小麦句会はどなたでも参加できます。
☆カテゴリーにある小麦句会への参加方法をクリック☆よくお読みください。
お待たせしました。
異常なくらいの暖かさから雨。
一転寒ささえ感じます。
個人的にも二日ほど前の暖かさ(暑さと言っても過言ではない。)で体調を崩して発熱。
インフルエンザではなく一安心ですが。
明日は元気に出勤できそうです。
では、句会結果発表です。
三度写真と一緒にご覧ください。
見え方も変わってくるかもしれませんね。
結果発表
殺人鬼のいない真昼の落椿 宙虫
○(ちせい)季語は「落椿」。物騒な心象風景も自然と感応すれば解消されそうな・・
○(泉)最近は物騒な世の中です。平和な景色は、事件や事故と表裏一体でしょう。
球音のあとの歓声風光る アネモネ
○(まきえっと)ひたすらに爽やかです。
○(幹夫)春の明るさが佳く詠まれています。
○(呆夢)映像と、音と時間の流れがよくわかります。風光るの季語が、上手く使われているなと思います。
○(珠子)あの写真から、大きな球場を連想したとしてもいいのですが、久々に決まった球音に「歓声が聞こえるようだ」と思ったと取ってもいいと思いました。写真という共通のものがあると鑑賞もかわってきます。何もかも弾んでくる春です。
◎(瓦すずめ)球音、歓声と音から入って、風光るで肌に伝わってくる風の感触を伝える。しかも、少年たちのユニフォームやバッドが光っているようにみえるのも連想できる。素敵な句だと思いました。
○(詠正)歓声までもが聞こえるような草野球の情景が美しく表現されております。決定打だったのでしょうかね。
木の芽風生かされ生きる道の途上 あちゃこ
○(藤三彩)ひと冬を越えた息吹はほっとします
◯(吾郎)途上は「うえ」でいいんですよね
◎(道人)「途上」を「うえ」と読みしました。春の「いのち」を詠って味わい深い。
球春到来監督の手にタブレット 幹夫
○(まきえっと)データ化した現代の象徴ですね。
○(珠子)このごろは、どんな競技の監督もスコアラーもタブレット持参なのでしょう。隅々まで入り込んでいるパソコン。便利ですが何やら恐ろしいことでもあります。
石橋や耳に囀り地に息吹 呆夢
◯(吾郎)リズムがよろしいようで
○(幹夫)素敵なリズムで詠まれています。
○ (多実生) 鳥は歌い花は咲く、春の息吹が満ちています。
○(道人)季語、切、調べとも巧い。
○(あちゃこ)リズムが良く春を上手く捉えていると思います。
◎(仙翁)春の様子が重なるように、良くわかります。
○(詠正)写真には「音声」という大きな伝言は籠められてはいない。しかしながら、俳句と同じで、その背景までも読み取れる感性が見る人に要求されます。いわゆる内に秘めたものを句にしなければいけないのですね。見たまま、「ありました」では俳句としては失格だと言われます。
○(宙虫)聞き覚えのあるリズム感。石橋との取り合わせがいい。
石橋を渡れば揺るる春の水 仙翁
○(瓦すずめ)「揺るる春の水」という言葉がすごく素敵でした。波紋や、水面に移った風景が揺れるさまが目に浮かぶようです。
○(アネモネ)いかにも春の水。
風光る空に子どもの笑ひ声 春生
○(幹夫)空に広がる子供の満面の笑い声ですね。
春の雲掬えば水の重さにて 珠子
○(藤三彩)春の雲のかろやかさが感じられました
○(まきえっと)春の雲ってこんな感じがします。
◎(敏)水面に映った雲を掬った、という発想の面白さに惹かれました。
○(あちゃこ)やや抽象的ですが、句作の視点が素敵だと思います。
○(仙翁)なんとなく面白いです。雲と水の対比がなんとなく。
◎(アネモネ)これは上手い。「水の重さ」にはやられました。
◎(宙虫)三枚の写真それぞれにこの句をのっけてみるとそれぞれに味わい深い。
(選外)(道人)池に映る雲なのでしょうか?掬ってみたい!
