こんばんは。
大変お待たせいたしました。
春雷や本物だった古き壺 泉
〇(藤三彩)意外と庭置きなどにしていて壊してしまいそう
◎(アネモネ)いやあこれはショック。「春の雷」がいかにもです。
若葉して黙の中なる古道かな 道人
〇(多実生)こんな古道は大好きです。
〇(仙翁)若葉と静かな古道、いいですね。
◯(アゼリア)連休に歩いてみたいです。
○(ちせい)季語は「若葉」。古道にある静寂。芽吹く段階を越えて若葉繁る季節へと。
立春や古代より吹く風の道 瑠璃
〇(宙虫)数えきれない日本人たちがこれまで「立春」を実感してきたことを思うと、すごいことだ。四季の節目を日本人たちは感じてきた。
こでまりや切り捨ててきた古い町 宙虫
◯(アゼリア)切り捨ててきたつもりがなかなか。
(選外)(幹夫)白い小粉団の花、何か郷愁が感じられてくる句です。
春風や太古に届く古き井戸 仙翁
◯(瑠璃)古い井戸が太古から脈々と続いている。そしてそこには風が優しく吹いている。静けさが伝わります。
○(餡子)よほど古い井戸なのでしょう。太古の昔まで、繋がっていそうなほどなんですね。真間の井や、姫路城のお菊の井戸など・・・。悲話と重なります。
〇(まきえっと)太古に届くがよいですね。
寝汗また古稀の夢見る進級不能 瞳人
朧夜の古墳へ語り出す古墳 珠子
◯(ルカ)古墳同士が話してるなんて、ユニーク。朧夜だからさもありなん。
○(餡子)古墳同士が語り出すという発想がおもしろいですね。
◯(吾郎)時を越えた語らい、朧夜とはそんなことが起きるのです
(選外)(道人)春の夜の山の辺の道の感じでしょうか。
松の花古着の好きな女の子 ルカ
○(泉)この様な女の子も面白いな、という印象です。
◯(あちゃこ)若い子は、確かに古着好き。松の花との取り合わせが妙です。
木堂忌古りし恩師の金時計 幹夫
○(アネモネ)恩賜のと読んでいただきました。
(選外)(藤三彩)なるほど5・15事件に倒れた犬養毅の「犬養木堂記念館」が岡山にあるのですね
古里の人みな優し桃の花 多実生
○(幹夫)季語「桃の花」が佳く詠まれており共感の句です。
〇(宙虫)桃の花のやさしさはふるさとがやさしいから・・・。あざやかなやわらかさ。
懐古するばかり蒲公英廃校舎 敏
〇(瞳人)田舎はみんな、これ、どうなっちゃうのでしょう。
アベックの死語と古びし花の下 藤三彩
今古典的蝦蚪欠きてんてこ舞い 吾郎
〇(藤三彩)「てんてこ舞い」が国会模様に似て面白い回文
◎(道人)「古典的蝌蚪」が面白い。日本人の多くは、おたまじゃくしの群を知らずに忙しく生きている。現代を風刺した名回文句。
○(敏)「古典的蝦蚪」ってどんなオタマジャクシ?なのか、思うだに想像が膨らみ、頭の中がそれこそ「てんてこ舞い」でした。
〇(宙虫)春の景色に何か足りない。蛙か。異常気象などで環境が変わって、もう何年もすると世界はそれこそ大騒ぎになるのではないか?
