つづき
冬山の断崖路線バスの旅 仙翁
〇(アネモネ)緊張と体のこわばりが伝わってきます。
〇(瞳人)おお怖い、チュウ国のバスです
〇(泉)恐怖のバス旅行です。
山越えて来る宅配便冬温し 餡子
〇(春生)心境の映像かもしれませんね。「冬温し」が生きています。
〇(カンナ)季語が適っていると思います。
マスターの黙は寒中消へゆけり 卯平
〇(仙翁)沈黙が消えるとは、面白いですね。
匿名でゐたき故郷の枯野原 めたもん
◯ (アゼリア) 都会の良さは無名でいられるところですよね。お互いに知り尽していて、時に故郷は窮屈な気がします。
〇(楊子)故郷はなつかしいだけではない場所だ。はらからも友人も営みも複雑に絡み合って存在する。
〇(餡子)どうして匿名で居たいのか?などと考えても仕方ないこと。意味深で心に引っかかる句です。
〇(あき子)故郷へのちょっと複雑な心境が、枯野原に重なります。
〇(仙翁)匿名で、そんな雰囲気になることありますね。
〇(まきえっと)「匿名」かぁ。教えたくないのでしょうか。ヒミツ。
〇(宙虫)故郷に立っていたいが、自分の存在を誰にも教えたくない。故郷に対する複雑な想いが伝わる。
配送のおとこは猫背冬残照 宙虫
◎(楊子)猫背のおとこと冬残照がなんとも響き合っている。生活のための労働は尊い。
〇(餡子)何の配送なんでしょうか。これも又一枚の画になりそうな句です。
〇(卯平)配送は男ばかりではない。しかし敢えて「おとこ」の配送員へ視点をあてるのは今の現実を反映させているからか。冬残照必ずしも景が浮かぶ訳ではない。
◯ (アゼリア)私も猫背なのでついいただきました。
竹山の向こう竹山日差し伸ぶ アネモネ
〇(アダー女)段々日脚が延びて少しずつ春が近づきつつある感じですね。
〇(あき子)向うの竹山まで日差しが伸びて、その日差しの揺れる景が見えるよう。
〇(宙虫)光と共にひろがる竹山の景色。田舎では竹の処理に苦慮しているところが多いけれど。
車中泊車窓を叩く雪女 アゼリア
〇(楊子)車中泊もながくなると幻影が見えるようになるらしい。あり得るかも。
◎(アネモネ)怖いような嬉しいような!
〇(カンナ)ファンタジーの世界ですね。省略が上手いと思います。
〇(泉)イヤー、驚きました。
〇(珠子)その先の展開をどちらに考えて句にしたのかがとても気になります。+?−?
〇(春生)ちょっと怖い話。素晴らしい完成度です。
〇(アダー女)トラックの中で一夜を過ごしている男の夢ですね。
〇(仙翁)大雪ですね、雪女が出てきそうですね。
〇(あちゃこ)上五は省略可とも思いますが、雪女で頂きました。雪女も悴むほどの極寒。
〇(ちせい)リアリティーが出ていますね。助けてと言っていたのかもしれません。
〇(藤三彩)車中泊はしたくない
下水管の腐食が進む寒い街 泉
〇(藤三彩)埼玉県八潮市の陥没事故。他人ごとではなさそう
春よ来いカーブの先もな〜んにも無い アダー女
〇(カンナ)発想が良いと思います。
〇(まきえっと)春を待つ気持ちがよく出ています。
開館は十時春きゃべつ目指す 楊子
〇(餡子)道の駅でしょうか?朝採りの瑞々しい春キャベツなんでしょう。売り切れないうちに・・・。作者さん、買えましたか?