大きくなるの子は母にめだか問う 藤三彩
この道を曲がれば二月硬き空 ルカ
◯ (アゼリア) 確かにどの写真にも春の兆しと冬の名残りが共存していると思いました。それを捉えたところが鋭いと思いました。
○(餡子)この句も、3枚の写真からの想像がいいと思いました。
電柱が子らを見守る寒き春 瓦すずめ
○(ちせい)季語は「寒き春」。電柱が人の様に感じられるのも俳句的なのでしょう。
春浅し野球ボールの沈む池 まきえっと
○(あちゃこ)写真からの連想が具体に表現されて、更に想像が広がる一句です。
母と子の喃語の世界春日差す アゼリア
○(呆夢)子の話し始めのころは、近くにいる人だけにしかわからない言葉が飛び交います。それを喃語という。わずかな時間ですが、成長には欠かせない貴重な時間。季語にもう一工夫あればさらに良くなったかと思います。
○(道人)春らしいす穏やかな句です。「喃語」が佳い。
○(泉)母と子の愛情が良く表現されています。「喃語」は初めて知りました。
ひとつまた水に椿の落ちし音 アネモネ
○(幹夫)余韻のある椿の落ちた音です。
○(珠子)平和で静かなひととき。椿が効いています。
○(仙翁)実際、落ちている時は、音がするのでしょうね。
○(瓦すずめ)椿が水に落ちる音というのが、どんななのか、非常に興味が湧きます。
○(詠正)空を落ちてくる紅椿、そして落ちる音も表現しているのがいいですね。
○(宙虫)いろんな歓声などが聞こえてくるなか、この静けさですね。
紅椿まばら成りける人通り ちせい
○(仙翁)紅椿の艶やかさがありながら、侘しく。
母と子の夢は甲子園水温む 餡子
水温み妖精踊りゐる緑地 詠正
○(ちせい)季語は「水温む」。妖精の様だ、と感じればもう俳句的に迫って来る妖精群。
○(あちゃこ)発想が面白い。春は妖精が似合いそうです。
(選外)(道人)確かに3枚とも妖精が踊っているような。
春来る新監督は最年少 瞳人
○(瓦すずめ)春が来るという季節を表す言葉と、新監督が最年少という事実を表す言葉の組み合わせが、すごくいい気がしました。希望を感じる句だと思います。
○(餡子)寒々しい感じと、ゆったりとした感じのする3枚の写真。俳句にするのは難しいですが、この句はそんな感じを掴んでいると思いました。
早春の池や人声よく届き ちせい
◯(吾郎)シンプルに雰囲気が伝わってきますね。好きっす。
○ (多実生) 早春はまだ静か、静かさを声良く届きで表現されています。
○(仙翁)池の辺りでは、声がよく届きそうです。
母と子の行く手をふさぐ落椿 春生
足が向く数えきれない春の数 多実生
○(まきえっと)風は冷たいですが、日差しに誘われますね。
○(敏)この三枚の「写真のなかを歩いて」沢山の春の季語を見いだされたことでしょうね。
膝頭寄せあう親子水温む ルカ
◎(幹夫)景のままが詠まれており好感です。
○(呆夢)こちらにも静の時間が流れます。働くお母さんが増えた昨今、時間は作れているでしょうか?
◎(珠子)あたたかくて平和で。「こんな日もあった3・11前の午後」「青空の向こうは戦争落椿」の句を合わせて読ませていただきました。
○(仙翁)仲の良い雰囲気がよく出ていると思います。
○(詠正)真鯉、緋鯉? アメンボウ? いや蜷の道を見ているのかも知れない。「膝を寄せ合う」がいいですね。
○(アネモネ)写真ぴったりです。
椿餅美味しと終う知も奇抜 吾郎
◎(まきえっと)椿餅ってどんなだろう。発想に脱帽。
◎(呆夢)毎回の、見事な回文、恐れ入ります。甘いものは知識の吸収には欠かせないものだとか。太らない程度に、食したいものだと思っています。が、、、
(選外)(藤三彩)桜餅ならぬ椿餅、知らないことも知の奇抜
(選外)(道人)私にとって未知の「椿餅」は興味津々。余り独り占めにしないでくださいね。
何処見ても希望の光春舞台 多実生
○(ちせい)季語は「春舞台」。希望の光に春の気が。
○(泉)確かに希望に溢れているのですが、だからこそ一抹の不安が消えません。
被写体のどこを切っても春めけり まきえっと
○(藤三彩)カメラ目線が広がり過ぎるかも
○(道人)写真映像がテーマの俳句は初めてですが、本句は正に3句のイメージを捉えて旨い。
