小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第491回小麦句会結果発表

2022年12月23日 19時51分13秒 | 15日句会

全国の観測地点の約45%にあたる412地点(富士山・南鳥島を除く)で今シーズン最も低い最高気温となりました。
クリスマスや年末に移動のある方は時間に余裕を持って出かけてください。
一年ご参加いただきありがとうございました。
来年は心の底から笑顔になれる1年になれますように。

兼題:寒
寒い日だ僕と結婚してほしい  泉
〇(瞳人)あったかあ、という俳味あり
〇(あき子)直球の話し言葉には力がありますね。寒い日もほかほか。
◎(敏)この端的な物言いに圧倒されました。俳句というより俳諧かも知れませんが。
〇(めたもん)意表を突くストレートな口語表現。作者が若いかは分かりませんが、若いっていいなあと思える句です。

寒き夜の溜息吐息至福の湯  幹夫
◎(アネモネ)あたたかさがこちらまで伝わって来ます。
○(敏)「溜息吐息至福」の脚韻が印象的ですね。

虐待のニュースは絶えず寒の月  カンナ

寒風や苦吟逃るゝ燗と蕎麦  瞳人        

寒鰤の切り身涸れ川から日暮れ  宙虫
◯(道人)「カ」行音の調べがいい。北国の河口の寒々とした夕暮れの厨を詠んで趣きあり。
(選外)(藤三彩)氷見や庄内の寒鰤という知られた産地がある。涸れ川ではミネラルが海に注がれないだろう。上と下のアンバランスが不気味

反抗期超えた無口や寒オリオン  楊子
○(アネモネ)寒オリオンに得心です。
◎(卯平)反抗期の無口は常套。ここでは反抗期を過ぎても無口である事の発見だ。寒オリオンに親としての詠み手の思いが。そこには親としての子へ愛しさと哀しみが伺える。「冬銀河」であれば詠み手の親としての思いはまた別の趣があるだろう。
○(アダー女)反抗期にも無口派と突っかかり派があるようです。今、我が家の中学生の男児孫はなにかというと「うっせいなあ!」と息子や嫁に反抗するようです。寡黙な反抗期以上にし~んと静かに夜空に輝く冬の一等星オリオン。美しい!
(選外)(道人)オリオンの存在感と反抗期をピークアウトした少年との対比がいい。

天神落語円楽惜しむ寒北斗  藤三彩

寒椿落ちて朝日を受け流す  敏
○(仙翁)朝日を受け流す、何となく分かるような。
〇(宙虫)椿の赤が印象的。これから先、朝が来ることはたいした意味はない。
(選外)(アダー女)「朝日を受け流す」という表現。面白いと思うのですが、寒椿は普通の椿と違い、ポトリとは落ちず、山茶花の様にはハラハラ散るのが特徴とか。とすると「寒椿散りて」のほうが良いのかなという気がしました。

寒水や未知の病を告知され  卯平
〇(藤三彩)「未知の病」などと原因、真相のわからない病では精神的に受け止められないだろう。深刻だが天命を受容するか

寒い夜ひっくり返す砂時計  仙翁
○(アダー女)コーヒーミルを回す時間を計っているのか、カップラーメンの出来上がりを待つためか。タイマーよりぐっと味わい深い砂時計。「ひっくり返す」がなんかピタッとこないんだけど、やはり「ひっくり返す」しかないんですよねえ。さらさらと砂の落ちる音(聞き取りにくいかな)が寒夜にピタリですね。

真ん中に基地を抱く町寒夕焼  餡子
〇(カンナ)抒情的、物語がはじまりそう。季語がよく合っています。
〇(楊子)「基地」というものの存在が夕焼けの赤さがむしろ冬の寒さを際立たせている。
◎(泉)言われてみれば、全国にこの様な町があります。次なる敵は中国でしょうか。
〇(珠子)その上に、防衛費43兆円!誰が許したのか。 
〇(宙虫)基地があることで不安感は増幅する。
◯(ルカ)日本のそちこちに。季語が切ない
〇(まきえっと)情景が目に浮かびます。美しい寒夕焼と基地の取り合わせがいいですね。切ない。
○(あちゃこ)どうしようもない不安な現実。寒夕焼が温かい。
◯ (アゼリア) いろいろ大変かと思われますが、それを季語が上手く伝えていると思いました。

