梅雨入りしました。
はやいですね。月日がたつのは・・・・。
選が一部当方に届いていない方もいらっしゃいますが、発表させていただきます。
まだの方、送っていただければ追加で掲載します。(※追加済です。)
東京方面は水不足に陥りそうな状況のようですね。
大きなことにならなければいいのですが。
次回句会の告知もされています。
がんばりましょう。
★結果発表★
新緑や木橋の紡ぐ過去未来 餡子
◎(まきえっと)この木橋は紡ぐという言葉がぴったりです。
◯(道人)木橋からは往来する人や舟人含めて色々な人生ドラマが見えて来る。「紡ぐ」が素敵です。
◎(敏)「繋ぐ」ではなく「紡ぐ」としたところに、作者の歴史観、人生観がありそうですね。「新緑」が一句に新鮮さをもたらしています。
◯(多実生) 人それぞれの思いを胸に渡る木橋は生活と過去と未来も渡しています。
◯(呆夢)あっちとこっちで何かが違う?明るい未来であってほしいです。
◯(吾郎)よい景色
◎(宙虫)人間がいるから過去を思い、自然があるから未来が見える。そんな交差点。
一叢は古代紫花菖蒲 とっきー
◯(吾郎)文字の持つ美しさに
◯ (アゼリア) 古代紫と白のコントラストが本当に綺麗です。
◯(あちゃこ)特別な事は語らずして、花の姿を映しているだけなのですが、一句として整っていると思います。
◯(アネモネ)ただただ上手いと思いました。
白無垢の郷はめでたき五月晴 幹夫
◯(餡子)気持ちの好い嫁入りの日和が伝わります。関係のない人をも幸せな気持ちにしてくれます。
◎(藤三彩)寿ぎのシンプルな風情の表現に好感。
見るものをゆらりと揺らす五月の舟 宙虫
〇(まきえっと)ゆらりですね。
(選外)(瓦すずめ)初夏の風に揺れている舟を見ているとこちらまで揺れる感じがする、ということでしょうか
万緑のなか白無垢の挙式かな 泉
◎(ちせい)季語は「万緑」。緑と白、何か清新な感じがしました。
〇(春生)色彩の緑と白を捉えて、水郷の結婚式をさわやかに捉えている。
〇(幹夫)今回の写真からは何と言っても「白無垢」がキーワードですね。景が佳く詠まれています。
七変化良女悪の紙一重 瞳人
電柱が夏空を刺す槍めいて 瓦すずめ
花あやめ濠に連なる婚の舟 アネモネ
〇(ルカ)よく詠まれていると思います。
〇(春生)水郷での結婚式の盛大さが感じられる。
◎(幹夫)写真の景をピッタシあてはめて詠まれており好感です。
嫁ぐ日の含羞浮かべ夏の川 あちゃこ
◯(多実生) 花嫁の複雑な思いが想像出来ます。
◯(呆夢)うつむいて何を思うのでしょう。含羞がいいですね。
◎ (アゼリア) 綿帽子の奥の恥じらいや喜びまで表現されていて、爽やかな秀句と思いました。
◎(瞳人)含羞ということば、もう、この国では忘れられてしまったような気がします。そんな言葉をつかって、この句をにわかに、生き生きと、好感のもてる句にしてくれました。
◯(珠子)うまいなあ。
舟唄に揺れる白無垢目にあやめ 藤三彩
◯(敏)実際には聞こえない「舟唄」に聞き耳をたてたところが眼目でしょう。
緑陰の離れてはまた戻る風 ルカ
〇(まきえっと)葉の生い茂りかたが戻る風に合っています。
◎(仙翁)いいですね。船に揺られて風に揺られて。
◯(瓦すずめ)木々の中吹いてはやんでを繰り返す風を、離れてはまた戻ると表現したのが、とても指摘だと思いました。
◯(吾郎)さわやかな時間の捉え方
◯ (アゼリア) 時折吹く気持の良い風をこんな風に表現できるのですね。
◎(あちゃこ)余計な事は語らず、舟人の姿や思いを表現しています。見事です。
船頭の菅笠揺れる青葉風 仙翁
(選外)(瓦すずめ)笠が風に揺れる様子が素敵だと思いました。
祝ぎ歌に舟ゆるゆると新樹光 敏
◯(ちせい)季語は「新樹光」。少しは眠気もあったのかもしれません。のんびりと祝い気分。
◎(道人)花嫁舟にピタリと嵌まった句で、気持ちもゆったりとして来ます。
◯(餡子)花嫁船の出発の景でしょうか。見ている周りのみんなも、幸せな気持ちになります。
◯(ルカ)川の流れを光にとらえたのがよいです。
◯(藤三彩)新樹光が新鮮な感じを与える。
走り梅雨円を描くように始まりぬ 呆夢
◎ (多実生) 遂に関東も梅雨入り、円を描く様にの表現がユニーク。
