新聞やネットの秋の花の情報に庭を見たら
曼殊沙華の茎が伸びているではありませんか。
雑草が目立つ庭ですが、秋が来ていました。
兼題:空
空海を避けて台風過ぎにけり
空吹の貌して歩く花野かな
秋空へ射し込んでいる自撮棒
空気人形のため息が雨鶏頭花
秋の蚊や老をひそめし空元気
時空超え黍引く響回向籤
空港のロビーに鳴いてつづれさせ
秋空に空っぽの身は浮遊する
空き瓶にさしこむ光さやけしや
秋の蚊のつぶやきたるは空耳か
秋桜や空耳だろか子守唄
雲の奥にまた雲のあり秋の空
空つぽの踊り子号や実むらさき
虚空に手を差し入れて捥ぐ林檎
長雨のあとの青空銀やんま
縄文へ抜ける大空稲の花
何もかも空回りして穴惑
秋彼岸色即是空の足痺れ
母さんの畑だった空赤とんぼ
サーカスの去りし大空鳥渡る
空高し記入したもの見せ忘れ
空き箱に詰める順番雁渡る
テーマ:消えない
さくさくと遠くに軍靴星月夜
わはははと消えない汚点夜長かな
愛嬌も運も縁無し苦瓜噛まむ
傷跡の刀そなたか能登小豆
九・一一イスラム原理主義南無や
敬天のお宝真筆南洲忌
限りなく続く高原秋の蝶
砂の絵を消す波も無し秋の海
蛇笏忌の口をへの字に捨て案山子
秋桜夢中で書いた恋の丈
十三夜失せても消えぬ注射痕
傷つけた短い言葉星月夜
クラウドの写真の森や雪迎え
消え残る夕日のしずく鶏頭花
青春に裏切りひとつ鳳仙花
オリパラの感動消えぬ秋高し
9.11マニキュア残し死屍の臭
線量というおぞましきもの白露
父の帽子ポマードの匂い残る秋思
亡霊を霧に浮かべる装甲車
忘れ得ぬ日の冷ややかな空の色
落書きに残るイニシャル秋うらら
雑詠
芒の穂絡む海抜ゼロ地点
ブルーベリーを売る子売らぬ子しゃべらぬ子
ラ・フランス心の奥に置いてみる
溢れ蚊やキンカンのある薬箱
秋滝や己がたましひしづもれり
芋虫や少女は美貌の女性へと
遠き台風コンパスの軸ぶれる
横たへて長し落ち鮎釣りの竿
我が町もまあそれなりに秋めきて
紅葉を待つ信濃路の並木かな
秋の草コップの下の置手紙
秋風や五感響かぬ現の世
十七文字の宇宙に遊ぶ秋灯下
小川澄むカメラ入れなど洗はれて
小鳥来る九九の暗唱三回目
生きてると気付く真夜二時ちちろ鳴く
天の川あと一枚の七並べ
秋刀魚の恋し目黒羅漢の目に泪
繁栄す軒あり秋の炊煙は
非常事態いつまで続く赤のまま
木槿忌や名付けし人又遠くなり
螽斯鳴いてぎしぎし骨二百
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
9月22日(水)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
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