会津の鋸鍛冶屋です。目立てを習得して頂きたく、Youtubeに目立て関係の動画をアップしています。お目通し下さい! 

目立てを身に付けたい方に仕事場にて実習支援しています。勿論、無料。
メールからの日程調整を致しましょう。

落札した大鋸は、近江の鍛冶屋さん

2019年07月20日 13時36分43秒 | #のこぎり 再活用

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ヤフオクから落札した大鋸

銘が特徴的な「二・右・門」。裏は「江・深川」と見える。

   

本目立てを済ませてオークションサイトに出品する前に調べてみた。

いい資料があった!

10年ほど前に、京都の津川造園さんから送付されてきたプリントです。

「町家発 ほんまもん会」関りで入手されて、私に送ってくださいました。

明治35年 近江國甲賀郡・前挽鋸製造業組合に所属する業者 として

13の 作銘が記されています。 著作権が絡むと思いますので写真は無しとします。

 

全てが細かく浅い タガネ使いで、文字を大きく切ってあります。

刻印で・・登録商標、銘が鏨で 二右門。下に 山二元と刻印打ち。

鍛冶屋名は 利田仁右衛門 。 

この大鋸を仕上げるべく、最初の工程「ヒッコキ」をすると ?

確認のために、ゆっくりと二度三度。

ヤスリ付きが良くない。という事は、刃物としては 良い !

刃先だけを硬く焼き入れをしてるのは、間違いないだろう。

  

上左は、表面サビ落としの為に、軽く鑢を使った光り具合。

先に目立てを施した人が、硬い刃先よりも柔い部分を多く減らした根拠で光っていない部分が。

右の写真は、見づらいですが目立て終了後で、刃先部分の光り方が異なっている。

 

面白いです! 楽しいです! 有難い! です。

早速、出品したが 果たして活用する人の眼に触れるか?

 


「会津手語り」が、民報出版文化賞を受賞!

2019年07月19日 13時14分17秒 |  #鋸

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中屋伝左衛門も取材対象になった、写真家・赤沼博志氏が出版した

「会津手語り‣鍛冶屋編」が、

第42回福島民報出版文化賞の、奨励賞を受賞 !

朝刊紙面に見慣れた、顔写真が載っている。

脇に眼を遣ると会津手語り・・・」。間違いないっ!

 

優れた出版物を顕彰し、出版会文化の向上を目指すべく創設されていた。

 

直ぐに電話を掛けたが、繋がらない。

多くの方々からの電話・メールの対応に追われている事だろうと、

気を伺いながら大鋸の目立てに時間を移した。

 

そして 三度目 ! 懐かしい・清々しい声が応じてくれた。

おめでとうございます!」で、すべてが通じたようだ。

 

別れ間際に「8月に K氏が訪れる」と。

 

 

過日、東京から山内氏が来宅され、助左衛門鋸について語り合うことが出来たが

こんな私との再開を望んでいらっしゃる。

K氏と山内氏が同席したとしたら、何かが生まれるだろうか?

共に遠来となる、両氏の初対面は意義あるものに成りえるか?

梅雨明けの夏の気温は如何なるか?

 

しばし、状況を見る事にしよう。

 


手挽き鋸を、好んで

2019年07月18日 11時43分50秒 | #のこぎり 再活用

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機械は機械、自力は自力。選択は自由。どちらも活かそう!

京都の Tさんの立派な仕事場。

 

ここで会津の地酒で酒盛りする相手は 友人の目立て屋

 Tさん同様に「鋸好き」若者。

鋸を楽しんでいるので、下のように 、、、、

 右側の鋸に、グラインダー砥石で マドを。

好きなればこそ! いいですねぇ

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Tさんの仕事場脇には、試し切りが出来る場所がある。

ここに、意外な人が訪れて試し切りを初体験した

中屋伝左衛門の窓鋸を求められた京都の人に、

「目立てが必要になったら Tさんに連絡してみて下さい、力になれる筈ですから」と

メールを送ったのが好転し、その人 Tani氏と行ったり来たりの交友が始まった。

Tani氏宅の薪ストーブ管理・メンテナンスをしている会社の人 K氏が Tさん宅を訪れ、

   、、 こうなった!

