こんにちは。
春一番が吹いたようです。
目まぐるしい。
兼題:大
うららかや大腸検査は異常なく 泉
〇(藤三彩)まずは一安心。飲酒は注意
大航海時代白蝶チョココロネ 宙虫
◎(吾郎)モスラの幼虫のようなチョココロネから白蝶へ。大航海時代がいいですね。
遠大な花見へ皆は内談会 吾郎
◯(道人)「桜を見る会」を風刺した名回文句。
○(まきえっと)「遠大な花見」がいいですね。
駒台に金将一つ大石忌 瞳人
○(泉)金将とは、吉良上野介のことでしょうか?
○(卯平)駿台と言えば先ずは予備校であるが、この句では駿河台の事であろう。其処に例の大石内蔵助が住んでいたのだろうか?駿河台は東京でもセレブの街なのかは存ぜぬが、面白い句ではある。しかし、季感を含んだ物語を展開するには情報が不足している句でもある
大石を持ち上げ笑う春や来ぬ 仙翁
〇(ちせい)季語は「春来ぬ」。大らかな笑い如何にも春が来たと言う感じがしました。
大き日を真っ向に受け黄水仙 敏
○(吾郎)堂々たる姿やよし。
○(幹夫)暖かな太陽の万物への愛に応えて、黄水仙が美しく育つ。
大阿蘇の山懐の野焼かな 幹夫
〇(瞳人)阿蘇山がまるごと山火事にならなければいいけど
◯(アネモネ)阿波野青畝の本歌取り。なかなかです。
〇(春生)雄大な景を捉えました
〇(藤三彩)野焼きの雄大な光景はきっと壮観でしょう。
〇(珠子)土手とか河川敷ほどの規模の野焼きは何度か経験していますが、阿蘇規模となるとテレビのニュースで。山懐の春の鼓動が聞こえてくるようです。
○(敏)大景がパノラマのように眼前に拡がりました。
◎(アゼリア) 渡瀬遊水池の野焼きは見た事がありますが、大阿蘇の山懐ーさぞかしスケールが大きいのでしょうね。
(選外)(道人)何度行っても阿蘇外輪山は雄大な景です。周辺の野焼きもスケールが大きいことでしょう。
佐保姫の大胸筋はやわらかく 楊子
○(ルカ)発想の斬新さに惹かれました。
〇(宙虫)大胸筋がいい。佐保姫がやわらかいのではないとこも。
大いなる春の雲ゆく伯耆富士 道人
◯(アネモネ)雄大さが素晴らしい!
〇(春生)のんびりとした雰囲気です。
◎(藤三彩)鳥取の大山(だいせん)。雪が解けて山陰に春が来ると運転も気持ちもほっとします。
大きめのショール探して春の風邪 ルカ
春雷や大公会堂震撼す 卯平
大方はいつも寒がり八十路坂 多実生
大漁旗掲ぐる鮨屋初鰆 アゼリア
大富士の夕日の中を鳥雲に 春生
◎(幹夫)立ち位置が明確に、大きく美しい景が詠まれる。
〇 (多実生) スケールの大きな句。雄大な絶景です。
大宰府の飛梅客船戻れない 藤三彩
涅槃西風大きいことはいい事だ ちせい
〇(珠子)即、山本直純のあの顔が浮かんできましたが、あれ?何のコマーシャルだっけ?と。森永チョコレートでした。シブイ季語を置いただけの潔さと底抜けのおおらかさに〇!
倒木の声聴く大地冴返る 珠子
〇 (多実生) 雲取に向かう途中の白岩辺り、古い話ですが台風の生々しい倒木の記憶。
◯ (アゼリア) どーんと地を揺るがして、音が聴こえてきます。
◎(道人)雪解けの時期の深山、雪の重さで倒れる大木の音が響いてくるようです。季語も良いですね。
〇(ちせい)季語は「冴返る」。自然の交歓。人が自然に身を任せると分かる大地の
普遍性。
◎(まきえっと)倒木にもいろいろあります。大地はどんな話を聞いたのでしょう。
大海へ紙の舟折る春の月 あちゃこ
〇(藤三彩)かぐや姫が空に戻ってゆくような光景です。
〇(宙虫)紙の舟が目指す大海、おぼろな感じがいい。
○(敏)メルヘンチックな景色が見えてきました。
○(まきえっと)こんな心をいつまでも持ちたいです。
大口を叩き草餅放り込む まきえっと
◎(瞳人)わかっているのだね、自分が大口たたいたこと、テレカクシでつい
◎(仙翁)大口を叩くと放り込むにかけて、面白い。
立春大吉割つて焼きたてくるみパン アネモネ
◎(卯平)割ったのは玉子。出来上がったのはくるみパン。季語との音叉で季感が伝わってくる。 そして作者にまつわる物語が産まれる。
テーマ:色
春めくや妻は白髪を染めにゆき 泉
〇(瞳人)春ですねえ
薔薇が色なくして夜になじむ靴 宙虫
◎(ルカ)詩情があります。
○(あちゃこ)薔薇の景は心象と詠みました。どこか孤独感が滲む一句。
根太色のミモザ膝揉み呪いだね 吾郎
〇(宙虫)ホラー回文、呪いとミモザはナイスな感じ。
吾が夢のみな蜃気楼セ・ラ・ヴイらめ 瞳人
春浅し駿馬の四肢の黒光り 珠子
◎(春生)精悍な感じがでました。
〇(楊子)背や尻ではなく四肢というところに躍動感がある。
〇 (多実生) これから一連のレースを控える手入れ抜群な三歳馬か?
