秋。
昔から、食欲、読書などなど。
いろんなことをするのが最適な季節。
さて、パラリンピックにテニス。
そして、プロ野球。
毎日、ニュースが盛り上がっていますね。
では、結果発表です。
着岸のレジャーボートに素風かな ちせい
○(泉)「素風」は初めて知りました。勉強になります。
御手洗に「洗心」の二字白露なり アゼリア
ふるさとや秋の海鳴り聴きたくて 道人
○(春生)帰省の時の作でしょう。島の海鳴りは懐かしいものである。
○ (多実生) 海鳴を聞いて育った作者の郷愁。私には海鳴の区別もできません。
○(餡子)懐かしい連絡船での帰郷かしら。村の水神様への祷りも空しく次の日は大荒れの海となったのでしょうか。こんな大荒れの海鳴りではなかったのですが・・・。
秋の海心の錨ほどけゆく ルカ
〇(まきえっと) 秋風とともに自由にさまよってください。「心の錨」が良いですね。
◎ (アゼリア)心の錨ー上手な表現と感心致しました。
◎(敏)澄んだ秋の空と海に取り巻かれていると、胸にわだかまっていた錘り(怒り?)が軽くなっていくような気がする、といった句意でしょうか。何と言っても「心の錨」に惹かれました。
○(ちせい)季語は「秋の海」。心理的な悪い澱も駆逐され心も晴れやかに
○(仙翁)心の錨とは、面白い表現です。
○ (多実生) 海を知らない私でも心の錨ほどけゆくは共感です。
○(泉)「心の錨」とは、微妙な表現ですね。
(選外)(道人)季語は動きそうですが、「錨ほどけゆく」が好きです。
夏の日や波の形に光る海 仙翁
○(アネモネ)「波の形に光る海」がいいですね。
○(瓦すずめ)波の形に光る、と言う言葉が素敵でした
○(餡子)荒れる波、穏やかな波、それぞれに海は語っています。
〇(宙虫)いろいろな想いを海にさらしている気分。
洗心や亀の口から秋の水 多実生
○(泉)情景を良く把握している、と思います。
御手洗に潮の香ぞする秋の風 春生
◎(幹夫)好きなリズムで詠まれている。
大海の夢をみる亀水の秋 珠子
〇(まきえっと)竜宮城を想像しました。
〇(とっきー)動きの鈍い亀が大海の夢を見ている。それはいかにもたいそれた夢のようだが、亀のDNAが、海への回帰を夢見ることで、遙かな先祖に繋がる謎解きのようで面白い。
◎(泉)作り物の亀を、生きた亀に見立てる。発想が良いと思います。
○(幹夫)御伽噺の世界に好感。
魚跳ねて秋が錆びつく町工場 宙虫
◯ (アゼリア)秋が錆びつくー汗だくで作業に取り組む町工場ではまだ秋を感じられないということでしょうか?はっきり意味がつかめませんでしたが、この表現にひかれました。
○(敏)「秋が錆び」ついた工場は、魚の加工場のようでもあります。人も加工物もまったく無くなった、廃工場のおもむきです。
◎(アネモネ)「秋が錆びつく」にやられました。
◯(あちゃこ)潮風に錆びついていく風景。秋が錆びつくがいいですね。
○(藤三彩)ボラなどが跳ねる港湾と工場地帯の取り合わせがなんとも言えない物悲しさ。
○(道人)微かに臨海工場群の名残りが見える。元気な魚がいる海の近辺には工場は成り立たないのかも知れない。「秋が錆びつく」が詩情豊か。
それぞれに船出待つ修羅秋彼岸 敏
◎(まきえっと)下関の海には修羅という言葉が似合います。
○(ちせい)季語は「秋彼岸」。それぞれの修羅が待つ船出。
◎(道人)修羅ばかりの港とは思えないが、修羅は誰にでもある人間の性。ただ「待つのは船出ばかりではなく、帰船もある」と呼びかけたい。読み手の勝手な呟きでした。
渡船場休暇明ければ人まばら 呆夢
願掛ける航海の無事八月尽 餡子
○(春生)航海の安全を祈願する気持ちは昔も今も変わらない。
〇(とっきー)航海に出るのは血縁者か、友人か、恋人か、ご無事でと祈る心の可憐さが夏の終わりと重なって儚い感じ。
○(泉)この神社が、案外と焦点になりました。
秋高し船に門司行・釜山行 アネモネ
○(春生)どこの船乗場かわからないが、 門司行・釜山行とイメージしたのはみごと。
○(ルカ)下関は、異国への海の玄関でもあります。
○(珠子)釜山行が効いています。シンプルですがさわやかな説得力があります。
◯(あちゃこ)’行き'でいいのでは?地方色が出ていて風景が広がります。
〇(宙虫)リズム感がよくて気持ちいい。
船上に拳突きあげ秋きざす 瓦すずめ
◯(あちゃこ)ん?何があった?歓喜の瞬間を船上で迎えたのですね。
秋澄むや名残の島唄潮に乗せ あちゃこ
○(呆夢)波の揺れと島唄の拍子が合いそうですね。
〇(とっきー)名残の島唄が潮に乗って追いかけてくる。さよならと言う一節があるのだろうか。
○ (多実生) 島唄潮の乗せが良いですね。
◎(瓦すずめ)島唄と潮と澄み切った空気と、素敵な光景です。
〇(宙虫)島中に聞こえる島唄な感じですね。