〇(アダー女)私も主人がいた頃は、三浦の春きゃべつを買いに朝早く大型農産物直売所に車で行き、やわらかい春きゃべつをいくつも買い込み、あちこち配ったりしました。ほろ苦く懐かしい想い出です。
寒林を抜けて大きな星と会ふ 幹夫
〇(珠子)「大きな星」というシンプルな文字・言葉がかえって印象的でした。今までで一番大きな星の記憶は、数年前、吟行時の明けの明星。本当に星なのか何度も確認しましたっけ。
〇(卯平)平明な中に臨場感がある。特選を迷った句。
◎(めたもん)寒林を抜けたところに星が見えることが、下五になって分かる、夜の寒林という意外性。そして、星の見える寒林という異質で大きな景が最後に広がります。
◎(あき子)写真の雰囲気をよく捉えて、且つ作品化できていると思いました。
〇(春生) 無駄のない研ぎすまされた描写です。
〇(あちゃこ)星への展開に類想はありそうですが、景がくっきり。
〇(ちせい)星との邂逅。自分が求めていた星だったのかもしれません。
◎(宙虫)大きな星が意外な実感を連れてくる。そして冷たい空気から少し解放された瞬間かもしれない。
賞味期限切れた納豆冬の朝 カンナ
〇(瞳人)いやあ、味は変わりませんよ
〇(藤三彩)冷蔵庫の中に3個一パックの残りがよく転がっています。
立春の薄暮を纏う釣堀場 まきえっと
老骨の猛き眼差し国凍つる あちゃこ
〇(めたもん)上五、中七の「老骨」「猛き」という硬質の言葉の選択が魅力。同じ質感の「国凍つる」という季語(のバリエーション)も的確。
水仙を飾り遠距離運転手 春生
〇(アネモネ)長距離ドライバーの繊細さが伝わってきます。
〇(餡子)知り合いのお子さんも遠距離運転手です。疲れるようです。でも、花を飾る・・それも水仙・・・。優しい心根が嬉しいです。
◎(瞳人)リンドバーグは小さな蝿が連れでしたねえ
〇(卯平)運転席に水仙を飾っている遠距離運転手は、トラック野郎か、それとも長距離バスの運転手か。何方にしても運転手の優しが伝わる。運転手が女性では「水仙を飾り」は凡。「水仙」と言う季語から得るのは優しい男だろう。
〇(まきえっと)心がホッとします。事故に気を付けて。
〇(あちゃこ)意外性がいいですね。
〇(ちせい)遠距離を慰めてくれる花。飾りとしての水仙に季語の真髄があるような。
能登へ貼れこの冬晴を引っ剥がし 珠子
◎(春生)本当にこの冬晴れを能登の空に貼り付けたいですね。
〇(あき子)引っ剥がしの勢いが快い。なんだか申し訳ないような冬晴がつづきます。
〇(アネモネ)ほんとほんと!得心です。
〇(幹夫)「引っ剥がして貼る」という発想が佳い。被災地の早期復旧、復興を願う。
〇(瞳人)早く、春あるよ、こい
あてどなき一月白雲十字切る 藤三彩
◯(道人)この一月は松明け以降なのか、正月もう含めてなのか。白雲に十字を切らせたことに漂流者の思いが込められている。
◎(あちゃこ)写真からの発想が見事。十字切るは想定外。祈らずにはいられない思いが伝わる一句。
◯ (アゼリア) 時々世界も、日本も私も、何処へ行くのか心細くなります。
春待つや飛行機雲の幾重にも 道人
〇(楊子)写真の描写そのもので素直に詠んであるところが心地よい。
蛤つゆの酒は温めに季うつり 瞳人
冬の池魚類の餌と亀の餌 ちせい
〇(あき子)池の端に餌が分けて置かれている、それだけなのに惹かれます。
今月の写真
熊本県山鹿市・・・冬の夕暮れ迫る「道の駅鹿北 小栗郷」
※この句会は「麦」の句会のひとつとなっています。
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常連の方は再度確認の上、参加願います。
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広島は厳しい寒さが続いています。珍しく雪が積もりました。雪国の暮しは想像も出来ません。そろそろ寒さもピークを過ぎたようで、春が来ますね!