こんばんは。
お待たせいたしました。遠くから桜を眺めるのもいいかもしれないですね。
兼題:春
春めくや赤きベンチと滑り台 幹夫
△(卯平)中七と下五の措辞は類似感がある。季語が大人しいのでは。
春暑し最後のパットはマスターズ 泉
再生へ春だねだるは平静さ 吾郎
◎(珠子)春!一番欲しいのは平静・平常です。静かで平和な日常の再生です。あの時、10年後がまだまだこんな風だと誰が思ったでしょう。10万年も毒を吐き続ける妖怪のすぐ隣に住んでいたと誰が思ったでしょう。
○(幹夫)コロナ禍の希望が巧みに詠まれる。
○(仙翁)おちついてこの禍を乗り切りましょう。
◯ (アゼリア) 平静さを失わず元の暮らしに戻れる日を待ちたいです。前向きで共感の句です。
○(あちゃこ)再生と平静さ、まさに今求めているものに違いなく。
〇(宙虫)災害のあと、日常という言葉がひとつの目標に。ふと思いだした。
◎(まきえっと)きっとどの時代にもさまざまなことが起きていたのだろうけれど、平静って大事ですよね。楽しんで頑張ろう。
大仏が眠る耳から春を呑み 宙虫
◎(瞳人)あのでかい耳は、そのためにあるのか
〇(珠子)あの大きな耳ですから。春を「呑む」のも頷けます。
○(泉)意味不明ですが、大仏ならば出来そうです。
◯(道人)大らかで擬人法が効いている。
シニヨンを解けばたゆたう春の湖 楊子
〇(珠子)ステキ。佐保姫?ローレライ?
◎(仙翁)何処か悩ましそうな感じがいいですね。
◯ (アゼリア) ルノワールやフェルメールの女性が目に浮かびます。
◎(アダー女)シニヨンというとバレリーナのキリリと髪を高めに束ねた姿を想像するが、最近の街中のシニヨンは束ねた髪をわざと崩し、後れ毛やほつれ髪で色っぽい雰囲気を出すのが主流のようですね。揚句からはキリリとまとめたシニオンを想像します。それをほどくと豊かな髪がぱ~っと肩に広がり、まるで穏やかな春の湖のさざ波のような雰囲気が漂うのです。まるで「白鳥の湖」のオデット姫がシニヨンを解くような・・・美しい句ですね。
◎(餡子)一幅の絵を見ている感じです。
◯(ルカ)詩情があります。
〇(宙虫)シャンプーのコマーシャルのような絵が浮かぶ。
職失せし駅ピアノ弾く春コート 瞳人
〇(藤三彩)そうゆう場面の放映がありました。
浅春の奥の細道聖火点く 藤三彩
〇(珠子)本当に始まるのでしょうか。第一走者は澤穂希さんというニュース。走者に罪はありませんが。
〇 (多実生) いよいよ聖火コロナ下の福島よりスタート。知恵を結晶しオリンピック開催に繋げたい。
○(あちゃこ)みちのくの春は、未だ遠い。聖火は、何処に向かうのだろう。
(選外)(幹夫)7月23日が開会式、3月25日福島出発予定の五輪2020聖火リレーだけど。
恋やつれしたるや春の猫のヒゲ 敏
〇(瞳人)歴戦のあとは、そこの残るのか
〇 (多実生) 恋猫がよく観察されています。負けて帰っていた猫も、動物の世界は年を取ると、やがて勝てる様になるものだす。
世直しのティンパニー鳴る春の雷 アダー女
△(卯平)上五の違和感。中七の説明。その結果季語との響きが弱いのでは。