○(敏)カメラ目線を捉えた作品かと思われます。
◯ (アゼリア) 被写体に思いが及んだところが新鮮でした。
○ (多実生) 当然ながら見る物すべてに春を感じます。
◎(詠正)感情が徒に昂ってなく、余分な情景の引用も無い落ち着いた句に仕上がってます。
○(アネモネ)ほんとほんと。
限界の街に球音木の芽晴 道人
◎(あちゃこ)限界をどう理解したらいいか、正直悩みましたが、人々の暮らしぶりかな?と。球音という音を入れたところが見事です。守から破へ、そして離へと進まねば、と思わせてくれました。この季節にぴったりな句です。
○(餡子)限界の村ではなく、街。
揺れ落ちて青葉を残す寒椿 仙翁
○(詠正)春風ではなく強い寒風。全部の花が落ちてしまったかのような驚きを与える句に仕上がっておりますが、それも作者のお手柄。「寒椿」だからいいですね。
こんな日もあった3・11前の午後 餡子
○(呆夢)3・11のところを震災と読み替えると、素直に句が理解できます。早5年もたっていますね。これからも忘れることなく、過ごしていきたいですね。
◯ (アゼリア) まもなく5年になりますね。被災地の方々の思いでしょうね。
◎ (多実生) 静かな日が一瞬の暗転。山が花粉で真っ白な記憶が甦りました。
○(珠子)下五が分かりにくくもありますが。あれから5年、写真の母子のような景がどこにでもあったあの3・11より前の日々。破壊されたこころの修復は、この先、よりむずかしくなるのでしょう。
○(泉)平和な光景は、一瞬にして失われてしまう。その様な危うさを感じます。
○(宙虫)本当に。こんな日ですね。同じ景色には出会えないかもしれないけれど。同じゆるやかで温かい景色は取り戻せると信じます。
(選外)(あちゃこ)震災復興とは程遠い現実。私も被災家族の一人として、あの日以降の自分と以前の自分との間を埋める術を持ちません。
啓蟄や空いっぱいに羽伸ばす 道人
○(敏)「空いっぱいに」で、気持ちの良さが完璧に表現されていますね。
けさ初音途切れ途切れの身の限り 瞳人
浅春の黄昏酒店へ草野球 藤三彩
五位鷺の杞憂と分かつ木の芽風 珠子
○(藤三彩)そうか、写真の鳥は五位鷺なんだ
人声のまばら間遠に椿落つ 敏
◎(ちせい)季語は「椿落つ」。まばらな声にふっと視覚的な映像に詩を感じたのでしょう。
○(まきえっと)浅春のころでしょうか?まばらなのが人声というのが良いです。
○(アネモネ)「まばら間遠に」の畳みかけるリズムがいいです。
片隅の空より鳥と落椿 敏
◯(吾郎)パースペクティヴがステキ。
椿咲く平和の中にある退屈 泉
◯ (アゼリア) 本当に失うまでなかなか有り難みがわからず、贅沢にも退屈だなんて思ってしまいます。
○ (多実生) 椿の花を見る平和。平和ボケにならない様にしたい。
○(餡子)退屈さが大事です。またまた何かやり出しそうな昨今。退屈でいてほしい。
悠久に春の空ある祖国かな
初恋はうたかたの夢椿落つ アゼリア
○(敏)この三枚の写真から「初恋」を導き出した感性に脱帽です。
○(アネモネ)やられた。参りました。
冴えかえる空気け散らす球児かな 呆夢
○(瓦すずめ)冴えかえる空気を蹴散らすという形容で、球児たちの元気な様子が、すごくつたわってきます
○(泉)元気の良い球児たちの声が、聞こえて来そうです。
冴えかえる球打つ音の響きけり 瓦すずめ
○(幹夫)「冴えかえる」の季語が合っていると思います。
悠久に春の空ある祖国かな 幹夫
○(藤三彩)昔、臨津江(イムジン河)を渡るフォーク・クルセイダーズの歌があったな、今わかる
◯(吾郎)そうあって欲しいものです。
○(敏)近頃の、ちぐはぐな季節感がもたらした願望の一句かも知れません。同時に「悠久の平和国家」を希求してもいるようです。
◎(泉)何があっても、祖国と自然は残ります。そこから第一歩が踏み出せます。
◎(餡子)3枚からの想像は、本当に難しかったのですが、このように詠めるのですね。
○(あちゃこ)すっぱりと言い切った中に様々な感慨が見え隠れして共感しました。
○(宙虫)悠久と言う言葉、永久とは違い情感(気持ち)に訴えかける。
徘徊す春のいのちのど真ん中 あちゃこ
