こんばんは。
お待たせいたしました。
卯平さん、選句の参加ありがとうございます。次回は是非とも投句もお願いいたします。
呼吸するのが辛くなるような空気ですね。
兼題:打
打合せ通りにゆかぬ登山かな 泉
〇(藤三彩)飲み会だって日程が合わない人たち。天候も予約も幹事は大変。
○(卯平)皆で登っていても途中バラバラ。人生もそうだ。
真打や逃げる鰻に訊く話芸 藤三彩
〇(多実生) 寄席かテレビだったか忘れましたが、交互に親指を伸ばし、鰻が逃げる様を見せる完成された演技に、感動した記憶があります。
○(吾郎)後生うなぎ、鰻の幇間、鰻屋…この季節のうなぎ噺は人情ものから落とし噺と色々楽しませてくれますな。
(選外)(道人)「逃げる鰻に」が洒落ています。
天覧のサヨナラ打茫六月尽 瞳人
打ち続け打たれ続けて滝と岩 敏
○(泉)言われてみれば、その通りですね。悠久の時の流れを感じます。
◎(多実生) 休まず打たれ続ける瀧。私の知る華厳の滝も少年の頃と比べると、直接滝壺に落ちていたのが、後退し形も変わって来ています。
◎(アネモネ)いい関係ですね。滝の飛沫が跳んできそうです。
〇(春生)永遠に続くような気になります。
◯(ルカ)当たり前のことを詠んだだけですが、見つめ続けた作者の視線に打たれました。
○(吾郎)はじめ、どこの乱打戦かと(笑)
〇(まきえっと)変わらないもの。
雲の峰カーブ打つため左打ち 多実生
○(泉)詳細な打撃理論ですね。実行できるか否かは、また別問題ですが・・・。
○(ちせい)季語は「雲の峰」。野球の工夫が俳句にも現れて居る様な。
路地裏の打ち水の跡清め塩 あちゃこ
○(敏)路地に面した洒落た小料理屋の風情と見ました。
〇(仙翁)このような景色が一昔前にはあったのでしょうね。
峰入りの熊に缶から打ち鳴らし アネモネ
見えてくる女の打算沙羅の花 餡子
〇(藤三彩)結婚した後に見えてきそうな感じ。三食昼寝付きの居心地が・・
○(アネモネ)なるほど。いやはやちょっと怖い。
〇(仙翁)何となく、騙されてみたいような気もしますね。
○(卯平)よくぞ言ってくれた。代弁に共感。季語の位置が見事。
語り継ぐ代打人生揚花火 道人
〇(藤三彩)阪神タイガースの川藤幸三氏のことかな。代打じゃないが元広島東洋カープの故衣笠祥雄氏(71歳)の永眠に合掌
〇(春生)「代打人生」も浮ばれる時がありますね。
〇(宙虫)そのひと振りにかける代打での成功はインパクト大。
水打つてよき夕影の石畳 幹夫
○(泉)形の整った俳句だと思います。
〇(春生)涼しそうです。
○(吾郎)京都の小径か、暑さが少し涼んだ風情
一面の血の夕焼けや水を打つ 仙翁
〇(瞳人)実景、のはずはありません
打開策ないが意外な臭い蚊だ 吾郎
〇(藤三彩)困った蚊だ、寝床の耳元に一匹ブーン
○(泉)見事な回文だと思います。
〇(道人)臭い蚊が打開策のキーになる問題とは?ちょっとしたミステリー風の俳諧味溢れる回文句。
〇(宙虫)臭い蚊がおかしい。いったいどんな血を吸ってきたのか。
◯(アゼリア)煩い、刺す、更に臭いとなると最悪ですが、近くに来た時気が付きやすくて良いかもしれません。
〇(まきえっと)ブーンという音が聞こえなくなってしまったようです。痒い。
石灯籠のころげ久しい村万緑 宙虫
◯(ルカ)下五の止め方が新鮮。
打水や立ちあがりゆく父の影 ルカ
○(敏)打水の先から立ちあがった人影は、亡き人の幻のようでもあります。
◯(あちゃこ)追憶の一句。思い出と共に懐かしさが蘇ります。
〇(宙虫)ちょっと幽霊っぽい父上。
◎(幹夫)打水後のもわっと立ち上がる煙の様子佳く詠まれており共感です。
○(ちせい)季語は「打水」。父の存在感。そしてその動き。
伝言の「逢ひたし」かなぶん窓を打つ 珠子
○(餡子)おやおや、雑詠のなかのかなぶんの方かしら?それとも偶然?