実朝の夢しづやかに寒牡丹   道人
○(ちせい)大船を建設したり、和歌など、様々な夢が思い浮かびます。
◎ (アゼリア) 季語が効いていると思いました。

くすぶつて古希の背中の寒やいと  アネモネ
〇(藤三彩)大相撲十一月場所の決定勝に貴景勝が映る、その背中には灸のような大判の跡が・・血を吸う器械の跡らしい
〇(瞳人)気合を入れてもらいましょう
◎(めたもん)熱いやら寒いやらの「寒やいと」。この季語がいいですね。くすぶる煙に混じって流れていくのは古希の境地です。

寒卵三人寄れば死のはなし  あき子
◎(楊子)寒卵という季語は自分を奮い立たせるようなことがらに使うことが多いのですが「死のはなし」と落としたことにおかしみがある。
○(幹夫)滋養強壮「寒卵」と「死のはなし」との対比がいいですね。
○(卯平)この三人は人生の終焉を意識せざるをえない年代の男どもであろう。寒卵と言う季語にこの男どもの心情を委ねている。絶妙だ。
〇(宙虫)気づけば夢中になって、まわりに駄々洩れになってる可能性が。
◯(ルカ)二人でも死の話
○(ちせい)ウクライナ侵攻の事などが念頭にあるのかもしれません。

本閉じる寒夜をわたる風となる  あちゃこ
○(仙翁)風となる、が面白いですね。

寒いのは身も心もで坐禅堂  アダー女

オペ室に吾と吾の裸体寒無風  めたもん
◯(道人)手術室での思いはこんな風だと思い知らされるような句。多少支離滅裂になりながら不安感が増長してゆく。「寒無風」には参りました。

のらくろの白黒漫画寒卵  まきえっと
○(泉)何となくホノボノとした感じが良いと思います。
○(幹夫)「のらくろ二等兵」と寒卵の取り合わせがいいですね。
(選外)(卯平)上五中七の景はそのまま。「白黒」は省略出来るだろう。「寒卵」は「白黒」との振れ合いで選択したのだろうか。

廃業のその後は知らず寒昴  アゼリア
〇(カンナ)上五、中七と季語の間に寂しさが漂う。
〇(楊子)きっとどこかで家族一緒に幸せにくらしてればいいなあと空を見上げている感じ。
○ (餡子)廃業というと、頭に浮かぶのはどういうわけかお相撲さんですね。いろいろな仕事についていらっしゃるようです。寒昴を見ながら往時を思い浮かべているでしょう。
◎(宙虫)建物もなくなって、働いていた人々はどこへ行ったのか。寒昴が鮮やかに輝く。
(選外)(卯平)何を廃業したのか。その情報があれば寒卵の位置が明確になるだろう。

終われる墓に「平成」寒椿  珠子

寒さ増し五平持ちの棒捨てられず  ちせい

寒風や鳥籠のドア開け放つ  ルカ

テーマ:乾杯
乾杯のグラス傾く十二月  まきえっと

きよしこの夜ハイネッケンの星真つ赤  アネモネ
〇(藤三彩)カタールW杯のサッカー場CM表示で久々にハイネッケンを見る。あの緑の瓶缶の扱いはドンキくらい。
〇(珠子)缶ビールの星マークが句材になるなんて!
○(まきえっと)ハイネッケンの星真つ赤がいいですね。陽気な気分になります。
(選外)(卯平)中七下五の措辞は面白い。但しこの季語ならず「クリスマス」関係の季語と「ハイネッケン」では緩いだろう。別の季語で思い切った展開が見られるとより詩情は増すのでは。

クリスマスワイングラスを並べけり  ルカ

コップ酒交わす祖の墓冬夕焼  あちゃこ

さようならマスク終息に乾杯  カンナ

ブラボーの乾杯「戦」の年納め  藤三彩
◎(幹夫)清水寺貫主が書いた今年の漢字一字は「戦」だった。ロシアのウクライナ侵攻を筆頭に、物価高など生活との戦いや変異する新型コロナウイルスとの戦いが連想されるが、サッカーワールドカップの日本代表が強豪撃破の歓喜はポジティヴな「戦」だと言えよう。
◯(道人)ウクライナ戦争では始まりワールドカップで閉じた2022年らしいアイロニーの効いた乾杯。
○(あちゃこ)上手く繋ぎましたね。これに尽きますね。

