こんばんは。
お待たせいたしました。
お待たせといえば、稀勢の里ですね。
待っていた方も多いことかと。
それにしても寒いですね。
特に西日本でも雪が。
では結果発表です。
兼題:白
歌声はけふは白いろ社会鍋 瓦すずめ
◎(道人)歌声にも色んな色がありそうですね。人生の機微を「社会鍋」で巧く言い止めている。
駅伝や箱根の山は息白し 泉
○(幹夫)往路復路完全制覇、青学3連覇は見事!駅伝のランナーに「息白し」はぴったりですね。
(選外)(藤三彩)つなぐ襷は青い色だけじゃなし。勝利へと燃焼する選手を傍観す観念俳句なんでしょう。
其れがつい告白となる初句会 瞳人
○(吾郎)かなり思わせぶりな句会ですこと。
〇(瓦すずめ)句会の時に評を述べてるときに想いがでてしまったのでしょうか。その場の皆のリアクションを考えると楽しくなります。
〇(餡子)わかるわかる・・・。恋の句をたくさん作りたいのですが、なにしろときめく場面が少なくなりました。だめですね。
○(珠子)何の告白か存じませんが、うまくいきますように。 飄々とした上五が面白い。
○(敏)「其れが」実に意味深ですね。多分、愛しい方を念頭に置いた恋句を出したのでしょう。相手にそれと判るように。
○(ちせい)季語は「初句会」。「つい」と言う慙愧の念なのか、それともきまり悪い感覚なのか。
〇(まきえっと)この句会に参加していたかった。
グーグルの山々白雪近江狂い 藤三彩
選外(吾郎)検索のgoogleですかね?近江狂いって何でしょ、気になります。
白い指少女指す先冬の梅 多実生
樹氷林抜けてシュプール白銀へ 幹夫
〇 (多実生) 若々しさに感銘。
◎ (アゼリア) トニー・ザイラーの映画を思い出しました。青春へ、白銀へ誘われました。
顔を持たない僕に群がる冬目白 宙虫
○(藤三彩)安部公房の『箱男』的な自虐の背景。あるいは『ヒロシです』の軽みの狙いか
◯(道人)漠然と物思いに耽る作者は、目白から見て警戒すべき人間ではない。冬の公園の静かな心象風景が佳い。
風花や白き扉の向こう側 ルカ
◎ (多実生) 白き扉とは何処の何でしょうか?私なら校庭から遠く銀嶺奥白根です。
初富士やクレパスの白基調とす 敏
白墨か絵心凍え描く僕は 吾郎
○(あちゃこ)絵心が凍えるという表現がステキです。
◯(道人)高校の部活の美術教室でしょうか。急な寒波で手も悴む。絵具も手につかず、白墨で黒板にデッサンするのがやっと。中七を中心に見事な回文句です。
〇(まきえっと)どんなふうに凍えたんだろう。
白熊の雪夫に御慶申しけり アネモネ
白菜の縛られておる畝一長 仙翁
○(敏)畝は一長二長と数えるのですね。初めて知りました。改めて日本語数詞の多様さに驚かされます。もとより、一句の情景は鮮やかです。
◯(道人)一面の冬菜畑、大きく育った白菜の一列。「縛られている」のは白菜なのか、何か屈託を抱えている作者自身なのであろうか?