紹介されたブログを尋ねると、この体験談が マド鋸の魅力迄もが記されていた。

http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-2575.html

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鋸が、人と人との繋がりを生み、ささやかながらも広がっていく様を

感じる事の、幸せ感をタップリと受け止めています。


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下の写真が、なんだか分かりますか?

クリックすれば、書き込まれた文字が読めます。

なかやでんざえもん

自宅にテレビを置かない家庭の、幼い姉妹がマド鋸の形を切り抜き

「そこに書き込んで遊んでいる様子は楽しい」との事です。

こんな悦びは、お金では買えません !

交通費・宿泊費を掛け、会津入りした方との居酒屋で見せてもらった

デジカメ画面をスマホカメラで写しました。

支えられている 伝左衛門です。


 


来宅女性が縦挽き鋸を挽いた!

2019年07月15日 17時16分40秒 | #のこぎり 再活用

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いわき市の山間地から、高速道路嫌いの御主人と奥様。

1946年生まれの御主人にとって、3時間ほどの移動は楽ではない。

電話誘導で、無事に到着し、仕事場へ。

昨夜の電話では「玉切りに窓鋸を」だったが、奥様が開口一番!

「縦挽き鋸はあるか?」

不審に思い、用途を尋ねると「板を作りたいから」と。

「えぇー!」は私の気持ち。

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数日前にヤフオク出品ページから「オークションが分からない。普通に買えないか?」と質問が届いた。

質問者の評価を見ると、悪い。 悪戯の可能性あり。

ホームページURLを返信としたところ、翌日に電話があった。

長い通話で分かったのは、ヤフオク評価が悪かった原因は人格ではなかった。

質問に在った「オークションが分からない」が故だったと判断した。

長電話の中で用途を尋ねると板を作りたいからと応えたのは、女性だった

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先述のえぇー!」はこんな事情があったからでした。

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縦挽き鋸の扱いに不慣れな、先の年配女性にメール添付した画像同様に

説明して試し切りをして頂いた。

ご夫婦揃えての発声は「すごい!」でした。

おが屑の大きさにも気付き「両刃鋸と違う」とは、ニンマリ伝左衛門。

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女性が板取り目的で、ガガリ鋸を求めるなんて不思議ではないが

23年間のネット関りで、初めてでしたよ!


伊丹十三監督作品に、目立て屋が!

2019年07月13日 15時08分35秒 | #のこぎり 再活用

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隅田川と思われる川辺に、伝左衛門の仕事場並みの

家々が在り、川面には幾多の チョキと呼ばれる小舟がもやってある。

耳に入っているのは、赤ん坊の叫び泣き。

洗濯物干しの、お婆さんが気付いて、歩を運ぶ。

小さな子守神社の前で、泣き叫ぶ赤子を目にする。
「どうした どうした」と抱き上げたお婆さんは我が家へと歩む。
 
カメラはガラス戸の仕事場の中から捉える。
老職人が細長い柄の槌を手に、鋸を叩いている。
 
明らかに昭和30年代には東京にも数知れず存在した、目立て屋さん!
 
外の明かりを鋸面に取り入れての狂いを無くす仕事光景としては疑問が残るが、
伊丹十三監督が、この映像を取り入れた事に感動!!
 
主人公の貧しい生い立ちを、ストーリーの初めに使ったのでしょう。
コンクリートが無い岸辺、家々、木製の小舟。
時代背景の中に、鋸の目立て屋
 
鋸業界の変貌 ・・・・⁈ イヤイヤ
いろいろと勝手な推測を、伊丹氏の撮影現場の 一コマや、スタッフのコメント
ロケハンの苦心等を思い浮かべながら、楽しんでみよう。
 

名工 中屋助左衛門鋸に触れた!

2019年07月07日 15時32分31秒 | #のこぎり 再活用

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逸話豊富な”中屋助左衛門”の作銘を、直に見る事ができた!