○(敏)これから試合に臨むサラブレットの引き締まった四肢が見えるようです。
◯ (アゼリア) このような絵を見た事があるような。競馬馬でしょうか?
◎(ちせい)季語は「春浅し」。駿馬の黒光りに仲春への希望を感じたのかもしれません。
紅白の梅を脇侍に村地蔵 仙翁
〇(珠子)お地蔵様がつくられた時に一緒に植えられたものでしょう。脇侍と見立てたところがさすが。
◯ (アゼリア) のどかで癒されます。
◯(道人)寒村の地蔵さんへ欠かさない花。村人の素朴な温もりが伝わって来ます。
軍手から消えぬ土色蕗の薹 敏
○(ルカ)早春の色。
◎(宙虫)軍手、土色、蕗の薹道具がそろって春の気分満載。人間はやはり土から離れてはいけない。
〇(楊子)使い古された軍手でいつも庭の手入れをしている様子が見て取れる。「こんなところにもう蕗の薹が」という小さな驚きがいい。
〇(仙翁)長く使いこなした、軍手の様子がよく分かります。
○(まきえっと)土の匂いもありそうですね。
赤牛の乳搾る音や野火走る 幹夫
○(卯平)これは熊本阿蘇山であろう。もうすぐ阿蘇の野焼きが始まる。
白魚を啜るつかの間哲学者 楊子
〇(瞳人)そういう顔でもしないと、飲み込めませんよね
○(泉)白魚が生きていれば・・・?
○(あちゃこ)哲学者になる時は、人それぞれ。白魚のくだりが絶妙。
◯(道人)「哲学者」が中々です。
青鮫を偲べる白梅八重枝垂れ 藤三彩
〇(宙虫)兜太を偲ぶ。
まだ恋の色にはならず蕗の薹 道人
〇(藤三彩)芽生えれば早春の二人で天麩羅を。若いな。
○(あちゃこ)浅緑の蕗の薹は、確かにそんな感じです。恋の色を作者は、どんな色と考えるのか?興味を惹かれます。
〇 (多実生) 我家の日溜まりの蕗の薹はもう背伸びです。
〇(仙翁)若若しいですね。恋の色は何色?
◎(敏)「蕗の薹」の斡旋が何とも素晴しく、恋の色についてあれこれ想像し、楽しませていただきました。
梅ふふむ白よりしろき匂いかな ルカ
〇(春生)梅の香りを色で捉えたところがおもしろい。
〇(宙虫)匂いが白いとしたところがいい。セクシーな気配も。
◎(珠子)先日梅を見にいきましたが、白梅の美しかったこと!いい香りを放っていました。番の目白が夢中で蜜を吸っていて。「白よりしろき・匂い」には妙に納得しました。匂いが強いのは咲いた時だと思うので「ふふむ」にはやや違和感がありましたが、匂いの強さを詠みたかったわけではないのだと思いなおしました。
〇(ちせい)季語は「梅ふふむ」。匂いに幻惑される、魅了されて春が近いのを知る。
涅槃図の極彩色や朝桜 卯平
◯(アゼリア) 涅槃図と桜の色彩の対比が綺麗と思いました。
感涙は富士のバックの冬夕焼 多実生
カラーテレビ来てうから揃いし春炬燵 アゼリア
○(幹夫)昭和時代が佳く詠まれる。
春の蝶畑に黄色を撒き散らし 春生
○(幹夫)昭和時代が佳く詠まれる。
黄の破片散らばる道路春隣 ちせい
春の虹追うてこの目が溶けている あちゃこ
風船のハートの容春立つ日 アネモネ
○(ルカ)ピエロが作っているのかなあ。春を感じます。
笑み零れ終わる小説梅真白 まきえっと
○(あちゃこ)読後感が爽やかに伝わってきます。
雑詠
漕ぎ切ってボートレースの青い空 泉
◎(アネモネ)達成感横溢!
○(吾郎)達成感と脱力。青空がよく似合う。気持ちのよい句。
○(幹夫)勝者は一斉に青空に櫂立て!美しい景だ。
春目白鳴いて悲恋がやわらかい 宙虫
(選外)(道人)どんな悲恋でも目白の声には救われることでしょう。
討論し汲める春めく心労と 吾郎
残り鴨仲間外れの心地よげ 瞳人
○(あちゃこ)仲間は、時に重たく煩わしい。心地よさと、言い切った方が好きですが?