旅果てる妻の 笑顔と秋の空 アゼリア
○(藤三彩)普段は口もきかない夫婦なのに、観光して食べて旅を過ごせば少しは妻の笑顔があって欲しいところ。
うす昏れのわが町帰還秋の旅 瞳人
掌を浄めいる真上から蝉時雨 とっきー
○(敏)蝉時雨降る手水場の光景が、ありありと見えてきます。
○(仙翁)よくある光景のようですが、うまく表現されています。
澪標逢いに盆東風の水脈を航く 藤三彩
○(道人)「澪標」が良いですね。どなたに逢いに行かれるのでしょうか?ご先祖様ではなさそうです。しゃれっ気に共鳴しました。
青空やクレーンの灼ける造船所 泉
◯ (アゼリア)クレーンのあるのは造船所なんですね。旅先で日常の生活を見るっていいですよね。
○(ちせい)季語は「灼くる」。暑い日々、クレーンも灼けて。
◎ (多実生) 昔、造船所向けの電気溶接機の製造工場にいました。クレーンの灼けるが良く効いています。
○(瓦すずめ)中七の言葉に力強さを感じました。灼けるで空が晴れていることはわかるので、上五は青空でなくてもいいのかな、と思いましたが、それでも、青空の下にある灼けたクレーンと言う力強さは印象に残ります。
○(幹夫)灼熱の夏が佳く詠まれている。
葉月潮波の後ろを波がくる とっきー
○(敏)波の後ろに波が来るのはあたりまえですが、それを五七五に叙したところが手柄でしょう。リズミカルなところが良いですね。
○(仙翁)確かに、波が次から次とやってきますね。
○(ルカ)葉月潮が関門の風情を醸し出しています。
○(アネモネ)「波の後ろに波がくる」がいかにもです。
○(珠子)波の様子を言いえて妙。
○(道人)「波」のリフレインが、季語「葉月潮」と嵌っている。調べも良い。
新涼の波音をきく足のうら 敏
〇(まきえっと)波音を聞くのが「足のうら」という発見が良いです。
◯ (アゼリア) こちらまで涼しくなるような爽やかな句と思いました。
○(呆夢)鳴き砂があるのでしょうか?想像が広がります。
○ (多実生) 波音が作者を海に誘っていますね。
○(ルカ)さわやかさを足裏に感じます。
○(瓦すずめ)足の裏に波音が伝わってくる感じを描写されたのが素晴らしいと思いました。
○(珠子) 舟底の波音を聞いているオレの足裏。詩人ですね。
◯(あちゃこ)船の床板を通し、全身の感覚を研ぎ澄まして秋の海を体感している。うらは、裏の方が句が締まる気がします。
○(藤三彩)三尺寝のまどろみかもしれない、暑い夏をやり過ごせた安堵が伝わる
天高し手提げかばんのかるきこと 瓦すずめ
◎(仙翁)何となく、寅さんを思い出しました。
○(ルカ)軽やかな旅の空の下。
〇(宙虫)この時期、よく見かける句ではあるが、やっぱ秋ってことですね。
(選外)(藤三彩)こう台風や雨雲の日が続くと、秋晴れの爽快感が欲しいと思う。
安芸暮て沈む鳥居や葉月潮 幹夫
◎(呆夢)潮と鳥居の組み合わせがいいです。
○(瓦すずめ)夕方の秋の宮島の描写がいいなと思って撮りました。
○(藤三彩)安芸ノ宮島の鳥居と言えば根元は海中に埋められているのではなく自重で浮かんでいるそう、台風の被害がありませんように。
(選外)(道人)写真の手水舎は厳島神社?平家伝説の雅と滅びを葉月潮の流れに任せて辿ってみたい気がする。
夏空に連絡船の赤き女 仙翁
白波や台風近づく音しきり 呆夢
○ (多実生) 打ち寄せる白波も台風の影を意識すれば不気味です。
○(餡子)私は、台風の来る海を知りませんが、恐怖でしょうね。暗いとなおさら。近づく音が、リアルです。
炎天や離島を巡る医療船 泉
〇とっきー)無医村、医者のいない島暮らしにとって、船で訪ねてくれる医者や介護士さんの訪問はどれ程心強く、待ち焦がれるものか知れない。
○(アネモネ)「炎天」がいいですね。
○(藤三彩)『海の上の診療所』という瀬戸内の巡回診療船「済生丸」をモデルにしたTVドラマを覚えています。大変なお仕事です。
〇(宙虫)暑いけど、おだやかな景色のなかにある生活ですね。
大草鞋仁王を伴の秋の旅 瞳人
秋空を海に映して島の旅 多実生
◎(とっきー)俳句の王道のような語り口。こういう外連味のない俳句が好きです。
○(仙翁)単純な表現ですが、光景が浮かびます。
○(アネモネ)島の旅やってみたいですね。
○(幹夫)島から見る秋空と光る海の景が伸びやかに詠まれている。
寝不足に大魚のまどろみ鱸(すずき)釣る 藤三彩
手水から神が舟出をする九月 宙虫
◎(ルカ)関門のあの辺りは、まさにこの感じ。
◎(珠子)私も、手水の水と海を結ぶ句を作りたいと逡巡したのですが。「神が舟出をする」にはなるほど!と。想像力が違います。
◯(あちゃこ)発想の面白さとオリジナリティに惹かれました。
○(道人)9月は微妙な月ですね。出雲には早過ぎるが、この「舟」ならば風向き次第かも?