◎(吾郎)中下が絶品
青空の向こうは戦争落椿 泉
◎(藤三彩)遠くの砂漠の戦争が近くの海の抗争勃発にならなければいいと願います
○(道人)落椿が世界の彼方此方で起きている戦争を直視しているような、存在感のある句です。点と面の広がりの取合わせが佳いですね。
◎ (アゼリア) 日々リアルタイムで戦争のニュースが流れる昨今、この平和が続くことを祈らずにはいられません。この写真からそういう発想にいったったのがお見事と思いました。
○ (多実生) 武器を使った戦いは人間だけ、空の果ての何処かでいつも戦争。困った生き物です。
○(珠子)本当に心が痛みます。何も行動できていない自分がいます。
○(瓦すずめ)赤い椿が落ちているシーンをみて、海の向こうの戦争を連想するまなざしが、凄いと思いました。
○(餡子)あまりにも。平穏な3枚の写真。その裏側では内戦内戦の日々もあり、複雑です。
○(宙虫)本当に青空をべりっとはがしたら戦場です。きっと。
踏青や生者を癒すビオトープ 詠正
○(呆夢)アスファルトの隙間からでも、青草は伸びてきます。自然は大事にしたいものです。
○(道人)現代に甦った俳聖芭蕉の旧俳号「桃青」と季語「踏青」のを重ねて勝手読みました。両方とも癒される。
サンデーの表紙は「ON」揚雲雀 宙虫
○(ちせい)季語は「揚雲雀」。王長嶋の表紙に少年たちは狂喜した。これも俳味、季節の醍醐味なのでしょう。
今回から「くらげ」さんは「詠正」さんとして投句されています。
皆さんの感想・近況なども含めコメント欄でご歓談ください。
それでは次回・・・・・。
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異常なくらいの暖かさから雨。
一転寒ささえ感じます。
個人的にも二日ほど前の暖かさ(暑さと言っても過言ではない。)で体調を崩して発熱。
インフルエンザではなく一安心ですが。
明日は元気に出勤できそうです。
では、句会結果発表です。
三度写真と一緒にご覧ください。
見え方も変わってくるかもしれませんね。
結果発表
殺人鬼のいない真昼の落椿 宙虫
○(ちせい)季語は「落椿」。物騒な心象風景も自然と感応すれば解消されそうな・・
○(泉)最近は物騒な世の中です。平和な景色は、事件や事故と表裏一体でしょう。
球音のあとの歓声風光る アネモネ
○(まきえっと)ひたすらに爽やかです。
○(幹夫)春の明るさが佳く詠まれています。
○(呆夢)映像と、音と時間の流れがよくわかります。風光るの季語が、上手く使われているなと思います。
○(珠子)あの写真から、大きな球場を連想したとしてもいいのですが、久々に決まった球音に「歓声が聞こえるようだ」と思ったと取ってもいいと思いました。写真という共通のものがあると鑑賞もかわってきます。何もかも弾んでくる春です。
◎(瓦すずめ)球音、歓声と音から入って、風光るで肌に伝わってくる風の感触を伝える。しかも、少年たちのユニフォームやバッドが光っているようにみえるのも連想できる。素敵な句だと思いました。
○(詠正)歓声までもが聞こえるような草野球の情景が美しく表現されております。決定打だったのでしょうかね。
木の芽風生かされ生きる道の途上 あちゃこ
○(藤三彩)ひと冬を越えた息吹はほっとします
◯(吾郎)途上は「うえ」でいいんですよね
◎(道人)「途上」を「うえ」と読みしました。春の「いのち」を詠って味わい深い。
球春到来監督の手にタブレット 幹夫
○(まきえっと)データ化した現代の象徴ですね。
○(珠子)このごろは、どんな競技の監督もスコアラーもタブレット持参なのでしょう。隅々まで入り込んでいるパソコン。便利ですが何やら恐ろしいことでもあります。
石橋や耳に囀り地に息吹 呆夢
◯(吾郎)リズムがよろしいようで
○(幹夫)素敵なリズムで詠まれています。
○ (多実生) 鳥は歌い花は咲く、春の息吹が満ちています。
○(道人)季語、切、調べとも巧い。
○(あちゃこ)リズムが良く春を上手く捉えていると思います。
◎(仙翁)春の様子が重なるように、良くわかります。
