第535回小麦句会投句一覧（10月22日選句締切）

毎日が目まぐるいですね。
「ノーベル平和賞」「衆議院解散」「衆議院選挙」「日本シリーズ」「食欲の秋」


兼題:実
駆け落ちを告ぐるメモ在り一位の実　　
実現はないが意外な半月時　　
紫蘇の実のはじけ他人に裁かれる　　
束の間の人生劇場木の実ふる　　
大自然に守られ秋の実りかな　　
実石榴の裂けて弾けし古戦場　　
帰り来ぬバブルの日々よ万年青の実　　
過ちを赦され木の実落ちる音　　
巨峰とは名のみ狭庭のぶだうの実　　
人知れず熟るゝ柿の実灯る村　　
紫蘇の実のふりかけ香る大原女　　
宵闇に不実な君をスルーする　　
真実の零れはじめる十三夜　　
渋柿の実のたわわなる烏啼く　　
栗の実を茹でてはみたが剥けぬ老い　　
虫すだく母の茶箪笥に実母散　　
草の実や石橋くぐる手漕ぎ舟　　
井戸水に晒す橡の実秋深む　　
琉球の味よ実生の茘枝こそ　　
ひと年をひたひた老いて実紫　　
再読の真実一路草の花　　
落ちる前木の実は鳥と会話する　　


テーマ:運動
声嗄らし応援鰯雲まばら　　
シャトル替え秋思をはらう息をする　　
バインダーで稲を刈り干す二万歩　　
やっと来た弁当の時運動会　　
異国語も訛も交じる運動会　　
運動会扁平足は親譲り　　
階段も冷まじ魔差す問題か　　
核なくせの市民運動天高し　　
掛け声高くシニア筋トレ天高し　　
眼するどく刈田にシャドウボクシング　　
高跳びの助走のカーブ秋気澄む　　
勝つて又男泣く秋染みにけり　　
盛り上がる大地運動会終る　　
草の根の繋ぐ平和や小鳥来る　　
竹刀なき竹刀袋や暮の秋　　
天高しパラパラダンスの講習会　　
飛び跳ねるラジオ第二の月うさぎ　　　　
立て看もオルグも遥か鰯雲　　
露の世のバランスボール抱き寄せて　　
老体を反らして反らず秋うらら　　
徘徊がよい運動に秋日和　　
蟋蟀の太股欲しいスクワット　　


雑詠
アダージョに深みゆく秋湖しじま　　
あんなにも待ちし秋風吹けば憂し　　
重ね置く案山子午後から雨となる　　
コスモスの底咲き畝咲き鳥は逃げ　　
サッカーや怒涛のゴールに秋高し　　
秋寂し安売りの小さい卵　　
はじまりの白おしまいの白蛇穴に　　
観音や旅の予定に無き秋思　　
気まぐれな三十一文字や十三夜　　
高音の波長短し鉦叩き　　
採石の山の片隅残る虫　　
手間暇を惜しまず栗の渋皮煮　　
秋の雨須らく流れるように　　
初秋刀魚名ばかり売って隠し塩　　
水ぎはは舟を浮かべて松手入　　
船頭のアルミ弁当鳥渡る　　
秋日射しわかめの入るラーメン屋　　
朝寒し塾へ見送る日曜日　　
鉄骨の狭間狭間や月天心　　
唐黍を焼いて風待つ的屋かな　　
目先あの秘密睦み日の秋雨　　
麒麟のパリコレモデルめきて秋　　


★選句要領
選句数６句（うち特選１句）
締切　10月22日（火）24時
選句コメントをつけて送ってください。
選外のものでもコメントしたい句がありましたら、コメントを受け付けています。