向日葵や打撃理論はとこしなへ ちせい
記念日の老いたる背に草矢打つ アゼリア
○(ルカ)草矢、という季語をうまく使っています。
〇(珠子)結婚記念日?40回目ぐらいでしょうか。お幸せに。
◯(あちゃこ)季語は草矢。二人?の関係性と景を彷彿とさせます。
水打つて球児の熱気鎮めけり 春生
〇(珠子)球児の熱気よりも、気温を1℃でもいいから下げてください!命にかかわります。
○(幹夫)甲子園目指して現在地方予選奮闘中の夏の球児らです。
夏の雲一回多く打ち返す まきえっと
テーマ:刺激
伸縮の自由な海馬かき氷 まきえっと
○(餡子)いいですね。まだまだ海馬健在。でも、あのかき氷をたべているときの「きーーん」は、海馬にとって辛そうです。
◎(ルカ)海馬が、かき氷と絶妙に響き合って面白い句になっています。
◎(あちゃこ)真偽の程は分かりませんが、面白い表現。かき氷との取り合わせもぴったりですね。
〇(宙虫)キーンとくるかき氷。この暑さ海馬も大変かも。
◯(アゼリア)この暑さで益々脳が老化した気がしていたので、かき氷で活を入れてみます。
○(吾郎)かき氷食べて頭がいたくなる、記憶力の衰えとの因果関係やいかに
◎(卯平)このような柔軟な気持ちで俳句に取り組めたら最高。この句会に初めて参加させていただきこのような句に出会い、私への今後の励ましとさせていただきたい。季語の位置では許される範囲と思う。
(選外)(藤三彩)海馬は記憶を司る機能があるそうだが、伸縮自由とは知らなんだ
ひとを待つ袋小路の夏座敷 道人
雲の峰詩集足したる旅鞄 ルカ
〇(春生)「詩集足したる」で豊かな旅になると思います。
〇(珠子)よい旅でありますように。暑さと足元にはお気を付けください。
〇(道人)極暑を忘れて、旅心湧き立つ句です。
海の日や地球憤怒の星となる 珠子
◎(泉)天災、人災、正しく「憤怒の星」ですね。
〇 (多実生) 石油化学製品が海に浮遊し、地球憤怒だけでは済みません。対策が急がれます。
〇(仙翁)このところの異常気象は、天の怒りかも。
乾杯や奴のビールの飲みつぷり 幹夫
〇(瞳人)そういう彼奴め、早く往くきゃあがって
(選外)(ちせい)季語は「ビール」。豪快そうなのですが、ちょっと「奴」の像があいまいだと思いました。
激辛のカレー食べつつ汗拭 泉
山開き北アルプスの写真見る 多実生
〇(藤三彩)上高地から涸沢、槍ヶ岳へ。だけじゃなくて・・とみている間に予約が取れなくなる
刺激され猫の小用か梅雨明ける ちせい
止めどなく百物語続きけり 春生
○(ちせい)季語は「百物語(怪談)」。夏の納涼はこれで決まりと言った感じですね。
○(吾郎)ろうそくは後三本………
寂しげに水鱧弾み逃げしミサ 吾郎
笑いの壺は水輪に揺れる青みどろ 宙虫
水着からはみ出しものを眩しめり 敏
○(アネモネ)いやあ、これは眩しいだろうなあ。
〇(春生)健康的ですね。
選外(卯平)戯れ言の範囲か。それでも少々諧謔せいが感じれる。その意味で相対的に無視はできない。
激辛のネロの名殺むかき氷 藤三彩
痩せ烏極暑の屋根を二歩三歩 あちゃこ
〇(多実生) この猛暑、口を開けているしか有りません。痩せ烏はどうやら私の様です。
○(敏)「痩せ烏」を見たことはありませんが、ここのところの極暑では、さもありなんと思いました。
〇(仙翁)痩せたカラス、暑そうですね。
○(幹夫)今年の岡山は特段暑い!
