こんばんは。
4月になって、どうしちゃったんだろうというぐらい、通勤電車が混んでおります。
では平成最後の結果発表です。
兼題:歩
歩み行き連翹の黄に犬走る ちせい
ここからは自由な歩幅春の雪 まきえっと
○(幹夫)まだ誰も踏んでいない春の雪。踏み始める足跡は自由に広がる。
営業にともかく歩け新社員 泉
○(アネモネ)現役時代を思い出しました
〇(藤三彩)そういう靴底を減らした時代がありましたが、ITとかAIの今はどうだか
○(春生)4月は新入社員にとって、大変な月です。まず、歩くことから、ですね。
嬰児の歩行器婆の歩行器暮春 餡子
○(泉)老いると幼児に返る、という事でしょうか。
◯ (アゼリア) 確かに父も祖母も晩年歩行器のお世話になった事がありました。老いて歩行器のお世話になる場合には、暮春の季語がぴったりと思いました。
花あけび手ぶらで歩く結婚記念日 宙虫
○(ルカ)結婚記念日、そんなものかも。
さくらさくら散るよ歩兵の数ほどに ルカ
〇(宙虫)桜についてまわるイメージ。もうどれだけ詠まれたのだろうか?そんなことも思う。
○(泉)意味深と言えば、意味深な俳句ですね。
◯ (アゼリア) 静かで綺麗な反戦の句と思いました。
○(幹夫)軍歌「歩兵の本領」を思い浮かべます。
○(あちゃこ)歩兵とは!連想の妙。
○(餡子)私の父も中国、沖縄で、戦わされた歩兵でした。骨はありません。摩文仁の「平和の礎」に名前があるのみです。
二歩前進一歩後退五月病 道人
○(アネモネ)今思えばあの頃の気鬱がそうだったんだなあとも
〇 (多実生) 新社員や新入生は新しい環境。十連休で一息入れ頑張ってほしい。
○(泉)五月は新人には、心身ともに疲れる季節です。
外つ国の地を踏む一歩若葉風 春生
春驟雨北条終焉の地歩く 瞳人
○(ちせい)季語は「春驟雨」。関東地方の覇者も兵どもが夢の跡。
声高に少女ら闊歩夏近し アゼリア
○(餡子)西東三鬼の句「おそるべき君等の乳房夏来る」を思い出しました。
丹精の花を左右に歩く春 多実生
道連れは鶯の声神の庭 あちゃこ
〇 (多実生) 茨城県北部の男体山で、鶯の鳴き声が可成り長い道のりを一緒に下山。人間について来る事を体験しました。
花は葉に気負わぬ競歩日本新 藤三彩
二歩禁じ起因円位忌人気負に 吾郎
○(餡子)将棋がよくわからないのですが、孫にせがまれてやるのですが勝ったことがありません。先の読めない脳です。もう平安時代には盛んにやられていたのでしょう。勿論西行も旅をしながら楽しんだにちがいありません。
平成の歩幅残して八重桜 幹夫
○(敏)わが家の周りでも、染井吉野に替わって八重桜が満開に近くなりました。「歩幅」には、「平成」が「令和」に替わるのは、あとわずかだといった意味を持たせているのでしょう。
◎(吾郎)狭かったような…パンチドランカーのような足跡を振り返ると。
○(ルカ)八重桜がいいですね。
○(あちゃこ)30年の日々の歩みへの思い。平成もあと7日で終わります。
〇(まきえっと)平成が終わることを意識していませんでしたが、ここに来て何でも「平成最後」とよく言う自分がいます。
(選外)(道人)今年の八重桜は、正しく平成の残り数歩を惜しんで咲いている感じ。
歩道橋の確かな撓み花は葉に アネモネ
○(仙翁)歩道橋が撓みはしないとは思いますが、ありそうですね。
◎(宙虫)「確かな」が少しひっかるところだが、あの揺れぐあいに少々の不安、そして力学的に大丈夫だと不安を打ち消すそんな気持ちが出ている。
◯ (アゼリア)確かに撓んでいるように感じることがあります。錯覚ですか?