乾杯のワイングラスに聖樹の灯  幹夫
〇(珠子)夜景のすてきなホテルかレストラン。しっとりとしずかな乾杯でもあります。
○(宙虫)もうこういう場に行く事はないなと・・・・。
○(ちせい)カラフルだったのかもしれません。

寄り合つて軽く乾杯晦日蕎麦  あき子

戯れ歌は長渕剛冬うらら  卯平
〇(カンナ)乾杯といえばこの歌でした。 
〇(珠子)「とんぼ」「乾杯」いつ見てもカッコいい長渕剛をマネてかっこよく歌って。みんなの前で歌えない冬三度。 

合わせたるグラスの音や年送る  敏
◯ (アゼリア) 心地良い音が聞こえてきます。

乾杯に遅れるグラス年詰まる  珠子

小上がりの乾杯背に海鼠喰む  めたもん
◎(アダー女)仕切りのむこうでは、何人かのグループが威勢良く「乾杯!」とやっている。その声を背中に受けて海鼠を噛みながらのひとり酒ですね。
○(敏)小上がりで杯を挙げているグループを背に海鼠を噛みしめている孤独な作者の姿が見えてきたのですが……。
◯(道人)カウンター席の独り呑みであろう。小上がりでの乾杯を背中に聞きながらの「海鼠喰む」に哀愁が漂う。
〇(まきえっと)対比がいいですね。

退院を祝う熱燗「どうもどうも」  アダー女
◎(珠子)「どうもどうも」がいい。これが、苦しかったすべて・ほっとした気持ちのすべてを語っています。俳句っぽくはないですが、俳句形式の17文字だからこそ表せる感動はあります。 
○(敏)一読正木ゆう子の句調(口調?「揚雲雀空のまん中ここよここよ」)を思い浮かべてしまいましたが、スケールの点で正木句に一歩をゆずるかも知れませんね。
○(幹夫)折角退院なのだから、飲み過ぎには注意してください。

乾杯に意味は要らない忘年会  楊子
○(泉)令和になっても、忘年会は続く。日本社会は変わらない。
○(アネモネ)ほんとほんと。まずは乾杯!です。

冬晴やチームジャパンに乾杯を  泉
〇(藤三彩)独逸、西班牙に勝ちなんとか決勝リーグへ。

熱燗を手酌街の灯滲む窓  仙翁
○(餡子)♪ひと~り酒場で飲む酒~は♪ 切ないですが、この歳になるとそれもまたいいもんです。私は、お酒は温めの燗がいいです。

杯を手に長き挨拶冬ぬくし  餡子
○(泉)挨拶は手短にお願いしたい。
〇(瞳人)ぬくしという心の広さ、いや寒しですね

乾杯は燗酒少し零れたり  ちせい
〇(楊子)ビールではなく最初から燗酒だから年配のかたかと想像する。それでも一緒に乾杯できる喜びもみえる。

木菟の鳴いて遅れをとる祝杯  宙虫

憂さあまた可盃に注ぎ年忘れ  道人

来し方に先ずは乾杯晦日蕎麦  アゼリア
〇(めたもん)一年を振り返って感謝の乾杯。反省や来年のことはまぁ置いといて。平凡な中にある幸福感がいいですね。
○(ちせい)今年一年を振り返り、さらにもっと前の過去を想起して居るのかもしれません。
(選外)(道人)平凡だが大晦日らしい乾杯。

嵐寛の天狗が駈ける師走の夜  瞳人        
〇(めたもん)嵐寛壽郎の鞍馬天狗は知らない世代ですが、その時代の師走、「嵐寛」の後ろにモノクロの京の景も浮かびます。
(選外)(卯平)上五中七の句材の面白さ。但し「師走の夜」が少々曖昧では。

雑詠
「上を向いて歩こう」とて去年ことし  あき子
〇(藤三彩)坂本九のSUKIYAKIが阪神淡路大震災や東日本大震災の時に被災者を癒したという
◎(あちゃこ)九ちゃんの歌が好き。この歌が今年はぴったりでした。来年は「見上げてごらん、夜の星を!」かな?