春筍のつんと斜面にその奥に アネモネ
○(吾郎)物事は表層的なものだけではないのなだと改めて。
(選外)(道人)春筍を追う目線が作者と同じになります。
破く手を止めて読む反古春の宵 餡子
○(あちゃこ)春の宵のもやもやが伝わる。破いているのは、何だろう。
〇(ちせい)「止めて」のポーズに「春の宵」と言う季語を必然ならしむる因があると思いました。
春の雨本で旅する家ごもり 道人
○(幹夫)コロナ禍で余計に家ごもりですね。
○(敏)コロナ禍出現以来のステイホームの日々が「本で旅する」に端的に現れていますね。
ふり向いてまた手を振って春の川 めたもん
春昼の開きしままの楽譜かな ルカ
○(卯平)春の昼、おそらくピアノがある部屋の窓は開いているのだろう。そして春風で開いた楽譜が。春の長閑な委季感が伝わる。
◎(春生)一休みというところでしょうか。のんびりとしてきます。
春夕焼遅れ鴉の三羽四羽 仙翁
○(めたもん)「遅れ鴉」が空を帰る景より、まだ飛ばずにいる景が浮かびます。「三羽四羽」は句の調子を整え、鴉の存在があいまいなことを表現。
春や春やつとやつとと戸を叩き 卯平
まだ十年やつと十年春の鳥 メイ
○(めたもん)東日本大震災へのつぶやきと思われる重い上五、中七。季語「春の鳥」がこれを明るく受け止めつつ、未来に向けての再生を暗示。
◯(ルカ) 10年目の震災。被災者の実感。
〇(春生)東日本大震災のことでしょうか、福島の原発事故の処理も進まず、故郷に帰れない人もたくさんいると聞きます。十年という年月は長くもあり、短くもあり、まだまだ、原発廃炉まで気の遠くなるような。季語「春の鳥」で、少し救われますね。
ことことと鍋の内側春の雲 まきえっと
〇(藤三彩)鍋は雪平鍋がいい。蕗や浅利、しぐれの佃煮なぞは春夕べの愉しみに繋がるな。
○(泉)いかにも春らしい、のんびりした光景だと思います。
〇(メイ)「ことこと」と春の雲が響きあって、丁寧な日々の暮らしが伝わってきます。
〇(宙虫)鍋の蓋を取ると春の雲みたいに湯気が立つ?季節の境の鍋料理。
草木が欲しいこの日の春の雨 多実生
春愁のぽとりと落ちるトタン屋根 あちゃこ
◯(アゼリア) トタン屋根最近見なくなりました。春愁とトタン屋根の取り合わせがぴったりです。
〇(ちせい)ぼとりと言うオノマトペに詩魂が宿る句だと思いました。
△(卯平)上五のキレが弱いのでは。この中七下五では主語はトタン屋根となる。句意としては「(雨粒が)ぽとりと落ちるトタン屋根」だろう。省略が効いていないのでは。
膝元を移る木洩れ日春の色 珠子
○(仙翁)爽やかな情景が浮かびますね。
○(吾郎)なんだかぼっこりした時間経過。
〇(メイ)木洩れ日のスローモーション映像を見ているよう。
○(敏)木漏れ日の色に季節を実感しているようです。
〇(宙虫)哀しいドラマの結末はこんなハッピーエンドがいい。
〇(まきえっと)ホッとします。
地震のこと思へば春の灯の歪む 春生
(選外)(幹夫)2011年3月11日はあまりに悲しい。
出番なきポーチのルージュ春愁ふ アゼリア
○(餡子)本当に、化粧品が減らなくなりました。マスクのおかげ?