古傷をソフアーに舐めて恋の猫 アネモネ
〇(多実生)動物の世界は年を取るとやがて勝ち組です。
○(幹夫)戦い済んで凱旋帰宅の春の猫ですね。
〇(宙虫)恋するたびに傷が増える。猫の世界も大変。
〇(珠子)ライオンだけじゃなく猫の世界も他の世界もみんな必死。傷つきもする。中七がいいなあ。
〇(まきえっと)ソファーに舐めるって。猫の表情が浮かびます。
古書店の無口な親爺啄木忌 餡子
◎(春生)古書を商い、明治大正の文学を大切にしてきた書店主の信念を感じさせる句である。
◎(瞳人)減りましたねえ、古本屋、無口な人がいい…客も
〇(仙翁)無口なオヤジが古書店には似合います。
○(アネモネ)薄暗い古書店の奥を想像しました。
○(ちせい)季語は「啄木忌」。四月十三日の啄木忌。無口な古書店の親爺が店番に居る。
(選外)(道人)納得感のある元文学少年の親爺像です。
(選外)(幹夫)4月13日が忌日、享年26歳は若過ぎますね。
ブレイカー古き配電盤の春 ちせい
一頻りうからの噂古茶を汲む アゼリア
〇(道人)中七に惹かれました。ウ音は何でも難しいです。
〇(珠子)噂にしたりされたり、どこにでもある日本の原風景。古茶がピタリとはまります。
仰ぎ見る桜名所の古木かな 春生
○(泉)しっかりと形の整った俳句だと思います。
(選外)(ちせい)季語は「桜」。ちょっと座五がぞんざいかと思いました。桜名所の古木と言うひとつらなりがもう一工夫をと思いました。
声の出る古今和歌集朧の夜 まきえっと
◎(藤三彩)先般TVで京都冷泉家の一年を映していました。詠み方、発音、抑揚に伝統があるのですね。七夕の日が圧巻。
○(泉)和歌は声を出して読むのが良いですね。
◯(あちゃこ)歌詠み達の声は?想像が広がります。小野小町はどんな声⁈
古寺若葉首傾げたる一神将 あちゃこ
○(敏)新薬師寺の本尊薬師如来を取り囲んでいる十二神将をすぐに想い浮かべましたが、もしかすると一句の神将は文字通りたった一体の像で、それを憂いて首を傾げているのかも知れませんね。「古寺若葉」の斡旋が素晴しい。
〇(仙翁)十二神将の一人でしょうか。それぞれ面白い形ですね。
◯(アゼリア) 生態系にも変化があらわれていますよね。怖いですね。
黄砂降る仁王のぎょろりとした眼 まきえっと
〇(道人)黄砂と仁王の眼の取合せの妙。日本にとって、大陸との縁は古来より切っても切れない。
音階はドシラソファミレ春の虹 敏
◯(瑠璃)虹の七色が音符仕立てになっているのですね。その繋がりが面白い。楽しい気持ちになります。
◎(ルカ)色の字は何もなくても、音の色の春の虹の、七色が踊り出す。リズム、色彩に溢れた新鮮な一句。
○(アネモネ)明るくて素敵です。
◯(アゼリア)なんでしたっけ?ー認知始まったかも。思い出せないーあの大好きな映画思い出しました。
花吹雪無色を強く感じたり ちせい
柿若葉蛍光色のランドセル 多実生
○(幹夫)ピッカピッカの・・・一年生。
〇(瞳人)車に気を付けろよ、ひどい運転手が多いから
桑摘みか賄賂黒い輪過密枠 吾郎
○(餡子)桑ではなく大麻ですね。
○(泉)何だか今の政権を取り巻く状況の様です。
冴返る上下分からぬ抽象画 泉
〇(藤三彩)うえした分からずに展示してしまった展覧会があったそうです
◯(ルカ)季語はつきすぎの感ありますが、面白いです。
◎(宙虫)なんとか理解しようとしているが、理解できない。おかしいけれど、わからないことを簡単に口にできない自分がいる面白さ。
桜蕊降り嘘にある赤と白 餡子
◎(仙翁)桜しべと嘘、何となく面白い。
◯(アゼリア)白の方が好きです。
七色の夢の声する巣箱かな 春生
◎(多実生)巣の中の七色の夢の声。雛への愛しさが表現されています。
◎(瑠璃)七色の夢の声ってどんな声だろう。愛らしい句です。