◎(珠子)きっちりした叙景、無駄のなさに惹かれました。
◎(まきえっと)飯田橋の歩道橋を渡るたびに感じます。「花は葉に」が合っています。
万歩には足らぬ百歩を青き踏む 敏
◎(春生)最後の百歩、楽しみですね。
○(仙翁)万歩に足りぬ百歩、面白いですね。
木歩の碑花びら散らす鳥の声 珠子
〇(藤三彩)富田木歩(とみたもっぽ)なる身体不遇の詩人を知らなんだ。関東大震災に遇う隅田公園に終焉の地の碑があるそう
○(敏)関東大震災に遭い、足が不自由なため、逃げ遅れて焼死した若き俳人富田木歩の碑に涙のように注がれる花びらと鳥の声、視覚と聴覚共に印象的です。
◎(ちせい)季語は「花」。鵯や椋鳥を想起しました。富田木歩の鮮烈さ。
選外(吾郎)木歩の碑って隅田公園にあるんだなぁ。
野良猫の歩みを止める花吹雪 仙翁
○(泉)五月は新人には、心身ともに疲れる季節です。
○(吾郎)野性の勘か、いい瞬間。いい春寒。
〇(珠子)我が家の庭にも二匹の野良猫が毎日巡回にやってきます。足を止めては蝶を眺めたり鳥を眺めたり。花吹雪を見上げる猫は絵になります。
(選外)(道人)同じような景に出会いました。野良猫は詩人のようでした。
テーマ:集団
遍路笠連なる古道小糠雨 あちゃこ
◎(藤三彩)雨の中を歩くのは嫌とか言ってられない、皆さん堅固で強い信心をお持ち登頂を拓いた役ノ行者は凄い人
○(春生)遍路の黙々と歩んでいる情景が目に見えるようです。
○(仙翁)四国でしょうか、いろいろな思いのお遍路さんでしょうね。
○(敏)近頃はバスを連ねての巡礼もあるそうですが、一句には昔ながらのスタイルで古道を歩くお遍路さんの姿が見えます。
◯ (アゼリア) 私もいつか早世の姉の供養に巡礼に出たいと思っています。小糠雨にお遍路さんの気持ちがよく表現されていると思います。
葱坊主団塊世代の連み癖 アゼリア
○(泉)昭和は遠くなりにけり・・・。
○(ルカ)確かにそうです。
○(あちゃこ)確かに確かに。そんな感じですが、連むのは嫌いじゃありません。
(選外)(藤三彩)2040年の団塊世代の未来は。つるんで消えゆくのだろう
(選外)(道人)やんちゃな団塊世代を葱坊主に譬えて俳味あり。
入学児身幹順に前倣へ 幹夫
卒業す進学組と就職組 泉
○(幹夫)夫々、各々に幸あれ!
(選外)(道人)夫々人生の分岐路とはいえ、何十年経っても同窓生。
川面占め群れ咲く菜花風疾し 仙翁
○(ちせい)季語は「菜花風」。春疾風など別の季語も思い浮かびました。
春闌るポケモン探しの男たち 餡子
〇(宙虫)男というより「おじさんたち」がやってますね。
○(吾郎)年齢職種の違いを観ると結構面白いしその集中力たるやすごい。しかし…まぁ平和な風物詩。
みんなして越えよ国境鳥雲に 敏
〇 (多実生) 渡り鳥は集団の行動の象徴です。
集団は暴徒と化すか山桜桃散る ちせい
桜舞う中を部活の走り過ぐ 多実生
○(アネモネ)いいなあ。青春感横溢!