◎(ちせい)季語は「極暑」。映像が鮮明に伝わって来るようでした。
〇(まきえっと)ちょっと許せます。
短夜やシゲキックス舐め稿終える 餡子
猪垣に流す電流月涼し アネモネ
◎(珠子)猪の棲みかを奪ったのは人間ですが、人間が生きてゆくために流す電流。「月涼し」が美しくもあり残酷でもあり。
○(敏)電流をくらった猪の驚きようが感じられます。
◯(あちゃこ)句材と生活感に惹かれました。
◎(まきえっと)「月涼し」がなんとも言えないです。さらっと詠んでいます。
朝カレー喰って田んぼの草取りに 仙翁
〇(瞳人)決意のほどがうかがわれ、
○(アネモネ)スパイスが存分に効いてカレー!
○(幹夫)元気一杯!精が出ますね。
○(ちせい)季語は「草取り」。殊勝な心掛けにカレーの腹ごなしは印象的です。
発禁本回し読みせし夏休み アゼリア
○(餡子)うーーーん、うちの息子もそうだったのかも。
(選外)(藤三彩)何でしょうね、生徒らの発禁本は
両脛を露はにいとし旅浴衣 瞳人
雑詠
老人の散歩涼しき百貨店 泉
○(アネモネ)百貨店散歩、納得です。
◯(ルカ)ペーソスが、にじみ出ています。
(選外)(道人)特別な言葉は使わずに、淡々と、矍鑠とした句です。
落下感あり 暗夜の梅雨出水 敏
木漏れ日の先へ先へと鶉の子 アネモネ
風鈴の音となりゆく女かな ルカ
〇(珠子)浴衣姿の女性が風鈴の音に溶けてゆくようだ…と。どれだけ楚々として美しければこう思うのだろう…とは思いましたが。
○(敏)「風鈴の音と」なった女性の俤をあれこれ想像したのですが、仲々実像を結ぶまでには至りませんでした。
◎(仙翁)別れの景色でしょうか、面白いですね。
◎(宙虫)少し古風な女。周辺から風鈴の音に聞こえない昨今を合わせて思う。
◯(アゼリア)気のせいか幾分涼しくなった気が致します。
◎(吾郎)粋な姉さんか、儚い女郎か、物語がひろがります、なんか、いい映画撮れそう
○(卯平)ほのかな色気が滲みでている。風鈴にはそう言えば、女の様々な饒が読み起こされる。それは打算ではない、女としての性だ。
〇(まきえっと)思わず足元を見てしまいそうです。
普天間の空は紺碧蝉時雨 幹夫
◎(アゼリア)日本で唯一地上戦のあった沖縄、今でも基地の問題を抱え、紺碧の空と蝉時雨が悲しみを表していると思いました。
巴里祭箪笥の隅のシャネル五番 アゼリア
◎(藤三彩)あるある。7月14日のパリ祭、いつも行ける訳ではないけど大事にしまってある香水が思い出の記憶
◎(瞳人)つきすぎかなあ、と思いつつ、わたくしの場合は、ドゴールのあの高き鼻、これです。
◯ (ルカ)私も、同じく箪笥に眠っていて、共感。
二の足の慈悲心喰ふ御器かぶり 瞳人
蜘蛛の網残る酒蔵昭和の灯 あちゃこ
〇(多実生) 掲句は酒蔵ですが、私の育った頃は味噌も醤油も自家製で味噌小屋と言う部屋があり、大きな樽が並んでいました。昭和の前半ので古い話です。
◯(アゼリア)昭和の雰囲気一杯の懐かしい句と思いました。今は酒蔵も機械化が進み昔の名残りは無くなってしまったのでしょうね。