○(詠正)写真には「音声」という大きな伝言は籠められてはいない。しかしながら、俳句と同じで、その背景までも読み取れる感性が見る人に要求されます。いわゆる内に秘めたものを句にしなければいけないのですね。見たまま、「ありました」では俳句としては失格だと言われます。
○(宙虫)聞き覚えのあるリズム感。石橋との取り合わせがいい。
石橋を渡れば揺るる春の水 仙翁
○(瓦すずめ)「揺るる春の水」という言葉がすごく素敵でした。波紋や、水面に移った風景が揺れるさまが目に浮かぶようです。
○(アネモネ)いかにも春の水。
風光る空に子どもの笑ひ声 春生
○(幹夫)空に広がる子供の満面の笑い声ですね。
春の雲掬えば水の重さにて 珠子
○(藤三彩)春の雲のかろやかさが感じられました
○(まきえっと)春の雲ってこんな感じがします。
◎(敏)水面に映った雲を掬った、という発想の面白さに惹かれました。
○(あちゃこ)やや抽象的ですが、句作の視点が素敵だと思います。
○(仙翁)なんとなく面白いです。雲と水の対比がなんとなく。
◎(アネモネ)これは上手い。「水の重さ」にはやられました。
◎(宙虫)三枚の写真それぞれにこの句をのっけてみるとそれぞれに味わい深い。
(選外)(道人)池に映る雲なのでしょうか?掬ってみたい!
大きくなるの子は母にめだか問う 藤三彩
この道を曲がれば二月硬き空 ルカ
◯ (アゼリア) 確かにどの写真にも春の兆しと冬の名残りが共存していると思いました。それを捉えたところが鋭いと思いました。
○(餡子)この句も、3枚の写真からの想像がいいと思いました。
電柱が子らを見守る寒き春 瓦すずめ
○(ちせい)季語は「寒き春」。電柱が人の様に感じられるのも俳句的なのでしょう。
春浅し野球ボールの沈む池 まきえっと
○(あちゃこ)写真からの連想が具体に表現されて、更に想像が広がる一句です。
母と子の喃語の世界春日差す アゼリア
○(呆夢)子の話し始めのころは、近くにいる人だけにしかわからない言葉が飛び交います。それを喃語という。わずかな時間ですが、成長には欠かせない貴重な時間。季語にもう一工夫あればさらに良くなったかと思います。
○(道人)春らしいす穏やかな句です。「喃語」が佳い。
○(泉)母と子の愛情が良く表現されています。「喃語」は初めて知りました。
ひとつまた水に椿の落ちし音 アネモネ
○(幹夫)余韻のある椿の落ちた音です。
○(珠子)平和で静かなひととき。椿が効いています。
○(仙翁)実際、落ちている時は、音がするのでしょうね。
○(瓦すずめ)椿が水に落ちる音というのが、どんななのか、非常に興味が湧きます。
○(詠正)空を落ちてくる紅椿、そして落ちる音も表現しているのがいいですね。
○(宙虫)いろんな歓声などが聞こえてくるなか、この静けさですね。
紅椿まばら成りける人通り ちせい
○(仙翁)紅椿の艶やかさがありながら、侘しく。
母と子の夢は甲子園水温む 餡子
水温み妖精踊りゐる緑地 詠正
○(ちせい)季語は「水温む」。妖精の様だ、と感じればもう俳句的に迫って来る妖精群。
○(あちゃこ)発想が面白い。春は妖精が似合いそうです。
(選外)(道人)確かに3枚とも妖精が踊っているような。
春来る新監督は最年少 瞳人
○(瓦すずめ)春が来るという季節を表す言葉と、新監督が最年少という事実を表す言葉の組み合わせが、すごくいい気がしました。希望を感じる句だと思います。
○(餡子)寒々しい感じと、ゆったりとした感じのする3枚の写真。俳句にするのは難しいですが、この句はそんな感じを掴んでいると思いました。
早春の池や人声よく届き ちせい
◯(吾郎)シンプルに雰囲気が伝わってきますね。好きっす。
○ (多実生) 早春はまだ静か、静かさを声良く届きで表現されています。
○(仙翁)池の辺りでは、声がよく届きそうです。
母と子の行く手をふさぐ落椿 春生
足が向く数えきれない春の数 多実生
○(まきえっと)風は冷たいですが、日差しに誘われますね。
○(敏)この三枚の「写真のなかを歩いて」沢山の春の季語を見いだされたことでしょうね。
膝頭寄せあう親子水温む ルカ
◎(幹夫)景のままが詠まれており好感です。
○(呆夢)こちらにも静の時間が流れます。働くお母さんが増えた昨今、時間は作れているでしょうか?