〇(瞳人)いい景色ですね
○(春生)部活の子たちの掛け声が聞こえてくるようです。
○(餡子)丁度、今頃でしょうか。1年生の新部員の新しいユニフォームが、初々しいですね。
〇(まきえっと)青春、まっさかり。
五月祭喧嘩いかん警察が碁 吾郎
〇(藤三彩)梁山泊の寮学生が目に浮かぶ
〇(宙虫)仲良くしよう。ゲームで熱くなるとけっこう喧嘩ごとになってること多い。地域の祭りに警察が用意した碁会所なんだろう。
◎(泉)警察が囲碁をしているのはマズイですね。
◯(道人)東大紛争後の五月祭ですね。色んな大学が勝手に参加して、やりたい放題。警察ものんびしていたような。
群れなさず寂しがらずに亀鳴けり 道人
〇(珠子)理想ですね。この季語はこういう時に使うのかあと。
春ショールひとりぼっちの群れのなか ルカ
〇(道人)「ひとりぼっちの群れ」の孤独感と「春ショール」の明るさの取合せが佳いですね。
学ランに馴染まぬ背幅桃の花 珠子
○(アネモネ)高校に入学したころは前から三番目くらいだったので背幅が広い連中がまぶしかった
◯ (アゼリア) 確かに入学式の時皆ブカブカの学ラン着ていますよね。
○(ちせい)季語は「桃の花」。これからの成長も加味してのサイズで購買したのでしょう。
海女小屋を弾けんばかり声美し 春生
◎ (多実生) 海女は命懸けの過激な作業です。半面小屋でのレラックスぶりが垣間見えます。
春は花組ラインダンスの足揃う 藤三彩
◎(アネモネ)いやあ参りました。舞台上の掛け声まで聞こえてきます
◎ (アゼリア) 宝塚行きたくなります。目に浮かびます。
○(餡子)先日宝塚新入生の入学式をテレビでやっていました。2年間修行して、あの舞台に立つときはかんどうでしょう。足が揃いますように。
花見つつ忘じ難きは大和の忌 瞳人
○(敏)戦艦大和が沈んだのはたしか四月頃だったと思います。平時であればまさに花見の季節。「亡じ難」く思うのは、日本人であればこそでしょう。
○(あちゃこ)大和の忌という捉えかたがあるのですね。
すいかずら観光バスのバック音 宙虫
○(ルカ)バスのバック音、響きます。
〇(珠子)このシンプルさが好きです。季語は動くと思うのですが「すいかずら」は意外でおしゃれ。
同じ車両目掛けるスーツ朧の夜 まきえっと
あたたかし鯉が餌に寄る杖に寄る アネモネ
○(幹夫)素敵なリズムと景ですね。
(選外)(道人)いかにも春ですね。「寄る」のリフレインが巧い。
雑詠
春北風雲韋駄天のごとくなり 敏
○(吾郎)雄大。好きです。
大臣の失言あれど花見かな 泉
〇(藤三彩)過去形ではなく次から次へと現在進行形。やはり増税は止めた方がいいんじゃないって!
球場にミスター癒えし春の宵 瞳人
〇(藤三彩)あの長嶋茂雄が北野武に似てしまうおいたわしい姿
飛花霏々と落花はらはら時過ぎゆく 道人
○(春生)リフレーンが効果的に使われています。
冬物を仕舞い切れない季の動き 多実生
〇(瞳人)変な季節ももうお別れです
ジャスミンの絡まる漁港のちに雨 宙虫
レガッタの声真つ直ぐに澪二線 幹夫
◎(瞳人)わが艇は桜ノ宮・大川で殿でした
◎(仙翁)非常に分かりやすい光景が目に浮かびます。
○(吾郎)春ですね、勢いがいいやね。
◎(あちゃこ)まさにその通り。明るく爽やか。
〇(まきえっと)清々しいです。
たけのこの鼓動を探る朝かな 仙翁
〇(瞳人)耳に聞こえるかしら
〇(宙虫)朝採りのタケノコがたくさん売られている。それだけに下五が少々物足りない。
○(吾郎)足の裏のセンサーたるや。
○(ルカ)中七がいいですね。
○(ちせい)季語は「たけのこ」。擬人化と言うのか、筍の新鮮度を探っていたのでしょう。
◎(道人)下五を同じ音の「明日」と読み替えてみたが、筍堀への期待が伝わるだけ。「朝」でこそ筍の生命力が伝わる。
〇(珠子)地温が高くなると筍の鼓動も高くなるのでしょう。土から出る直前の筍を掘り当てた作者の鼓動でもあります。
〇(まきえっと)足の裏から聞こえてくるのでしょうか?