○(春生)「縛られておる」がこの句の眼目。よく見かける風景です。
諍いの声をあらわに小白鳥 餡子
○(アネモネ)景がよく見えてきます。
〇(ルカ)美しきものにも、いさかい。感じ入ります。
〇(宙虫)甲高い声が聞こえてくる。あらわにが白鳥の感情を映している。
白菜切る過去も未来も真っ二つ 道人
〇(藤三彩)白菜の四分の一だけじゃなく半分に切るのでもこういう句ができるのだ
◎(瞳人)切ってよし、切られてよし、さあ、すっぱりやっておくんなせぇ。という、わたくしも、おなじ心境です。
○(泉)意味不明ですが、小気味の良い俳句だと思います。
○(ルカ)潔さに一票。
〇(瓦すずめ)白菜は野菜の中でも大きめのものですから、真っ二つにするには力を籠めなければいけない。過去の苦しみや未来への不安に立ち向かうための儀式として、白菜を真っ二つにしたのでしょう。
〇(餡子)潔い句ですね。過去はいいですが、未来までですか~~。
◎(幹夫)スパっと一刀両断!大きな白菜が豪快に詠まれていると思いました。
〇(仙翁)過去を切るのは仕方ないが、未来はどうやったら切れるのか。
白き脚真白なる胸淑気かな あちゃこ
○(ちせい)季語は「淑気」。視覚的効果が明瞭で、「白」と言う淑気に相応しいと思われる色。つい意識が行ってしまったのかと思いました。
縄文の遺構を歩く三日かな 春生
〇(瓦すずめ)三日とはお正月休みも今日で終わりという時。そんな時に、古い祖先の営みを思い起こし、改めて自分がどんな社会に生きているか、どんな生活をしているか、再確認している、ととりました。
〇(仙翁)どこの遺跡か、縄文時代には、正月はなかったでしょうね。
◎(宙虫)のどかな景・時間・そして日和。
〇(まきえっと)縄文の遺構を三日に歩くというゆとりが良いですね。のどかです。
赤銅に漁師の名残息白し 珠子
○(アネモネ)逞しいなあ。存在感ありありですね。
〇(仙翁)元漁師の生きざまが目に浮かぶようで、いいですね。
元旦に料金不足の白封書 アゼリア
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。現実にあったら、案外と目出度いかも知れません。
〇(餡子)やれやれ、元旦にもうやってしまったというかんじですね。今は差出人に戻りますから、大事な封書なのに遅れますね。年賀状に差出人の名の無いのが届き、印刷文だけですので、筆跡からもわからず、消印もなくて推測できず・・・。
雪明り撮れば白しか写らない ちせい
丸ごとの白菜何もせぬ一日 まきえっと
○(アネモネ)ああ、こんな日ありますねえ。
◎(ルカ)自分がどたっと白菜のよう。いい句です。
○(吾郎)何もない~ではなく積極的に何もせぬ~というのがいいですね。白菜らしい。
◎(瓦すずめ)白菜の白い部分はのぺーッとした感じ。何もしない一日とのぺーっとした白菜があっていると思いました。
◎(餡子)白菜を前にして思案。結局何もせず終わった一日。
〇(仙翁)何となく、おかしい。この白菜は、畑の中の白菜か。
○(あちゃこ)わかります。こんな日あります。存在感ある白菜と対峙しても気持ちは動かない。
(選外)(道人)小正月の一日でしょうか?大きな白菜の存在感が良いですね。
テーマ:今年の目標
老境は知足旨とし浮寝鳥 アゼリア
〇(瞳人)さみしいけど、仕方なしかと。
◎(泉)「知足」は難しいですね。煩悩は死ぬまで続きます。
○(アネモネ)今後、この句を脳裏に置いて生活することに。
○(敏)浮寝鳥の姿に、自分が老境になった時の理想の心境を重ねて、「知足」としたのでしょう。私もかくありたいと思います。
○(春生)こうありたいですね。季語「浮寝鳥」がいいですね。
(選外)(道人)斯くありたいものです。 調べも良い感じ。
初閻魔気楽に暗き満悦は 吾郎
断捨離のすすむ身ほとり風花す 餡子
◯ (アゼリア) 風花の季語が美しく、また効いていると思います。
○(春生)「風花」の季語を使ったのが手柄ですね。
体重を量り思案の雑煮餅 泉
〇(餡子)今年の目標は「ダイエット」なのですね。美味しいものはどんどん食べた方が、精神衛生上よろしいようで。
〇 (多実生) 私は作者の意図とは反対で、体重を増やしたいですね。
○(ちせい)季語は「雑煮餅」。体脂肪率だとか、何歳相当の体なのかとか、いろいろ五月蠅い高機能体重計もあるのかと思いました。
初夢のルート66走破 アネモネ
〇(瞳人)懐かしいですね、シクスティ・シックス!
◎(珠子)初夢も、ここまで壮大だとスカッとします。私の初夢は大勢の人がわやわや出入りしていて、今年も雑多なことに首を突っ込むんだろうなあと思ったのでした。
○(幹夫)新年早々初夢がルート66走破とは壮大ですね。さて、トランプ新大統領の行く手は?