海峡を望む水神秋澄めり 珠子
〇(まきえっと)安全祈願でしょうか。爽やかさが伝わってきます。
○(春生)写生句として成功している。
◯ (アゼリア) 海難のないように見守ってくださっているのですね。
○(敏)素直な叙景句。「秋澄めり」の斡旋が素晴しい。
○(餡子)海を守る水神様。どうか、ふねの安全をと、祷らずにいられません。3枚をうまく組み合わせています。
赤心の八月了る波白し 道人
御手洗の水は空つぽつくつくし アネモネ
○(ちせい)季語は「つくつくし」。詩を感じました。仏教的な意味合いも。
○(敏)どことなく笑み零れそうな作品。水涸れを(つくづくと)言い止めているのでしょうか。
○(幹夫)御手洗と法師蝉とが心地良い取合せで詠まれている。
海底に沈む伝説涼新た まきえっと
◯ (アゼリア)伝説〜なぜかわくわくして想像を掻き立てられます。
○(春生)想像力をフルに使った作品。
〇(とっきー)伝説、多分悲恋物語だろう。さもなくば、浦島伝説のようなろーまん溢れるお話だろうか。
○(アネモネ)あのあたりは伝説いっぱいあるんだろうな。
○(珠子)昨今の天気情報はすごい。防災放送で大雨警報が出たとたんに篠突く雨。スマホにも警戒音と警戒情報が。しかし昔の海難事故には伝説がつきものだったのでしょう。
◎(あちゃこ)島国日本の未来は?平和の中の不安が沸々と湧いてきました。永遠に変わらないことはないのですが変わらない風景を残していきたいなぁ。
○(幹夫)季語「涼新た」がいい雰囲気を醸し出して詠まれていると思いました。
◎(餡子)神社がそばにある港なんでしょう。あるいは、復興まだならない津波に襲われた港でしょうか。季節は巡り、海底に多くの御霊が眠っている。伝説となって人々の心にのこるのでしょう。切ないです。3枚から想像がうまくつながっています。
石亀の守る手水や島の秋 春生
○(呆夢)具体的な秋も知りたいですね。
つくばいの模造の亀よ水澄めり ちせい
島巡る朱印帳はや秋の色 あちゃこ
○(珠子)海と手水の写真から、島巡りの朱印帳を持ってきた想像力には脱帽です。
束の間の幸せ抱く秋の空 幹夫
青北風や平家の夢の波の音 ルカ
〇(まきえっと)夢の波の音がいかにもです。
◎(春生)「平家の夢」を得たのが手柄。
○(呆夢)「の」がたくさんあるので、いろいろ変えてみては楽しんでいます。
○(泉)「青北風」という季語は、初めて知りました。勉強になります。
(選外)(道人)関門海峡の風は荒い。平家の夢が波に散って八百三十年年余。長いようで短いような。
秋遍路凪ぐも荒るるも海の貌 餡子
○(呆夢)心の持ちようでしょうか。
○(仙翁)これから、お遍路さんが増える季節でしょう。
◎(ちせい)季語は「秋遍路」。「海の貌」と言う断定小気味良いと思いました。
○(ルカ)個性的な取り合わせ。
○(瓦すずめ)遍路したときの達観した気持ちが伝わってきます。
◎(藤三彩)山中から海の見える峠へと出て、お遍路さんが見る光景は大海原も「同行二人」なのでしょう。
◎(宙虫)遍路にぴったりの世界です。
○(道人)大自然と一体となった信仰心の篤い「遍路」姿が眼に浮かんで来る。 「海の貌」の止めが佳い。
宙虫さんにとっては25年ぶりのそわそわの中、取りまとめありがとうございました。
今夜はNHKですね。
今後とも、よろしくお願いいたします。
昨夜は、広島カープが25年ぶりに優勝しました。私は最後までテレビ観戦をしていたのですが、広島は完勝でした。今後は日本一を目指して欲しいものです。