〇 (多実生) もう残り鴨でしょうか?ひたすら心地良い解放感が見えます。
〇(仙翁)仲間外れではないですね、一人をたのしんでいる。
◯ (アゼリア) 自分のペースで無理なくーこれが一番ですね。
涅槃西風がらり風景変わる街 まきえっと
〇(楊子)宗教めいた風の名と街との取り合わせが新鮮。
○(卯平)冬仕様から春仕様へ街は変わりつつある昨今。季語の位置が的確だ。しかし、風景が変わった街にまばらにいるのは、マスクの人。
蹲に野良とことこと水温む 仙翁
◯(道人)野良猫の所作が目に浮かびます。音・光・温もり・かすかな草の匂い等々五感が刺激される景。
鳥雲にクルーズ船は横付けに 敏
〇(瞳人)鳥になって飛び立ちたいと思った人、いっぱいいたんでしょうね
◎(泉)楽しみな船旅が暗転。気の毒と言うか何と言うか・・・?
○(幹夫)陰謀論かとも憶測、武漢発新型コロナウイルス収束は、東京五輪開催に間に合うのだろうか。
〇(珠子)たまたま時事俳句ですが、ウィルス事件がなかったらゆったりしたおおらかな景です。港に大型百貨店が現れたような感じでしょうか。実物を見てみたいものです。季語がぴたりと決まっています。
◎(楊子)季語の使い方が好きです。時事句ではなくてもクルーズ船と鳥雲にが響き合っている。
春寒や山越えてゆく曲射砲 幹夫
(選外)(藤三彩)実弾が飛んだのかな。目標を逸れなければよいが
もしもしと春の音する糸電話 道人
◯(アネモネ)懐かしい。「春の音する」が上手い。
○(泉)童話のような俳句ですね。
○(吾郎)既視感満載なれど、ほっこりさせていただいたお礼に
白梅と黙の時間を分かちあう ルカ
〇(春生)静かで豊かな時間ですね。
○(吾郎)そうそう、そういう感じ。
〇(仙翁)じっと、黙って見ていたいときはありますね。
(選外)(道人)白梅には沈黙がよく似合う。
相席と同じ定食春隣 卯平
○(ルカ)思わずくすりと笑ってしまいそう。
◯(アネモネ)臨場感たっぷり。
○(泉)何となく恥ずかしい。
〇(珠子)相席はほとんどなくなりましたが、隣と同じ食べ物ということはよくあります。何の気取りもない句もいいなあと思いました。季語が効いているからでしょうか。
〇(楊子)テーブルに他人同士ですわっているのだが、ほんわりとした意識が通っている。
○(まきえっと)思わず納得。
観客はペンギン歩き雪祭り 多実生
○(ルカ)面白いリアルな写生です。
◯(アネモネ)思わず頭の中で真似してしまいました。
帰りゆく鳥のV字や下校の児ら アゼリア
春の川えくぼのごとき渦巻いて 春生
◎ (多実生) 草木の要求通り雨が多く、これから掲句の様に逆巻く清流の季節です。
○(敏)絵本の世界を見ているような気がしてきました。
老人初心春暁の明烏 藤三彩
ひらかなのかたちにてふてふのまひる 楊子
〇(春生)ひらがなで表記して成功している。
○(吾郎)ひらかなのこうのう。
○(敏)まさに俳句版「会津八一」の世界ですね。
◯(道人)字面だけで句が立ち上がって来ます。
○(卯平)この句の成り立ちがてふてふそのものである。ひらがなばかりでの字面にてふてふが沸いてくる。
余寒なほ靴下を履く風呂の後 ちせい
○(泉)明日は大雪の予報が出ています。
牛の子が産まれ末黒の薄原 珠子
◎(あちゃこ)具体的な生命の誕生と末黒によってこれからの命を育む大地の取り合わせがぴったりです。
風光る時刻みゆく星の砂 あちゃこ
〇(藤三彩)如月の中旬にいて風光る春はまだ遠く感じられます。きらきら光るのは海辺の砂なのでしょう。
〇(仙翁)星の砂は、どれだけの年を経て星の形になるのでしょうか。
満室のタロット講座春立つ日 アネモネ
〇(楊子)さあ春だ。なにかはじめようかなとおもう人が集まります。ありきたりの俳句や体操の講座ではなく、タロット講座がおもしろい。
○(卯平)タロット占いに講義があるとは如何にも俳人好みのシチュエーション。しかしそれもやがて終了と。これから夜の街に出て実践開始。しかし講義で覚えた「嘘の付き方」は通じるでしょうか?
○(まきえっと)トロット講座とは。何かにすがりたい今日この頃。
広島は、いよいよ暖かくなって来ました。今年は暖冬でしたが、新型コロナウイルスの件で、大変というか何といいますか・・・?ややヒステリックな感じもしますが、日本人は神経質なほどに潔癖ですから。しかし、「未知」というのは恐怖ですね。