感の一句です。
〇(ちせい)犬がお供に居たのかもしれません。
読み了えてひたすら走る秋の暮 道人
◎(餡子)成程、あのベンチと森の中のジョギングが繋がりました。何を読んだのでしょうか。
(選外)(卯平)上五中七に対して季語が生きていないのでは。
(選外)(ちせい)衝迫感はどんなものを読めば生じるのだろうかと思いました。
頑なな梢擽ぐる秋の雲 あちゃこ
新涼にベンチで憩う二人かな 泉
〇(春生)恋人同士ですね。良い雰囲気です。
銀杏の鈴生り今日も元気なり 春生
◎(泉)この様な俳句からは、私も元気を貰います。
◯(アネモネ)「今日も元気なり」いいですねえ。
◯(ルカ)一日一日、実感します。
◎(瞳人)人の世はそれと正反対、銀杏の木を羨ましく思います
◯ (アゼリア) 今日も元気なりーいいですね!なんか元気になれそう。
○(あちゃこ)すっと胸に入り、ストンと落ちた一句。
漂着の異人に子孫野分波 藤三彩
○(卯平)物語性はある。
○(宙虫)嵐のあと、グローバルになっていく世界。
(選外)(ちせい)井上井月やジョン万次郎が思い浮かびました。
ジョギングは美術館まで秋の声 アゼリア
〇(春生)大変贅沢な時間ですね。こんな日常を取り戻したいですね。
〇(ちせい)ヘルシーに気を配り、芸術に親しむ。まさに秋の醍醐味で、秋の声と言う季語がくきやかに。
「ドンマイ」と掛け合う親子天高し 敏
〇(藤三彩)最近の父子関係ってどうなんだろう。仲がいいのは小学生低学年までかもしれない。
〇(まきえっと)楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
(選外)(卯平)予定調和の世界。
(選外)(アダー女)秋空の下、仲の良い親子が声掛け合う様子が幸せそうに響いてきます。
子の視線集めて父のあごマスク ルカ
◯(アネモネ)子供たちの生き生きとした目が見えて来ます。
○(アダー女)まだ暑い日中、マスクをかけてのフリスビーはきつそう。つい、マスクを顎まで下げてしまう父の姿を「あ〜、い〜けないんだ、いけないんだ。」と心のなかでは思っても口には出さず、じっと父親の顎マスクをみている優しい息子。仲良しなんですねえ。マスクは今や季語とも言えず、無季の句と捉えるべきかもしれませんが、写真を見ているので残暑の映像はよくわかります。
出来秋の昼をたははに銀杏の実 アネモネ
〇(メイ)「昼をたははに」の豊かさが、みのりの秋を現前させている。
◯ (アゼリア) 暗いニュースの多い昨今せめて豊作を祈ります。
いかがでしたか?
今月の写真は
熊本県総合運動公園
次回の参加もお待ちしています。
告知までお待ちください。
広島は、さすがに涼しくなって来ました。オリンピックは無事に終わりましたが、自民党総裁選でマスコミは大騒ぎです。菅総理も思い切って身を引きましたが、結果的には大成功でした。しかし、総裁選で浮かれている時かな・・・?