◎(珠子)あたたかくて平和で。「こんな日もあった3・11前の午後」「青空の向こうは戦争落椿」の句を合わせて読ませていただきました。
○(仙翁)仲の良い雰囲気がよく出ていると思います。
○(詠正)真鯉、緋鯉? アメンボウ? いや蜷の道を見ているのかも知れない。「膝を寄せ合う」がいいですね。
○(アネモネ)写真ぴったりです。
椿餅美味しと終う知も奇抜 吾郎
◎(まきえっと)椿餅ってどんなだろう。発想に脱帽。
◎(呆夢)毎回の、見事な回文、恐れ入ります。甘いものは知識の吸収には欠かせないものだとか。太らない程度に、食したいものだと思っています。が、、、
(選外)(藤三彩)桜餅ならぬ椿餅、知らないことも知の奇抜
(選外)(道人)私にとって未知の「椿餅」は興味津々。余り独り占めにしないでくださいね。
何処見ても希望の光春舞台 多実生
○(ちせい)季語は「春舞台」。希望の光に春の気が。
○(泉)確かに希望に溢れているのですが、だからこそ一抹の不安が消えません。
被写体のどこを切っても春めけり まきえっと
○(藤三彩)カメラ目線が広がり過ぎるかも
○(道人)写真映像がテーマの俳句は初めてですが、本句は正に3句のイメージを捉えて旨い。
○(敏)カメラ目線を捉えた作品かと思われます。
◯ (アゼリア) 被写体に思いが及んだところが新鮮でした。
○ (多実生) 当然ながら見る物すべてに春を感じます。
◎(詠正)感情が徒に昂ってなく、余分な情景の引用も無い落ち着いた句に仕上がってます。
○(アネモネ)ほんとほんと。
限界の街に球音木の芽晴 道人
◎(あちゃこ)限界をどう理解したらいいか、正直悩みましたが、人々の暮らしぶりかな?と。球音という音を入れたところが見事です。守から破へ、そして離へと進まねば、と思わせてくれました。この季節にぴったりな句です。
○(餡子)限界の村ではなく、街。
揺れ落ちて青葉を残す寒椿 仙翁
○(詠正)春風ではなく強い寒風。全部の花が落ちてしまったかのような驚きを与える句に仕上がっておりますが、それも作者のお手柄。「寒椿」だからいいですね。
こんな日もあった3・11前の午後 餡子
○(呆夢)3・11のところを震災と読み替えると、素直に句が理解できます。早5年もたっていますね。これからも忘れることなく、過ごしていきたいですね。
◯ (アゼリア) まもなく5年になりますね。被災地の方々の思いでしょうね。
◎ (多実生) 静かな日が一瞬の暗転。山が花粉で真っ白な記憶が甦りました。
○(珠子)下五が分かりにくくもありますが。あれから5年、写真の母子のような景がどこにでもあったあの3・11より前の日々。破壊されたこころの修復は、この先、よりむずかしくなるのでしょう。
○(泉)平和な光景は、一瞬にして失われてしまう。その様な危うさを感じます。
○(宙虫)本当に。こんな日ですね。同じ景色には出会えないかもしれないけれど。同じゆるやかで温かい景色は取り戻せると信じます。
(選外)(あちゃこ)震災復興とは程遠い現実。私も被災家族の一人として、あの日以降の自分と以前の自分との間を埋める術を持ちません。
啓蟄や空いっぱいに羽伸ばす 道人
○(敏)「空いっぱいに」で、気持ちの良さが完璧に表現されていますね。
けさ初音途切れ途切れの身の限り 瞳人
浅春の黄昏酒店へ草野球 藤三彩
五位鷺の杞憂と分かつ木の芽風 珠子
○(藤三彩)そうか、写真の鳥は五位鷺なんだ
人声のまばら間遠に椿落つ 敏
◎(ちせい)季語は「椿落つ」。まばらな声にふっと視覚的な映像に詩を感じたのでしょう。
○(まきえっと)浅春のころでしょうか?まばらなのが人声というのが良いです。
○(アネモネ)「まばら間遠に」の畳みかけるリズムがいいです。
片隅の空より鳥と落椿 敏
