福島県で最後の独りとなった「鋸鍛冶屋」をDVD記録で残そうと、県の依頼での取材を受けた。
数多い工程の内、ほんの僅かしか要望に応える事は出来なかったが、自分でも実際には見たことが無い事を
遊び感覚でやってみた。
ほぼ 同じ幅に切断した鋼材を3枚(3本)用意した。
刀を焼入れするように、炭火をタップリ作り、3本の鋼材を約800度に焼いた。
1) そのうちの1枚は、炭火から取り出して脇に置いて自然に熱を冷ました。
残りの 2枚は 火箸で挟み、炭火から取り出し、素早く冷却油に挿入した。
これが <焼きいれ> 行為。
2) 焼入れを終えた内の 1枚は そのまま自然に熱冷まし。
3) 残りの焼入れした 1枚は<もどし> 処理をした。
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上の写真
左から (1) 、中央が (3) 、 右が (2) 。
800度に焼いて放置した(1)は 生状態で、両端を持って曲げると、写真のように曲がったままで
戻ろうとはならない。
もどし を施した(2)を、金床の端っこを使い鎚で叩いてやると写真のように曲げることが出来る。
これが出来ることで、 目立ての「アサリ出し」が可能になる。
さて、 焼入れをしたままの (3)を金床の平らな処に置き、鎚で軽く叩いただけで写真のように
バラバラに粉砕する。
いくつもに分かれていますが、叩いたのは 一回です。
取材陣は一斉に「おぉ!」と声をあげました。
その反応を見て「期待通り」と喜んだのが、私でした。