この季節になると山下達郎さんの「クリスマス・イブ」が頭の中をぐるぐるしています。
JR東海のクリスマスのCMでも流れていました。
キャッチフレーズは「会うのが、いちばん。」
久しぶりにYou Tubeで見てしまいました。
兼題：寒
寒い日だ僕と結婚してほしい
寒き夜の溜息吐息至福の湯
虐待のニュースは絶えず寒の月
寒風や苦吟逃るゝ燗と蕎麦
寒鰤の切り身涸れ川から日暮れ
反抗期超えた無口や寒オリオン
天神落語円楽惜しむ寒北斗
寒椿落ちて朝日を受け流す
寒水や未知の病を告知され
寒い夜ひっくり返す砂時計
真ん中に基地を抱く町寒夕焼
実朝の夢しづやかに寒牡丹
くすぶつて古希の背中の寒やいと
寒卵三人寄れば死のはなし
本閉じる寒夜をわたる風となる
寒いのは身も心もで坐禅堂
オペ室に吾と吾の裸体寒無風
のらくろの白黒漫画寒卵
廃業のその後は知らず寒昴
終われる墓に「平成」寒椿
寒さ増し五平持ちの棒捨てられず
寒風や鳥籠のドア開け放つ
テーマ：乾杯
乾杯のグラス傾く十二月
きよしこの夜ハイネッケンの星真つ赤
クリスマスワイングラスを並べけり
コップ酒交わす祖の墓冬夕焼
さようならマスク終息に乾杯
ブラボーの乾杯「戦」の年納め
乾杯のワイングラスに聖樹の灯
寄り合つて軽く乾杯晦日蕎麦
戯れ歌は長渕剛冬うらら
合わせたるグラスの音や年送る
乾杯に遅れるグラス年詰まる
小上がりの乾杯背に海鼠喰む
退院を祝う熱燗「どうもどうも」
乾杯に意味は要らない忘年会
冬晴やチームジャパンに乾杯を
熱燗を手酌街の灯滲む窓
杯を手に長き挨拶冬ぬくし
乾杯は燗酒少し零れたり
木菟の鳴いて遅れをとる祝杯
憂さあまた可盃に注ぎ年忘れ
来し方に先ずは乾杯晦日蕎麦
嵐寛の天狗が駈ける師走の夜
雑詠
「上を向いて歩こう」とて去年ことし
オムニ食堂三号店の大熊手
カタールの誰もが白き息を吐き
着ぶくれの背をひと叩き人違い
海鼠腸の読めても書けず啜るのみ
外方向く俺とあんたと狐かな
寒の月恋には賞味期限あり
年の暮邦子真似たりすぐ見る種
義士の日のサンドイッチの耳を切る
軒すれすれに走る江ノ電寒椿
枯葉踏みワクチン打ちに社務所まで
五分粥の影の白さよ朝時雨
厚みなき二次元の世の冬籠り
口遊む永訣の詩冬北斗
行年は十七とあり開戦日
石を抱き冬の蛾川原に紛れたる
太陽は旅の語り部軒つらら
綴代はぶ厚いままの古暦
冬銀河希望を灯す流行歌
年用意せねばせねばと積んだまま
綿虫や決してふれてはならぬこと
霙降りお釣りは二百四十円
★選句要領
★選句数
６句選（うち特選１）
選外のコメントも受け付けます。
★締切
12月22日（木）２４時
★当番はまきえっとです（投句先メールアドレス）
makietto@nifty.com
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