春風や草に表情与えたり ちせい
テーマ:植物
日陰ほど早い芽吹きに見る凄さ 多実生
スーパーの見切り菜花の保存法 藤三彩
〇(ちせい)プリザーブの仕方とは菜花にも工夫が。
玉葱の畝にちりばむ紫雲英かな 仙翁
〇(藤三彩)紫雲英(げんげ)も花を咲かせて逞しく生きている。
○(アダー女)早生の玉葱は今頃が収穫期。引き抜いた玉葱を葉ごと畝に倒していくとアレ!紅紫色の紫雲英があちこち顔を出しているよ。春の田園風景がのどかで美しく郷愁を感じる一句ですね。
そら豆の早やお多福を競ひ咲き 瞳人
〇(藤三彩)鹿児島産の立派な蚕豆が出回っている。種蒔から葉が出て地植えにした段階。まだ先が長い。
〇(春生)花もお多福のようですね。うまい。
猫やなぎ祖父母を知らず育ちたり メイ
○(卯平)中七下五の深刻な(ケ)の措辞に対する猫やなぎの季語はそれなりに調和してはいる。「育ちたり」は「育ちけり」の方がより共感出来る。
植物に命吹き込む春の風 ちせい
つくしんぼゆるキャラ柄の村のバス めたもん
◯(アネモネ)村営バスでしょうか?そんな景ありそうです。
○(泉)絵本のような、のんびりした光景だと思います。
〇(楊子)のんびり感がでています。宮崎駿の世界のような。
学食に夢語りし日芝桜 アゼリア
△(卯平)句意の新鮮さは読み取れる。が、上五の「学食に」の「に」が少々違和感。
ふところに眠る光や猫やなぎ あちゃこ
豆の花平城京に続く道 まきえっと
◯(アネモネ)構図のいい句だと思いました。
◯(アゼリア) 豆の花の季語が素敵です。
○(吾郎)おおらかな気持ちになります。よいですねこの気分。
やはらかく光りはじいて名草の芽 アネモネ
○(敏)春先の光りを「名草の芽」に感じ取っているのでしょう。
一掴み千円也と黄水仙 楊子
家紋なき矢筒横たふ夕花菜 卯平
歌舞伎町のこんな所に犬ふぐり 道人
◯(アネモネ)歌舞伎町がいいですね。
○(仙翁)歌舞伎町、懐かしいですが、イヌフグリは何処に?
〇(春生)雑草犬ふぐりの生態が見事に捉えられました。
○(敏)最近「すきまの植物」が注目されているようです。都会の「犬ふぐり」のしたたかな生命力を見出した作品。
〇(ちせい)発見に宿る句心。犬ふぐりの可憐さを思いました。
花桃の陰性という免罪符 宙虫
(選外)(藤三彩)PCR検査の陰性ではなく梅や桃の毒の花街やの陰性という下ネタ。ちがうかな。「麦」小麦句会に品性はないのかい?
花冷や無声映画のチャップリン ルカ
◯(道人)絶妙の取合せ。
〇 (多実生) テレビか映画か記憶は曖昧だが、チャップリン無声映画見た記憶が有ります。季語が適切と思います。
○(卯平)きちんと定型の共感しやすい句。中七下五の句材も説明的ではあるが、その措辞を花冷と言う季語が詩情へと高めている。キレの上五「や」も適切。
○(めたもん)「花冷」「無声映画」「チャップリン」。たった三つの単語が人間存在の哀しさを伝えます。
たんぽぽの絮のためらふ着地点 春生
◎(幹夫)蒲公英が率直に詠まれ、共感です。
〇(楊子)絮が生きているような動きがよく表されています。
◎(道人)たんぽぽには行先を選ぶ本能が備わっているのであろう。
○(餡子)子孫を増やすのに。条件の良いところを選びますね。
○(あちゃこ)ためらふの斡旋が新鮮。
〇(まきえっと)ほんのちょっとで変わるんだろう。
回覧に添えてつくしの2.3本 餡子
○(幹夫)「とんとん とんからりと隣組♪」優しさ感じます。
○(仙翁)優しい心が見えます。
五百年のボトリ地を打つ藪椿 アダー女
森未だまどろみの中花こぶし 珠子
◯(アネモネ)つい数年前まで近所にそんな雑木林がありました。
◎ (アゼリア) はっとするような美しさでしょうね。
○(アダー女)冬の眠りから山も森も目覚めたはずなのにまだとろとろと夢の続きのまどろみの中にあるような森の中でいち早く真っ白な可憐なこぶしの花が芳香を放ちながら春を告げている姿がいいですね。
◎(宙虫)街の中に春が溢れて騒がしくなるけれど、森はまだ静寂のなか・・・。ゆるやかな時が流れている。
生地広く使い快活黒羊栖菜 吾郎
◯(道人)「羊栖菜」は調べないと読めませんでした。観察眼の行き届いた生活観のある回文句。
○(めたもん)ゆったりとした服装。太り気味で明るい性格。羊栖菜(植物!)をつまみに楽しげな人物。回文ならではの意外性ある言葉の展開が愉しい。
にんにくを食べても勝てぬ加齢かな 泉
〇 (多実生) にんにくを句にしたのが面白い。
草の芽も木の芽も物の芽でありし 敏
野辺の草芽のまつすぐに丈比べ 幹夫
〇(メイ)立ち上がった芽は丈比べの真っ最中。視点があたたかくて爽やか。
雑詠
うららかや窓辺に受ける初ライン 楊子
田の水の声の整う鳥曇 まきえっと
◯(道人)農と自然と一体となった暮しぶり。苗代を作る前の田水の景が「声の整う」でよく分かる。
○(めたもん)中七の「整う」が巧み。田に水が引かれ、大変な米づくりがこれから始まります。空も気持ちも「鳥曇り」なのでしょう。
ポケットに揺るる着信桜東風 幹夫
◯(道人)いかにも「現代の春」
◎(卯平)何気ない日常がこの季語の配合で詩情豊かになった。発見がある。
○(アダー女)まさに皮膚感覚の実体験。春の柔らかな優しい風とスマホの着信音と揺れ。絶妙!