オムニ食堂三号店の大熊手  アネモネ
○(卯平)オムニ食堂とは韓国料理店であろうか。そこにあるのは酉の市と言う神社祭礼で手にした福を呼び込むと言われる熊手。それも大熊手。イタリア料理店であれば更に驚きと断絶が生まれるだろう。ここでは三号店を出したので更に福を呼び込む詠み手の気持ち。
〇(あき子)実際にあるお店の名を使って、目出度さと開放感が心地よい。

カタールの誰もが白き息を吐き  幹夫

着ぶくれの背をひと叩き人違い  まきえっと
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。
〇(瞳人)うん、あるある
○(幹夫)ありそうで、面白くて笑った。
○(餡子)よくある失敗。この句は後ろからですが、今やマスクの時代、前から来る人を間違えてお辞儀したりしています。  
◯(ルカ)よくある景

海鼠腸の読めても書けず啜るのみ   道人

外方向く俺とあんたと狐かな  卯平
○(アダー女)そっぽ向き合っている男と女。そこに狐。「狐につままれる」という言葉があるようにこの男女はそっぽを向き合うようなはずでなかったのに意外な展開になってしまったのか?狐のせいよ、きっと!
○(餡子)「外方」・・読み方がいくつかありまして、どれかなと考えました。でも、どれも違う方を向いてばらばらの関係ですね。狐は何を言いたいのでしょうか?面白いシチュエーション。
○(あちゃこ)ドラマと遊び心がいっぱい。詠めそうで詠めない句。

寒の月恋には賞味期限あり  カンナ
○(アネモネ)「恋にも」としたら特選候補でした。
○(敏)恋の賞味期限て一体どんな味?って一人含み笑いが出てしまいました(失礼!)。
○(ちせい)ユーモラスな上5がいいと思いました。

年の暮邦子真似たりすぐ見る種  瞳人

義士の日のサンドイッチの耳を切る  珠子
◎(カンナ)義士の日から、現代の日常のサンドイッチの耳を切るシーンにワープするのが面白い。耳を切り落す行為が義士の日の殺傷事件を呼び覚ます。
〇(楊子)取り合わせの不釣り合いさに立ち止まりました。蕎麦を食うなら当たり前。「切る」という動詞も効いている。
○(泉)意味不明ですが、魅力的な俳句だと思います。
○(卯平)サンドイッチと義士祭との絶妙な取り合わせ。下五「耳を切る」に詠み手の工夫が伺える。
〇(あき子)首をとる日と耳を切る対比に、時代の変化と人間の変わらなさを思います。
〇(めたもん)だから何なのと言えばそれまでですが、とても納得。俳句って面白いですね。ちなみにゴーギャンの耳切事件は12月だったらしいです。
◎(ルカ)取り合わせが絶妙
◎(まきえっと)義士の日とサンドイッチの取り合わせがいいですね。
○(あちゃこ)キレが欲しいところですが、取り合せで頂きました。

軒すれすれに走る江ノ電寒椿  アゼリア
○(アネモネ)いかにも江ノ電。寒椿素敵です。
○(敏)まったく江ノ電は絵になりますね。ただ一句の場合季語が動くかも知れません。

枯葉踏みワクチン打ちに社務所まで  アダー女
○(アネモネ)五回目でしょうか。お疲れ様です!
◯(ルカ)社務所がリアル

五分粥の影の白さよ朝時雨  めたもん
◎(仙翁)五分粥、白さ、ちょっといいですね。
(選外)(卯平)五分粥と朝時雨の景は詠み手の生活の一コマだろ「うか。病身の身で在ろう詠み手の存在が伺える。「影の白さ」は詠み手の心象であろうか。その心情がこの句全体に醸す「ケ」の世界を更に深めているのでは。

厚みなき二次元の世の冬籠り  仙翁
◯(道人)壁に押し潰されそうな圧迫感のある今の世を表した上十二の措辞に共感。季語も合っている。

口遊む永訣の詩冬北斗  あちゃこ
○(仙翁)口遊むのは、永訣の詩、宮沢賢治の永訣の朝でしょうか。
〇(珠子)宮沢賢治の「永訣の朝」のことでしょうか。南部弁の「あめゆじゅ とてちて けんじゃ」の繰り返しが身に沁みます。 

行年は十七とあり開戦日  餡子
〇(カンナ)行年十七歳はあまりに若い。作者が受けた受けたショックが読者にも伝わります。
◎(瞳人)うーん、どういう戦火に倒れしや、この国が起こすことはないが、攻め入られることの現実味はひしひしと来る、防衛力強化は当然すぎる
○(卯平)ここでは「享年」ではなく「行年」。更に「とあり」でこの句を展開している場が特定される。特攻に散ったのだろうか。「敗戦日」とすると単なる報告。「開戦日」としたことで「あり」の奥深さが伝わる。
◎(あき子)表現の簡潔さによって、十七で亡くなった若者の無念さを改めて感じさせられました。あるはずだった人生が奪われた戦争への怨念を忘れたくない。
◯(ルカ)少年飛行兵を思い出しました
◯ (アゼリア) 特攻隊でしょうか。