青田波風を形にして見せる 多実生
○(餡子)ちょっとわかりすぎる言い方ですが、風になびく青田の美しさが目に見えます。
○(泉)見事な写生句だと思います。
◎(敏)今は青田の真っ盛り。吹き抜けて行く風の心地よさ。まさに絶品です。
〇(道人)風に揺れる青田ではなく、青田波が風を作るという発想がいいですね。
〇(仙翁)確かに、林や草は、風の形になりますね。
◯(あちゃこ)風が形となる瞬間は様々にありますね。青田波が爽やか。
〇(宙虫)下五に不満は残るが、音や色やいろんなものを青田は見せてくれる。
〇(まきえっと)青田波はいいですね。恋しい。
老杉の幹撮るレンズ蝉時雨 珠子
〇(道人)大きな老杉なのでしょう。数多の空蝉がレンズを通して見えて来るようです。
星合や弦を奏でるデュオの指 道人
◯(アゼリア)何を演奏されたのでしょうか。聴きたいです。
暑中見舞いメールで済ます友の多忙 藤三彩
抗えぬ天の怒りの夏嵐 仙翁
○(餡子)そのとおりですが、怒りを受けなければならなかった地方の方には申し訳ない気持ちです。地球をこわしているのは人類みんなですのに・・・。
(選外)(道人)具体性に欠けるけれど、作者の権力への怒りと厭世観のようなものを感じます。
御来迎ゆつくり回る地球かな 春生
〇(多実生) 御来光は富士山ですが、一人として歩いている人はなく、大勢でご来光に向かって腰を下ろした感動の一瞬でした。
〇(瞳人)そうですね、われら、地球人、地球の上にて、生を続けています
〇(道人)富士山頂でしょうか、穂高でしょうか。大きな句ですね。地球を俯瞰した心地よさ。
軽鳧(かる)の母少し離れて軽鳧の父 餡子
○(アネモネ)確信犯的作句に笑いました。
〇(珠子) 「女郎花少しはなれて男郎花 立子」のパロディがどこまで許されるのかとは思いますが、一回ぐらいいいかなと。
○(幹夫)仲の良い軽鴨親子の歩く景。
○(ちせい)季語は「軽鳧(かる)(の子)」。潜在的に軽鳧(かる)の子を前提としている句なのでしょうね。
季夏の背に辛かろ唐津贋の花器 吾郎
◯(あちゃこ)こんなに巧みな取り合わせに脱帽。極暑と贋作の花器との取り合わせも妙です。
地球儀のじっと動かぬ熱帯夜 まきえっと
◎(春生)熱帯夜ってこんな感じ、すべてが停止した感じが出ています。
◎(道人)「御来光」の句とは逆に、地球の自転も止まってしまったかのような熱帯夜。中七が巧い。
○(幹夫)冷房の欠かせぬ夜です。
選外(卯平)暑くて動かない理屈が見え見えではないか。かと言って無視するには忍びない。
かなぶんがライバル君の泣く四谷 宙虫
◎(餡子)テレビドラマの一場面?何故、かなぶんなんだろう?何故四谷なんだろう?と思いましたが、それなりに面白い。
広島は豪雨災害が終わったと思ったら、酷暑が続いています。昔から日本の夏は暑かったのですが、今年はやはり特別なのでしょう。この暑さが、常態化すると、東京オリンピックも危険ですね。