○(アネモネ)「七色の夢の声」いいですねえ。
○(ちせい)季語は「巣箱」。七色のレインボーの様な夢の声。小鳥や雛鳥の共演。
囚われの曼荼羅の色初つばめ あちゃこ
◯(ルカ)季語は一考の余地ありですが、曼荼羅を囚われの色ととらえた感性に惹かれました。
(選外)(藤三彩)密教の曼荼羅にある中央「大日如来」の赤にしても囚われとの関係がわからない。地上に描く砂絵も曼荼羅なんだそうです。
色鉛筆赤を失くして春の虹 幹夫
踏み歩く赤青黄色春の色 仙翁
二重三重たしか三色春の虹 道人
晩白柚黄色ボールでティラピスす 瑠璃
不意打ちの恋縺れ合う蝶白し 珠子
〇(多実生)色々有りそう。私が見た時は“間隔の等しい蝶の恋の舞い”でした。
〇(道人)「縺れ合う」動きが佳いですね。紋白蝶と純愛はよく合っています。
〇(瞳人)もう、そういう季節か、町ではあまり、見かけなくなったなあ
◎(敏)「不意打ちの恋」とは、作者の身に生じた「一目惚れ」のことかも知れません。紋白蝶の縺れ合う情景に己の心境を重ねているのでしょう。「蝶白し」が潔癖さを象徴しているようです。
万の色眠る球根チューリップ ルカ
〇(多実生)色の判らぬ球根。“色眠る”の表現が素晴らしい。
◯(瑠璃)春が待ち遠しい。どんな色のチューリップが咲くのか作者のワクワク感が伝わってくるようです。
○(幹夫)咲くまでは何色か分からないチューリップの球根です。
◎(泉)球根に目を付けた所が良いと思います。
〇(まきえっと)咲くまでわからないですよね。
(選外)(道人)正にチューリップの色彩の魅力。「球根」がやや惜しいかも。
藍植えるだからといって何もせず 藤三彩
◯(吾郎)藍だからよかったんだろうな──他の花とかだと意味があり過ぎるかも
立ち止まりデモに手を振る白日傘 アゼリア
〇(春生)デモ行進の色とりどりのプラカードと日傘の白、色彩豊かな句です。
◎(吾郎)メットと角材が溢れる中に恋人の横顔を見つけた雅子は──(半世紀くらい前の映画のオープニングかラストシーン)
〇(仙翁)変な政治状況ですね。ちょっと怒っています。
◯(あちゃこ)やや説明調ながら、臨場感があります。
立呑の暖簾赤らむ日の永き 瞳人
○(敏)日の暮れが遅くなったが、自分と同様、暖簾もそろそろ赤味を帯びてくる頃合いになった、といったところでしょうか。立呑屋台の一景が彷彿としてきす。
緑道や暗渠を春の水流れ アネモネ
◎(ちせい)季語は「春の水」。「緑」と聞くと既に晩春で新緑とか緑の夜とか夏の到来さえ予感されます。そんな夏が近い晩春の候、暗渠を春の水が流れる。
和紙を干す村のミモザがやわらかい 宙虫
〇(道人)和洋の距離感がいい感じ。
◎(餡子)和紙、村、ミモザ/・・3題話のようなひろがりがあっていいです。
〇(珠子)「和紙を干す村」というシンプルな措辞がいい。こういうシンプルな言葉を忘れている私。
◯(あちゃこ)柔らかな陽射しの中に和紙とミモザ。美しい風景。
◎(まきえっと)長閑ですね。幸せな気分になれます。
勢いで咲いてしまった春よ春 まきえっと
春昼の密かな吐息吉祥天 あちゃこ
〇(道人)吉祥天の魅惑的な吐息が聞こえて来るようです。季語も良いですね。
〇(春生)「密かな吐息」を感じる感性がすばらしい。
◯(吾郎)吉祥天ってどこか色っぽい(笑)
◎(アゼリア)静謐が伝わってきます。こういう俳句作れるようになりたいです。
うららかや富士を枕に眠る海 道人
◯(瑠璃)富士山を枕に眠るとは逆さ富士の情景でしょうか?雄大な句です。
◎(幹夫)大らかな句に共感です。
〇(仙翁)富士を枕、面白いと思います。
花水木無風を演出出来ぬかな ちせい
せせらぎがあり春光がありわだかまり 宙虫
◯(吾郎)この落とし方、好きよ。いい絵柄。
フェルメールの少女の明眸風光る アゼリア
