小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第522回小麦句会結果(1)

2024年04月09日 00時10分55秒 | 1日句会

 

九州は桜と併せて、けっこう雨が降った。

落雷によりサッカーの試合をしていた高校生が意識不明となっている。

季節はすっかり梅雨。

これを「花散らしの雨」とはとても言えない。

そして、台湾、宮崎と地震も・・・・。

今夜も雨の音が次第に大きくなっている。

ソメイヨシノもこれで終わるのだろう・・・。

 

結果発表は二回に分けて・・・。

 

結果発表

 

 

閉店セール果てて失職春夕焼け    アゼリア

○(餡子)あちこちの街で、大きな百貨店などが店仕舞い。この後の再就職捜しも憂鬱でしょう。でも、夕焼けは明日晴れ!です。   

 

五線譜に足突つ込んでチューリップ   幹夫

○(泉)上手く解釈ができませんが、ユーモラスな俳句だと思います。

◎(楊子)現実とイメージの描写が合わさっていて面白い。チューリップの歌が聞こえてきそうです。

〇(仙翁)確かに、並んでいる様子は五線譜ですね。

〇(ちせい)チューリップと言う季語から来る連想だと思います。チューリップは極めて音楽を連想させやすい季語だと思います。そこを「五線譜に足突っ込んで」と表現したのだと思いました。

○(宙虫)足を突っ込むの大胆さが面白い。

 

長男は都会へ春の畝歪む   楊子

○(泉)地方は過疎化が進むばかりです。

〇(まきえっと)就職なのでしょうか?「歪む」がなんともですね。

〇(春生)「畝歪む」に寂しさが出ました。  

〇(瞳人)行かせてやってください、うねなんて、歪んだって作物はちゃんと育ちますから

 

逝く春や塾より帰る高校生    卯平

 

ばつのある倅のややこ新入生   瞳人   

○(卯平)上五中七のドラマを下五で説明しているのでは。そこが勿体ない。しかし、このドラマ性は捨て難い。

〇(めたもん)おじいちゃん、おぱあちゃんの顔が浮かびます。古い人間からすると「えっ」という味わいもあり愉快な句。

 

菜種梅雨豆腐の混ざる卵焼き   ちせい

○(藤三彩)彩り混ざる春の盛り皿の景色だな

 

チューリップの憂鬱を撮るツーリスト   宙虫

○(楊子)ツーリストには見飽きた光景かもしれませんね。

○(あちゃこ)被写体を見つめる作者の距離感がいいですね。愁を帯びた作者の眼差し。

 

菜の花や村は黄金の理想郷    泉

〇(瞳人)そういうところなのに、出てゆきたいというのは、少年のこころ、吉幾三みたいに

 

花冷えの予報外れの予約かな    藤三彩

 

球根の収穫近し蝶の昼   アネモネ

○(藤三彩)何の球根だろう?

◯ (アゼリア) また来年も花が楽しめますね。

○(幹夫)球根が根強いチューリップの花に「蝶の昼」の景が何とも穏やかな春の景だ。

〇(ちせい)蝶の昼がいいと思いました。収穫ができる時間帯だと言う点で。

 

啓蟄やぞろぞろ顔を出す議員   カンナ

◎(泉)全く、日本の政治も地に落ちました。回復不可能か?

 

菜の花や風柔らかく撫で来たる   仙翁

○(藤三彩)春の暖かさが感じられる季節です

 

爺の折る紙飛行機や菜花風   めたもん

○(卯平)詠み手を爺まで言うか否かでこの句への接近は異なるだろう。詠み手と同年代であればこう言う事で自らを無聊せざるを得ないか。

〇(珠子)これを翻訳すると「平和」そして「有限」 

○(餡子)おじいちゃんの器用な手元を見ながらびっくりしているお孫さんの様子が見えます。チューリップ畑を越えて飛んでいったでしょう。  

◯(道人)核家族が当たり前の時代に「菜花風」の感覚がやさしい。古き良き里山の景。(「菜花風」は余り使わないのでは?「花菜風」かと)

〇(春生)年季が入っているので、菜花風に乗ってどこまでも飛行していることでしょう。   

〇(瞳人)紙飛行機という俳誌を出している友人がいます。(句がむつかしい!)秋山小兵衛が飛行機ならぬ、竹とんぼを飛ばしている一篇が忘れられません

○(宙虫)ほのぼのとした空気が伝わり、風にのる紙飛行機が絵になる。

 

菜の花の中の学校初出勤     春生

◎(卯平)詠み手は新任教師だろう。このような意気込みがあれば様々な事も乗り越えられるか。しかし、菜の花の中の学校は本当の学校の姿ではない。おそらく、この連休明けで「こんなはずではなかった」と思う学校かも知れない。それでも「初出勤」する新任女性教師に応援をしたい。果たしてこの後、詠み手の心境が句にどのように反映するか、見守っていきたい。先ずは新任教師、おめでとう。

〇(あき子)新社会人の初出勤。菜の花の中に紺のスーツが颯爽としてますね。

○(幹夫)生徒も新年度ならば先生も新着任だ。賑わう生徒のように、蝶や蜂が飛び交う菜の花畑が、いかにも春らしい。

◯(道人)分かりやすい措辞で、新しい学校に初する先生の気持ちが、菜の花の明るさに託されている。

 

花虻の忙しき翅音雨上がる   珠子

◯ (アゼリア) 忙しき翅音が聞こえてきます。

◎(あき子)「あ」音の連なりから春の歓びが形になって伝わってきます。

◯(道人)春雨が上がった景の捉え方(花虻の動きに焦点を当てたところ)が面白い。

〇(アネモネ)雨上がるがいかにもです。

〇(ちせい)さあこれから蜜を吸いに行くかと言う羽音なのかもしれません。

○(宙虫)リズムよく心地いい。雨上がりの気分が届く。

 

チューリップ列を離れて戻らぬ子    あき子

○(楊子)新学期の登校班から一人へりましたか。いろいろとある新学期ですね。

〇(カンナ)取り合わせが面白いと思います。

○(あちゃこ)色々とストーリーが浮かびます。早く戻ってね。

〇(めたもん)チューリップはきちんと列を作って咲いているのに・・。でしょうか。

○(幹夫)中にはそんな子も。「ならんだならんだチューリップの花が・・・♪」と幼少の子との素敵な取り合わせだ。

○(餡子)いますいます、遠足に行ってこういう子! 

◎(仙翁)戻らぬ子は、チューリップか、子供か、それとも人とか。

 

よこしまな地球菜の花蝶と化す   あちゃこ

 

少年の口笛春野を擽りぬ    餡子

〇(カンナ)口笛が擽るという表現が面白いと思います。

◯ (アゼリア)春野を擽るー楽しい措辞ですね。

◎(珠子)健やかな少年の口笛に擽られる春野。近頃の少年に口笛という言葉があるのでしょうか、あってほしいと思います。 

◎(まきえっと)「野を擽りぬ」は口笛とよく合っています。

〇(めたもん)大胆な擬人法がきまっています。

〇(あき子)高い音が春野に広がって、擽りぬが愉快。

◎(春生)「春野を擽りぬ」が詩的。    

◎(宙虫)少年のもつもどかしさだろうか。けっして上手な口笛ではないような。

 

つづく



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