会津打ち刃物保存会」を設立すべく活動していらっしゃる

山内正行氏が、数回のメールやり取りの後に「今日の都合は?」と

在住の東京から若松入りしていての、電話だった。

そして手に取ることが出来た、助左衛門鋸。

                      (この一枚は、フォトグラファー 山内正行氏・撮影)

頭部がわずかに失くなっていたが、推測するに 刃渡りは 8寸。

この形状は 枝切り鋸か?

いや、絶対に違う!

上部に見えるギザギザは、1寸に10本目数の伝左衛門の枝切り鋸。

この鋸は 11本目数。 ,,,,, それなら間違いなく枝切り鋸だろう と

思いたくなる気持ちは、分かる。

しかし!

銘を切ってある マチ部分の形状を科学してみて下さい。

左側の 湾曲。 銘の右側の隙幅

常識的切銘は マチの中央に鏨を打ちます。

 

目立てを数十回も繰り返した事で、横挽き側が 一寸ほど、狭くなった。と

考えるべきでしょう。

では、鋸の中央から左側は、どうだったのか?

マチの湾曲から推測できるのは、「刃が在った」です。

僅かに残っていた、根拠になります。

その刃が、縦挽きだったか、横挽きだったか?は決め付けられません

縦挽きだったが不要だから、また大きな損傷ができたから 、、、で

切り取った事は、私の体験からでも考えられます。

そこで山内氏からの疑問が「この時代に両刃鋸が使われていたのか?」。

面白いですねぇ!!

定説が覆るヒントを持っている鋸が、

・オークションサイトに出品されていなかったら、

・抱き合わせ出品の画像から「助左衛門」を読み取りが出来なかったら、

・職人仕事に関心を持ち、打ち刃物に興味を持っている人の目に付かなかったら、

・画像の中の、出品者がメインとした鋸は要らないが「これを!」と

 落札した、出品者からみたら「変な人」になる人が居なかったら、

何十年にも渡り、くず鉄として処分されていた大量の鋸と同じ運命だったでしょう。

 

そう思いつつ柄を片手に持ち、全体くまなく眼を遣ると感動したのですよ!

汚らしい仕事場に足を運んで下さった、山内正行氏に 感謝。

「助左衛門」とタガネを運び打ちした鋸鍛冶大先輩に 感謝。

お別れのタイミングで「居酒屋地酒」が出た。

もしかすると、難しいが十和田からの方と同席できるかも,,,,

苦手な暑い夏を乗り切れなかったら、どうにもならんぞ ! hai

 

 


大西暢夫氏からの贈り物。

2019年07月02日 14時03分38秒 | 日記
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「月刊・ガバナンス」が送付されてきた。
大西暢夫氏からの贈り物。

 



メールでの礼状送りが、あり得ない伝左衛門は便箋を広げた。
今日中に投函したい。

取材当日の雨降りの中での、四人の動きを思い出しながらペンを運んだ。
両手を揃えて、ポストに。

帰宅してPCを立ち上げると「ブログにコメント」と。
なんということでしょう!
このブログを 大西氏が読んで下さってのコメントだった。

大西暢夫さんの眼に付くことの、意識は皆無だった。 
メール送受信も多いであろうから、最小限に抑えていたくらいだから、
貴重な お時間を割いて、拙ブログを読まれるとは思っていなかった。

晩酌時の娘からの第一声は、「この頭のインパクトは凄いね!」。
「ここから演出が始まっているからだよ、次のページでは俺が役者になってるよ」は私。

上から目線の中屋伝左衛門がセリフを発している。

映画監督ならではの演出が、トップページから始まっていた。

老鍛冶屋の腰痛を おもんばかって昼休みを長くして下さった事などを
想い出しながら、再読した。

仕事場にある山中でマド鋸を挽いている男性ふたり。
一人は撮影者、もう一人が大西氏と関りがあった人だった!
その事を書籍と共に、撮影者に知って貰うことにしてラベル印字を済ませた。

いろんな体験が、いろんな知識になる。
先の進行先が分からないのが、大きな魅力と感じました。
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