○(餡子)きっと良い知らせですよ。
◎(ルカ)季語が電話の相手を予感させています。
運試し土間のあの窓閉め暖雨 吾郎
海底に万の棺や春北風 餡子
〇(珠子)10年前の津波、その前の津波そしてそのもっと前の津波の犠牲者。漁船事故で亡くなられた方も多いことでしょう。
◎(泉)私は、これは東北大震災の俳句だろう、と思いました。今なお、多くの犠牲者たちが海底に眠っている、という意味でしょう。春北風が吹き荒れています。
○(卯平)3.11の句として。
〇(メイ)海底に残された遺物に、行方不明の子の手がかりを探す父もいて。
〇(まきえっと)きっと10年前の津波のことだろうと思うけれど、古い時代から、世界中の海底への弔いとして選びました。
絵文字なら万国共通和む春 多実生
欠伸して老猫目覚め青き踏む 仙翁
〇(瞳人)老いらくの恋というのも、あるんだぜ、寝ていてばかりじゃ、だめだ
◎(ちせい)人間ではなくて猫が青きを踏むとは新鮮さを思いました。
(選外)(道人)老猫を愛おしむ作者の優しさがよく伝わってくる。三つある動詞が惜しい。
語部の皆遠目して震災忌 アゼリア
〇(楊子)遠くを見る様な目が悲しみをよく表現しています。
○(敏)九月の「震災忌」ではなく、十年前の東日本の惨状を思い起こしているのでしょう。
寂しさや鰊御殿は荒れ果てて 泉
春愁に春愁かえす長電話 道人
◎(楊子)「どうよ、このごろ」「うん、まあまあね」などと目的のない緩い会話を想像しました。
鉢替えや蛹の春眠そのままに 藤三彩
〇(楊子)やさしい鉢替えですね。
○(仙翁)優しい気持ちですね。
◯ (アゼリア) 優しさに癒されました。
したたかに老いてみようや春疾風 珠子
◎(藤三彩)かつてを想へば打たれ強いんでしょう。自らの足腰で立ち向かえるよう頑
張りましょう。
〇(瞳人)そうだよ、街に出よう、コロナに気を付けて
○(泉)老い、というとネガティブな印象を受けますが、この俳句はポジティブですね。全く同感です。
◎ (多実生) 老いなりの活力、したたかが効いています。
○(アダー女)私は春の強い風に滅法弱い。陽射しはあるのにあの強い風。「愛情物語」でキム・ノバクは風を怖がったっけ。激しい風は、自分の中の大事なものをすべてかっさらって行くような恐怖を感じることがある。「それがどした!」と突っぱねて生きて行きたいな。「みようや」の「や」に作者の「嫌だけど頑張っていこうよ!」という伊達に年取っちゃいないんだという気概と同感を求める気分が嬉しい。
◎(吾郎)実によろしい心意気。
春嵐ジャムができるとゴミが増え ちせい
チューリップ午後休診のかかりつけ めたもん
◯(アネモネ)先生どうしたんでしょうね!