◯(瓦すずめ)実はこの句の意味がわかっていません。円を描くように梅雨が始まるとはいったいなんのことか。しかし、興味が湧きます。
葉柳や船頭寡黙で雰囲気良し ちせい
あやめ咲く嫁入り舟の小波かな 多実生
◯(呆夢)静かに進む舟。小波がいいですね。
◯ (アゼリア) これからの人生小波はあるでしょうが、お幸せをお祈りします。
〇(瞳人)大げさでないのが、とてもよく感じました。
◯(幹夫)写真の景が佳く詠まれています。
薫風や白無垢乗せて小さき舟 ルカ
〇(まきえっと)花嫁としないで白無垢としたところが良いです。
川風は一本の帯花菖蒲 珠子
〇(まきえっと)なるほど。
◯(多実生) 風には通り道があり、川は代表的です。
◯(呆夢)「一本の帯」と言い切ったところが、潔くていいと思います。
◯(仙翁)川の流れに、風の帯とはいいですね。
◯(あちゃこ)綺麗ですね。川風を帯に例えるとは。周りの風景まで取り込んで素敵です。
◯(アネモネ)なるほど。「一本の帯」に得心です。
〇(宙虫)まっすぐな景が好感。
あやめ草花嫁舟に揺られ来る 春生
〇(アネモネ)舟の揺れがいかにもです。
水郷は恋生れし地や花しょうぶ アゼリア
〇(道人)水も恋心も豊か、青春ですね。「花しょうぶ」が佳い。
〇(餡子)なるほど。此処で恋がうまれ、ここに御嫁入なんですね。
青葉光棹に委ねし人ごころ あちゃこ
〇(まきえっと)のんびりという感じですね。
〇(敏)棹に委ねた「人ごころ」とは? 何となく分かるような気はするのですが……
〇(ルカ)中七が魅力的。
〇(仙翁)人生を暗示するような、面白い句ですね。
◎(珠子)写真から「棹に委ねし人ごころ」 に入り込む力には参りました。
〇(宙虫)中七がいいですね。人ごころ・・・どこか矢切の渡しの唄が聞こえてきそうで。もう一工夫あればと思うところ。
何処までも漕いで巡らん花あやめ 道人
〇(泉)本当に緑と水に恵まれた、豊かな風景です。時間を忘れますね。
〇(宙虫)水の上での時間をたっぷり使いましょう。
水郷や嫁入り舟に若葉風 泉
〇(ルカ)清々しさがいいです。
〇(瓦すずめ)白無垢のすそが風に揺れていそうで素敵ですね
〇(幹夫)季語「若葉風」が佳く、円滑に詠まれており好感です。
万緑や船頭唄う祝い歌 まきえっと
〇(ちせい)季語は「万緑」。船頭が主導して祝い唄。皆も唱和しているような感じで。
〇(瓦すずめ)祝い歌と万緑の組み合わせが素敵です。描かれていない風も見えてきそうな。
◯(あちゃこ)スッキリ。こういう言葉がすんなり出てこなかった。
〇(珠子)私も船頭の祝い唄が聞こえてくるような気がしました。 東北なら「秋田長持唄」です。〜蝶よ花よと育てた娘、今日は他人の手に渡す・・・〜叔母が嫁ぐとき、紋付袴の男衆が歌ったのを覚えています。
〇(泉)船頭さんが結婚の祝い歌を唄う。長閑で豊かな時間です。
〇(幹夫)万緑の季語が目出度く詠まれています。
あやめ濃し幸の溢れる手 まきえっと
◯(あちゃこ)字足らずですが、手に着目したところがいいですね。
川面にて緋傘今朝が日手にも和歌 吾郎
〇(敏)一句を通して「曲水の宴」のような雰囲気を感じました。
〇(藤三彩)川面と和歌をつなぐ目出度たそうな回文はどんな物語なのだろう
〇(宙虫)光にあふれ、贅沢な朝の時間。
万緑や祝杯に酔うどんこ舟 道人
水郷のひとがまあるい花菖蒲 宙虫
〇(仙翁)まあるいとは、うまいですね。面白い。
◎(吾郎)ひとがまあるい~の把握が素晴らしい
〇(藤三彩)花菖蒲を見に来ている人達の和む様子が目に浮かぶ。
薫風や花嫁舟に棹さして 春生
〇(珠子)シンプルでさわやかです。
濠をゆく舟に手を振り茹小豆 アネモネ
〇(ちせい)季語は「小豆」。他舟との交感。ちょっとしたコミュニケーションと添え物的食べ物。
◯(吾郎)懐かしい景色
〇(藤三彩)茹小豆に意外性がある。お茶屋でまったりしているのも和む。頼むなら餡蜜がいいな
薔薇園や森林資源は受け継がれ ちせい
〇(泉)本当に豊かな緑です。これからも受け継がれると良いですね。
行く当てのなきまま橋を渡る夏 仙翁
〇(道人)花嫁舟も見ない作者の茫然自失感はこの夏に耐えられるだろうか?