◯(吾郎)パースペクティヴがステキ。
椿咲く平和の中にある退屈 泉
◯ (アゼリア) 本当に失うまでなかなか有り難みがわからず、贅沢にも退屈だなんて思ってしまいます。
○ (多実生) 椿の花を見る平和。平和ボケにならない様にしたい。
○(餡子)退屈さが大事です。またまた何かやり出しそうな昨今。退屈でいてほしい。
悠久に春の空ある祖国かな
初恋はうたかたの夢椿落つ アゼリア
○(敏)この三枚の写真から「初恋」を導き出した感性に脱帽です。
○(アネモネ)やられた。参りました。
冴えかえる空気け散らす球児かな 呆夢
○(瓦すずめ)冴えかえる空気を蹴散らすという形容で、球児たちの元気な様子が、すごくつたわってきます
○(泉)元気の良い球児たちの声が、聞こえて来そうです。
冴えかえる球打つ音の響きけり 瓦すずめ
○(幹夫)「冴えかえる」の季語が合っていると思います。
悠久に春の空ある祖国かな 幹夫
○(藤三彩)昔、臨津江(イムジン河)を渡るフォーク・クルセイダーズの歌があったな、今わかる
◯(吾郎)そうあって欲しいものです。
○(敏)近頃の、ちぐはぐな季節感がもたらした願望の一句かも知れません。同時に「悠久の平和国家」を希求してもいるようです。
◎(泉)何があっても、祖国と自然は残ります。そこから第一歩が踏み出せます。
◎(餡子)3枚からの想像は、本当に難しかったのですが、このように詠めるのですね。
○(あちゃこ)すっぱりと言い切った中に様々な感慨が見え隠れして共感しました。
○(宙虫)悠久と言う言葉、永久とは違い情感(気持ち)に訴えかける。
徘徊す春のいのちのど真ん中 あちゃこ
◎(吾郎)中下が絶品
青空の向こうは戦争落椿 泉
◎(藤三彩)遠くの砂漠の戦争が近くの海の抗争勃発にならなければいいと願います
○(道人)落椿が世界の彼方此方で起きている戦争を直視しているような、存在感のある句です。点と面の広がりの取合わせが佳いですね。
◎ (アゼリア) 日々リアルタイムで戦争のニュースが流れる昨今、この平和が続くことを祈らずにはいられません。この写真からそういう発想にいったったのがお見事と思いました。
○ (多実生) 武器を使った戦いは人間だけ、空の果ての何処かでいつも戦争。困った生き物です。
○(珠子)本当に心が痛みます。何も行動できていない自分がいます。
○(瓦すずめ)赤い椿が落ちているシーンをみて、海の向こうの戦争を連想するまなざしが、凄いと思いました。
○(餡子)あまりにも。平穏な3枚の写真。その裏側では内戦内戦の日々もあり、複雑です。
○(宙虫)本当に青空をべりっとはがしたら戦場です。きっと。
踏青や生者を癒すビオトープ 詠正
○(呆夢)アスファルトの隙間からでも、青草は伸びてきます。自然は大事にしたいものです。
○(道人)現代に甦った俳聖芭蕉の旧俳号「桃青」と季語「踏青」のを重ねて勝手読みました。両方とも癒される。
サンデーの表紙は「ON」揚雲雀 宙虫
○(ちせい)季語は「揚雲雀」。王長嶋の表紙に少年たちは狂喜した。これも俳味、季節の醍醐味なのでしょう。
今回から「くらげ」さんは「詠正」さんとして投句されています。
皆さんの感想・近況なども含めコメント欄でご歓談ください。
それでは次回・・・・・。
まだ写真吟行に慣れなくて、かなり混乱しています。いつもの句会とは、かなり勝手が違います。しかし、良い勉強になると思います。皆さんの俳句も、大変参考になりました。ありがとうございます。
1枚からでなく、3枚を通しての句つくりは、難しいですね。
それにしても、皆さん色々と感じることが違い、面白いです。
難しいけれど面白かったです。
今回、諸事情で選句が間に合わず、失礼しました。
皆様の選句選評、勉強になりました。
有難うございます♪