◯(道人)アメリカ大陸開拓の道を横断とは、壮大かつアクティブな初夢ですね。
〇(まきえっと)ダイナミックです。
足音を暗闇を行く寒さかな 春生
川土手の真冬の緑歩く歩く 珠子
〇(宙虫)真冬の緑がもう少しの感はあるが、歩くのリフレインがほどよくいい。
○(あちゃこ)元気ハツラツ!真冬の緑が効いています。
雪かきや外国語ばかり勉強し ちせい
○(泉)外国語よりも日本語の勉強をするべきだ、と思います。
振り向くな枯れゆくも光抱く草 あちゃこ
一行は俳句スペース日記買う 多実生
◎(アネモネ)いいなあ。一年で365句。充実の日々ですね。
〇(餡子)すごいですね。一日一句ですね。365句できますね。三日坊主のわたしには無理ですが、めざしたいです。
○(珠子)365日後の日記が楽しみですね。私は5年日記を買ったので、365×5・・・。三日で終わりそうなのでやめます。
◯ (アゼリア) 下手な俳句を嘆いてばかりいても駄目ですよね。見習いたいと思います。
〇(まきえっと)こういう気持ちなれることが良いですね。
(選外)(道人)私も初めて三年連用日記を書いました。一日一句の願掛けもしました。でも天気と雑事の記載だけで余白もありません。
初詣で三日後のこと気に掛かり 仙翁
始めたる介護研修嫁が君 藤三彩
〇(瞳人)ネズ公じゃありません、君が嫁、いいですねえ。
昨日よりもっと遠くへ冬青空 ルカ
○(珠子)これは「歩く決心」ととりました。私も「歩く」のが目標で、今のところ「ちょっと」頑張っています。
◎(敏)無窮の青空のように、更なる高みを目差そうとする心意気が漲っていて、爽やかです。
○(ちせい)季語は「冬青空」。「遠く」が文字通りなのか、目標達成の更新なのか、両方なのか。
再会を果たさん恵方道歩む 敏
○(幹夫)如何なる再会なのかは想像の範疇、季語「恵方」が佳く詠まれていると思いました。
初春や挑んで見たき恋連句 道人
○(あちゃこ)小麦でやりましょう。ぜひ。
卦はいいぞ寒の卵のすくと立つ 瞳人
○(吾郎)茶柱が立つとか、なんにせよ気持ちと思い込みが大事ですなぁ。
一葉のしがみつきたる冬木かな 瓦すずめ
◎(仙翁)よくある景色ですが、頑張っている様子が、よく分かります。
○(春生)「しがみつきたる」という描写が優れている。
ぼんくらと言はれてうれし去年今年 幹夫
〇 (多実生) 私など何んと言われようと健康第一です。
冬北斗すぐに崩れる砂の城 まきえっと
〇(宙虫)いろんな世界のもろさを感じる空気感がいい。
ドラマチックに恋を手にする雪しぐれ 宙虫
〇(ルカ)私もかくありたい!
雑詠
罅入るを後ろに回す鏡餅 まきえっと
◯ (アゼリア) この柔軟性良いですよね。
○(春生)苦心していますね。滑稽味があってよい。
(選外)(道人)我が家でも同じです。罅入が黴入になり、結果勿体ないことをしました。鏡餅の宿命なのかも。
寒卵割り損なって口閉ざす 敏
○(ちせい)季語は「寒卵」。「口閉ざす」と言う措辞の確かさを思いました。
幻想のメタル黄緑雪が降る ちせい
◯(道人)神社仏閣の屋根色は青緑ですが、黄緑色のメタルとは何でしょうか?正しく幻想的で、しんしんと降る雪と適っていると思いました。
妻覆ひ被さつたあの阪神忌 瞳人
◎(藤三彩)阪神・淡路大震災から22年の1月17日、「夢でいい、妻に会いたい」の追悼の竹灯籠に火が灯りました
〇(仙翁)神戸からは少し離れていましたが、僕も思い出しますね。
○(敏)22年前のあの大惨事を体験なさったのですね。お二人ともご無事だったのでしょう。でも、心に刻まれた傷は、いつまでも癒されることはないと思われます。
(選外)(道人)22年前なのに昨日のような臨場感があります。素晴らしい奥様ですね。
さやあての恋の火花も初昔 アネモネ
歯車の合わぬ男と酌む年酒 餡子
〇(藤三彩)まだ対面して酒を酌み交わせる年越えなのだから羨ましい
〇(瞳人)男女問わず、宮仕えとは、そういうもの、そんな酒、どれだけ飲んだことか。
○(あちゃこ)どんな顔して?心中お察しします。喜怒哀楽さまざまな表情がみえる一句です。
初賽銭響きに神の不況知る アゼリア
○(泉)世の中、景気が良いのか悪いのか分かりませんが、神頼みです。
○(幹夫)世情が佳く詠まれていると思いました。
小寒や地球に生る人の数 あちゃこ
○(泉)地球の人口は増えるばかりです。そして、貧困層が増えてゆく。問題ですね。
○(ルカ)大寒でなく、小寒、がいいですね。
松過ぎの玄関の鉢並べ替へ 春生
〇(藤三彩)夫婦共に園芸好きだと喧嘩になる。さて、鉢を並べ替えたのはどちらだろう
焼芋の声に家内が走り出す 泉
○(幹夫)女性には焼芋がぴったりだということを上手に詠んでいると思いました。
孫帰る障子に残る穴二つ 多実生
○(アネモネ)二つくらいじゃまだまだおとなしいですねえ。女の子ですか?