〇(瞳人)滋酔郎に あ、本日休診松葉牡丹かな というのがあったな
照れつつもスプリングコートは桜色 アダー女
いちにちの軽さ花菜の通り雨 あちゃこ
〇(藤三彩)銀行へ行って記帳して帰って来る。ついでに郵便局で投函、切手を買うな
ど他愛なくもいちにちは暮れる。
○(餡子)軽くて速い・・・。
◎(メイ)どこか力の抜けた感じが、今の私の心境にぴったりでした。
◎(めたもん)「いちにちの軽さ」を感じるのは日暮れどき。「菜花の通り雨」との響き合いの中から、人生への溜息のような感慨が伝わります。
◯(ルカ)春の通り雨。まさにこんな感じ。
〇(宙虫)いろいろなものが軽くなる。春の実感。
〇(まきえっと)いちにちの軽さって感覚がいいですね。
この左腕ミリを勝負の球春来 瞳人
○(泉)投手のコントロールはミリ単位なのでしょう。正しくプロ野球です。
○(幹夫)針の穴を通すほどのコントロールと言えば、巨人の星、青雲高校サウスポーの星飛雄馬だ。
上向きに少しみだらで落椿 敏
◎(アネモネ)「少しみだらで」。なるほど言われて見ればそうかも。
〇(瞳人)うーん、そこに目が行くか
〇 (多実生) 良く観察されて、みだらで決めています。
○(アダー女)椿がまるごとまるで首を落とすようにポトリと落ちるのが不気味で嫌いだという人は多いですね。だが確かに見方によっては、上をむいて落ちた姿には自分の顔も体も臆面もなく見せているようで艶っぽい。淫らと言えばそのようにも見えてきますね。
○(吾郎)こういう見立てもあるのね。
〇(春生)流石です。そういわれれば、ちょっとエロチックですね。
○(あちゃこ)私は、椿は地にあれど凛としていると感じる。作者の独創的な感性。
石碑の名なでてさすつてつくしんぼ メイ
のり味のポテトチップス初つばめ アネモネ
〇(珠子)何の意味もない楽しさ・そこぬけの明るさ。嬉しいニュースが全く無いと嘆いていましたが、そうか、そろそろ燕は渡って来るし、湖池屋のポテトチップスもあるか~。何とか健康でいられるし・・・ね。
〇(楊子)わからないけれど、のり味と初つばめの取り合わせにひかれました。
〇(ちせい)地域限定のチップだったのかもしれません。
卒業の子を真ん中に祝ひけり 春生
○(幹夫)卒業の目出度さが率直に詠まれる。
○(餡子)コロナ禍の中の卒業子。兎に角おめでとう。永久に、歴史に残りますね。
大空へ掌かざす白木蓮 ルカ
大道寺句集耽読霾ぐもり 卯平
〇(春生)死刑囚として37年に及ぶ獄中生活を送る大道寺将司の全句集には、言い尽くせぬ思いが込められていますね。季語「霾ぐもり」が効いています。
〇(メイ)季語の役割、働きを実感しました。
◯(ルカ)私も全句集「棺一基」を読んだ。季語がいいと思いました。
(選外)(藤三彩)『棺一基』大道寺将司は「東アジア反日武装戦線」の死刑囚らしい。獄中で季語と東日本大震災に遭遇するとか。危ないアブナイ。
鳥渡るやさしい毒がまわる町 宙虫
○(卯平)やさしい毒がまわる町は今のご時世か。それを俯瞰している句。
○(吾郎)毒に馴染んで耐性ができていく。歴史はそういうものかも。
○(あちゃこ)やさしい毒?じわじわと蝕んでいく怖さ。緊急事態宣言解除ですけど、大丈夫?
◯(ルカ)「まわる」は少し引っかかりましたが、「やさしい毒」は社会詠としていいと思います。
(選外)(道人)意味よりも詩性を味わう句かと。
☆次回をお楽しみに。
もう三月も下旬になりました。早いですね。広島は寒くなったり、暖かくなったりで、安定しません。新型コロナは問題ですが、センバツは始まるし、大相撲はあるし、世の中は少しづつ動いています。前向きになって来ました。