〇(藤三彩)明暗を巧みに描写したフェルメール。真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女)あたりがモティーフの絵なのだろうか
〇(珠子)フェルメールの光と影は少女の美しさを引き立てます。
ブランチを二人で作る朝寝かな 泉
○(ちせい)季語は「朝寝」。春眠暁を覚えず。朝食兼用昼食の二人の共演。
安全帽の紐しつかりと新社員 アネモネ
〇(多実生)かつては被った事のあるヘルメット。暑い記憶だけ鮮明です。
○(ルカ)最初が肝心。しっかりと装着している新社員が初々しいです。
○(幹夫)大きな希望と幾分の緊張・・・入社おめでとう。
○(餡子)現場実習の新入社員でしょうか。線路確認の社員でしょうか。紐しっかりとに初々しさが出ています。
○(泉)新社員の緊張感が、良く伝わって来ます。
花吹雪俄かに野良は咆哮す 仙翁
〇(藤三彩)鳴く猫の言いたいところは、縄張り、腹減った、あとわからない。翻訳機ができそうな。
選外 (多実生) 野良が多い公園こんな事も有りそうです。
(選外)(道人)どんな気持ちだったか、野良に聞いてみたくなる句です。
日永家暗い快楽映画な日 吾郎
○(敏)「暗い快楽」が映画の内容を暗示させます。例えば「羊達の沈黙」のような。
山吹や暗きを走る沢の音 多実生
〇(春生)「暗きを走る」という措辞を得た、この句の作者の観察眼がすばらしい。
◯(あちゃこ)山々を染める山吹と沢の音の対比が効いています。
〇(宙虫)山吹の色先は闇。沢の姿は見えずとも水が初夏へ向かう音をたてている。
春宵一刻ゴリラ目覚めて胸厚し 幹夫
○(アネモネ)笑いました。
女学生恋バナはずむ桜餅 瑠璃
真帆満てばサントロぺ迄春の航 瞳人
たわいなき話しにゆく春ショール ルカ
〇(瞳人)だからいい、深刻なのは、ごめんだもの
◎(珠子)いつもの人と・いつものところで・いつものような話。それでいい・それがいい。春ショールという小物の仕掛けがさりげなくていい。
○(ちせい)季語は「春ショール」。何でもない様な会話に活力の源があり。
突如の解任春寒の消化不良 藤三彩
○(餡子)突如の解任ですが、真相はわからず、有耶無耶になりそうで、消化不良です。
(選外)(幹夫)初戦は6月19日のVSコロンビア・・・西野ジャパンに期待!
日うらうらどこかで鳥の声すなり 敏
葉桜のここに問われるバスワード 珠子
◯(吾郎)あちこちで適当にパスワードを作ると、これがまた、忘れたときにさぁ大変。葉桜がいい味出してる。
〇(まきえっと)もう思い出せないパスワードもあります。「葉桜」がいいですね。
流し雛ジグザグ岸を離れけり 春生
◯(瑠璃)雛流しは私の生まれ故郷である山口県下関市でも毎年行います。勿論紙雛ですが…平家と源氏が戦った壇ノ浦の海、そこに流れているみもすそ川にお内裏様とお雛様の格好を身に纏った二人がまず流します。その後に人々が続きます。子供の頃参加したことがあります。つい思い出しました。
恋路から戻りし猫の裏表 餡子
◯(ルカ)猫に裏表。愉快、愉快。
○(敏)失恋した猫の、体中ぼろぼろになって帰ってきた姿を言い止めたものと思われます。「猫の裏表」が端的です。
〇(珠子)激変ぶりを「猫の裏表」としたところが面白い。しかし猫にとってはどちらも表なのでしょうね。
◎(あちゃこ)裏表をどう解釈するか?喜怒哀楽?ミステリアスな結末が面白いですね。ツンデレ猫と読んでも楽しい。
〇(まきえっと)猫の裏表が面白いです。
(選外)(道人)人間界も同じかな、という思いがふ と過りました。
気が付くと、もう四月も終わりです。ゴールデン・ウィークも私には余り関係はないのですが、もう一年たったのか、という軽い驚きはありますね。この一年、健康であったことに感謝です。それにしても、今年のセ・リーグは混戦ですね。