○(珠子)孫という文字が入ると途端に甘くなりますが、その後ろの17文字に省略が効いていて惹かれました。
宅配の懐炉の癒しアイトウティ 藤三彩
鉄格子の奥の浴室冬の蜘蛛 宙虫
(選外)刑務所のタトゥーって画像に紋々の色蜘蛛が・・オタク系かも
〇(瓦すずめ)「外から鉄格子のついた窓を見ている。窓の向こうには浴室がある。鉄格子のあたりに冬の蜘蛛がじっと動かずにいる」という景色と解釈しました。浴室の窓に鉄格子を使ってるというのは、珍しくはない筈なのに、こうして言葉にされ、冬の蜘蛛と組み合わせることで、なぜか不穏な景色であるように思えます。
冬の海祖父の日記の走り書き ルカ
○(吾郎)昔の方は実に達筆。人間が伝わるよなぁ。
〇(宙虫)日本海かと思う。太平洋の冬ではなさそう。
〇 (多実生) 古い日記は昔話の裏付けや懐かしい思い出。私は日記は書いていますが処分します。
◯ (アゼリア) 夜のしじまに波音が聞こえてきます。
◎(ちせい)季語は「冬の海」。季語と内容の相性がいいと思いました。極めて感覚的にそう思っただけですが。
せうゆさしの詰まつてをるや木の葉髪 瓦すずめ
冬の雷山を浮かべて闇を裂く 仙翁
道なりに風や恵方の弁財天 幹夫
○(珠子)七福神詣されたのでしょう。今年の恵方は北北西ということですので、風も北風だったのでしょう。
半世紀動かぬ箪笥女正月 珠子
○(藤三彩)嫁入り道具に桐箪笥と言われてそのまま妻の座は動かじ
〇(ルカ)半世紀にリアリティーが。
◎(吾郎)薄暗い日本間で輿入れから動いてない雰囲気。いいなぁ。
〇(宙虫)どんと家の主になって女はたくましい。
〇 (多実生) 一度設置すると動かさないものの様です。私の家も同様です。
◯(アゼリア) 本当に半世紀があっという間でした。
◎(あちゃこ)箪笥に象徴される年月の重みと動かぬという言葉が響き合っています。
○(敏)半世紀の間には、人でも物でもさまざまな変化に見まわれるのが自然の有り様でしょうに、でんと動かぬ箪笥の姿。凛々しささえ感じます。そしてそれに、何事にも動じない主婦の姿を重ねてみたくなりました。
◎(春生)目の付け所が見事。季語も効いています。
◎(まきえっと) どっしり感がよいですね。季語も良いです。
(選外)(餡子)嫁ぐ時の花嫁道具のひとつだったのでしょう。嫁して50年。よくぞ持ちました。箪笥もふたりも。女正月が効いています。
(選外)(道人)どっしりとした手作りの箪笥に違いない。
飛び地まで新雪占し出待ち人 吾郎
友ありて十七文字の寒見舞い 道人
〇(瞳人)そういう友がほしいなあ。
○(吾郎)ストーレートな好感。
最近は寒さが厳しいです。広島市には雪が降りました。地球温暖化というのは、本当に進行しているのか疑問です。
こんなに沢山、評を頂いたのは、初めてでしたから。
稀勢の里が白鵬を負かした瞬間に似た熱さ、でした。
それと、22年前の17日も、今日みたいに寒い朝だったのを、思い出して凍えました。覆い被さっていなければ、わたくしの寝ていた場所に箪笥が倒れて来て、下敷きでしたから。