石を抱き冬の蛾川原に紛れたる  敏
○(アダー女)冬に活動する蛾がいることを初めて知りました。フユシャクというのですね。とは言っても蛾は蛾。寒さは苦手で暖まった石にしがみついて川原に紛れ、餌を探すのかしら?紛れるなどユニークな生き延びる為の生物の逞しさに脱帽。
◎(道人)冬の蛾が川原の石に抱きついている。まるで墓石のようでもあり、蛾が石と一体になったかのようでもある。その石自体も川原の景の中に埋もれて、どの石か区別がつかない。これ以上ない寂莫とした景。中八は気にならなかった。
○(あちゃこ)実景でしょうか。モノクロの冬景色。
◎(ちせい)凍蝶や冬眠などの季語が思い浮かびました。蛾の生き様を思いました。
◯ (アゼリア) 哀れを催します。

太陽は旅の語り部軒つらら  宙虫

綴代はぶ厚いままの古暦  楊子
〇(瞳人)むつかしい読みだけど、過ぎし日々のありありと
○(幹夫)日めくりカレンダーですね。同感です。
〇(あき子)日めくりの綴じ代が分厚く残っていて、歩いてきた日々に心を残しながら、年の暮にふと立ち止まる。
○(餡子)これは日めくりですね。一日経つと一枚減りますが、綴代はそのまま残りながら太っていきます。視点が面白い。 
○(仙翁)使わずに残っているカレンダーでしょうか。そういうことよくありますね。
〇(まきえっと)目の付け所がいいですね。

冬銀河希望を灯す流行歌  泉
(選外)冬銀河と流行歌の関係は面白い。但し中七の「希望を灯す」と言われると詩情が半減しないか。

年用意せねばせねばと積んだまま  藤三彩

綿虫や決してふれてはならぬこと  ルカ
〇(カンナ)掴みどころのない秘密めいた昆虫、綿虫の季語が合っている。
〇(楊子)綿虫のような会話がつづく。「最近どうよ」「うん、まあまあね」「あれエモいよね」「マジウケる~」
◎(藤三彩)「綿虫やそこは屍の出でゆく門」石田波郷 結核に苦しむ療養者がいた時代でした。
〇(あき子)誰かがふれそうになると、その場に緊張が走るような話題。綿虫やで切れて、声を潜めて「決して」と呟いているようです。
〇(めたもん)いるかいないか分からないような綿虫。光に見えなくなってしまいそうな綿虫が中七下五の措辞と上手く響き合っています。
○(宙虫)ふれてはならぬ・・・そうは言っても、話の流れは危険なほうに向ってる。
〇(まきえっと)季語の選定がいいと思います。
◯ (アゼリア) 祖母にとうとう聞けなかったこと思い出しました。

霙降りお釣りは二百四十円  ちせい
○「二百四十円」に意味を求める事は野暮であろう。ここでは定型に納めるリズム感を観賞したい。
○(アダー女)多分千円札出してもらったお釣り。冷たい霙が降る中、七百六十円の買い物とは?具体的な金額を出すことでリアリティに富んだ想像を膨らませられるに足る佳句だと思います。
◎(餡子)いくら出しての240円なのでしょうか?何を買ったのでしょうか?いろいろと短編小説がが作れそうで 面白い。   
○(仙翁)霙と小銭、何となく呼応しているようで。

☆次回をお楽しみに。



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2 コメント

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テーマ「乾杯」選句の追加 (幹夫)
2022-12-24 13:09:26
私の誤記で、アダー女さんの句を記載出来ず申し訳ありませんでした。ご参考までに追加します。
退院を祝う熱燗「どうもどうも」 アダー女
○(幹夫)折角退院なのだから、飲み過ぎには注意してください。
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ご苦労様でした ()
2022-12-24 22:11:19
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は木曜日から急に寒くなりました。金曜日は朝から大雪になりました。大雪というと、雪国の人からは笑われるかも知れませんが。瀬戸内海地方は普段は雪が降らないので、少しの雪でも右往左往します。
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