摺り下ろす尼のたけのこ根を団子 藤三彩
利己の花筏気高い名は残り 吾郎
春草を揚ぐるに薄くする衣 餡子
花曇白衣の少女通り過ぐ ルカ
石仏の微笑みの先すみれ草 あちゃこ
大いなる変身蝌蚪の羨しかり 春生
〇 (多実生) お玉杓子の変身は目を見張ります。でも蛙で全う出来るのは極僅かな様です。
蝶の舞う軽さ花びら散る重さ 珠子
○(アネモネ)観念的で解釈に難しい処があるけれど挑戦の意欲がなかなか
〇 (多実生) 軽重の対象と比較が面白い。
○(仙翁)蝶の軽さ、花の重さ、面白い比較ですね。
◎(敏)蝶と、おそらく椿か牡丹の花びらを軽重で比較した点が、新鮮に感じられました。
◎(ルカ)軽やかなものと沈みゆくものの対比がいいですね。
◎(幹夫)捉え方がとっても面白い。
〇(道人) 生命の軽重は問えないけれど、「舞う」のは軽く「散る」のが重いのは納得。見事な対句です。
〇(まきえっと)取り合せがいいですね。大切に生きましょう。
榊絶えぬ小さき祠や初燕 アゼリア
墓に来て墓と酌みをり桜冷え アネモネ
〇(瞳人)わがおやじも、好きで好きでしたから
○(春生)死者との会話も弾むことでしょう。
○(仙翁)懐かしい人と酌み交わすのは、いいでしょうね。
○(敏)生前でも今と同様に、花の元で酒酌み交わしていたのでしょうね。墓に眠る人と詣る人との親密さがうかがえます。
"○(ちせい)季語は「桜冷え」。墓参と言う季語も思い浮かびますが、墓に親しみを
感じているのかもしれません。"
○(あちゃこ)乾いた情緒に共感。
◎(餡子)よくわかります。きっとお酒のお好きな方だったのでしょう。思い出話をしながら、ちびりちびりと・・・。そういえば、徳利が墓石になっている人がいましたよね。小原庄助さんでしたかね
〇(道人)「墓と酌みをり」の措辞が心にしみる。
春の川赤色灯に音は無し ちせい
〇(宙虫)赤色灯が何なのかは描かれていないが、おぼろな春の景色の中に溶け込んでいる赤が印象的。
次々に生まれる疑問しゃぼん玉 まきえっと
○(幹夫)シャボン玉ってそんな感じ。
◯(道人)しゃぼん玉に疑惑が次々と生まれる、とは面白い。そういわれるとしゃぼん玉の虹色には謎が一杯。人間社会も同じかも。
〇(珠子)どんな傾向の疑問なのかわからないのが少し不満ですが。「疑問」で切るのかもしれませんが、シャボン玉ひとつひとつが疑問の玉となって飛び出すとすると爽快!
次回をお楽しみに。
もう四月も終わりで、しかも天皇陛下が退位とは!広島カープは開幕以来、低迷していましたが、最近やっと目覚めたようです。巨人も強いし、今年は面白くなりそうです。金持ちの巨人と、貧乏な広島カープ。カネだけでは勝てない・・・?