お待たせいたしました。 |
兼題:月 |
出発は海抜ゼロや月の富士 |
月餅の餡子が足りぬ終戦忌 |
有明の月に善知鳥は羽広ぐ |
老人と海が宿題八月尽 |
国会の追及かわす海月かな |
電柱の直立続く月の道 |
手を重ねしっぺという罰星月夜 |
月餅を割って夕凪ぐ防波堤 |
熱き血を冷ますが如く夏の月 |
故郷で誇れるものは峰の月 |
星月夜一人で入る水族館 |
指占いなどしておりぬ盆の月 |
八月の猫と宮司の長説法 |
酔ひ回る遅さに月を見上げたり |
桔梗の間隣萩の間星月夜 |
抱きついた身の苦楽呑みたい月だ |
正座してニュース見てをり八月十五日 |
窓越しの顔洗う猫盆の月 |
テーマ:雨 |
あまだれの音のいろいろ秋に入る |
秋の雨ときに悪戯する茶目っ気 |
初秋の仏間雨粒の気圧は |
いうれいの少し受け口夜の雨 |
蟬時雨戦死の伯父に妻子なく |
秋驟雨父は木霊の許にいる |
ひとところ青田濡らして狐雨 |
雨蛙啼かせて蛇の無言劇 |
降りぶりのしなやかにして盆に入る |
秋の雷激し誰にも罪なきも |
初秋の雨に草草直立し |
人生は雨の日晴れの日流れ星 |
かなかなや水難の相現れる |
秋雨やあなたの傘は小さすぎて |
蝉時雨それが題名指揮者なく |
病葉の涙となりて雨流る |
秋時雨阿弥陀に会いに濡れていく |
夜の更けて雨となりけり盆踊 |
詠題 |
圓朝忌明けて庭掃く竹ばうき |
かなかなや介護タクシー空いたまま |
龍尾なる山霧尾根を飲み込める |
木漏れ日を掛けて昼寝の獏残暑 |
武器を持つ逢えば懐かし放屁虫 |
風涼し煉瓦造りの天主堂 |
かなかなや昨日に戻りたき一日 |
猫じやらし新設病院見えて来る |
なめくぢら鎧を捨てて一人旅 |
地芝居や月代や傘刃指示 |
まるごしで国境越ゆる秋の蝶 |
戦ひは日暮に終はる敗戦忌 |
初秋や鎧に風を通はせて |
出目金の水槽深く影を抱く |
秋空を仰ぐ四つ角みたらし団子 |
捨てられぬ衣服ばかりや土用干 |
空見つつ饂飩を啜る終戦日 |
みな腹を見せ八日目の蝉むくろ |
★★★ |
選句数(6句選です。) |
特選◎1句 |
並選〇5句 |
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makietto@nifty.com |
締切:8月22日(火)24時 |
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