〇(餡子)下を見ると、幸せそうな嫁入り船、家族舟遊び…吾は寂しき旅人!ああ〜〜。メランコリー。
〇(多実生) 橋を渡ると何かが見える。理由もなく見たいのが川です。
〇(呆夢)橋を渡るのが夏というのが、自分では思いつかないところです。
◯ (アゼリア)真ん中の写真に同じような印象を受けました。
◯(あちゃこ)川風に吹かれながら、木の橋石の橋と渡る。気ままとはいえ、寂しさが募ります。
〇(珠子)私は、あの写真の「橋を渡る男」のインパクトから目を離そうと必死でしたが、こうやって自然に取り込む方もいらっしゃったのですね。
〇(宙虫)橋。いろいろな人生を垣間見せますね。
燕子花下流老人防御柵 藤三彩
〇(道人)燕子花は余りにも美しく眩しい。 漢字俳句の硬さがない。
夏蝶を池の広さに見失ふ 幹夫
〇(道人)夏蝶を目で追っていたら、つい池の景色に見失ってしまった。疑似体験は何度もありますね。中七が佳い。
〇(敏)見えない蝶を見たという認識があった上で、一句は成り立っているのでしょう。
◎(呆夢)自由に飛ぶ蝶。追いかけてもすぐに見失って…自由さを大事にしたいですね。
〇(仙翁)確かに、目で追っても、草原とか、池の上で蝶を見失いそうですね。
〇(瓦すずめ)池がきらきら光っていて、その光の上を飛んでいた蝶がいつの間にか見えなくなった。詩的な光景です。
〇(珠子)何気ないですが中七がいいですね。
◎(アネモネ)池の面と空の青さが鮮やか。
◎(春生)夏蝶の活発さと自然の豊かさが髣髴としてくる。
◯(吾郎)大いなる自然、いいですね
板橋で見る万緑は二倍なり 多実生
〇(泉)本当に板橋から見ると、二倍以上の豊かな緑でしょう。
走馬灯のごと浮かぶ思ひ出花嫁の舟 アゼリア
◎(餡子)3枚の写真を時系列で考えました。小さいころ家族で舟遊びをした川を今は花嫁となって嫁いでいく・・・。同じ菖蒲の時期に。下五は「花嫁船」でいいような気がします。
さまざまな想い映して夏の川 餡子
〇(ちせい)季語は「夏の川」。「想い」が想像力を掻き立てます。
◎(ルカ)景をよくとらえていると感心致しました。
◯ (アゼリア) 同じ場所に集う人々も想いはさまざまなのだと共感致しました。
隠れ居てこゑは負けぬと行々子 瞳人
〇(多実生) 青葉の季節は声はすれども姿は見えずです。
〇(仙翁)姿は見せないが、声は負けぬが面白いですね。
青葉風嫁入り舟の祝い唄 珠子
編み笠の船頭の声ほがらかに 呆夢
◎(瓦すずめ)状況がはっきり見えてきます。編み笠の季節感もありますし、「編み笠」と「声ほがらかに」から船頭の顔も想像できます
〇(泉)観光案内でしょうか。ほがらかな船頭の声は、気持ちの良いものです。
〇(宙虫)編み笠を登場させ、船頭の様子を描いています。ほがらかは「風となる」「雲となる」「空となる」こういう形でも表情が見えるし・・・。着地がもったいないなと思った。
河童橋渡り文目に会いにゆく 敏
〇(ちせい)季語は「文目」。「河童橋」とは調べたくなるような橋の名前です。
〇(アネモネ)物語性を感じます。
夏川が藻におほわれて「あっ河童」 瓦すずめ
〇(敏)「あっかっぱ」の韻の面白さからいただきました。
〇(藤三彩)河童とくれば遠野のカッパ淵を想起する。「あっそうだ旅にでよう」
◎(泉)本当に河童が出て来そうな川ですね。本当に居るのかも知れません。
(幹夫)楽しいタッチで詠まれており好感です。
薫風や花嫁乗せて船が発つ とっきー
〇(ルカ)爽やかに詠まれています。
〇(アネモネ)「船」を「舟」とすると、よりリアルになると思いました。
※いつものように、コメント欄に感想等をどうぞ。
水郷というのは、私は行った経験が無いのですが、木々の緑と水の緑と、この時期にはピッタリの風景ですね。
お嫁さんが舟でゆく。進歩する大都会、しかし日本の原風景は、しっかりと受け継がれてゆきます。